
家の壁紙を張り替えるついでに、客間に使っている和室も新しくしたい。ただ、洋室にしてしまうのはもったいないし、畳も柱もそのまま残したい。それでいて、昔ながらの古びた印象からは抜け出したい。そんなふうに考えて「和モダン」という言葉にたどり着いた方もいると思います。
先に結論をお伝えします。和室を洋室にしなくても、壁紙の選び方と使い方を工夫すれば、和モダンな雰囲気にできます。壁紙メーカーのサンゲツも、和モダンな和室には柄入りの壁紙やアクセントクロス(1面だけ違う壁紙を貼る方法)を勧めていて、主張の強い色や柄も、床の間や一面だけのように部分的に使えば取り入れやすいとしています。畳や柱、長押(なげし)はそのまま残し、壁だけで部屋の印象を変える、というのが基本の考え方です。
費用の考え方は、普通の壁紙の張り替えと変わりません。6畳の和室の壁(約30平方メートル)を量産品の壁紙で張り替えるなら4万5,000〜7万5,000円程度が目安で、柄入りの壁紙を使う面積の分だけ、選んだ品番のグレードによる差が加わります。柄物は、継ぎ目で柄をそろえて貼るため、必要な壁紙の長さが少し増えることも知っておきたいところです。
この記事を読むと、次のことが分かります。
- 和モダンとはどういう考え方か(伝統的な純和風との違い、残すものと変えるもの)
- 和モダンに向く壁紙の選び方(全面に使う場合の注意点、床の間・一面・襖だけに使う「部分使い」、和モダンの柄を見たいことを現地調査の前に伝えておくこと)
- 色・柄選びのポイント(柱や長押の木の色、畳・襖・障子との合わせ方、見本の見方)
- 費用の目安(普通の張り替えと同じ考え方と天井を一緒にするか、柄入りの壁紙のグレードによる差、柄合わせで必要な長さが少し増えること)
- 塗り壁の和室や、洋室化も考えている場合の考え方
読み終えるころには、自分の和室で、どこにどんな壁紙を使えば和モダンになりそうかが見えてくるはずです。
自分の和室を和モダンにしたいと考えている方は、思い描いている雰囲気と、柄を使いたい場所(全面か、床の間・一面・襖か)を添えて、電話か問い合わせフォームで現地調査(見積もり)をご依頼ください。見積もり・現地調査は無料です。
電話が難しい方はメールでもご相談いただけます。
和モダンとは? 和室を洋室にせず今っぽくする考え方

「和モダン」は、特別な建材や大がかりな工事を指す言葉ではありません。和室の骨組みや和の落ち着きを残しながら、今の暮らしになじむ新しさを加える、という部屋づくりの考え方です。壁紙の張り替えで言えば、どんな柄の壁紙を、どの範囲に使うかの工夫がその中心になります。
伝統的な純和風とは、壁紙の選び方の方向が違う
サンゲツは、和室の壁紙の選び方を、部屋のイメージごとに分けて紹介しています。伝統的な純和風の部屋にしたい場合は「和紙調の壁紙や天然素材を使用した壁紙を選ぶと良いでしょう」として、畳のいぐさや襖の和紙といった和室特有の素材になじませる方向を勧めています。
一方、和モダンな部屋については、「和モダンな雰囲気の和室にしたい方には、柄入りの壁紙やアクセントクロスの活用をおすすめします」と書いています。例として挙げているのは、四方の壁のうち一面だけ洋風の壁紙を入れて和洋折衷にする方法や、床の間にアクセントクロスを入れてメリハリをつける方法です。そのうえで、「比較的主張が強い色や柄の壁紙も、このように部分的に使うことで違和感なく取り入れやすくなります」としています(出典:サンゲツ「和室の壁紙の選び方とおすすめコーディネート例」)。
つまり、純和風が「周りの和の素材に溶け込ませる」方向なのに対して、和モダンは「和の落ち着きを土台にしながら、柄や色でアクセントを加える」方向です。和モダンを目指すなら、どんな壁紙を選ぶかに加えて、柄やアクセントをどこに使うかまで考えておくと、仕上がりのイメージを描きやすくなります。なお、和紙そのものを使った壁紙にも、伝統的な和の趣のものから、現代風にアレンジされたものまであります。壁紙の素材ごとの特徴や、和紙の壁紙のお手入れの注意は、壁紙の種類は代表的な4つ|住宅用の約9割はビニールクロス、分からないときの確かめ方で整理しています。
畳・柱・長押は残して、壁で印象を変える
和室の壁紙の張り替えでは、柱が壁の表に見えている部屋なら、壁紙は柱と柱の間に貼ります。柱や長押、敷居といった木の部分も、畳もそのまま残ります。和モダンは、この「残る和の部分」を生かす考え方なので、和室の張り替えと相性がよいと言えます。
畳を無くしたり、障子や襖をドアに替えたりしなくても、壁の色や柄を変えることで、部屋の印象を変えられます。客間として使い続けたい、来客のときに古びた印象を与えたくない、けれど和室としての使い方は変えたくない。そうした場合には、壁紙で和モダンを目指すのが、工事の範囲を広げずに済む方法です。
和モダンに向く壁紙の選び方

和モダンにする方法は、大きく分けると、柄入りの壁紙を部屋の壁全体に使う方法と、床の間や一面、襖のように一部にだけ使う方法の2つです。どちらにするかで、選ぶ柄も変わってきます。
全面に使う場合の注意点
和の雰囲気の柄入りの壁紙を、部屋の四方の壁すべてに使うこともできます。部屋全体の雰囲気が統一されるので、和モダンの印象をしっかり出したい場合に向いています。
ただ、全面に使う場合は、柄の主張の強さに気をつけたいところです。見本帳の小さな見本では、柄が1つか2つ分しか見えないこともありますが、壁一面に貼ると、その柄が何十回も繰り返されます。見本では落ち着いて見えた柄が、四方の壁に広がると、思ったよりにぎやかに感じることがあります。
色の見え方にも違いがあります。サンゲツは、壁紙選びのポイントとして「カタログで見るより実際の仕上がりは明るく、淡く見えることがあります」と書き、「なるべく大きなサンプルで確かめましょう」と勧めています(出典:サンゲツ「壁紙選びのポイント」)。見本帳で「ちょうどいい」と感じた色が、壁一面では思ったより薄く見えることがある、ということです。同じ系統の色合いで迷ったら、少し濃いめのほうを選ぶのも一つの方法です。一方で、柄が繰り返されることで、部屋全体の印象は見本より強くなることもあります。色そのものの見え方と、柄が並んだときの部屋全体の印象は、分けて考えておくとよいでしょう。
全面に使うなら、柄の小さいもの、色の差が少ないもの、地の色が落ち着いているものから考えると、落ち着いた印象にまとめやすくなります。客間として使う和室は、来客の年代もさまざまです。思い切った柄にしたい気持ちがあっても、全面に使うなら一歩控えめな柄を選んでおき、強い柄は次の「部分使い」で取り入れる、という分け方もあります。
床の間・一面・襖だけに使う「部分使い」という方法
主張の強い色や柄を取り入れたいなら、部屋の一部にだけ使う方法が向いています。和室で部分使いの場所としてよく考えられるのは、次の3つです。
- 床の間の壁:もともと部屋の見せ場なので、柄や色を変えても唐突になりにくい場所です。サンゲツも、床の間にアクセントクロスを入れてメリハリをつける方法を挙げ、雲柄の織物壁紙を「アクセントクロスや床の間の壁紙としてもおすすめ」と紹介しています。床の間の壁を張り替えるときに、床柱や落とし掛けといった木の部分をどうするかは、床の間の壁紙は張り替えられる?床柱・落とし掛け・地袋の扱いと、収納にする場合の費用の考え方にまとめています
- 四方の壁のうち一面:サンゲツの例にある、一面だけ洋風の壁紙にする和洋折衷の方法です。残りの壁を落ち着いた無地に近い壁紙にすると、一面の柄が引き立ちます
- 襖:壁と一緒に、襖にも壁紙を貼ることができます。襖に柄の壁紙を使うと、部屋に入ったときの印象を変えられます
1面だけ違う壁紙を貼る方法は、一般にアクセントクロスと呼ばれます。どの面に、どのくらいの面積で使うか、色をいくつまでにするかで失敗しやすい点もあるので、アクセントクロス全般の注意点はアクセントクロスの失敗例は3つ|面積は壁の2〜3割・色は3色まで、見本帳は少し濃いめを選ぶも参考にしてください。
襖に壁紙を貼る場合、和室の壁の張り替えに合わせて襖にも壁紙を貼る依頼は、珍しいものではありません。襖の縁(ふち)は外さず、縁の内側に貼るのが一般的です。壁は落ち着いた色にして襖にだけ柄を入れれば、襖がアクセントになります。反対に、壁と襖を同じ壁紙でそろえると、部屋に統一感が出る一方で、すっきりと洋室に近い印象にも寄りやすくなるので、和の雰囲気をどのくらい残したいかで選び分けるとよいでしょう。なお、壁の張り替えをせずに襖だけをきれいにしたい場合は、表具店や畳屋に襖紙の張り替えを頼んだほうが、ほとんどの場合は安く済みます。襖の構造や下地の状態によって貼り方が変わること、貼ったあとに襖の下地の紙ごと剥がれることがあること、襖紙の張り替えとの費用の比べ方は、襖に壁紙は貼れる?襖紙の張り替えとの費用比較と確かめる2つのことで解説しています。
和モダンの柄を見たいことは、現地調査の前に業者へ伝えておく
壁紙の張り替えでは、業者が現地調査に壁紙の見本帳(サンプル帳)を持ってきて、その場で柄を確かめるのが一般的です。ただ、見本帳はメーカーやグレードごとに何冊にも分かれていて、現地調査にすべてを持ってくるとは限りません。
壁紙には、白系の無地を中心にした普及グレードの「量産品」と、色や柄の選択肢が多い「1000番台」と呼ばれるグレードがあります。量産品の見本帳は白系統の壁紙が多いので、和モダン向けの柄を見たいなら、それが載っている見本帳を持ってきてもらう必要があります。何も伝えずに依頼すると、当日は標準的な見本帳だけで、見たかった系統の柄がほとんど載っていなかった、ということも起こり得ます。
そこで、現地調査を依頼するときに、「和室を和モダンにしたいので、和の柄が載っている見本帳を持ってきてほしい」と伝えておきましょう。インターネットやメーカーのWebサイトで気に入った柄が見つかっていれば、その柄が載っている見本帳を指定して持ってきてもらうこともできます。
あわせて、どこに使いたいか(四方の壁すべてか、床の間か、一面か、襖か)も伝えておくと、話が早く進みます。使う場所によって、選ぶ柄も、必要な壁紙の量も変わるからです。壁紙の張り替えでは、現地調査に来てもらうことが、そのまま見積もりの依頼になります。柄の系統と使う場所をある程度決めてから現地調査を頼み、当日に見本帳で実際の柄を確かめる、という順番で進めると、選ぶ時間を無駄にせずに済みます。
現地調査の時間だけで柄を決めきれないときは、見積もりの金額が合ってから、別の日に柄を決めることもあります。その場合、後日決めた柄によっては、見積もりの金額が変わることがあります。別の日に決めるなら、柄が決まった時点で「この柄で金額は変わりますか」と確かめておくと安心です。
色・柄選びのポイント(木部・畳との合わせ方)
和室の壁紙選びで洋室と違うのは、柱や長押、敷居といった木の部分と、畳、襖、障子が残ることです。和モダンの壁紙も、壁紙だけを見て決めるのではなく、こうした残る部分と一緒に見て決めると、まとまりのある部屋になります。サンゲツも、和室の壁紙は畳や襖、障子などの色や素材に合ったものを絞り込んでいくと選びやすく、まずどんなイメージの部屋にしたいかを決めたうえで、畳や襖・障子とのバランスを考えて選ぶとよい、としています。
柱や長押の木の色を基準にする
和室では、柱や長押の木の色が、壁の色と隣り合って目に入ります。この木の色を基準にして、壁紙の色を考えるのが一つの方法です。
木の色が濃い和室で、真っ白に近い壁紙を選ぶと、木部との差が強く出て、木の線がくっきり浮き上がって見えることがあります。それを和モダンのメリハリとして生かす考え方もありますが、柔らかくまとめたいなら、少し黄みのある白やベージュのほうが、木の色とのつながりが穏やかになります。アクセントにする面の色も、木の色に近い色を選べば落ち着いた印象に、木の色と差のある色を選べば引き締まった印象になります。ただし、まわりの壁の色との差が小さいと、アクセントとしては効きにくくなります。
年数の経った和室では、柱や長押の木の色そのものが、新築のころより濃くなっていることもあります。見本帳で色を選ぶときは、見本を柱の横に当てて、今の木の色と並べて見るのが確実です。
壁紙の色を、床やドアの色とどう合わせるかの基本的な考え方は、壁紙の色の選び方は床とドアの色が基準|グレー・ベージュ・白の合わせ方と見本帳での4つの確認で詳しく扱っています。和室では、床やドアの木目の色を、柱や長押、敷居の木の色に置き換えて読むと、同じ考え方が使えます。柔らかくまとめたいのか、メリハリをつけたいのかで合う色は変わるので、どちらの方向にしたいかを決めてから見比べると選びやすくなります。
畳・襖・障子の色と素材にもなじませる
畳、襖、障子も、和室の印象を大きく左右します。畳の緑や、日に焼けた畳の黄みがかった色、襖紙の色や柄、障子の白さと、壁紙の色が合っているかも見ておきましょう。
襖をそのまま残す場合は、襖紙の色や柄と、新しい壁紙の柄がぶつからないかが気になるところです。襖にも壁紙を貼るのか、襖はそのままにするのかで、壁紙の選び方も変わります。部分使いで襖をアクセントにするなら、壁は襖の柄を引き立てる落ち着いた色に、壁の一面をアクセントにするなら、襖はその柄と競わない色に、というように、どこを主役にするかを決めておくと、選びやすくなります。
見本は、貼る予定の壁と和室の光で確かめる
見本帳の見本は、机の上ではなく、貼る予定の壁に当てて見るのがおすすめです。床の間に使う柄なら床の間の壁に、襖に使う柄なら襖に当てて、柱や畳と並んだときの見え方を確かめます。
障子のある和室では、障子を通した柔らかい光が入ります。部屋の明るさは時間帯や照明でも変わり、それによって、壁紙の色や柄の見え方が変わります。気になる柄があれば、昼と夜など見る条件を変えて見比べてみると、選んだあとのずれが小さくなります。見本と壁一面での見え方の違いや、大きめのサンプルの取り寄せ方は、壁紙のサンプルと実際の色はなぜ違う?メーカーが説明する「面積効果」と、見本帳の見方・サンプルの取り寄せ方で詳しく扱っています。
また、築年数が経った住まいでは、古い壁紙を剥がしたあとの下地に細かな段差が残ることがあり、職人から「見本帳の中でも厚手のものから選んでください」と言われることがあります。気に入った柄が薄手だった場合は、その壁で使えるかを現地調査のときに確かめておくと安心です。
費用の目安は普通の壁紙張り替えと同じ範囲か
柄入りの壁紙を使うと、特別に高くなるのではないかと心配される方もいると思います。結論から言うと、費用の考え方そのものは、普通の壁紙の張り替えと同じです。そのうえで、選ぶ品番のグレードと、柄合わせの分が金額に関わってきます。
費用の考え方は普通の張り替えと同じ
壁紙の張り替えの費用は、張り替える面積と、壁紙のグレードで決まります。量産品の壁紙なら、材料費と施工費を合わせて1平方メートルあたり1,500〜2,500円程度が目安です。6畳の和室の壁の面積(窓や襖、押入れなどを引く前の広さ)は約30平方メートルなので、量産品で張り替える場合は4万5,000〜7万5,000円程度になります。実際には窓や襖、押入れの部分には壁紙を貼らないため、貼る面積はこれより小さくなります。
また、多くの業者は最低料金を4万〜6万円程度に設定しています。床の間の壁だけ、一面だけのように、張り替える範囲が小さい依頼を単独で頼む場合は、面積が小さくても、この最低料金の範囲になることが多くなります。逆に、ほかの壁と一緒に張り替える中で、一面だけを柄入りの壁紙にするのであれば、最低料金が改めてかかるわけではなく、その面の壁紙のグレードの差が加わる、と考えておけばよいでしょう。
天井まで一緒に張り替えるかも、費用に関わります。天井は見上げないからそのままでよい、という方もいれば、壁と合わせて天井も新しくしたい、という方もいて、人によって分かれます。天井を壁と一緒に張り替える場合と、後回しにする場合で費用がどう変わるかは、クロス張り替えで天井もやるべき?壁と同時なら追加2万円、後回しは割高になる理由で詳しく扱っています。ただし和室では、天井に木目調のように色や柄のある壁紙を選ぶこともあり、その場合は壁と同じように、グレードによる材料の差が加わります。和室の天井に木目調の壁紙を貼りたいという相談もあります。また、もともとの天井が木目を印刷した合板(プリント合板)で、その上から壁紙を貼る場合は、板の表面の状態に合わせた下地の処理(シーラー)が必要になります。天井も考えているなら、現地調査のときに一緒に見てもらいましょう。木目調の壁紙の選び方や、和室の天井に貼るときに今の天井の材料を確かめておきたい理由は、木目調の壁紙・クロスの選び方|木種・貼る方向・板目か柾目かの3つの視点と、見本帳で見た印象との違いで詳しく扱っています。和室の天井そのものにクロスを張るときに、天井の造りによって加わる下地の処理と、その費用の考え方は、和室の天井にクロス(壁紙)は張れる?木目の合板でも張れるが、シーラーが加わる理由と費用の目安にまとめています。
なお、税込みで見積もるか税抜きで見積もるかは業者によって異なります。見積もりを比べるときは、税込みか税抜きかをそろえて見てください。
柄入りの壁紙は、選ぶ品番のグレードで材料の価格が変わる
和紙調や和の柄の壁紙は、色や柄の選択肢が多い1000番台の見本帳にも載っています。標準的な品番どうしで比べると、1000番台と量産品の差は1平方メートルあたり数百円ほどです。標準的な品番なら、6畳の壁すべてを1000番台にしても量産品との差は1万円前後で、一面だけに使うなら、差はその面の面積の分だけです。グレードによる価格の違いは、量産クロスと1000番クロスの違い|価格差は6畳で約1万円、部屋ごとの選び分け方で詳しく扱っています。
たとえばサンゲツでは、1000番台の見本帳「リザーブ」に載っている和紙調の霞柄(RE55705)の標準価格が1平方メートルあたり1,090円です(税別・施工費別。出典:サンゲツ RE55705)。一方、同じサンゲツが和室向けに紹介している雲柄の織物壁紙(SGM1348)は、別の見本帳「エクセレクト」に載っている、商品ページに「通常の商品と別の販売掛率設定品」と書かれた品番で、標準価格は1平方メートルあたり3,670円です(税別・施工費別。出典:サンゲツ SGM1348)。どちらも材料の定価で、実際の見積もりの金額そのものではありませんが、同じメーカーの和の雰囲気の壁紙でも、品番によっては1000番台の標準的な品番より材料の価格がかなり高いものもある、ということは知っておきたいところです。
和モダンだから必ず高い、というわけではありません。ただ、気に入った柄がどの見本帳の、どの価格帯の品番なのかで、金額は変わります。床の間や一面のように面積が小さい場所なら、価格の高い品番を選んでも総額への影響は抑えられます。気になる柄が見つかったら、その品番のグレードを担当者に確かめ、全面に使う場合と部分使いにする場合で、金額がどう変わるかを聞いてみるとよいでしょう。
柄物は柄合わせが必要で、必要な壁紙の長さが少し増える
柄入りの壁紙を選ぶと、もう一つ、必要な壁紙の量にも関わってきます。
張り替えに使う壁紙は、幅90cm前後のロールを天井の高さに合わせて切り、縦に1枚ずつ貼り継いでいきます。柄のある壁紙では、隣り合う壁紙どうしで柄がずれないように、柄の位置をそろえて貼ります。これを柄合わせ(絵合わせ)と呼びます。柄をそろえるために、次の1枚をずらして切ることになり、ずらした分は余るので、無地に近い壁紙より、必要な壁紙の長さが少し増えます。柄合わせをせずに貼ると、継ぎ目ごとに柄が途切れたりずれたりしてしまうので、柄物を選ぶ以上は避けられない、柄物ならではの事情です。
どのくらい増えるかは、柄によって違います。必要な量の計算は、施工する業者が選んだ品番と壁の寸法から行うので、自分で計算する必要はありません。押さえておきたいのは、柄物は無地に近い壁紙より少し多く要ること、そして柄を決めたあとで見積もりの数量や金額に表れることがある、という点です。品番が決まったら、「見積もりは柄合わせの分を含めた金額になっていますか」と確かめておくと安心です。柄合わせで量が増える理由や、柄を決める順番と見積もりの確かめ方は、柄物の壁紙は無地より量が少し増える|柄合わせの理由と、現地調査(見積もり)前後の決め方で詳しく扱っています。
塗り壁の和室や、洋室化も考えている場合は
ここまでは、和室の壁を壁紙で和モダンにする話をしてきました。ただ、和室の壁は、もともと壁紙が貼られているとは限りません。砂壁や聚楽壁、繊維壁のような塗り壁の和室もあります。塗り壁の場合も壁紙にすることはできますが、壁の状態に合わせた下地の処理が先に必要になり、その方法によって費用も変わります。
また、和モダンを考えるうちに、畳をフローリングに替える、襖や障子をドアに替える、といった洋室化まで視野に入ってくることもあるでしょう。床や建具まで変える場合は、工事の内容も相談先も、壁紙の張り替えとは変わってきます。
塗り壁の和室を壁紙にする方法と費用、自分の和室の壁の見分け方、壁だけ変える場合と洋室化する場合の違いは、和室の壁紙張り替えは塗り壁でもできる?4つの方法と壁の見分け方、費用の目安を解説で詳しく解説しています。壁が何でできているか分からなくても、現地調査で確かめられるので、まずは和モダンにしたいという希望から伝えて構いません。
まとめ
和室を和モダンにする壁紙の選び方のポイントを整理します。
- 和モダンは、特別な建材や大がかりな工事ではなく、和の落ち着きを残しながら、柄やアクセントで新しさを加える考え方。畳や柱、長押は残し、壁で印象を変える
- サンゲツは、伝統的な純和風には和紙調・天然素材の壁紙、和モダンには柄入りの壁紙やアクセントクロスを勧めている。主張の強い色や柄も、部分的に使えば取り入れやすい
- 柄を全面に使うなら、柄の主張の強さに注意する。壁一面では色は見本より明るく淡く見えることがあるので、同じ系統の色合いで迷ったら少し濃いめを選ぶのも一つの方法。一方で、柄が繰り返されて部屋全体の印象は強くなることがある
- 床の間・一面・襖だけに柄を使う「部分使い」なら、主張の強い柄も取り入れやすい
- 和モダンの柄を見たいことと、使いたい場所を、現地調査の前に伝えておく。その系統の柄が載った見本帳を持ってきてもらえる
- 色は、柱や長押の木の色、畳・襖・障子と合わせて選ぶ。見本は貼る予定の壁に当て、和室の光で確かめる
- 費用の考え方は普通の張り替えと同じ。6畳の壁を量産品で張り替えるなら4万5,000〜7万5,000円程度が目安で、柄入りの壁紙は選ぶ品番のグレードで材料の価格が変わる。柄合わせで必要な壁紙の長さが少し増える。天井も一緒に張り替えるかでも費用は変わる
和モダンの和室は、壁紙の柄と使う場所の組み合わせで決まります。自分の和室のどこにどんな柄を使いたいかが少しでも見えてきたら、まずはその希望を、電話か問い合わせフォームで伝えて、現地調査(見積もり)を依頼してみてください。
和室を和モダンに張り替えたいと考えている方は、電話か問い合わせフォームでご相談ください。思い描いている雰囲気と、柄を使いたい場所(全面か、床の間・一面・襖か)を伺ったうえで、現地調査(見積もり)の進め方をご案内します。品番が決まったら、柄合わせを含めた金額になっているかもあわせてご確認ください。見積もり・現地調査は無料です。
電話が難しい方はメールでもご相談いただけます。
この記事の執筆者

氏名:松田郁幾
実績:壁紙張り替えを中心に、これまで多くのお客様・職人と関わってきました。
この記事について:現場で見聞きした実例をもとに、誇張せず、実践的な視点で解説しています。



