
壁紙を張り替えると決めたものの、何色にすればよいのかが決められない。今と同じ白にしておくのが無難な気もするけれど、せっかく張り替えるなら少し雰囲気を変えてみたい。かといって、色を変えて床や家具とちぐはぐになったらどうしよう。次に張り替えるのは何年も先なので、失敗はしたくない。そんなふうに迷っている方は多いと思います。
先に結論をお伝えします。壁紙のベースの色は、今の床やドアの色に合わせて選ぶと失敗しにくくなります。壁紙メーカーのサンゲツは、床の色ごとに合う壁紙の色を、「こげ茶などの床にはグレー系」「黄・赤みのある床にはベージュ系」「白〜茶〜黒の床には白系」という形で示しています。張り替えでは、床やドアはそのまま残ることがほとんどです。いま家にある床やドアの色を基準にすれば、色選びの迷いはかなり絞り込めます。
そのうえで、床・壁・天井の明るさのバランスを考え、見本帳では少し濃いめを選ぶ。この順番で考えれば、「貼ってみたら思っていたのと違った」という失敗は避けやすくなります。
この記事を読むと、次のことが分かります。
- どんな部屋にしたいかを先に決め、今ある床・ドア・家具のうち残るものを確かめる
- 床の色調に合わせた壁紙の基本色(グレー系・ベージュ系・白系)の選び方と、汚れの目立ち方との付き合い方
- 家具やカーテンも含めた色の数の目安
- 床→壁→天井の明るさのバランスと、天井の色を変えるときの考え方
- 見本帳で選ぶときの確認ポイント(壁一面だと明るく淡く見える、大きなサンプル、昼と夜の光、壁紙のグレード)
- 汚れ防止などの機能性壁紙と色の兼ね合い
- 1面だけ色を変えるアクセントクロスという方法
読み終えるころには、「何色にしたらいいか分からない」という迷いが、「うちの床ならこの方向の色で、見本帳から選びたい」という具体的な相談に変わっているはずです。
張り替えを考えている部屋に何色が合いそうか、見本帳を見ながら一緒に絞り込みたい方は、電話でお尋ねください。お部屋の床やドアの色、ご希望の雰囲気を伺ったうえで、選び方をご案内します。見積もり・現地調査は無料です。
電話が難しい方はメールでもご相談いただけます。
どんな部屋にしたいかを先に決める

壁紙の色を選ぶとき、いきなり見本帳を開くと、数百種類の色の中で迷ってしまいます。色を選ぶ前に、決めておきたいことが2つあります。
部屋でどう過ごしたいかを言葉にしておく
サンゲツは、壁紙選びのポイントの最初に「どのような部屋にしたいかイメージしましょう」を挙げ、「お部屋での過ごし方や、身のまわりの家具、雑貨などをイメージ。自分のライフスタイルに合わせてインテリアスタイルを決めましょう」と書いています(出典:サンゲツ「壁紙選びのポイント」)。
難しく考える必要はありません。どんな部屋にしたいかは、短い言葉で決めておけば十分です。たとえば「明るく広々と見せたい」「落ち着いて過ごしたい」「今の家具に合う、なじむ色にしたい」くらいです。同じ壁紙の張り替えでも、人が集まるリビングなら明るさや開放感を、寝室なら落ち着きを優先する、というように、部屋の使い方で向いている方向が変わります。
この一言が決まっていると、見本帳を見るときに「この色は明るくしたい部屋に合うか」という物差しで候補を絞れます。業者と相談するときも、「この部屋は落ち着いた感じにしたい」と伝えるだけで、見本帳のどのあたりから見ればよいかが早く決まります。
張り替えでは、床やドアは「今あるもの」が基準になる
新築の家づくりなら、床も壁もドアも一緒に選べます。インターネットで見かける色選びの記事の多くは、この新築の前提で書かれています。
ところが壁紙の張り替えでは、多くの場合、床やドア、窓枠、収納の扉はそのまま残ります。家具やカーテンも、張り替えを機にすべて買い替えるという方は多くないでしょう。つまり、張り替えの色選びは、「今ある床やドア、これからも使う家具に合う壁紙の色はどれか」を探す作業になります。
ですから、見本帳を開く前に、残るものと変えるものを分けておきましょう。床は今のままか、カーテンは替える予定があるか、大きな家具は使い続けるか。残るものの色を確かめておくことが、色選びの出発点になります。床やドアの色をスマートフォンで写真に撮っておくと、見本帳を見るときに見比べやすくなります。
床やドアの色に合わせて、壁紙の基本色を決める

壁紙は、部屋の中でいちばん面積が広い場所です。サンゲツも「部屋の中で一番面積が広くなる壁紙は、インテリアのイメージを左右する重要なアイテムです」と書いています(出典:サンゲツ「壁紙選びのポイント」)。その壁紙の色を、何に合わせて決めるかを見ていきます。
床の色調ごとに、合う壁紙の色がある
サンゲツは、「床材やドアの色調と合わせて基本色を考えましょう」として、次のように説明しています。「木目の色調は、赤味、黄味、グレー味のあるものなど、さまざまです。壁紙の基本色を木目の色調に合わせることで、お部屋に統一感が生まれます」(出典:サンゲツ「壁紙選びのポイント」)。
そのうえで、床の色と壁紙の色、仕上がりのイメージの組み合わせを3つ示しています(出典:同上)。
- 無彩色〜こげ茶の床+グレー系の壁紙→モダン系・シック系
- 黄・赤系の床+ベージュ系の壁紙→ナチュラル系・ベーシック系
- 白〜茶〜黒の床+白系の壁紙→ベーシック系・モダン系
たとえば、こげ茶のフローリングの部屋なら、グレー系の壁紙で落ち着いたシックな雰囲気にまとめる、という選び方ができます。黄みや赤みのある明るい木目の床なら、ベージュ系の壁紙がなじみやすく、ナチュラルな雰囲気になります。白系の壁紙は、白から黒まで幅広い床に合わせられる組み合わせとして挙げられています。
迷ったときは、まず自分の家の床がこの3つのどれに近いかを見てみてください。床の木目を近くで見ると、赤っぽいのか、黄色っぽいのか、グレーがかっているのかが分かります。その床に合う壁紙の色の方向が決まれば、見本帳で見るページもかなり絞れます。
床だけでなく、ドアや窓枠の色も見る
サンゲツが挙げているのは「床材やドアの色調」です(出典:同上)。壁紙は、床だけでなく、ドアや窓枠、収納の扉、巾木(壁の下端に付いている細い板)とも接しています。
床とドアが同じような色の家なら、その色に合わせれば済みます。床は明るい木目なのにドアは濃い茶色、というように、床とドアの色が違う場合は、目に入りやすいほうを優先して考えると決めやすくなります。部屋に入ったときに正面に見えるほう、面積が大きいほうが目安です。どちらにもなじみやすい色を探したいときは、両方の写真を見せながら相談すると、候補を挙げてもらいやすくなります。
白・ベージュ・グレーで迷ったときの考え方
ベースの色として選ばれることが多いのは、白・ベージュ・グレーの3つです。どれも主張が強すぎず、比較的合わせやすい色ですが、上の組み合わせのとおり、合わせやすい床の色が違います。
白系は、多くの床に合わせやすく、部屋を明るく見せやすい色です。ひと口に白といっても、真っ白に近いもの、少し黄みのあるアイボリー、少しグレーがかったものなどがあり、同じ「白」でも床や家具とのなじみ方が変わります。ベージュ系は、黄・赤みのある木目の床と組み合わせると、やわらかくナチュラルな印象になります。グレー系は、こげ茶や無彩色の床と組み合わせると、落ち着いた、引き締まった印象になります。
色を選ぶときに「汚れが目立ちにくい色がいい」と考える方もいるでしょう。色によって汚れの目立ち方の印象は変わる、とはよく言われます。ただ、壁紙メーカーが汚れへの強さとして説明しているのは、色ではなく表面の加工です。たとえばサンゲツは、汚れ防止の壁紙の一つ(フィルム汚れ防止壁紙 バリアタイプ)について「エバール®フィルムを表面にラミネート加工しており、付着した汚れが拭き取りやすくキズにも強い壁紙です」と説明しています(出典:サンゲツ「汚れやキズに強いタイプ」)。汚れが気になるなら、色はあくまで好みと床とのなじみで選び、汚れへの強さは表面の機能で選ぶ、と分けて考えると整理しやすくなります(機能性の壁紙については、後の章で触れます)。
家具やカーテンも含めて、色の数を絞る
壁紙の色は、壁紙だけで決まるものではありません。部屋には、床や天井のほかに、家具やカーテン、ソファ、ラグといった、色を持つものがたくさんあります。
インテリアの配色では、面積の広い部分の色を部屋全体の70%ほど、家具やカーテンなどの色を25%ほど、小物などの差し色を5%ほどにする、という配分がよく目安として挙げられます。厳密な決まりではありませんが、部屋の色の印象の大部分は、壁や床のような広い面で決まる、ということを表した目安です。
壁紙メーカーも、色の数を絞ることを勧めています。サンゲツは「室内の色は3色までにまとめるよう意識することも重要なポイントです。ベースカラー1色に加え、あと2色をどう配置するかを考えていくとよいでしょう」と書き、配色例として「白:ベースの壁紙」「ブラウン:家具」「グリーン:アクセントクロス、カーテン」を挙げています(出典:サンゲツ「アクセントクロスとは? 効果やメリット、選び方を徹底解説」)。
部屋の色を数えるときは、床の色も1色として数に入れておきましょう。たとえば、白い壁紙に茶色のフローリングと木の家具、という部屋なら、すでに白と茶色の2色があり、残りはあと1色です。張り替えでは床が残ることが多いので、床の色を先に数に入れてから、壁紙の色と、カーテンなどに使う残りの1色を考えると、雑然とした印象になりにくくなります。残りの1色をカーテンと1面だけのアクセントクロスで共有する、といった考え方は、アクセントクロスの失敗例は3つ|面積は壁の2〜3割・色は3色まで、見本帳は少し濃いめを選ぶで詳しく扱っています。
床・壁・天井の明るさのバランスで、部屋の印象が変わる
壁紙の色を考えるとき、壁だけを見て決めてしまいがちです。けれど部屋の印象は、床・壁・天井の3つの面の明るさの組み合わせで大きく変わります。
上にいくほど明るくすると、広く見える
サンゲツは、床・壁・天井の色のバランスについて、次のように書いています。「①床→②壁→③天井の順に、上にいくほど明るくすると天井が高く広く感じられます。逆に、天井を一段暗くすると、空間に落ち着きがでます」(出典:サンゲツ「壁紙選びのポイント」)。
多くの住まいは、床が木目の茶系、壁と天井が白系という組み合わせで、床がいちばん暗く、壁と天井が明るい、という「上にいくほど明るい」形になっています。壁紙を張り替えて壁の色を少し濃くする場合も、天井を壁より明るく保っておけば、この形は崩れません。リビングのように広さや開放感を大事にしたい部屋では、床→壁→天井の順に上ほど明るくする、という順番を意識しておくと安心です。
逆に、壁を床より暗い色にしたり、天井を壁より濃くしたりすると、部屋は引き締まった印象になる一方で、狭く感じやすくなります。濃い色を使いたい場合は、すべての壁ではなく1面だけにする、という方法もあります(後の章で触れます)。
天井を一段暗くすると、落ち着いた部屋になる
天井を一段暗くする方法は、広さよりも落ち着きを優先したい部屋で使える考え方です。サンゲツも、天井を一段暗くすると「空間に落ち着きがでます」と書いています(出典:同上)。たとえば、書斎や寝室のように、ゆっくり過ごしたい部屋がこれにあたります。
一方で、天井を暗くするのは、先ほどの「上にいくほど明るくすると広く見える」と反対の向きです。落ち着きと引き換えに、天井が低く、部屋が狭く感じられやすくなります。もともと天井の低さが気になっている部屋なら、天井の色は白のまま残し、壁の色を少し落ち着いたものにするだけでも、雰囲気は十分に変わります。天井の色を変えるかどうか迷ったら、壁用と天井用の見本を手元で重ねてみて、差が強すぎないかを確かめてみてください。
寝室は横になって天井を見上げる部屋なので、天井の色の効き方がほかの部屋と違います。寝室に向く色や天井の色の考え方は、寝室の壁紙は何色がいい?メーカーが勧める落ち着いた色の選び方と、6〜8畳で5万〜9万円の張り替え費用にまとめています。
天井の色も変えるなら、天井も一緒に張り替える
天井の色を変えたい場合は、天井も壁紙を張り替えることになります。壁の色だけを変えて天井は今のまま、という場合も、今の天井の色と新しい壁の色が合うかを見ておく必要があります。長く住んでいる家では、天井の壁紙も年数がたって色が変わっていることがあり、壁だけが新しく白くなると、天井の古さがかえって目立つこともあります。
天井を壁と同時に張り替える場合の差額は、6畳ほどの部屋で2万円程度が一つの目安です(天井の広さで変わります)。ただしこれは、天井に白い量産品を貼る場合の目安です。天井の色を変えるために1000番台の壁紙を選ぶと、天井の面積の分だけ材料の差が加わります(グレードの差は、次の章で触れます)。一方、壁が終わってから天井だけを別に頼むと、天井だけでも最低料金がかかります。天井の色まで含めて考えるなら、見積もりの段階で「天井も一緒にした場合」の金額を聞いておくと判断しやすくなります。天井を壁と同時にするか後回しにするかの違いは、クロス張り替えで天井もやるべき?壁と同時なら追加2万円、後回しは割高になる理由で詳しく扱っています。
見本帳で選ぶときに確かめたいこと
色の方向が決まったら、具体的な品番は見本帳で選びます。張り替えでは、多くの場合、業者が持参する見本帳から選ぶことになります。ここで起きやすいのが、「見本で見たときと、貼ってからの印象が違う」という失敗です。
壁一面に貼ると、見本より明るく淡く見える
サンゲツは「カタログで見るより実際の仕上がりは明るく、淡く見えることがあります」と書いています(出典:サンゲツ「壁紙選びのポイント」)。張り替えの現場でも、見本より壁一面に貼ったときのほうが明るく淡く見える、ということはよく知られています。
見本で「ちょうどいい濃さ」と思った色が、壁に貼ると思っていたより白っぽく、ぼやけて見えることがあります。そのため、見本帳で2つの色で迷ったら、少し濃いほうを選ぶと、「思ったより薄かった」という失敗を避けやすくなります。白系の壁紙でも同じで、真っ白に近いものより、少しだけ色みのあるものを選んでおくと、貼り上がりが落ち着いて見えることがあります。
なるべく大きなサンプルで、壁に当てて見る
サンゲツは同じページで「なるべく大きなサンプルで確かめましょう」と勧めています(出典:同上)。小さな見本では、色の見え方だけでなく、表面の凹凸などの質感も分かりにくいからです。
ただ、業者を通して大きなサンプルを個別に取り寄せる場合、手数料がかかったり、取り寄せに対応していなかったりすることもあります。取り寄せを考えるなら、見積もりの際に対応できるかを聞いてみてください。
見本帳の見本しかない場合でも、見方を工夫することはできます。見本は、机の上ではなく、貼る予定の壁の前で、壁に当てて見るのがコツです。床やドア、家具との組み合わせを、その場で確かめられます。見本帳だけで決めきれないときは、壁紙メーカーのショールームで実物の色や質感を確かめるという方法もあります。カーテンを新しくしたのをきっかけに、ショールームで確かめた柄でリビングの壁1面を張り替えた例は、【施工事例】兵庫県尼崎市:カーテンの新調に合わせてリビングの壁1面をアクセントクロスに|ショールームで選んだ柄で1日で施工で紹介しています。
昼の光と、夜の照明の両方で見る
同じ壁紙でも、窓から光が入る昼間と、照明をつけた夜とでは、色が違って見えることがあります。昼間に「明るくていい色」と思った見本が、夜の照明の下では思っていたより暗く、あるいは違う色みに見えることもあります。
見本を借りられる場合は、昼と夜の両方で、貼る予定の壁に当てて見てみてください。リビングのように昼間に過ごす時間が長い部屋は昼の光を、寝室のように夜に過ごす時間が中心の部屋は夜の照明を、特に重視して見ると、暮らし始めてからの「思っていたのと違う」を減らせます。
色で選びたいなら、壁紙のグレードも関係する
張り替え用の壁紙には、量産品と呼ばれる標準的なグレードと、1000番台と呼ばれる一つ上のグレードがあります。量産品は白やアイボリーの無地が中心です。グレーやベージュなど、はっきり色のついた壁紙の選択肢は、量産品より1000番台のほうがずっと多くなります。同じ白でも、青み・黄み・グレーみのあるものから選び分けたい場合も、1000番台のほうが候補が広がります。
量産品と標準的な1000番台の差は、1㎡あたり数百円ほどが一般的です。たとえば1㎡あたり330円(税込み)の差なら、6畳の壁(約30㎡)で1万円前後の差になります。来客の目に触れるリビングや、色にこだわりたい部屋は1000番台から、収納の中や普段使わない部屋は量産品の白系で、というように、部屋ごとに分けて考える方法もあります。グレードごとの違いと、部屋ごとの選び分けは、量産クロスと1000番クロスの違い|価格差は6畳で約1万円、部屋ごとの選び分け方で詳しく扱っています。
機能性の壁紙を選ぶなら、色・柄と一緒に考える
サンゲツは、壁紙選びのポイントの一つとして「汚れ防止、消臭、吸放湿など、お部屋の用途に合わせた機能性をセレクトしましょう」と書いています(出典:サンゲツ「壁紙選びのポイント」)。色を選ぶ段階で、機能性の壁紙を使うかどうかも一緒に考えておくと、あとから選び直す手間が省けます。
機能を選ぶと、選べる色・柄の範囲が変わることがある
たとえば汚れ防止の壁紙は、一般的な壁紙に比べて選べる柄の数が限られます。気に入った色を見つけたけれど、その色には汚れ防止のものがない、ということは起こり得ます。その場合は、機能を優先するか、色を優先するかを決めることになります。
見本帳を見る段階で「キッチンなので、汚れが拭き取りやすいものの中から選びたい」のように、場所と困りごとを伝えておくと、最初から選べる範囲で探せます。逆に、機能より色や柄を優先したい部屋なら、そのことも伝えておくと、選べる範囲が広がります。
汚れ防止の壁紙を選ぶ人は、それほど多くない
張り替えの相談を受けていると、汚れ防止のような機能性の壁紙を選ぶ方は、それほど多くありません。こちらから聞かないと、候補に挙がらないことも少なくありません。手の触れやすいスイッチまわりや、キッチンなどの汚れが気になる場所があるなら、色を選ぶときに一緒に聞いてみる価値があります。
費用の面では、汚れ防止の壁紙は量産品より材料の単価が上がりますが、量産品と1000番台とのグレード差の範囲で考えるものです。部屋のすべてに使わず、汚れが気になる面だけに使う、という選び方もできます。汚れ防止の壁紙が、どんな汚れをどこまで落とせるように作られているのかは、壁紙の汚れ防止はどこまで落ちる?規格の試験は4つの汚れだけ、油汚れ・ヤニ・手垢は対象外で確かめられます。
1面だけ色を変えるなら、アクセントクロスという方法もある
ベースの色は落ち着いた色にして、1面だけに違う色や柄を入れる、という方法もあります。部屋の壁の一部に、ほかの面とは違う色や柄の壁紙を貼る方法で、アクセントクロスと呼ばれます。サンゲツは「壁一面、あるいは一部に、異なる色や柄の壁紙を取り入れるだけで、お部屋の雰囲気が大きく変わります」と書いています(出典:サンゲツ「壁紙選びのポイント」)。
すべての壁に使うには強すぎる色や、こだわりの柄を試したいときに向いている方法です。合わないと感じたときも、張り直すのはその1面だけで済みます。ただし、何年かたってから1面だけを新しく貼ると、同じ品番に戻しても、年数のたった隣の面と色の差が出ることがあります。また、1面だけを後から別に頼むと、1面の工事でも最低料金がかかります。アクセントクロスを少しでも考えているなら、部屋全体の張り替えの見積もりを取る段階で「この1面は色を変えるかもしれない」と伝えておくと、同時に施工でき、費用を見てから決めることもできます。
ベースの色を決めた部屋に、どの壁を選び、どのくらいの濃さの色を入れるか。アクセントクロスでよくある3つの失敗と、その避け方については、アクセントクロスの失敗例は3つ|面積は壁の2〜3割・色は3色まで、見本帳は少し濃いめを選ぶを参考にしてください。
まとめ
壁紙の色の選び方について、ポイントを整理します。
- 色を選ぶ前に、どんな部屋にしたいか(明るく広く・落ち着いて・今の家具になじむ)を言葉にし、床・ドア・家具のうち残るものを確かめる
- 壁紙の基本色は、床やドアの色調に合わせる。サンゲツは、こげ茶などの床にはグレー系、黄・赤系の床にはベージュ系、白〜茶〜黒の床には白系、という組み合わせを示している
- 汚れの目立ち方は色で印象が変わると言われるが、メーカーが汚れへの強さとして説明しているのは表面の加工。色は床とのなじみと好みで、汚れへの強さは表面の機能で選ぶ
- 床・家具・カーテンも含めて、部屋の色は3色までにまとめる(サンゲツ)。張り替えでは床の色を先に数に入れる。70%・25%・5%という配分もよく目安として挙げられる
- 床→壁→天井の順に上にいくほど明るくすると広く見え、天井を一段暗くすると落ち着く。天井の色も変えるなら、壁と同時に張り替える
- 見本より壁一面のほうが明るく淡く見えるので、迷ったら少し濃いめを選ぶ。見本は壁に当て、昼と夜の両方で見る
- グレーやベージュなど色で選びたいなら、量産品より選択肢の多い1000番台も候補になる。量産品との差は6畳の壁で1万円前後が目安
- 汚れ防止などの機能性の壁紙を使うなら、選べる色・柄の範囲が変わるので、色を選ぶときに一緒に考える
- 濃い色やこだわりの柄は、1面だけのアクセントクロスにする方法もある。考えているなら、部屋全体の見積もりの段階で伝えておく
壁紙の色選びは、何百もの見本から正解を探す作業のように思えますが、実際には、今の床やドアの色を見れば、選ぶ方向はかなり絞られます。まずは自分の家の床がどんな色かを確かめ、「この部屋はこんな雰囲気にしたい」を決めてみてください。そこまで決まれば、あとは見本帳を見ながら、具体的な一枚を絞り込んでいけます。まずは電話か問い合わせフォームで、張り替えたい部屋と、思い描いている雰囲気を伝えてみてください。
壁紙の張り替えに合わせて色を変えてみたい方は、電話でご相談ください。現地調査でお部屋の床やドア、家具の色を見たうえで、見本帳からの選び方と、天井を含めるかどうかによる費用の違いをご案内します。見積もり・現地調査は無料です。
電話が難しい方はメールでもご相談いただけます。
この記事の執筆者

氏名:松田郁幾
実績:壁紙張り替えを中心に、これまで多くのお客様・職人と関わってきました。
この記事について:現場で見聞きした実例をもとに、誇張せず、実践的な視点で解説しています。



