壁紙の臭いの原因は4つ|張り替え直後のにおい、掃除の考え方と消臭壁紙が効く範囲

壁に手を当て、顔を近づけて壁の臭いを確かめる男性

部屋に入ったとき、なんとなく壁からこもったような臭いがする。張り替えたばかりの壁紙から、独特のにおいがする。長く暮らした家では、こうした臭いに、ある日ふと気づくことがあります。「掃除をすれば何とかなるのか」「張り替えたら解決するのか」「張り替えるなら消臭機能のある壁紙にしたほうがいいのか」と、調べ始めた方も多いと思います。

先に結論をお伝えします。壁紙の臭いは、原因によって考え方が変わります。張り替えた直後のにおいは、主に糊などの施工によるもので、換気をすれば落ち着いていくものです。一方、長く暮らすなかで付いた生活の臭いは、表面の汚れから来ているのか、壁紙の奥や下地まで染み込んでいるのかによって事情が違い、掃除でどこまで取れるかは状態次第です。その見立てはハウスクリーニングの領分で、張り替えを扱う側からは断定できません。掃除や換気を試しても気になる臭いが続くなら、張り替えと、次に貼る壁紙に消臭の機能を持たせるかどうかを、一緒に考えるという選択肢があります。

ただ、「消臭壁紙にすれば臭いの悩みが解決する」とまでは言えません。メーカーの資料を読むと、消臭壁紙は、これから貼る壁紙の表面で、決められた臭いの原因物質を吸着・分解するもので、すでに壁や下地に染み込んだ臭いを取り去るものではないからです。

この記事を読むと、次のことが分かります。

  • 壁紙の臭いの原因を4つ(張り替え直後のにおい、表面の汚れ、奥まで染み込んだ臭い、ヤニやカビなど原因がはっきりした臭い)に分ける考え方
  • 張り替え直後のにおいはいつまで続くか(サンゲツが案内している換気の期間と、化学物質が心配なときの確かめ方)
  • 臭いを掃除で何とかしたいときに知っておきたいこと(メーカーのお手入れの案内と、重曹・セスキ、消臭スプレーの扱い)
  • 消臭壁紙が何に効くのか(サンゲツが試験の対象にしている4つの物質と、効く範囲)
  • 掃除や換気を試しても臭いが気になるときの相談先の分かれ目と、張り替えを相談するときに伝えること

張り替えを考えている壁の臭いについて、どの範囲を張り替えるとよいか、消臭機能のある壁紙にするかどうかを聞いてみたい方は、電話でご相談いただけます。臭いが気になる場所や、これまでに試したことを伺い、張り替える場合の範囲と進め方をご案内します。見積もり・現地調査は無料です。

電話が難しい方はでもご相談いただけます。


壁紙の臭いの原因を4つに分けて考える

黄ばんだ壁の一角から、においを表す線が立ちのぼっている様子

ひとくちに「壁紙の臭い」といっても、その元はいくつかあります。原因が違えば、掃除を試す意味があるのか、張り替えで何が変わるのか、張り替えるなら何を確かめておくべきかも変わります。まずは、自分の家の臭いがどれに近いかの見当をつけるところから始めましょう。

張り替えた直後のにおい

壁紙を張り替えたばかりの部屋で感じる、独特のにおいです。壁紙を貼るための糊や、新しい壁紙そのもののにおいが混ざったもので、施工のあとしばらくのあいだ感じられます。

張り替え直後のにおいは、張り替えたタイミングとはっきり結びついているので、原因の見当がつけやすいのが特徴です。施工から時間がたつにつれて弱まっていくものなので、長く住んでいる家で「最近になって気になってきた」という臭いとは別物と考えてください。どのくらい換気を続ければよいかは、次の章で詳しく扱います。

壁紙の表面に付いた汚れから来る臭い

長く暮らしているあいだに、壁紙の表面にはさまざまなものが少しずつ付いていきます。調理のときの油煙、手が触れる場所の皮脂、エアコンや換気扇の風が当たる場所にたまるほこりなどです。こうした汚れが、部屋の臭いのもとになっていることがあります。

サンゲツは、エアコンや換気扇について「風があたる箇所や機器周り等は汚れが集中しやすく」として、こまめなハタキ掛けや拭き掃除を勧めています。また、表面の凹凸にたまったほこりは湿気を吸い、かびの原因にもなるとしています(出典:サンゲツ「壁紙のメンテナンス(一般ビニル壁紙)」)。

表面の汚れが原因なら、掃除を試してみる余地があります。どんな方法までを試すかは、3つめの章で整理します。

壁紙の奥や下地まで染み込んだ臭い

同じ生活の臭いでも、壁紙の表面にとどまらず、壁紙の裏側や、その下の下地にまで染み込んでいることがあります。長い年月をかけて少しずつ入り込んだ場合のほか、芳香剤のような香り付きのスプレーや、こぼした飲み物など、液体が壁にかかった場合にも起こりえます。

やっかいなのは、表面の汚れから来る臭いなのか、奥まで染み込んだ臭いなのかを、見た目で区別するのが難しいことです。見た目の汚れの多さと、臭いの残り方は、必ずしも一致しません。どちらに当たるのか、掃除でどこまで取れるのかは、壁の状態や臭いの元によって違い、張り替えを扱う側から一律には言えません。

また、部屋の臭いの元が、壁だけとは限らない点も覚えておいてください。床やカーテン、エアコンの内部など、壁以外のところから臭いが出ていることもあります。

ヤニやカビなど、原因がはっきりしている臭い

原因がはっきりしている臭いもあります。代表的なのは、タバコのヤニとカビです。

室内でタバコを吸う方がいる、あるいは以前いた部屋で、壁や天井が黄色っぽく変わり、こもったような臭いがするなら、ヤニが考えられます。ヤニは壁紙の表面だけでなく、内部や下地にまで染み込んでいることがあり、張り替えるときに確かめておきたいことがあります。ヤニが濃く出やすい場所と、張り替えるときに見積もりで確認したいことは、壁紙のヤニ・タバコ汚れは掃除で落ちる?張り替えに切り替える4つのサインと見積もりの確認点で詳しく扱っています。

かび臭い、湿っぽい臭いがする場合は、カビを疑います。北側の部屋の外に面した壁、窓まわり、押入れやクローゼットの中、家具の裏など、湿気がこもりやすい場所に黒っぽい点や黒ずみが出ていないかを見てみてください。カビは壁紙の裏や下地に広がっていることがあり、張り替えるなら下地の状態を確かめてもらうことが大切です。カビの張り替えで必要になる処置と費用の目安は、壁紙のカビは張り替えだけで直る?下地の防カビ処置と費用の目安を解説で扱っています。

張り替え直後のにおいはいつまで続くか

壁紙を張り替えた部屋で窓を開け、カーテンが風に揺れている様子。床には踏み台と壁紙用の刷毛

張り替えたあとのにおいは、施工の直後がいちばん強く、換気をするほど落ち着いていきます。ここでは、どのくらい換気をすればよいかと、においが化学物質の心配につながるときの考え方を整理します。

換気で落ち着いていく。サンゲツは1週間程度の換気を案内している

張り替えた当日から、窓を開けて換気をしましょう。においの残り方や感じ方には個人差があり、いつまで続くかは一律には言えません。においに敏感な方には、翌日以降もしばらく気になることがあります。

サンゲツは、壁紙の一般的な注意事項として、「施工時の臭いが残る場合がありますので入居後(施設利用開始後)、一週間程度は十分に換気を行ってください」と案内しています(出典:サンゲツ「壁紙のメンテナンス(一般ビニル壁紙)」)。においが気にならなくなったように感じても、張り替えた部屋を使い始めてから1週間程度は、十分に換気を続けておくと安心です。

夏や冬に窓を閉め切っていると、においがこもりやすくなります。季節ごとの施工の注意点は、壁紙・クロス張り替えに適した季節は?一年中できる理由と、避けたい2〜3月にまとめています。

化学物質が心配なら、等級の表示と糊を確かめる

張り替えたあとのにおいが、体への影響につながらないか心配になる方もいると思います。壁紙には、ホルムアルデヒドの放散量による等級の表示があり、もっとも放散量が少ない区分は「F☆☆☆☆」と表されます。壁紙と糊は別の製品で、糊にも糊の基準があります。

壁紙の等級と糊は、使う予定の製品について見積もりのときに聞けば確かめられます。等級の確かめ方や、法律が換気をどう位置づけているかは、壁紙とアレルギーは別々の2つの話|F☆☆☆☆の確かめ方と、抗アレル壁紙が効く範囲で扱っています。

においに敏感なら、段取りを事前に相談する

ご自身や一緒に暮らす方がにおいに敏感な場合は、施工の日の過ごし方を事前に決めておくと安心です。施工の日は窓を開けておける季節を選ぶ、その日はほかの部屋で過ごす、張り替える部屋を寝室にしている方は数日は別の部屋で休む、といった段取りが考えられます。

工事を頼んでいない部屋では、作業中も普段どおり過ごせることが多いものです。施工当日の流れと、住みながら張り替えるときのポイントは、壁紙の張り替えは住みながらでもできる?1〜2日で完了する当日の流れと3つのポイントを解説が参考になります。

臭いを掃除で何とかしたいときに、知っておきたいこと

長く暮らすなかで付いた臭いに気づくと、まずは掃除で何とかしたいと考えるのが自然です。ただ、「壁紙 臭い取り」と検索すると、重曹やセスキ炭酸ソーダ、消臭スプレーなど、さまざまな方法が出てきます。手を動かす前に、壁紙メーカーがお手入れとして何を案内しているかを確かめておくと、壁紙を傷めずに済みます。

メーカーが案内しているお手入れは、水拭きと中性洗剤が基本

汚れが付いたときに壁紙メーカーが案内しているのは、水拭きと中性洗剤が基本で、壁紙の種類や汚れによって消毒用アルコールが挙げられている程度です。

たとえばサンゲツは、一般的なビニル壁紙の日常の手入れについて、ほこりはこまめにハタキ掛けや乾いた布で拭き取り、軽い汚れは「水拭きや洗剤(薄めた中性洗剤等)で落とすこともできます」としたうえで、拭いたあとは水分や洗剤が残らないよう乾拭きするよう案内しています。汚れが付いた場合も、固く絞ったスポンジやタオルで拭き取り、落ちにくいときは中性洗剤を使い、壁紙の表面に残った洗剤は真水かぬるま湯で拭き取るよう書いています。そして「有機溶剤、漂白剤、研磨剤は使用しないでください」としています(出典:サンゲツ「壁紙のメンテナンス(一般ビニル壁紙)」)。

臭いが気になると、除菌や消臭をうたう漂白剤に手が伸びることもあるかもしれませんが、漂白剤はサンゲツがこのように名指しで使わないよう書いているものです。漂白剤と壁紙の関係は、壁紙に漂白剤は使える?サンゲツは名指しで「使用しないで」、ハイターも用途は衣料で詳しく取り上げています。

サンゲツのこの資料には、臭いを取ることを目的にした掃除の方法は書かれていません。案内されているのは、あくまで汚れを拭き取る手入れです。ですから、表面の汚れが臭いのもとになっていそうなら、この範囲で汚れを拭き取ってみる、というのが壁紙を傷めない試し方になります。拭いたあとは、窓を開けて換気をし、早めに乾かしてください。水拭きしてよいかは壁紙の種類によっても違います。織物や和紙の壁紙の場合は、壁紙は水拭きしていい?ビニールクロスはOK、織物・和紙はNGな理由を先に確かめてください。自分の家の壁紙がどの種類か分からないときの確かめ方は、壁紙の種類は代表的な4つ|住宅用の約9割はビニールクロス、分からないときの確かめ方にあります。

重曹・セスキ・アルカリ電解水は、メーカーの案内に出てこない

重曹は、消臭に使える身近なものとして知られています。セスキ炭酸ソーダやアルカリ電解水も、掃除に使う方が多いものです。ただ、重曹・セスキ炭酸ソーダ・アルカリ電解水は、いずれも壁紙メーカーのお手入れの案内には出てきません。重曹は粉のままこすると、研磨作用で壁紙の表面を傷めるおそれもあります。

重曹の容器に「消臭」と書かれていても、それは製品として挙げている用途の話で、壁紙に使ってよいという意味ではありません。それぞれを壁紙に使えるかどうか、メーカーや製品の表示が何と書いているかは、次の記事で扱っています。

消臭スプレーや除菌スプレーを、壁に吹きかける前に

市販の消臭スプレー(たとえばファブリーズなど)を、壁に吹きかけてみようと考える方もいると思います。製品ごとに使える素材と使えない素材が表示に書かれているので、消臭スプレーを使う前に、壁紙が対象に入っているかを製品の表示で確かめてください。

壁紙の側から見ると、サンゲツは注意事項として、殺虫剤や塗料などの「スプレー式の薬品」や化粧品を壁紙に付着させないよう呼びかけ、「種類によっては付着した色が落ちなくなったり壁紙が変色したりすることがあります」としています。また、消毒用アルコールや次亜塩素酸水などで除菌した場合は、「かならず拭き残しがないように拭き取ってください。退色や変色の恐れがあります」と書いています(出典:サンゲツ「壁紙のメンテナンス(一般ビニル壁紙)」)。この除菌の項目は、除菌したあとの拭き取りについての注意で、除菌に使ってよいと勧める記述ではありません。消臭スプレーが名指しされているわけではありませんが、壁紙にスプレーで何かを吹きかけることは、サンゲツのこの資料のお手入れの案内には入っていない、ということは知っておいてください。

香り付きのスプレーそのものが、壁の臭いの原因になることもあります。芳香剤のような香り付きのスプレーを壁に吹きかけたあと、その臭いが残ってしまい、壁紙の張り替えを依頼された事例もあります(この事例は、最後の章で紹介します)。臭いを別の香りで覆おうとする前に、まず臭いの元がどこにあるのかを考えてみるほうが、遠回りに見えて確実です。

消臭壁紙は、どこまで効くのか

掃除を試しても臭いが気になり、張り替えを考え始めると、「次は消臭機能のある壁紙にしたほうがいいのでは」と思う方もいるでしょう。ここでは、メーカーの資料をもとに、消臭壁紙が何に効くものなのかを整理します。

サンゲツの消臭タイプが試験の対象にしている4つの物質

サンゲツには、汚れ防止の性能を持つ表面のフィルムに消臭剤を練り込んだ「フィルム汚れ防止 消臭タイプ」という壁紙があります。仕組みについて、サンゲツは「フィルムに練りこまれた消臭剤、抗菌剤が悪臭原因物質と化学反応し吸着し分解することで、消臭効果が得られる仕組みです」と説明し、効果は「環境によって異なりますが、約5~10年間持続します」としています。

消臭性能試験の対象として挙げられているのは、次の4つの物質です(出典:サンゲツ「フィルム汚れ防止 消臭タイプ」)。

  • ホルムアルデヒド(建材などのニオイ)
  • アセトアルデヒド(タバコ臭など)
  • アンモニア(トイレ臭・ペット臭など)
  • メチルメルカプタン(生ゴミ臭・トイレ臭など)

つまり消臭壁紙は、あらゆる臭いに効くものではなく、決まった臭いの原因物質を対象に性能が確かめられているものです。部屋で気になっている臭いが、この中のどれに近いかを考えてみると、消臭壁紙を選ぶ意味があるかどうかの見当がつけやすくなります。トイレの臭いが気になって張り替えを考えている場合は、トイレの壁紙掃除は中性洗剤まで|便器用の酸性洗剤を壁に使ってはいけない理由で、トイレの壁紙の手入れと、次に貼る壁紙の選び方を取り上げています。

効くのは、これから貼る壁紙の表面での話

ここで押さえておきたいのは、消臭の仕組みが「表面のフィルムに練り込まれた消臭剤」によるものだという点です。消臭壁紙は、張り替えたあとの部屋で、壁紙の表面に触れた臭いの原因物質に働く、予防的な機能と考えるのが、メーカーの説明の範囲に合っています。

たとえば、対象物質にはタバコ臭のアセトアルデヒドが含まれていますが、これは、これから貼る壁紙の表面での話です。すでに古い壁紙や下地に染み込んだヤニの臭いを、消臭壁紙が取り去ってくれるわけではありません。ヤニが下地にまで染み込んでいる場合に張り替えで確かめておきたいことは、先ほどのヤニの記事で扱っています。

同じように、下地に残った臭いや、壁以外のところから出ている臭いには、消臭壁紙の機能は届きません。消臭壁紙は、臭いの悩みを解決する決め手というより、張り替えのときに選べる選択肢の一つとして考えておくのが現実的です。

リリカラは「臭いを完全になくすことを保証するものではない」と明記している

もう1社見ておきます。リリカラの「壁紙機能性ガイド」には「消臭効果がある」という分類があり、消臭と汚れ防止を兼ねたPPフィルム加工の「消臭+汚れ防止」と、光触媒と消臭剤を組み合わせた「消臭 air*refre」の2つが挙がっています。おすすめの使用場所として、前者には「水汚れや臭いが気になる洗面廻り・トイレ」「飲食物の汚れや臭いが気になるLDK・飲食店舗」など、後者には「臭いが気になるトイレ・水廻り」「生活悪臭が気になるLDK・ペット住宅」などが挙げられています(出典:リリカラ「壁紙機能性ガイド」)。

それぞれの詳細資料には、対象にしている臭いが、ペットやトイレの臭い(アンモニア・硫化水素)、タバコの臭い(アセトアルデヒド・酢酸・硫化水素・ピリジン)、新築・リフォーム時の建材臭(ホルムアルデヒド)、生ゴミなどの生活悪臭(アンモニア・硫化水素・トリメチルアミン・メチルメルカプタン)などと、物質名とともに挙げられています。そのうえでリリカラは、使用上の注意として「消臭機能は臭いを完全になくすことを保証するものではありません」と書いています。「消臭 air*refre」の資料には、あわせて「臭いの感じ方には個人差があり、効果は環境によって異なります」とあります(出典:リリカラ「消臭+汚れ防止」詳細資料、リリカラ「消臭 air*refre」詳細資料)。

2社の資料を合わせて読むと、消臭壁紙は、決まった臭いの原因物質に対して性能が確かめられた機能で、臭いを完全になくすものとしては案内されていない、ということになります。消臭の壁紙を検討するときは、見本帳や製品の資料で、その品番が何の臭いを対象にしているのかを確かめておくとよいでしょう。

消臭壁紙にするかどうかは、張り替えの見積もりで一緒に聞ける

消臭や汚れ防止のような機能を持たせた壁紙は、量産品と呼ばれる標準的なグレードではなく、1000番台と呼ばれるグレードの見本帳に収録されていることが多いものです。量産品と比べれば材料の単価は上がりますが、「消臭だから特別に高い」というより、まずはグレードの差として考えるものです。ただし、品番によっては施工の手間が変わることもあります。たとえばリリカラは、「消臭+汚れ防止」について、表面にフィルムを貼り合わせた製品のため一般的なビニル壁紙より施工が難しく、施工費が割増になる場合がある、また、フィルムのツヤで下地が目立ちやすいので天井には不向き、と書いています(出典:リリカラ「消臭+汚れ防止」詳細資料)。

部屋全体を消臭壁紙にするか、臭いが気になる面だけにするかといった使い分けも、見積もりのときに相談できます。張り替える面積と選ぶ品番で金額が決まるので、量産品で張り替えた場合との差を聞いてみるのが確実です。グレードごとの価格差と選び分けの考え方は、量産クロスと1000番クロスの違い|価格差は6畳で約1万円、部屋ごとの選び分け方で解説しています。

掃除や換気を試しても、臭いが気になるなら

ここまでの内容を踏まえて、それでも臭いが気になる場合に、誰に何を相談すればよいかを整理します。

掃除で取りたいならハウスクリーニング、張り替えるなら壁紙の業者

まず押さえておきたいのは、相談先の分かれ目です。今の壁紙のまま、掃除で臭いを取りたいのであれば、相談先はハウスクリーニングの業者です。その臭いが掃除でどこまで取れるかの見立ては、ハウスクリーニングの専門領域で、張り替えを扱う業者には判断できません。

張り替えを扱う業者で答えられるのは、張り替えるとしたら、どの範囲が対象になり、いくらかかるか、どんな壁紙を選べるか、というところまでです。臭いのことを相談したいとき、知りたいのが「掃除で取れるか」なのか、「張り替えるとどうなるか」なのかで、聞く相手を変えてみてください。壁紙のクリーニングを頼む場合の料金の目安や、張り替えとの比べ方は、壁紙クリーニングの料金は20㎡以下で11,000円|6畳が枠に収まらない理由と張り替えとの比べ方で扱っています。

張り替えは選択肢になるが、臭いが消えるとは限らない

掃除や換気を試しても臭いが気になるなら、張り替えは選択肢の一つになります。古い壁紙を剥がして新しくするので、壁紙そのものに付いた臭いの元を、剥がした壁紙と一緒に部屋から出すことにはなります。

ただ、張り替えれば臭いが必ず解決する、とは言い切れません。臭いが下地にまで染み込んでいる場合や、臭いの元が壁以外にある場合は、張り替えたあとも臭いが残ることがあります。香り付きのスプレーの臭いが残った壁を、既存の壁紙の剥がし・下地の消臭処理・張り替えの3回に分け、ご家族に臭いの変化を確かめていただきながら進めた事例があります。張り替え後、ご両親からは臭いについて問題ないとのお声をいただいた一方、臭いを強く気にされていた息子様には、完全には納得いただけませんでした。同じ部屋でも臭いの感じ方には個人差があります。また、施工した業者からは、壁ではなく床やエアコンなどから臭いが出ている可能性もある、という見立てがありました。経緯は、【施工事例】東京都八王子市:香り付きスプレーの臭いが残った壁の対策|剥がし・消臭処理・張り替えを3回に分けて施工で紹介しています。

どこまで対策できそうかは、壁の状態や臭いの元によって違います。現地調査で状態を見たうえで、張り替える範囲や進め方を相談するのが確実です。

張り替えを相談するときに伝えること

張り替えを相談するときは、次のようなことを伝えておくと、現地調査で状態を見る手がかりが増えます。

  • 臭いに気づいたのはいつごろからか(最近急に気になり出したのか、以前からか)
  • 臭いが気になる場所(部屋全体か、特定の面だけか、天井もか)
  • どんな臭いか(こもったような臭い、かび臭い、タバコの臭い、香りが残っている、など)
  • 室内でタバコを吸う方がいる、あるいは以前いたか
  • これまでに試したこと(水拭き、中性洗剤、消臭スプレー、換気など)
  • 次に貼る壁紙に、消臭の機能を持たせることを考えているか

自分で試した掃除や消臭スプレー、換気のことは、隠さず伝えてかまいません。何をどのくらい試したかが分かると、壁紙の表面の状態を見る判断の助けになります。また、臭いが気になる部屋を見てもらうついでに、ほかに気になっている壁があれば一緒に伝えておくと、張り替える範囲を場所ごとに比べながら決めやすくなります。

まとめ

壁紙の臭いについて、原因の分け方と、原因ごとの考え方を整理します。

  • 壁紙の臭いの原因は、張り替え直後のにおい、表面に付いた汚れ、壁紙の奥や下地まで染み込んだ臭い、ヤニやカビなど原因がはっきりした臭い、の4つに分けて考えると整理しやすい。部屋の臭いの元が壁だけとは限らない
  • 張り替え直後のにおいは、換気で落ち着いていく。サンゲツは入居後1週間程度は十分に換気するよう案内している。化学物質が心配なら、F☆☆☆☆の表示と糊を見積もりのときに確かめる
  • 掃除を試すなら、壁紙メーカーが案内している水拭きと中性洗剤が基本。重曹・セスキ・アルカリ電解水はメーカーの案内に出てこない。消臭スプレーは、製品の表示で壁紙が対象に入っているかを確かめる
  • サンゲツの消臭タイプは、ホルムアルデヒド・アセトアルデヒド・アンモニア・メチルメルカプタンの4つを試験の対象にしている。効くのは、これから貼る壁紙の表面での話で、すでに下地に染み込んだ臭いを取り去るものではない
  • 掃除で臭いを取りたいならハウスクリーニング、張り替えるなら壁紙の業者が相談先。張り替えで臭いが必ず解決するとは言い切れないので、現地調査で状態を見て相談する

臭いは目に見えないぶん、原因の見当をつけるのが難しい悩みです。どの原因に近いかを考え、掃除や換気を試してもなお気になるようなら、張り替えと、次に貼る壁紙の選び方をあわせて相談してみてください。いつから・どこで・どんな臭いか、何を試したかを伝えていただければ、張り替える場合の範囲と費用を、現地で壁を見たうえでご案内します。

掃除や換気を試しても壁の臭いが気になり、張り替えを考えている方は、電話でご相談ください。臭いが気になる場所や、これまでに試したことを伺い、現地調査で壁の状態を見たうえで、張り替える範囲と費用、消臭機能のある壁紙を選ぶ場合の違いをご案内します。見積もり・現地調査は無料です。

電話が難しい方はでもご相談いただけます。

この記事の執筆者

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氏名:松田郁幾
実績:壁紙張り替えを中心に、これまで多くのお客様・職人と関わってきました。
この記事について:現場で見聞きした実例をもとに、誇張せず、実践的な視点で解説しています。

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