壁紙に漂白剤は使える?サンゲツは名指しで「使用しないで」、ハイターも用途は衣料

壁紙の黄ばんだシミを前に、漂白剤のボトルを手に持って使うかどうか迷っている女性

壁紙の黄ばみ、ヤニ、ボールペンの跡、家具からの色移り、カビ。中性洗剤で拭いても落ちないと、家にあるハイターのような漂白剤を試したくなります。漂白剤なら色ごと抜けて、白い壁に戻りそうに思えます。

先に結論をお伝えします。壁紙に漂白剤は使わないでください。壁紙メーカーのサンゲツは、一般的なビニル壁紙のメンテナンス資料で「有機溶剤、漂白剤、研磨剤は使用しないでください。劣化促進・変色・破損のおそれがあります」と、漂白剤を名指しして書いています。塩素系か酸素系かの区別は書かれていません。

漂白剤の側も同じ方向です。花王の「ハイター」の商品ページで、品名は「衣料用漂白剤」、用途は衣料の漂白・除菌・消臭で、壁や壁紙という言葉は一度も出てきません。そして使用上の注意の最初に「用途外に使わない」とあります。壁紙を作る側は使わないよう案内し、漂白剤を作る側は用途に壁紙を挙げていない、ということです。

同じように「壁紙に使ってよいか」がよく調べられる重曹・セスキ炭酸ソーダ・アルカリ電解水は、壁紙メーカーの案内に名前が出てこない、いわば判断の材料が足りないものでした。漂白剤はそれとは違い、使わないよう名指しで書かれている、はっきりした側のものです。

この記事を読むと、次のことが分かります。

  • サンゲツの資料に書かれていること、ハイターの商品ページに書かれていること
  • 重曹・セスキ・アルカリ電解水と、書かれ方がどう違うのか
  • カビについて、壁紙メーカーが案内していること(サンゲツは消毒用アルコール、シンコールはかび取り剤)
  • ヤニ・黄ばみ、ボールペン・色移り、カビのそれぞれで、漂白剤の代わりに確かめたいこと
  • すでに漂白剤を使ってしまったとき、色が変わってしまったときに知っておきたいこと

読み終えるころには、手元の漂白剤を壁紙に使わない理由を資料をもとに説明できるようになり、気になっている汚れについて次に何を確かめればよいかが決まるはずです。

漂白剤を試すのではなく、張り替えるとしたらどの範囲になり、いくらくらいかかるのかを知っておきたい方は、電話でお尋ねいただくこともできます。汚れの様子やこれまでに試したことを伺い、想定される張り替えの範囲や費用の考え方をご案内します。見積もり・現地調査は無料です。

電話が難しい方はでもご相談いただけます。


サンゲツは、漂白剤を名指しで「使用しないで」としている

壁の前に置かれた漂白剤のボトルに、使用しないことを示す禁止の記号が重なっている

漂白剤を壁紙に使ってよいかどうかは、壁紙を作っている側と、漂白剤を作っている側の両方の資料を見ると判断しやすくなります。まず壁紙の側から見ていきます。

メンテナンス資料にある一文

サンゲツは「壁紙のメンテナンス」という資料を、壁紙の種類ごとに公開しています。日本の住宅でいちばん多く使われているビニル壁紙については「一般ビニル壁紙」の資料があり、その「汚れが付着した場合」という項目に、こう書かれています。

「有機溶剤、漂白剤、研磨剤は使用しないでください。劣化促進・変色・破損のおそれがあります。」(出典:サンゲツ「壁紙のメンテナンス(1)一般ビニル壁紙」)

同じ項目には、汚れたときの手順も書かれています。飲食物や調味料などの汚れは、かたく絞ったスポンジやタオルで汚れを吸い取るように拭き取る。落ちにくい場合は中性洗剤を使い、壁紙の表面に残った洗剤は変色の原因になるので、真水かぬるま湯できれいに拭き取る。そのうえで「強い洗剤やシンナーなどの有機溶剤は変色や表面破損の原因になりますので使用しないでください」とも書かれています。

つまり、汚れが付着したときにサンゲツが案内している手段は、拭き取りと中性洗剤です(汚れ防止タイプなど一部の壁紙では、消毒用アルコールも挙げています)。その外側として、サンゲツは、強い洗剤や有機溶剤に加えて、漂白剤と研磨剤を名前を挙げて使わないよう書いています。

ほかの壁紙メーカーのお手入れのページも確認しました。リリカラとサンゲツのウェブページは、どちらも強い洗剤やシンナーなどの有機溶剤を使わないよう書いていますが、漂白剤という言葉は出てきません。シンコールのページにも出てきません(出典:リリカラ「ビニル壁紙のお手入れ方法」、サンゲツ「壁紙のお手入れ方法」)。漂白剤を名指ししているのは、確認した範囲ではサンゲツのこのメンテナンス資料です。名指しは1社の資料ですが、ほかの2社のページが汚れに案内しているのも中性洗剤や消毒用アルコール(汚れの種類による)で、漂白剤を使ってよいと書いている壁紙メーカーの案内は見当たりませんでした。

「おそれ」の中身は3つ書かれている

この一文で、避ける理由として挙げられているのは「劣化促進」「変色」「破損」の3つです。

漂白剤を使いたくなるのは、汚れの色を抜きたいからです。ところが資料が挙げているおそれの中には「変色」が入っています。汚れを白くするつもりで使った漂白剤が、壁紙そのものの色を変えてしまうおそれがある、と読めます。

一方で、漂白剤が壁紙の表面にどう働いて、どういう仕組みで変色や破損につながるのかは、この資料には書かれていません。この記事でも、資料に書かれている「劣化促進・変色・破損のおそれがある」というところまでを根拠にします。仕組みが書かれていないことは、使ってよい理由にはなりません。メーカーがおそれを3つ挙げて、使わないよう書いている、という事実で判断するには十分です。

塩素系・酸素系の区別は書かれていない

漂白剤には、ハイターのような塩素系のものと、粉末や液体の酸素系のものがあります。「塩素系は強いけれど、酸素系なら穏やかだから大丈夫では」と考える方もいるかもしれません。

サンゲツの資料は「漂白剤」とだけ書いていて、塩素系と酸素系を分けていません。サンゲツの資料には、酸素系なら使ってよい、という書き方はありません。資料から読み取れるのは、種類を問わず漂白剤は使わない側に入っている、ということです。

漂白剤の側も、壁紙を用途に挙げていない

白いシャツを入れたたらいと、その横に置かれた漂白剤のボトル

次に、漂白剤を作っている側の表示を見ます。家庭でいちばん身近な漂白剤の一つとして、花王の「ハイター」の商品ページを確認しました(出典:花王「ハイター 1500ml」)。

品名は「衣料用漂白剤」、用途は衣料

ハイターの品名は「衣料用漂白剤」です。用途の欄には「黄ばみ・黒ずみの漂白」「衣料の除菌・消臭」「赤ちゃんの衣料の漂白」「食べ物、飲み物、血液、汗によるシミの漂白」の4つが並んでいます。

「黄ばみ・黒ずみの漂白」という言葉だけを見ると、壁紙の黄ばみにも使えそうに見えます。ただし同じページの「使えるもの」には、「水洗い・家庭洗たくができる白無地のせんい製品(木綿、麻、ポリエステル、アクリル)」と書かれています。ハイターの「黄ばみ・黒ずみの漂白」というのは、衣類などの白い布についての話です。

このページの中に、「壁」「壁紙」「クロス」という言葉は一度も出てきません。

使用上の注意の最初に「用途外に使わない」

ハイターの使用上の注意は11項目あり、その最初が「用途外に使わない。」です。用途に挙げられていない壁紙に使うことは、この注意書きの外に出ることになります。

もう一つ目に留まるのが、「使えないもの」の欄です。「色物・柄物のせんい製品」が挙がっていて、別の箇所には「白無地衣料専用」とも書かれています。ハイターは、白いものの色を抜く前提で作られた製品です。

壁紙は布ではないので、この欄をそのまま当てはめることはできません。ただ、白く見える壁紙でも、表面に柄や型押しがあり、色がついているものもあります。製品の側が「色物・柄物には使えない」としている漂白剤を、壁紙に使ってよいと読める材料は、このページにはありません。

2つの資料は同じ方向を向いている

壁紙の側は「漂白剤は使用しないでください」と書き、漂白剤の側は「用途外に使わない」と書いて、用途に壁紙を挙げていません。

洗剤や掃除道具について調べていると、製品の側は「使える」とし、壁紙メーカーの側は案内していない、というように、両者の書き方が食い違っていることがよくあります。漂白剤については、少なくともここで確認した2つの資料のあいだに、そうした食い違いはありません。サンゲツの資料とハイターの商品ページは、どちらも壁紙に漂白剤を使わない方向を向いています。

重曹・セスキ・アルカリ電解水とは、書かれ方が違う

壁紙の汚れ落としでよく名前が挙がる重曹、セスキ炭酸ソーダ、アルカリ電解水と比べると、漂白剤の位置づけがはっきりします。

重曹などは「案内に出てこない」、漂白剤は「使用しないで」

重曹・セスキ炭酸ソーダ・アルカリ電解水は、壁紙メーカーのお手入れの案内に名前が出てきません。使ってよいとも、使わないでとも書かれていないので、製品の側の表示や性質から、使うかどうかを読み手が判断することになります。それぞれの記事でも、メーカーの資料に何が書かれていて、何が書かれていないかを整理しました。

漂白剤は、この3つとは扱いが違います。サンゲツの資料に名前が出てきて、しかも「使用しないでください」と書かれています。漂白剤は判断の材料が足りないのではなく、使わない方向の材料がはっきり示されているものです。

「強いものほど落ちる」とは限らない

この比較から見えてくるのは、壁紙の掃除では「強いものに持ち替えるほどよく落ちる」とは考えにくい、ということです。

サンゲツの資料が使わないよう書いているのは、強い洗剤、有機溶剤、漂白剤、研磨剤でした。どれも、汚れを落とす力が強そうに見えるものです。汚れが付着したときにメーカーが案内しているのは、その手前の水拭きと中性洗剤で、壁紙の種類によって消毒用アルコールが加わる程度です。資料には「長年、蓄積した汚れは落とすことが難しい」とも書かれています。

中性洗剤で落ちなかった汚れは、より強いもので落とすというより、別の考え方に切り替える段階に来ている、と捉えたほうが落ち着きます。中性洗剤の選び方や拭き方、使ってはいけない洗剤の見分け方は、壁紙の掃除に使う洗剤はどれがいい?汚れ別の選び方と使ってはいけない洗剤の見分け方で整理しています。

カビについて、壁紙メーカーが案内していること

漂白剤を使いたくなる汚れの中でも、カビは少し事情が違います。壁紙メーカーの資料には、汚れとは別の項目としてカビの案内があります。

サンゲツは、表面のカビに消毒用アルコールを案内している

漂白剤を使わないよう書いていたサンゲツの同じ資料には、「かびについて」という項目もあります。そこには「かびが壁紙表面だけに発生している場合、早めに消毒用アルコールで拭き取るのが効果的です。(壁紙の種類によっては表面が損傷する場合がありますので、目立たないところで試してからご使用ください。)」と書かれています。続けて「尚、壁紙内部に達している場合や大量に発生してしまった場合は落とすことが困難です。専門業者に相談することをおすすめします」とあります。

漂白剤を使わないよう書いているサンゲツが、カビについて案内しているのは、壁紙の表面だけに発生している場合の消毒用アルコールです。そのアルコールについてさえ、表面が損傷する場合があるので目立たないところで試すよう書かれています。

シンコールの「かび取り剤」が「漂白剤」に当たるかは、資料からは決まらない

一方、壁紙メーカーのシンコールは、お手入れのページで、かびが発生したときの対処として「かび取り剤を使用して、かびをスポンジでこすり取ります。その後、消毒用アルコール※で拭き取るのが効果的です。壁紙によっては表面を破損することがありますので、目立たないところで一度試してください」と案内しています(出典:シンコール「壁紙のお手入れについて」)。

このページには、漂白剤や塩素という言葉は出てきません。シンコールが案内している「かび取り剤」が、サンゲツの資料の「漂白剤」に当たるものなのかどうかは、2つの資料からは決まらないということです。市販のカビ取り剤なら壁紙に使ってよいと言い切れる材料も、使ってはいけないと言い切れる材料も、ここで確認した資料にはそろっていません。

2社に共通して書かれていることもあります。シンコールは続けて「大量に発生した場合は専門業者にご相談ください。下地に菌糸が入り込んでいた場合、アルコールで拭き取っても再発生するおそれがあります」と書いています。どちらのメーカーも、それぞれが案内している方法についてさえ表面が傷むおそれがあること、そしてカビが壁紙の内部や下地まで入り込んでいる場合は表面から拭いても解決しにくいことを書いています。

「次亜塩素酸水」と、ハイターの成分は書かれている名前が違う

サンゲツの資料には除菌についての項目もあり、「消毒用アルコール、次亜塩素酸水等で除菌した場合、かならず拭き残しがないように拭き取ってください。退色や変色の恐れがあります」と書かれています。

ここに出てくるのは「次亜塩素酸水」です。ハイターの商品ページの成分表示は「次亜塩素酸ナトリウム(塩素系)、アルカリ剤」で、名前は似ていますが、資料に書かれている名前は違います。この項目は除菌したあとの拭き取りについての注意です。サンゲツの除菌の項目を、ハイターを壁紙に使ってよいという意味に読むことはできません。そして次亜塩素酸水についても、拭き残しがあれば「退色や変色の恐れ」があると書かれています。

汚れの種類別、漂白剤に頼らずに確かめたいこと

漂白剤を使いたくなる汚れは、黄ばみ、ヤニ、ボールペン、色移り、カビとさまざまです。汚れの種類によって、掃除でどこまで対応できるか、どこから張り替えを考えるかの考え方が変わります。ここでは要点だけを挙げ、詳しくはそれぞれの記事に譲ります。

ヤニ・黄ばみが気になる場合

黄ばみは、手垢、日焼け、タバコのヤニなど原因がいくつかあり、原因によって掃除で薄くなる見込みが変わります。ヤニについては、サンゲツの資料も「タバコの煙やキッチンの油煙などは壁紙を黄変させ、汚れがとれなくなることがあります」と書いています。黄ばみは、漂白剤に頼らず、まず原因の見当をつけるところから始めるのが近道です。

ボールペン・油性ペン・色移りが気になる場合

ペンのインクや、家具・ゴム製品などから移った色は、色そのものを抜きたくなる汚れです。ただ、インクや移った色を漂白剤で抜こうとすると、汚れより先に壁紙の側に「変色」が出るおそれがあります。サンゲツの資料が挙げるおそれの一つです。油性ペンは時間が経つほど落としにくくなること、色移りは原因によって考え方が変わることを、それぞれの記事で整理しています。

カビが気になる場合

カビは、表面の黒い色が薄くなったかどうかと、カビそのものへの対処ができたかどうかが別の話になります。同じ場所に繰り返し出る場合は、張り替えのときの施工内容にも関わります。下地まで届いたカビの考え方と費用は、壁紙のカビは張り替えだけで直る?下地の防カビ処置と費用の目安を解説で解説しています。

すでに漂白剤を使ってしまったときに知っておきたいこと

この記事を読む前に、すでに漂白剤を試してしまった方もいるかもしれません。そのときに知っておきたいことを整理します。

使ったあとの扱いは、資料に書かれていることに留める

漂白剤を壁紙に使ったあとにどうすればよいかを、サンゲツの資料もハイターの商品ページも直接は書いていません。壁紙に使うことを想定していないので、当然ではあります。

手がかりになるのは、それぞれの資料にある一般的な注意です。サンゲツの資料は、洗剤について「壁紙表面に残った洗剤は変色の原因になりますので真水かぬるま湯できれいに拭き取ってください」としています。ハイターの商品ページは、使うときは炊事用手袋を使うこと、換気をよくすること、そして「酸性タイプの製品と一緒に使う(まぜる)と有害な塩素ガスが出て危険」と書いています。

漂白剤の上から別の洗剤を重ねて試すことは、変色のおそれを重ねるだけでなく、組み合わせによっては危険にもなりうる、ということです。すでに漂白剤を使って落ちなかったからといって、別の洗剤を足していくことは避けてください。

漂白剤のあとの変色と、日焼けによる変色は別の現象

「壁紙 漂白剤 変色」と調べている方の中には、2つの違う状況が混ざっていると考えられます。漂白剤を使ったあとに色が変わってしまった、という状況と、日に当たって変色した壁紙を漂白剤で戻せないか、という状況です。

前者は、サンゲツの資料が挙げている「変色」のおそれが、実際に出てしまった可能性がある状態です。後者の日焼けは、汚れが付いたのではなく、日差しによって壁紙そのものの色が変わったもので、原因がまったく違います。日焼けがなぜ掃除や漂白で戻らないのか、日焼けとヤニの見分け方は、壁紙の日焼けは掃除・漂白で戻る?ヤニとの見分け方と部分張替えで色が合わない理由で解説しています。

どちらの場合も、色が変わった部分を元の色に戻す方法は、ここで確認した資料には書かれていません。サンゲツの資料は変色について「変色する場合にはなんらか外部環境の影響を受けており、メンテナンスで変色部分を取り除くことが困難な場合があります」としています。「目立たない場所で少しだけ試す」という使い方でも、試した場所の色が変われば、その跡が残ります。

現地調査では、漂白剤を使ったことも伝える

張り替えを考えて現地調査を頼むときは、これまでに何を試したかを伝えておくと話が早くなります。水拭きをしたか、中性洗剤を使ったか、漂白剤やカビ取り剤を使ったか、使ったならどのあたりに、どのくらいの範囲で使ったのか。

漂白剤を使ったことを隠す必要はありません。表面の状態が変わっていると、張り替えるときの下地の扱いに関係することがあります。カビの場合は、同じ場所に繰り返し出ているかどうかも伝えておくと役に立ちます。

範囲が広い・繰り返す汚れは、張り替えの範囲と費用で考える

漂白剤を使わないと決めると、中性洗剤で落ちなかった汚れをどうするか、という問題が残ります。ここでは、落とすことにこだわらず、張り替えるとどうなるかで考えてみます。

張り替えは1面単位が基本になる

壁紙は幅90cmほどのロールを上から下へ貼り継いでいくため、汚れた部分だけを切り取って貼り直すと、継ぎ目と色の差が目立ちやすくなります。部分的に直す方法自体はありますが、継ぎ目の位置で区切るので最低でもロール1枚分の幅になり、段取りも1面と大きく変わりません。

このため張り替えの範囲は、壁の面で区切った1面単位が基本になります。1面に収まっていれば、面の中で汚れが広がっていても、金額は大きく変わりません。

なお、張り替えずに傷んだ箇所だけを直すことに特化した、壁紙リペア業者という頼み先もあります。汚れの部分的な直しでも、目安は1万〜3万円程度です。ただし条件によっては、近くで見ると直した跡が分かることがあります。気になる箇所が1〜数か所で周りの壁紙がきれいならリペア、箇所が多い・周りも黄ばみや日焼けがある・カビやシミが出ているなら張り替え、というのが分かれ目になります。

気になっている箇所はまとめて相談する

汚れをきっかけに壁を見直すと、ほかの場所の黄ばみや、継ぎ目の開き、めくれにも気づくことがあります。複数の箇所が気になっている場合は、まとめて依頼するほうが1箇所あたりの負担は小さくなります。職人の手配や移動、養生には、施工する面積に関係なく一定の手間がかかるためです。

張り替えるとしたらどの範囲になるのか、いくらくらいかかるのかは、見積もりを取れば分かります。張り替えるかどうかの判断は、その金額を見てからでも遅くありません。

まとめ

壁紙には漂白剤を使わないでください。サンゲツは一般ビニル壁紙のメンテナンス資料で「有機溶剤、漂白剤、研磨剤は使用しないでください。劣化促進・変色・破損のおそれがあります」と、漂白剤を名指しして書いています。塩素系・酸素系の区別はなく、酸素系なら使ってよいという書き方もありません。

漂白剤の側も同じ方向を向いています。ハイターの品名は「衣料用漂白剤」で、用途は衣料、使えるものは白無地のせんい製品です。商品ページに壁や壁紙という言葉は出てこず、使用上の注意の最初に「用途外に使わない」とあります。

重曹・セスキ炭酸ソーダ・アルカリ電解水が、壁紙メーカーの案内に名前が出てこないものだったのに対し、漂白剤は使わないよう名指しで書かれているものです。汚れが付着したときにメーカーが案内しているのは水拭きと中性洗剤で、壁紙の種類によって消毒用アルコールが加わる程度です。それより強いものに持ち替えるほどよく落ちる、とは考えにくいということです。

カビについては、サンゲツの同じ資料が、表面だけに発生している場合に消毒用アルコールで拭き取ることを案内しています。シンコールはかび取り剤を案内していて、それがサンゲツの資料の「漂白剤」に当たるのかどうかは、資料からは決まりません。どちらのメーカーも、表面が傷むおそれがあること、壁紙の内部や下地まで入り込んだカビは表面から拭いても解決しにくいことを書いています。

汚れの種類によって、確かめたいことは変わります。黄ばみやヤニは原因の見当をつけるところから、ペンや色移りは汚れの種類ごとの考え方を確かめて、カビは表面の色と下地を分けて考えます。漂白剤のあとの変色と、日焼けによる変色は別の現象です。どちらの場合も、色が変わった部分を戻す方法は資料には書かれておらず、サンゲツは変色部分を取り除くことが困難な場合があるとしています。

中性洗剤で落ちなかった汚れや、同じ場所に繰り返し出る汚れは、漂白剤を試すのではなく、張り替えた場合の範囲と費用を確かめてみてください。範囲は1面単位が基本で、気になっている箇所をまとめて相談すれば、1箇所あたりの負担は小さくなります。まずは電話か問い合わせフォームで、汚れの様子とこれまでに試したことを伝えてみてください。

中性洗剤で落ちなかった汚れや、同じ場所に繰り返し出る汚れの張り替えを考えたい方、すでに漂白剤を使って色が変わってしまった方は、電話でご相談ください。汚れの様子やこれまでに試したことを伺い、現地調査で壁の状態を見たうえで、張り替える範囲をご案内します。見積もり・現地調査は無料です。

電話が難しい方はでもご相談いただけます。

この記事の執筆者

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氏名:松田郁幾
実績:壁紙張り替えを中心に、これまで多くのお客様・職人と関わってきました。
この記事について:現場で見聞きした実例をもとに、誇張せず、実践的な視点で解説しています。

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