吹き抜けの壁紙張り替え費用はなぜ高い?面積だけでなく高さで上がる理由と、見積もりで確かめたいこと

2階まで抜けたリビングの吹き抜けと、高い壁の上まではとても届かない家庭用の踏み台

家を建てたときに開放感を求めて取り入れた吹き抜けも、10年、15年と経つうちに、見上げた先の壁紙の黄ばみや汚れが気になってくるものです。張り替えを考えて費用を調べてみても、出てくるのは6畳いくら、リビングいくらといった部屋の広さごとの金額ばかりで、吹き抜けの場合はいくらになるのか、なぜ高くなると言われるのかが分からない、という方も多いのではないでしょうか。

結論から言うと、吹き抜けのある場所の壁紙張り替えは、同じくらいの広さの部屋より費用が高くなりやすいです。理由は面積だけでなく「高さ」にあります。天井が高い場所は通常の脚立では手が届かないため、足場を組んだり、高さのある脚立や作業台を使ったりする必要があり、その手間と安全対策の分が費用に加わります。どのくらい上がるかは、吹き抜けの高さや広さ、形によって変わるので、一律の金額では言えません。

また、吹き抜けの壁は、自分で張り替えるのが難しい場所でもあります。高い場所での作業には転落の危険があり、しかも吹き抜けは家の中でもよく目に入る場所なので、仕上がりのシワや継ぎ目のずれも目立ちます。

この記事を読むと、次のことが分かります。

  • 吹き抜けの壁紙張り替えが面積だけでなく高さで割高になりやすい理由と、面積が小さくても費用が上がる仕組み
  • リビング・玄関・階段まわりなど、吹き抜けの場所による違い
  • 吹き抜けの張り替えを自分でやるのをおすすめしない理由
  • 見積もりのときに確認しておきたいことと、吹き抜けの場所や高さの伝え方、工事の日数と住みながらの準備

読み終えるころには、自分の家の吹き抜けについて、相談のときに何を伝えればよいかが見えてくるはずです。

自分の家の吹き抜けだとどのくらいになるのかを知りたい方は、電話でご相談ください。吹き抜けの場所や天井のおおよその高さをうかがい、概算や現地調査についてご案内します。見積もり・現地調査は無料です。

電話が難しい方はでもご相談いただけます。


吹き抜けの壁紙張り替えは、面積だけでなく「高さ」で割高になりやすい

吹き抜けの高い壁の前に据えた、キャスター付きの移動式の足場

壁紙の張り替え費用は、基本的に「張り替える面積×1㎡あたりの単価」で考えます。一般的な量産品の壁紙なら、材料と工事を合わせて1㎡あたり1,500〜2,500円程度が目安です。一般的な高さの部屋の場合の費用の考え方は、【知らないと損】6畳の壁紙クロス張替え費用|4万円以下は見積もり内容を要確認。相場と失敗しない判断基準で解説しています。ところが吹き抜けでは、この面積×単価の考え方だけでは金額が収まらないことがあります。その理由が、面積のほかに加わる「高さ」です。

天井が高いと、脚立ではなく足場や高さのある作業台が必要になる

一般的な部屋の天井は2.4m前後の高さで、職人は脚立に乗って天井際まで壁紙を張ることができます。一方、吹き抜けの壁は、1階の床から2階の天井近くまで続いています。高さが通常の部屋の倍近くになることも珍しくなく、ふつうの脚立では上のほうまで手が届きません。

高さは、張り替える面積にもそのまま響きます。壁の面積は「壁の幅×高さ」で見当がつけられるので、たとえば幅3.6mの壁なら、高さ2.4mの部屋では約8.6㎡ですが、高さ5m前後の吹き抜けでは約18㎡と、同じ幅でも倍ほどの面積になります。吹き抜けの張り替えは、高い場所の作業になるだけでなく、1面あたりの面積も大きくなりやすいのです。

そのため、吹き抜けの張り替えでは、室内に足場を組んだり、高さのある脚立や作業台を使ったりして、職人が安全に立てる場所をつくってから作業します。どの方法を使うかは、吹き抜けの高さや床の広さ、家具を動かせるかどうかといった現場の条件で決まります。

足場や作業台を使う作業には、運び込みや組み立て、作業の途中での移動、片付けといった手間がかかります。高い場所で重い壁紙を扱うので、安全対策にも気を配る必要があります。天井が一般的な高さを超えて高い部屋では、足場や高い脚立が必要になり、作業の手間と安全対策の分だけ費用が上がる、というのが基本的な考え方です。

足場を組むとなると、住む側にも準備が要ります。吹き抜けの下にソファやテーブルがあれば、足場を置く場所を空けるために動かす必要がありますし、床に傷がつかないよう、足場の下は広く養生します。吹き抜けの張り替えは、壁紙そのものの作業だけでなく、この準備と片付けも含めた作業だと考えておくと、見積もりの金額や工事の段取りの説明が理解しやすくなります。

一般的な高さの部屋で天井を張り替えるときの考え方と、天井が高い場合に足場が要る理由は、クロス張り替えで天井もやるべき?壁と同時なら追加2万円、後回しは割高になる理由でも解説しています。

面積が小さくても、高さがあるだけで費用は上がる

「吹き抜けといっても、張り替える壁はそれほど広くないのに」と感じる方もいるかもしれません。ただ、吹き抜けの費用を押し上げるのは面積だけではありません。高さも費用を押し上げます。

たとえば、同じ20㎡の壁でも、手の届く高さに広がっている壁と、上に向かって高く伸びている壁とでは、作業の中身が違います。前者は脚立を少しずつ動かしながら張っていけますが、後者は足場の上で、上から下まで長い壁紙を継ぎ目がずれないように張っていく必要があります。吹き抜けの壁は、同じ面積の手の届く高さの壁と比べて、段取りと手間が大きく違います。

このため、吹き抜けの張り替えでは、面積から計算した金額に、足場や作業台にかかる手間の分が加わる形になるのが一般的です。見積もりの金額を見て「広さの割に高い」と感じたら、それは高さによる分が含まれているためであることが多いといえます。高さによる分がどのくらいかは、見積もりのときに内訳として説明してもらいましょう。

もう一つ知っておきたいのは、吹き抜けの壁だけを単独で頼む場合です。壁紙の工事は、職人が来て、養生をして、道具を出して片付けるまでの手間が面積に関係なくかかるため、多くの業者は1件あたりの最低料金を4万〜6万円程度に設定しています(税込みか税抜きかは業者によって違います)。吹き抜けの壁だけのように範囲が限られた工事では、この最低料金に近い金額になりやすく、そこに高さによる手間の分が加わります。反対に、ほかの部屋の張り替えと一緒に頼めば、段取りがまとめて済み、職人も続けて効率よく作業できるので、1㎡あたりに直した負担は下がることがあります。

吹き抜けの場所によって変わる費用の考え方

階段の段の上に置いた脚立。段差の上では脚立の足元が安定しにくい

一口に吹き抜けと言っても、家の中のどこにあるかによって、張り替えのときに気にしておきたい点が変わります。ここでは、戸建てでよく見られるリビング・玄関の吹き抜けと、階段まわりの吹き抜けに分けて見ていきます。

リビングや玄関の吹き抜けは、高い壁の面積そのものが大きい

リビングの吹き抜けは、部屋の一角だけでなく、リビングの上の空間全体が2階まで抜けていることが多く、高さのある壁が何面にもわたって続きます。窓が高い位置にあることも多く、窓まわりの細かい作業も高い場所で行うことになります。高さによる手間に加えて、高い場所で張る面積そのものが大きくなりやすいのが、リビングの吹き抜けの特徴です。

吹き抜けの天井に照明器具やシーリングファンが付いている場合は、張り替えのために取り外して、張り終わったあとに取り付け直す作業も、高い場所で行うことになります。見積もりのときには、こうした器具の取り外しと取り付けが含まれているかも確認しておくと、あとから追加になるものが分かります。

玄関の吹き抜けは、床の広さは限られていても、玄関ホールから2階の天井近くまで壁が縦に長く続いています。玄関は家に入ったときに最初に目に入る場所なので、仕上がりを気にされる方も多い場所です。

吹き抜けの高い位置にある窓から日差しが入りやすい場合は、吹き抜けの壁紙の色あせや黄ばみが進むことがあります。壁紙は日に当たり続けると色が変わるので、吹き抜けの壁だけが先に古びて見えてくることもあります。反対に、吹き抜けの壁の上のほうだけを張り替えて、同じ壁の途中に新しい壁紙と古い壁紙の境目ができると、日焼けした部分との色の差が目立ちます。日焼けした壁紙の色が合わない理由は、壁紙の日焼けは掃除・漂白で戻る?ヤニとの見分け方と部分張替えで色が合わない理由で解説しています。張り替える範囲は、壁の途中ではなく面ごとにし、壁の角で区切ると、色の差が目立ちにくくなります。区切り方の考え方は、壁紙の部分張り替えはできる?最低1枚分になる理由と、1面張り替えと比べた費用・色の注意点で解説しています。

どちらの場合も、吹き抜けの天井を一緒に張り替えるかどうかで、作業の範囲と手間が大きく変わります。壁だけでなく天井も気になっている場合は、足場を組む機会にまとめて張り替えるかどうかを、見積もりの段階で相談しておくと判断しやすくなります。

階段まわりの吹き抜けは、面積が小さくても金額が上がりやすい

階段まわりの吹き抜けは、壁の面積だけを見ると限られていることが多い場所です。ところが、階段の段差の上で足場や脚立を安定させなければならず、上り下りの動線でもあるため、作業の段取りが部屋とは大きく変わります。

当店にご相談いただいた、階段まわりの壁紙のカビが気になっていた方の例でも、階段も吹き抜けと同じく高さがある分、通常の部屋より作業の手間が増えるため、6畳の部屋の目安金額よりも見積もりが上がりました。このご相談の経緯は、福岡県小郡市:階段のカビが気になり壁紙張り替えを検討されたご相談で紹介しています。

階段の壁には、手すりや照明のスイッチ、足元灯などが付いていることも多く、その周りを細かく切りながら張っていく手間もかかります。高い位置に照明器具があれば、その取り外しと取り付けも高い場所での作業になります。

階段の壁は、上り下りのたびに手が触れやすく、手あとや黄ばみがたまりやすい場所でもあります。費用が上がりやすいからといって後回しにすると、ほかの部屋を張り替えたあとで、階段の古さがかえって目立つこともあります。家のほかの場所も張り替えを考えているなら、階段まわりも一緒に見積もりを取って比べてみるとよいでしょう。家全体をまとめて張り替える場合の費用の考え方は、一軒家の壁紙張り替え費用はいくら?家全体は数十万円規模、面積の積み上げ方と階段・吹き抜けの注意点で解説しています。

吹き抜けの壁紙張り替えを自分でやるのはおすすめしない

吹き抜けの張り替え費用が高くなりやすいと知ると、「自分でできないか」と考える方もいるかもしれません。ただ、吹き抜けの壁は、壁紙の張り替えの中でも自分でやるのが特に難しい場所です。

高い場所での作業は、転落のおそれがある

脚立からの落下によるけがは、一般的にも多いものです。吹き抜けの張り替えでは、家庭用の脚立では届かない高さまで作業をすることになり、しかも両手で壁紙を扱いながら、上を向いた姿勢を続けなければなりません。足元が不安定になりやすく、バランスを崩したときに体を支えることも難しくなります。

階段まわりの吹き抜けでは、段差の上に脚立を立てることになり、平らな床より足元がさらに不安定になります。高い場所での作業に慣れていない方や、体力に不安がある方は、吹き抜けの張り替えを自分でやるのは避けてください。高い場所にできた破れを直すときの考え方は、壁紙の破れは自分で補修できる?業者に相談したほうがよい5つの目安と費用の考え方でも解説しています。

よく目に入る場所なので、シワや継ぎ目のずれも目立ちやすい

吹き抜けの壁は、リビングにいるときも、玄関を入ったときも、階段を上り下りするときも、自然と目に入る場所です。上から下まで長い壁紙を張るので、途中で少しずつ曲がっていくと、上のほうでは継ぎ目のずれが大きくなります。

壁紙は、幅90cmほどの細長いシートを、壁の上端から下に向かって垂らすように張っていきます。吹き抜けの壁は高さがあるので、1枚の長さが長くなり、糊の付いた重くて伸びやすいシートを、高い場所で持ち上げながら位置を合わせることになります。一度ずれた位置で張ってしまうと、はがして張り直すうちに壁紙が伸びたり、糊が乾き始めたりして、きれいに直すのがさらに難しくなります。

高い場所でシワを伸ばしたり、継ぎ目をぴったり合わせたりする作業は、慣れていても手間のかかるものです。仕上がりに満足できず、結局は業者に張り直しを頼むことになると、自分で使った材料や道具の分がそのまま無駄になってしまいます。吹き抜けは、最初から業者に任せたほうが、結果として負担が少なく済みやすい場所です。

見積もりのときに確認しておきたいこと

吹き抜けの張り替えでは、見積もりの金額が部屋の広さから想像するより高くなることがあります。あとから「思っていたのと違った」とならないように、見積もりのときに次のことを確認しておきましょう。

高さに応じた費用が、見積もりのどこに入っているか

吹き抜けの張り替えで足場や作業台が必要な場合、その費用が見積書のどこに書かれているかを確認しておきましょう。見積書の書き方は業者によって違い、「足場代」「高所作業費」のような別の項目になっていることもあれば、吹き抜け部分の張り替え費用に含めて書かれていることもあります。

分からなければ、「吹き抜けの分の高所の作業は、見積もりのどこに入っていますか」と聞いてみてください。あわせて、次の点も確認しておくと安心です。

  • 吹き抜けの壁の上のほうまで、張り替える範囲に入っているか
  • 吹き抜けの天井も張り替える範囲に入っているか
  • 足場や作業台の設置のために、家具を動かす必要があるか

複数の業者で見積もりを比べるときは、吹き抜けの部分が同じ範囲で見積もられているかをそろえてから、総額を比べるのが基本です。あわせて、「吹き抜けの部分は、足場を組むのか、高さのある脚立や作業台で作業するのか」と、作業の方法も聞いておきましょう。同じ吹き抜けでも、業者によって作業の方法が違えば、準備にかかる手間や日数、金額も変わります。金額の差がどこから来ているのかが分かると、比べやすくなります。見積書でそのほかに確認しておきたい項目は、クロス張り替えの見積書チェックポイント7選|追加費用で後悔しないための確認事項で解説しています。

吹き抜けの場所と、おおよその高さを伝える

相談の段階で、吹き抜けが家のどこにあるか(リビング、玄関、階段まわり)と、天井のおおよその高さを伝えておくと、見積もりの見立てがしやすくなります。高さを正確に測る必要はなく、「2階の天井くらいまで」「2階の廊下の手すりより少し上まで」のように、家の中の目印で伝えれば十分です。

スマートフォンで、吹き抜けを下から見上げた写真や、2階から見下ろした写真を撮っておくのも、伝えるときの助けになります。あわせて、壁紙の黄ばみや汚れ、はがれなど、気になっている場所も写しておくと、現地調査のときに話が進みやすくなります。

吹き抜けだけでなく、ほかの部屋の壁紙も気になっている場合は、それも一緒に伝えておきましょう。足場や作業台を用意するなら、同じ機会に吹き抜けの天井やほかの場所もまとめて見てもらうことで、範囲を変えた金額を比べやすくなります。

工事の日数と、住みながらの準備も聞いておく

吹き抜けの張り替えは、足場や作業台の設置と片付けが加わるぶん、同じくらいの広さの部屋より作業に時間がかかることがあります。ほかの部屋もまとめて張り替える場合は、全体で何日くらいかかるのか、吹き抜けの作業はどの日に行うのかを、見積もりのときに聞いておきましょう。日数の決まり方は、壁紙張り替えの時間はどれくらい?1部屋4〜6時間の目安と日数の決まり方を解説で解説しています。

住みながら張り替える場合は、吹き抜けの作業をしている間、その下の空間を通れなくなったり、使えなくなったりすることがあります。リビングの吹き抜けなら、その日はリビングで過ごせない時間があるかもしれませんし、玄関や階段の吹き抜けなら、出入りや上り下りの動線をどう確保するかを相談しておく必要があります。どの家具をどこへ動かすか、どの時間帯に作業するかといった希望は、事前に伝えておくと当日の段取りがスムーズになります。

まとめ:吹き抜けの場所と高さを伝えて、見積もりで高さの分を確かめる

吹き抜けの壁紙張り替えについて、ここまでの内容を整理します。

  • 吹き抜けの壁紙張り替えは、同じくらいの広さの部屋より費用が高くなりやすい。理由は面積だけでなく高さ
  • 天井が高い場所は通常の脚立では届かず、足場や高さのある脚立・作業台が必要になり、その手間と安全対策の分が費用に加わる
  • 吹き抜けの壁だけを単独で頼むと最低料金(4万〜6万円程度)に近くなりやすく、ほかの部屋と一緒に頼むと1㎡あたりの負担は下がることがある
  • リビングや玄関の吹き抜けは高い壁の面積が大きくなりやすく、階段まわりは面積が小さくても段取りが変わるため金額が上がりやすい
  • 吹き抜けの張り替えは、転落のおそれがあり、仕上がりのずれも目立つので、自分でやるのはおすすめしない
  • 見積もりでは、高さの分の費用がどこに入っているかと、吹き抜けの壁の上部や天井が範囲に入っているかを確認する

実際の金額は、吹き抜けの高さや広さ、形を見ないと決まりません。吹き抜けの場所とおおよその高さ、気になっている場所を伝えて、現地調査で見てもらうと、自分の家の場合の金額がはっきりしてきます。

吹き抜けや階段まわりの壁紙が気になっている方は、電話でご相談ください。吹き抜けの場所や高さをうかがい、現地調査で壁の状態と作業の方法を確かめたうえで、費用をご案内します。見積もり・現地調査は無料です。

電話が難しい方はでもご相談いただけます。

この記事の執筆者

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氏名:松田郁幾
実績:壁紙張り替えを中心に、これまで多くのお客様・職人と関わってきました。
この記事について:現場で見聞きした実例をもとに、誇張せず、実践的な視点で解説しています。

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