
玄関の壁紙が、いつの間にか黄ばんでいた。靴を履くときに手をつく場所が黒ずみ、荷物や傘を当てた跡も残っている。家の中のほかの場所の壁紙を張り替えようと考えたついでに、来客が最初に目にする玄関も気になり始めた、という方は少なくないと思います。
先に結論をお伝えします。玄関の壁紙だけを張り替えることもできます。費用は、玄関の壁は面積が小さいため、多くの業者が設定している最低料金(4万〜6万円程度)が目安になりやすい範囲です。
また、玄関は壁紙メーカーが「汚れやキズに強い壁紙」のおすすめの場所として挙げている場所でもあります。靴の出し入れや荷物の持ち運びで汚れや傷が付きやすいため、張り替えの機会に、壁紙の機能を選ぶという考え方もあります。なお、貼ってはがせる壁紙などを使って自分で貼る方法もありますが、ここでは業者に張り替えを頼む場合の判断材料を扱います。
この記事を読むと、次のことが分かります。
- 玄関だけの張り替えはできるのか(張り替える範囲の考え方、下駄箱の周りの扱い、吹き抜けの玄関の場合)
- 費用の考え方(面積が小さい場所の最低料金、物をぶつけた凹みや穴で下地の補修が加わる場合、天井を一緒に張り替えるかどうか、ほかの場所とまとめて頼む場合)
- 玄関の壁紙選びで差が出る機能(汚れやキズに強い壁紙、抗アレル壁紙)と、そのグレード
- 見積もりや現地調査で確認しておきたいこと(張り替える範囲、下駄箱や置いてある物、壁紙のグレード、ドア枠やスイッチの周りの納まり)
読み終えるころには、自分の家の玄関について、何から確かめて誰に相談すればよいかが見えてくるはずです。
玄関だけの張り替え費用が気になる方、どこまで張り替えるかで迷っている方は、電話または問い合わせフォームからご相談ください。玄関の様子を伺ったうえで、張り替える範囲の考え方をご案内します。見積もり・現地調査は無料です。
電話が難しい方はメールでもご相談いただけます。
玄関だけの壁紙張り替えもできる

「玄関だけ」のように範囲が小さいと、業者に頼みにくいと感じる方もいるかもしれません。ですが、壁紙の張り替えは1面から受け付けている業者が多く、玄関だけでも頼めます。ここでは、玄関の張り替えで範囲をどう決めるか、下駄箱のような動かせないものがある場合にどうなるかを見ていきます。
張り替える範囲は、玄関の壁の「面」で考える
壁紙の張り替えは、壁の面で区切った1面を単位にするのが基本です。壁紙は幅が約90cmのロールを上から下へ貼り継いでいくため、汚れや傷が気になる部分だけを切り取って貼り直すと、継ぎ目や色の差が目立ちやすくなります。手をつく場所の黒ずみのように、気になっているのが一部分でも、張り替えはその面の単位で考えることになります。部分だけ張り替える方法と、その費用の考え方については、壁紙の部分張り替えはできる?最低1枚分になる理由と、1面張り替えと比べた費用・色の注意点で扱っています。
玄関の場合、土間のまわりから玄関ホールにかけての壁と、その天井が張り替えの対象になります。玄関の壁と一口に言っても、ドアを開けて正面に見える壁、下駄箱の上や横の壁、靴を履くときに手をつくドア脇の壁など、いくつかの面に分かれています。汚れや傷が目立つのはそのうちの一部の面でも、玄関は狭い空間なので、1面だけ新しくすると隣の面との色の差が目に入りやすいことも頭に置いておくとよいでしょう。
玄関ホールは、奥の廊下や階段とそのままつながっていることが多い場所です。この場合、「玄関の壁紙」をどこまでにするかを決めておく必要があります。
面の途中で新しい壁紙と古い壁紙を切り替えると、同じ品番の壁紙を使っても、年数の経った古い側との色の差が目立つことがあります。これは、壁紙が年月とともに少しずつ色を変えていくためで、新しく貼った側だけがきれいに見えてしまうのです。
区切るなら、壁と壁がぶつかる角(入隅)で区切るのが目立ちにくい方法です。玄関の壁がそのまま廊下の奥までまっすぐ続いている場合は、その面の端から端までを張り替えるか、廊下も一緒に張り替えるかのどちらかになることが多くなります。どこまでを玄関として張り替えるかは、実際の壁を見ながら決めるのが確実です。
下駄箱のような造り付けのものは、周りを切り回して貼る
玄関には、壁に据え付けられた下駄箱(靴箱)があることがよくあります。造り付けの下駄箱は、壁紙の張り替えのために動かせないことが多いものです。その場合は、下駄箱はそのままにして、その周りの壁紙を張り替えることになります。
つまり、下駄箱の裏や、下駄箱と壁がぴったり接している部分には、新しい壁紙は貼られません。見えている面を、下駄箱の形に沿って切り回して仕上げる、という進め方です。下駄箱の上の空いている壁や、下駄箱の横の壁は、ほかの壁と同じように張り替えの範囲に入ります。
一方で、置いてあるだけの靴箱や収納棚、傘立てなどは、動かせば裏の壁まで張り替えられます。どれが動かせてどれが動かせないかは、玄関によって違います。現地調査のときに、張り替えたい壁の前にある物について、一つずつ確認しておくと安心です。
吹き抜けになっている玄関は、高さで段取りが変わる
戸建ての玄関には、玄関ホールが2階まで吹き抜けになっているものもあります。この場合、床の広さは限られていても、壁は2階の天井近くまで縦に長く続くため、張り替える面積は見た目の印象より大きくなります。高い場所の作業には足場や高さのある作業台などの準備が必要になり、ふつうの天井高の玄関とは段取りも費用の考え方も変わってきます。
吹き抜けの玄関の場合は、相談のときに「吹き抜けになっている」ことと、おおよその高さを伝えておくと、見積もりの見立てがしやすくなります。吹き抜けの張り替えで費用が上がる理由と、見積もりで確かめたいことについては、吹き抜けの壁紙張り替え費用はなぜ高い?面積だけでなく高さで上がる理由と、見積もりで確かめたいことで詳しく扱っています。
玄関の壁紙張り替え費用の考え方

玄関の壁紙の張り替え費用は、特別な計算方法があるわけではなく、ほかの部屋と同じ考え方で決まります。そのうえで、玄関は面積が小さいことが多いので、その点が費用に効いてきます。
面積が小さいので、最低料金が目安になりやすい
壁紙の張り替え費用の目安としてよく使われるのは、量産壁紙で材料費と施工費を合わせて1㎡あたり1,500〜2,500円程度という単価です。ただし、面積が小さい工事ほど、この単価で計算した金額どおりにはなりません。職人が現場に来て、周りを養生し、道具を出して片づけて帰るまでの手間は、1面でも1部屋でもそれほど変わらないためです。多くの業者は、こうした手間を踏まえて、最低料金を4万〜6万円程度に設定しています。
玄関の壁だけの張り替えは、面積としては小さい部類に入ります。たとえば張り替える壁の面積が10㎡ほどだとすると、先ほどの単価で計算した金額は1万5,000〜2万5,000円程度になり、最低料金を下回ります。このように、玄関の壁だけのような狭い範囲では、㎡単価で計算した金額より、最低料金のほうが目安になりやすいと考えておくと、見積もりを見たときに戸惑いにくくなります。
なお、手をついた跡の黒ずみや、こすれた汚れがあること自体を理由に、張り替えの費用が上がることはありません。張り替えでは古い壁紙ごと剥がして新しい壁紙を貼るため、今の壁紙にどんな汚れが付いているかは、作業の手間にほとんど影響しないためです。費用の基本を決めるのは、張り替える面積と壁紙のグレードで、そこに下地の補修などが必要な場合の分が加わります。
物をぶつけてできた凹みや穴は、下地の補修が加わることがある
汚れと違って費用に影響することがあるのが、壁紙の下の「下地」まで傷んでいる場合です。玄関では、荷物や自転車のハンドル、ドアノブなどをぶつけて、壁が凹んだり穴が開いたりしていることがあります。壁紙だけでなく、その下の石膏ボードまで傷んでいると、張り替えの前に下地を直す作業が必要になります。
ごく小さなへこみや穴なら、パテで埋める下地処理の範囲で直せ、張り替えの費用に含まれることが多くあります。パテだけでは埋まらない傷みでも、範囲が30cm程度までなら、補修用のプレートやメッシュで塞ぎ、壁紙を張る職人が張り替えの工程の中で直せることが多くあります。その場合は補修の分の費用が加わりますが、大工を手配する場合より抑えられることが多いです。範囲が大きい場合は、ボードそのものを入れ替えるために大工の手配が必要になり、その分の費用が別にかかります。プレートやメッシュで塞げるか、ボードの交換になるかは、目安として30cm程度が分かれ目になります。凹みや穴がある場合は、現地調査のときに伝えておきましょう。見てもらえば、原則として補修が要るかどうかの見当がつき、補修が要る場合はその費用も施工の前に見積もりで伝えられます。費用は、原則として見積もりのとおりです。ただ、特殊な場合には、壁紙を剥がしてみないとどこまで傷んでいるか分からないこともあります。現地調査で「剥がしてみないと分からない」と言われたときは、「下地が傷んでいた場合、追加でどのくらいかかりそうか」の目安を、剥がす前に聞いておくと安心です。下地の傷みの見分け方と直し方については、石膏ボードと壁紙は何が違う?傷みは30cmが分かれ目、ボード交換は大工が必要で別途費用で詳しく扱っています。
なお、張り替えの予定がなく、凹みや穴を1〜2箇所だけ直したいのであれば、張り替えずに傷んだ箇所だけを直す壁紙リペア業者という頼み先もあります。石膏ボードの補修を伴う場合で1万5,000〜5万円程度が目安で、条件によっては近くで見ると直した跡が分かることがあります。周りの壁紙も古くなっていて張り替えを考えているなら、張り替えの中で下地を直すほうが、仕上がりはそろいます。
天井も一緒に張り替えるかは、壁と同時に見積もりを取って比べる
天井を一緒に張り替えるかどうかは、好みで分かれます。天井は見上げないと目に入らないので、壁だけ新しくして天井はそのままにする方もいますし、壁を張り替えると天井の古さが目立つのが気になって、一緒に張り替える方もいます。玄関の天井は面積が小さいので、壁と同時に張り替えるなら、加わる金額もそれほど大きくはなりません。天井だけを後から頼むと、改めて最低料金がかかることになるため、迷っているなら壁と同時に見積もりを取っておくと比べやすくなります。6畳の部屋を例にした、天井を一緒に張り替えるかどうかの考え方と差額の目安は、クロス張り替えで天井もやるべき?壁と同時なら追加2万円、後回しは割高になる理由で詳しく扱っています。
ほかの場所とまとめると、玄関の分の負担は小さくなる
最低料金の考え方を裏返すと、まとめて頼むほど1箇所あたりの費用の負担が小さくなる、ということになります。職人の手配や移動、養生の手間は、工事の範囲が広がってもそれほど増えないためです。
リビングや居室などとまとめて張り替える場合、玄関の分に、玄関だけを頼んだときのような最低料金並みの金額が改めて乗ることは多くありません。加わるのは、おおむね玄関の面積に応じた分です。玄関の壁紙が気になり始めたときは、家の中のほかの場所の壁紙も同じように古くなっていることが少なくありません。特に、玄関から続く廊下や階段、ドアの脇やスイッチの周りといった手が触れやすい場所は、玄関と同じように手垢や黒ずみがたまっていることがよくあります。廊下や階段、リビングなど、一緒に気になっている場所があれば、まとめて見積もりを取ってみると、玄関だけを頼む場合との違いが分かります。家全体をまとめて張り替える場合の費用の積み上げ方は、住まいの種類に合わせて次の記事で扱っています。
玄関の壁紙選びで差が出る機能
費用の考え方が分かったら、次はどんな壁紙を選ぶかです。玄関の壁紙も、ほかの部屋と同じように色や柄、そしてグレードで選べます。そのうえで玄関ならではの選択肢になるのが、汚れやキズへの対策を持たせた機能性の壁紙です。
メーカーも玄関を「汚れやキズに強い壁紙」のおすすめ場所に挙げている
玄関は、家の中でも壁が汚れたり傷ついたりしやすい場所です。靴を履くときに壁に手をつく、買い物袋や大きな荷物を出し入れするときに壁に当てる、濡れた傘を立てかける。毎日の出入りのたびに、少しずつ跡が増えていきます。
壁紙メーカーも、玄関をこうした機能のある壁紙のおすすめ場所に挙げています。サンゲツは、汚れやキズに強いタイプの壁紙について「おすすめの場所:キッチン、ダイニング、リビング、洗面・トイレ、子ども部屋、玄関・階段ホール」としています。同じページで、表面をコーティングしたウレタンコート壁紙については「キレイに仕上がるので、玄関・ホールなど人目につきやすい場所にオススメです」と説明しています(出典:サンゲツ「汚れやキズに強いタイプ|壁紙の選び方」)。
リリカラの「壁紙機能性ガイド」でも、キズや汚れに強い壁紙のおすすめ使用場所として「日常的にキズや汚れがつきやすい玄関・廊下・LDK」が挙げられています。最もキズに強い分類の壁紙には「キズが気になるペット住宅・玄関・廊下」という使用場所の例も添えられています(出典:リリカラ「壁紙機能性ガイド」)。
2社の案内に共通しているのは、玄関を「日常的に汚れや傷が付きやすい場所」「人目につきやすい場所」として扱っていることです。来客が最初に目にする場所だからこそ、きれいな状態を保ちやすい壁紙を選ぶ、という考え方です。
ただし、汚れやキズに強い壁紙は、汚れや傷が付かなくなるものではありません。拭いたときに汚れが落ちやすい、表面に傷が付きにくい、というように、きれいな状態を保ちやすくするものと考えておくのが実際に近い理解です。玄関で気になりやすい手をついた跡のような手垢も、汚れ防止壁紙の規格の試験には含まれておらず、長い間ためてしまった汚れには限界があります。期待できるのは、汚れが薄いうちに拭けば落としやすい、というところまでです。このうち汚れ防止の壁紙がどの汚れまで落とせるかについては、壁紙の汚れ防止はどこまで落ちる?規格の試験は4つの汚れだけ、油汚れ・ヤニ・手垢は対象外で詳しく扱っています。
抗アレル壁紙も、玄関がおすすめの場所に入っている
汚れやキズとは別に、玄関は外から花粉などが入ってくる場所でもあります。サンゲツの「室内環境に役立つタイプ」のページでは、アレル物質の働きを低減する抗アレル壁紙のおすすめの場所として、「リビング、子ども部屋、洗面、玄関・階段ホール」が挙げられています(出典:サンゲツ「室内環境に役立つタイプ|壁紙の選び方」)。
ただし、同じページには、抗アレル加工について「病気の治療や予防を目的としたものではありません」「空気中のアレル物質の吸着を促進したり、減少させる効果はありません」という注意書きもあります。抗アレル加工の効果があるのは、壁紙の表面に付着したアレル物質に対してです。花粉が気になる方の選択肢の一つにはなりますが、壁紙だけで花粉の悩みが解決するものではない、という点は押さえておきましょう。抗アレル壁紙が効く範囲と、壁紙そのものの安全性の確かめ方については、壁紙とアレルギーは別々の2つの話|F☆☆☆☆の確かめ方と、抗アレル壁紙が効く範囲で詳しく扱っています。
汚れやキズに強い壁紙は、多くが1000番台のグレードになる
壁紙のグレードは、大きく「量産品」と「1000番台」に分かれます。量産品は流通量が多く価格を抑えたもの、1000番台はデザインや機能の選択肢が多いものです。汚れ防止やキズに強いといった機能を持たせた壁紙は、多くが1000番台のカタログに収録されています。
費用の差は、量産品と1000番台のグレードの差が基準になります。「汚れやキズに強いから特別に高い」というものではなく、多くは1000番台の中で、機能のない壁紙と同じ価格帯です(一部に、特別な価格が設定された品番もあります)。量産品と1000番台の差は、標準的なもので1㎡あたり数百円ほどです。玄関の壁のように面積が小さい場所なら、たとえば10㎡で数千円ほどの差にとどまります。両者の違いについては、量産クロスと1000番クロスの違い|価格差は6畳で約1万円、部屋ごとの選び分け方で詳しく扱っています。
面ごとに使い分けることもできます。手をつきやすい壁や、物が当たりやすい低い位置のある面だけを機能のある壁紙にして、天井やほかの面は量産品にする、という組み合わせです。すべての面を同じグレードにそろえる必要はありません。
機能のある壁紙を選ぶ人は、それほど多くない
ただ、実際に張り替えの相談を受けていると、汚れ防止のような機能のある壁紙を選ぶ方はそれほど多くありません。こちらから「汚れに強いタイプもありますよ」と聞かないと、候補に挙がらないことがほとんどです。見た目や質感、価格で選ばれることが多いのが実情です。
選ぶかどうかの手がかりになるのは、張り替えのきっかけになった汚れや傷です。手をついた跡の黒ずみが気になったのか、物をぶつけた傷が気になったのか。それが今回の張り替えのきっかけなら、同じことがまた起きやすい面だけでも機能のある壁紙にするかどうか、見積もりのときに費用を聞いて比べてみるとよいでしょう。
見積もり・現地調査で確認しておきたいこと
玄関の壁紙の張り替えは、張り替える範囲や選ぶ壁紙、玄関の形や下地の状態によって金額が変わります。現地調査のときに、次の4つを確認しておくと、見積もりの内容を理解しやすくなります。
張り替える範囲(玄関だけか、廊下や階段まで含めるか)
まず、どの壁の、どこからどこまでを張り替えるのかを、実際の壁を指さしながら確認しておきましょう。玄関ホールが廊下や階段とつながっている場合は、どこで区切るかがそのまま見積もりの範囲になります。天井を一緒に張り替えるかどうかも、ここで決めておきます。
現地調査では、汚れが気になっている場所を伝えるだけでなく、「この壁は張り替えたいが、こちらは今のままでよい」といった希望も伝えておくと、無駄のない範囲を一緒に考えやすくなります。
見積書を受け取ったら、玄関の分がどの範囲で、どのくらいの面積として計算されているかも見ておきましょう。小さな工事では「玄関 一式」のようにまとめて書かれることもあります。一式という書き方自体はおかしなものではありませんが、どの面まで含まれているのか、天井は入っているのかが読み取れないときは、その場で聞いておくと、あとで「ここは入っていなかった」という食い違いを防げます。見積書で確かめておきたい項目は、クロス張り替えの見積書チェックポイント7選|追加費用で後悔しないための確認事項にまとめています。
あわせて、これまでに掃除で試したことがあれば伝えておきましょう。水拭きや洗剤、メラミンスポンジなど、何をどのくらい試したかが分かると、壁紙の表面の状態を見るときの参考になります。こすった跡があっても隠す必要はありません。張り替えでは古い壁紙ごと剥がしますが、表面や糊の状態によって、剥がしたあとの下地処理の見立てが変わることがあるためです。手をついた跡のような手垢の掃除で、壁紙メーカーが案内している範囲と、張り替えを検討する目安については、壁紙の手垢の落とし方|メーカーの案内は中性洗剤まで、張り替えを検討する4つのサインで扱っています。
下駄箱や置いてある物をどうするか
次に、張り替えたい壁の前にある物の扱いです。造り付けの下駄箱のように動かせないものは、周りを切り回して貼ることになるので、どこまでが張り替えの範囲になるかを確認しておきます。
置いてあるだけの靴箱や棚、傘立て、姿見などは、動かせば裏の壁まで張り替えられます。置いてある物を業者側で動かすのか、依頼する側で事前に動かしておくのかは、現地調査のときに必ず確認しておきましょう。当日になって「これは動かせない」となると、職人の段取りが狂い、張り替えられる範囲も変わってしまいます。移動の費用は、見積書に項目が無くても施工費に含まれていることが多いものです。大きな家具がいくつもあるような場合は別に費用がかかることもあるので、動かす物が多いときはあわせて聞いておきましょう。家具の移動を誰が行うかと、自分では動かせない家具の扱いについては、壁紙張り替えの家具移動は業者に頼める?費用相場と自分では動かせない家具の対処法で詳しく扱っています。
量産壁紙にするか、汚れやキズに強い機能つきにするか
壁紙のグレードも確認しておきたい点です。量産壁紙で張り替えるのか、汚れやキズに強い機能を持たせた壁紙にするのかで、金額が変わります。機能を持たせた壁紙の多くは1000番台のグレードなので、選ぶ品番によって量産壁紙との差が出ます。玄関の中で面ごとに使い分けることもできるので、「手をつく面だけ汚れに強いタイプにしたらいくらになるか」のように、組み合わせで聞いてみるのもひとつの方法です。
最初の見積もりはグレードだけで出され、品番は業者が持ってくる見本帳で選んでから決まることも多くあります。見本帳の小さなサンプルより、壁一面に貼ったときのほうが明るく淡く見えるので、迷ったら少し濃い目を選ぶと、イメージとの差が小さくなります。
ドア枠・スイッチ・インターホンの周りの納まり
玄関の壁には、玄関ドアや室内ドアの枠、照明のスイッチ、インターホンの室内機、コート掛けや手すりなど、壁紙を貼るときに周りを切り回す必要があるものが集まっています。こうしたものの周りをどう仕上げるのか、外す必要があるものはあるのかを、現地調査のときに聞いておくとよいでしょう。
スイッチのプレートは、外して壁紙を貼り、開口してから戻すのが一般的な進め方です。スイッチの周りの進め方と、追加費用がかかる場合については、スイッチ周りの壁紙張り替えに追加費用はかかる?標準工程と2つの例外を解説で扱っています。インターホンの室内機や手すり、コート掛けのように壁に取り付けられているものは、取り付け方によって扱いが変わることがあります。気になるものがあれば、その場で確認しておくと安心です。
まとめ
玄関の壁紙の張り替えについて、張り替える範囲、費用の考え方、壁紙の選び方を整理します。
- 玄関だけの壁紙張り替えもできる。張り替えは壁の面が単位で、廊下や階段とつながっている場合は、壁の角(入隅)で区切ると色の差が目立ちにくい
- 造り付けの下駄箱は動かせないことが多く、その場合は周りを切り回して張り替える。置いてあるだけの靴箱や棚は、動かせば裏の壁まで張り替えられる
- 吹き抜けになっている玄関は、壁の面積が大きく、高い場所の作業の段取りも変わる
- 玄関の壁だけなら面積が小さく、多くの業者が設定している最低料金(4万〜6万円程度)が目安になりやすい。手をついた黒ずみなどの汚れがあること自体で費用は上がらない
- 物をぶつけて壁が凹んだり穴が開いたりしている場合は、下地の補修が加わることがある。パテで埋まる小さなものは張り替えの費用に含まれることが多い。プレートやメッシュで塞ぐ30cm程度までの補修は張り替えの工程の中で直せることが多いが、補修の分の費用が加わる。それを超えると大工の手配で別途費用になる。張り替えずに穴だけ直すなら、壁紙リペア業者という頼み先もある
- 天井は、壁と同時に張り替えるなら加わる金額は大きくない。天井だけを後から頼むと、改めて最低料金がかかる
- ほかの場所とまとめて張り替えると、玄関の分に最低料金並みの金額が改めて乗ることは多くなく、1箇所あたりの負担が小さくなる
- サンゲツ・リリカラの2社とも、玄関を汚れやキズに強い壁紙のおすすめの場所に挙げている。サンゲツは抗アレル壁紙のおすすめの場所にも玄関を入れている。ただし抗アレル加工は病気の治療や予防を目的としたものではなく、効くのは壁紙の表面に付いたアレル物質に対して
- 汚れやキズに強い壁紙の多くは1000番台で、量産品との差は1㎡あたり数百円ほど。面ごとに使い分けることもできる。汚れが付かなくなるわけではなく、薄いうちに拭けば落としやすい、というところまで
- 現地調査では、張り替える範囲、下駄箱や置いてある物の扱い、壁紙のグレード、ドア枠・スイッチ・インターホンの周りの納まりを確認する
玄関は、面積は小さくても、家に入るたびに目に入る場所です。玄関のどの壁が気になっているのか、ほかにも一緒に張り替えたい場所があるかを考えてみてください。それが決まれば、あとは現地で壁を見ながら、範囲と壁紙を一緒に決めていけます。
玄関の壁紙が気になってきた方、廊下やほかの部屋と一緒にまとめて張り替えたい方は、電話または問い合わせフォームからご相談ください。現地調査で玄関の壁を見たうえで、張り替える範囲と壁紙の選び方をご案内します。見積もり・現地調査は無料です。
電話が難しい方はメールでもご相談いただけます。
この記事の執筆者

氏名:松田郁幾
実績:壁紙張り替えを中心に、これまで多くのお客様・職人と関わってきました。
この記事について:現場で見聞きした実例をもとに、誇張せず、実践的な視点で解説しています。



