輸入壁紙の張り替えは国産と何が違う?幅52cmの例で見る素材・施工・持ち込み・費用の確かめ方

リビングの1面だけを植物柄の壁紙にした部屋と、柄の見本を置いた小さなテーブル

家全体の壁紙を張り替えるなら、リビングの1面くらいは、雑誌やお店で見かけた海外の壁紙にしてみたい。そう考えて調べ始めると、「輸入壁紙」という言葉とともに、国産の壁紙とは違う説明がいろいろと出てきます。気に入ったブランドや柄があっても、いつもの業者に頼んで張ってもらえるのか、費用はどれくらい変わるのか、自分で買ったものを持ち込めるのかは、なかなか分かりにくいところです。

先に結論をお伝えします。輸入壁紙は、海外で作られて輸入された壁紙のことです。よく知られている紙の輸入壁紙は、国内の住宅で主流のビニールクロスとは素材が違い、幅も国産の壁紙より狭いものがあります。たとえば、壁紙メーカーのリリカラが扱うMorris & Co.(モリス)の輸入壁紙は、幅が52cmで、国産の壁紙の90cm前後より狭くなっています。このように幅や素材が国産の壁紙と違う商品では、張り方の注意点も、必要な本数の数え方も、材料の価格も、商品ごとに確かめる必要があります。施工に対応できる業者は一定数いますが、すべての業者が対応できるわけではありません。気になる輸入壁紙が決まったら、品番や写真(買ってあれば実物)を用意して、施工を扱う業者に、対応できるかどうかと費用の目安を電話で相談するのが近道です。

この記事を読むと、次のことが分かります。

  • 輸入壁紙と国産の壁紙の違い(素材、幅、ブランドの名前だけでは輸入壁紙かどうか分からないこと)
  • 輸入壁紙の種類(紙の風合いを生かした壁紙と、Morris & Co.などデザインが主役のブランドの壁紙)
  • 施工の違い(下地の影響を受けやすいものがあること、継ぎ目の納め方と目立ちやすさ、表面の傷つきやすさ)
  • 自分で買った輸入壁紙を持ち込むときに確かめること(対応できる業者か、量が足りるか、まとめて買うか、保証)
  • 費用の考え方と、選ぶ前に確かめておきたいこと

読み終えるころには、気になっている輸入壁紙について、何を用意して、業者に何を聞けばよいかが見えてくるはずです。

当店では輸入壁紙の張り替えもご相談いただけます。気になっている輸入壁紙の品番や写真があれば、それをもとに、施工に対応できるか、費用の目安はどのくらいかを、電話か問い合わせフォームでお尋ねください。見積もり・現地調査は無料です。

電話が難しい方はでもご相談いただけます。


輸入壁紙とは?国産の壁紙との違いと見分け方

継ぎ目の多い幅の狭い壁紙の壁と、継ぎ目の少ない幅の広い壁紙の壁を並べた図

まず、輸入壁紙とはどんな壁紙なのかを整理します。国産の壁紙との大きな違いである素材と幅に加えて、輸入壁紙かどうかの見分け方も見ていきます。

輸入壁紙は、海外で作られて輸入された壁紙

輸入壁紙は、その名前のとおり、海外で作られて日本に輸入された壁紙です。国内の壁紙メーカーも、見本帳の中で輸入壁紙を扱っています。たとえばサンゲツは、見本帳の「選択・施工上の注意」で、壁紙を素材ごとに分類したうえで、「輸入紙壁紙」を「海外から輸入した紙系壁紙です」、「輸入ビニル壁紙」を「海外から輸入したビニル壁紙です」と説明しています(出典:サンゲツ 見本帳「BRAND & PATTERN」2025-2029 選択・施工上の注意(PDF))。

ここから分かるのは、輸入壁紙といっても素材は1種類ではない、ということです。紙の輸入壁紙のほかに、ビニルの輸入壁紙もあります。「輸入壁紙=紙の壁紙」と決めつけず、気になる商品がどの素材なのかを、商品の表示や見本帳で確かめておくと安心です。

一方、国内の住宅で使われている壁紙は、その大半がビニールクロスです。色や柄が豊富で比較的安く、お手入れもしやすいことから、住まいの壁紙の主流になっています。国産の壁紙を前提にした「壁紙はこういうもの」という感覚は、ビニールクロスの感覚だと考えてよいでしょう。輸入壁紙を検討するときは、その感覚がどこまで当てはまるかを、一つずつ確かめていくことになります。ビニールクロスと、紙・織物など素材の違う壁紙との違いは、壁紙の種類は代表的な4つ|住宅用の約9割はビニールクロス、分からないときの確かめ方で詳しく扱っています。

紙の輸入壁紙は、ビニールクロスと性質が違う

輸入壁紙の中でもよく知られているのが、紙の壁紙です。Morris & Co.の輸入壁紙を扱うリリカラは、施工要領書で、この壁紙が「紙壁紙共通の特色である透湿性、伸縮性」を持っていると説明しています(出典:リリカラ「壁紙施工要領書【輸入品】ウィリアム・モリス(紙壁紙)」(PDF))。紙は空気中の湿気を通し、水分を含むと伸び縮みする、ということです。

お手入れの面でも、ビニールクロスとは違います。リリカラのオンラインストアの商品ページには、Morris & Co.の輸入壁紙について「素材の性質上、一度水や汚れが染み込んでしまうと拭き取ることができません」と書かれています(出典:リリカラオンラインストア「Fruit|LIS42022|輸入壁紙(糊なし)」)。サンゲツも、輸入紙壁紙について「汚れが付着しやすいため注意してください」としたうえで、汚れが付いたときは乾いた布で軽くたたくように素早く拭き取る、細かな汚れは消しゴムで落ちることもある、と案内しています(出典:サンゲツ 見本帳「BRAND & PATTERN」2025-2029 選択・施工上の注意(PDF)、前出)。

ビニールクロスなら、軽い汚れは水拭きで落とせるものが多いので、同じつもりで扱うと、シミや傷みを作ってしまうことがあります。紙の輸入壁紙を選ぶなら、どこに貼るかも一緒に考えておきましょう。水はねのある場所や、手が頻繁に触れる場所より、リビングのテレビの後ろの壁や寝室のベッドの頭側のように、眺めて楽しむ壁のほうが、紙の壁紙の良さを生かしやすくなります。部屋の1面だけに違う壁紙を張る方法はアクセントクロスと呼ばれ、どの壁を選ぶかや面積の目安、よくある失敗の型は、アクセントクロスの失敗例は3つ|面積は壁の2〜3割・色は3色まで、見本帳は少し濃いめを選ぶにまとめています。

幅が国産の壁紙より狭いものがある

素材と並んで大きな違いが、壁紙の幅です。国産の壁紙は幅90cm前後のものが一般的ですが、リリカラは、Morris & Co.の輸入壁紙について「有効巾が国産の壁紙よりも狭く(52cm幅)なっています」と書いています(出典:リリカラ「壁紙施工要領書【輸入品】ウィリアム・モリス(紙壁紙)」(PDF)、前出)。有効巾とは、張ったときに実際に壁を覆う幅のことです。

壁紙の幅が狭いと、同じ壁でも縦に張る枚数が増えます。たとえば幅3mの壁なら、幅90cm前後の壁紙では4枚で覆えるところ、幅52cmの壁紙では6枚が必要です。枚数が増えれば、そのぶん継ぎ目の数も増えます。継ぎ目の数が多い壁紙ほど、継ぎ目の仕上がりが壁全体の見た目を左右しやすくなる、ということです。

また、必要な壁紙の長さの数え方も変わります。幅の狭い壁紙で同じ面積を張れば、使う長さは増えます。見積もりの数量や、自分で買うときの本数を考えるときに、国産の壁紙と同じ感覚で数えると足りなくなることがあるので、注意が必要です。

なお、輸入壁紙の幅は商品によって違います。「輸入壁紙は幅52cm」と決まっているわけではないので、気になる商品の有効巾は、商品ページや見本帳の表示で確かめておきましょう。

ブランドの名前だけでは、輸入壁紙かどうかは分からない

もう一つ知っておきたいのが、海外ブランドの名前が付いた壁紙でも、名前だけでは、輸入壁紙かどうかも、価格の水準も分からない、ということです。

国内の壁紙メーカーの見本帳には、海外ブランドの柄の壁紙も載っています。たとえば、サンゲツの見本帳「ファイン」に載っているマリメッコの品番MRK78052の商品ページには、「marimekkoの壁紙は輸入壁紙です。国内生産の一般ビニル壁紙とは仕様が大きく異なります。製品巾やインクなどに起因する注意事項があります」と書かれています。標準価格は1㎡あたり3,290円(税別)で、「通常の商品と別の販売掛率設定品です」ともあります(出典:サンゲツ 商品ページ「MRK78052」)。

一方、サンゲツは、フィンランドのテキスタイルブランド「フィンレイソン」の柄の壁紙も多数そろえています(出典:サンゲツ「Finlayson(フィンレイソン)の壁紙」)。そのうちの1つ、品番RE55777は、いわゆる1000番台の見本帳である「リザーブ」に、標準価格1㎡あたり1,090円(税別)で載っており、商品ページに輸入壁紙であるという記載はありません(出典:サンゲツ 商品ページ「RE55777」)。

つまり、業者が持ってくる国内メーカーの見本帳の中から輸入壁紙を選べることもあれば、海外ブランドの名前が付いていても、1000番台の標準的な壁紙と同じ水準の価格で載っている品番もある、ということです。幅や施工上の注意、価格は、品番によって変わってきます。ブランドの名前だけで判断せず、気になる柄があれば、品番ごとの注意事項や価格を確かめるようにしましょう。

輸入壁紙にはどんな種類がある?

表面がざらっとした無地の壁紙の見本と、葉と実の柄が目立つ壁紙の見本を並べたところ

輸入壁紙には、さまざまな国のさまざまなメーカーのものがあります。ここでは、張り替えを考えるときに知っておくと整理しやすい、代表的な2つのタイプを紹介します。紙の風合いを楽しむものと、柄が主役のブランドのもので、両方に当てはまる壁紙もあります。

紙の風合いを生かした壁紙(ラウファーザーなど)

1つ目は、色や柄よりも、紙そのものの風合いや表面の凹凸を楽しむ壁紙です。代表的なものに、ラウファーザーと呼ばれる壁紙があります。色や柄で主張するのではなく、光の当たり方で表情が変わる質感が魅力で、部屋全体を落ち着いた印象にまとめたい場合に向いています。

ラウファーザーへの張り替えで費用が上がる理由や、張り替え後の部屋の印象は、ラウファーザーの壁紙張り替えは通常クロスと何が違う?費用が上がる4つの理由と1面72,600円の実例を解説で詳しく扱っています。この記事では、輸入壁紙全体に共通する考え方を中心に見ていきます。

デザインが主役のブランドの壁紙(Morris & Co.・マリメッコ・ローラアシュレイなど)

2つ目は、柄や色が主役のブランドの壁紙です。輸入壁紙を探していると、ブランドの名前から探す方も多いでしょう。名前がよく挙がるものに、Morris & Co.(ウィリアム・モリス)、マリメッコ、ローラアシュレイなどがあります。ただし、前の章で見たとおり、ブランドの名前だけでは、輸入壁紙かどうかは分かりません。商品ごとに、輸入壁紙かどうかを確かめる必要があります。

このうちMorris & Co.は、リリカラが輸入壁紙として扱っています。リリカラの商品ページでは「自然を愛したウィリアム・モリスが設立したブランド”Morris & Co.”」と紹介されており(出典:リリカラオンラインストア「Fruit|LIS42022|輸入壁紙(糊なし)」、前出)、カタログのページでは、そのコレクションを「英国で生産されるMorris & Co.の壁紙の中からピックアップしたコレクション」と説明しています(出典:リリカラ「リリカラインポートセレクション2023-」)。植物や果物を描いた柄が多く、リビングや寝室の1面に取り入れると、部屋の雰囲気が大きく変わります。

ブランドの壁紙を選ぶときは、品番ごとに輸入壁紙かどうかを確かめておきましょう。輸入壁紙であれば、この後の章で見る施工・持ち込み・費用の注意点が関わってきます。マリメッコのような北欧のブランドの柄も含め、北欧テイストの柄の選び方や、北欧柄が載った見本帳を現地調査に持ってきてもらう頼み方は、北欧テイストの壁紙は国内メーカーでも選べる|多くは1000番台、ブランド柄は品番で価格帯を確かめるで詳しく扱っています。植物を描いた柄の壁紙を通販サイトで探すときも、国内メーカーの品番と輸入壁紙の両方が並ぶので、メーカー名と品番を控えておく考え方は、ボタニカル壁紙は国内メーカーでも選べる|分類の名前の違い・柄の大きさと貼る面・現地調査での頼み方で扱っています。

輸入壁紙の施工は、国産の壁紙と何が違う?

輸入壁紙は、国産のビニールクロスと同じ要領では張れないことがあります。ここでは、メーカーの施工の資料をもとに、紙の輸入壁紙を中心に、施工で気をつける点を見ていきます。読者の側で施工の手順を覚える必要はありませんが、どこに手間がかかり、仕上がりの何に影響するのかを知っておくと、業者の説明や見積もりの中身が分かりやすくなります。

下地の影響を受けやすいものは、下地処理がより大切になる

壁紙の仕上がりは、その下の下地の状態に左右されます。リリカラは、Morris & Co.の輸入壁紙について「商品厚が薄いため下地の不陸を拾いやすく、したがって入念な下地調整が要求されます」と書いています(出典:リリカラ「壁紙施工要領書【輸入品】ウィリアム・モリス(紙壁紙)」(PDF)、前出)。不陸とは、下地の表面の細かな凹凸や段差のことです。薄い壁紙は、その凹凸がそのまま表面に浮き出て見えやすい、ということです。

古い壁紙を剥がしたあとの下地には、細かな段差や凹みが残っていることがあります。張り替えでは、下地のパテ処理で平らに整えてから新しい壁紙を張るのが一般的ですが、薄い輸入壁紙を張る場合は、下地処理の出来が、仕上がりにより表れやすくなります。下地処理がどんな工程で、見積書でどう確かめるかは、壁紙の下地処理とは?数か月後に浮きが出る理由と、見積書で確認する一言で詳しく扱っています。

一方で、輸入壁紙がすべて薄いわけではありません。サンゲツは、輸入紙壁紙について「厚みがあり、表面がフラットなためジョイントが目立ちやすくなっています」と書いています(出典:サンゲツ 見本帳「BRAND & PATTERN」2025-2029 選択・施工上の注意(PDF)、前出)。厚みは商品によって違い、メーカーの資料を見る限り、薄いものは下地の凹凸が、厚く表面が平らなものは継ぎ目が、それぞれ目に付きやすいことがある、ということです。輸入壁紙を選ぶときは、その商品で何が目立ちやすいのかを、品番の資料や業者の説明で確かめておくとよいでしょう。下地の段差や継ぎ目が、照明の当たり方で目立って見える仕組みは、壁紙の継ぎ目が照明で目立つ理由は?斜めの光と段差の影、経年か施工かの見分け方と厚手の壁紙の選び方で詳しく扱っています。

商品によって継ぎ目の納め方が違い、目立ちやすいことがある

国産のビニールクロスは、隣どうしの壁紙を少し重ねて貼り、重なった部分をまとめて切って継ぐ方法がよく使われます。これに対して、リリカラのMorris & Co.の輸入壁紙は、あらかじめ両端を切りそろえてあり(スリッター加工)、「基本的に突きつけ施工で納めてください」とされています(出典:リリカラ「壁紙施工要領書【輸入品】ウィリアム・モリス(紙壁紙)」(PDF)、前出)。突き付けとは、隣どうしの壁紙の端を重ねずに、ぴったり突き合わせて継ぐ方法です。サンゲツも、輸入紙壁紙の施工上の注意として「耳がスリットしてある商品は突き付けで施工してください」と書いています(出典:サンゲツ 見本帳「BRAND & PATTERN」2025-2029 選択・施工上の注意(PDF)、前出)。

突き付けで継ぐ壁紙は、端どうしをぴったりそろえて納めるので、継ぎ目の仕上がりを確かめておきたい壁紙です。前の章で見たとおり、幅が狭い壁紙では継ぎ目の数も増えるので、その分、継ぎ目の出来が壁全体の印象に表れやすくなります。ビニルの輸入壁紙についても、サンゲツは「製法上、ジョイント部分に色の差異やムラが生じる場合があります」と注意を促しています(出典:同上)。

継ぎ目の位置は、施工の前に決めておくものです。サンゲツは、輸入紙壁紙・輸入ビニル壁紙の施工上の注意として、施工前に貼り付け面に対して割付を決めること、大柄の商品は柄の中心が壁面の中央に来るように割付するとバランスよく仕上がることを挙げています(出典:同上)。柄の大きな輸入壁紙を選ぶなら、「この壁だと継ぎ目や柄の中心はどこに来ますか」と、現地調査のときに聞いておくと、仕上がりの見当がつきやすくなります。

表面が傷つきやすく、強くこすると色落ちすることがある

紙の輸入壁紙は、表面の扱いに気をつける必要があります。リリカラは、Morris & Co.の輸入壁紙について「表面が傷つきやすいため、なで付けは柔らかめの刷毛を使用し、ていねいに行なってください」「壁紙表面を強く擦らないようにしてください。色落ちする場合があります」と書き、粘着テープについても、剥がしたときに壁紙の表面を破損するおそれがあるので、なるべく使わないよう求めています(出典:リリカラ「壁紙施工要領書【輸入品】ウィリアム・モリス(紙壁紙)」(PDF)、前出)。

これは施工する職人向けの注意ですが、張ったあとに暮らす側にも関わってきます。表面が傷つきやすく、こすると色が落ちることがある壁紙なので、家具を壁際にぴったり寄せる場所や、掃除のときに強く拭きたくなる場所では気をつけたいところです。メーカーは施工中の粘着テープについて、剥がしたときに表面を破損するおそれがあるとしているので、張ったあとに壁に何かをテープで留めるときも、剥がすときに表面を傷めるおそれがあると覚えておきましょう。

輸入壁紙を張った経験があるかを、業者に聞いておく

ここまで見てきたように、紙の輸入壁紙には、下地処理の出来・継ぎ目の納め方・表面の扱いが仕上がりに表れやすいものがあります。メーカーの資料に書かれている注意点を押さえているかどうかで、仕上がりに差が出ることも考えられます。

そのため、輸入壁紙での張り替えを頼むときは、「輸入の紙の壁紙を張ったことがありますか」と、業者に聞いておくと安心です。あわせて、品番が決まっているなら、その品番を伝えて、施工のうえで気をつけることや、下地処理が見積もりに含まれているかを聞いておくと、見積もりの中身も分かりやすくなります。張り替えを頼める業者の種類と、それぞれの違いは、壁紙張り替えはどこに頼む?4種類の業者の違いと失敗しない選び方で整理しています。

自分で買った輸入壁紙を、持ち込みで張ってもらえる?

輸入壁紙には、壁紙メーカーのオンラインストアなどで、個人で買えるものもあります。気に入った輸入壁紙を自分で買って、それを業者に張ってもらう、という頼み方を考える方もいるでしょう。ここでは、輸入壁紙を持ち込む場合に確かめておきたいことを見ていきます。

対応できる業者は一定数いるが、すべての業者ではない

手持ちの壁紙を持ち込んで張ってもらう「持ち込み施工」に対応できる業者は、一定数います。ただし、すべての業者が対応できるわけではありません。業者によっては、自分たちで仕入れた材料だけを使う方針のところもあります。

輸入壁紙の場合は、そこに、前の章で見た施工の違いが加わります。持ち込みに対応している業者でも、輸入の紙の壁紙を張った経験があるかどうかは別の話です。「持ち込みに対応しているか」と「輸入壁紙を張れるか」の2つを、どちらも確かめておきましょう。

持ち込み施工の一般的な考え方(対応できる業者なら、可否は量と実物の状態で決まること、最低料金の考え方など)は、壁紙張り替えの持ち込み施工は可能?1面だけでもOKな条件と費用・保証の注意点で詳しく扱っています。ただし、その記事は、新築時や前回の張り替えのときの余りの壁紙を持ち込む場合を中心にしています。輸入壁紙は、品番によって幅や販売の単位、施工上の注意が変わるので、持ち込む場合も品番を控えておくことが大切です。ここでは、輸入壁紙ならではの点に絞って見ていきます。

量が足りるかは、幅と販売単位と柄で変わる

持ち込み施工で最初に確かめるのは、張りたい壁に対して量が足りるかどうかです。量が足りなければ、予定どおりに施工できず、追加の購入や日程の変更が必要になることがあります。

輸入壁紙では、この「量が足りるか」の計算が、国産の壁紙と変わります。理由の1つは、前の章で見た幅の違いです。幅52cmの壁紙なら、同じ壁でも縦に張る枚数が増えます。もう1つは販売の単位です。リリカラのオンラインストアでは、Morris & Co.の輸入壁紙を「巾52cmの本売り(10m/本)です。1m単位ではありません」と案内しています(出典:リリカラオンラインストア「Fruit|LIS42022|輸入壁紙(糊なし)」、前出)。幅52cm・長さ10mの1本で覆えるのは、単純な計算で約5.2㎡です。天井の高さが2.4mの壁なら、天井や床の際での切り代を考えると、1本から取れるのは多くても4枚ほどです。たとえば幅3m・天井の高さ2.4mの壁1面なら、幅52cmの壁紙が6枚要るので、柄合わせを考えなくても2本が必要になる計算です。

さらに、柄のある壁紙は、継ぎ目で柄がずれないように「柄合わせ」をしながら張るので、無地の壁紙より必要な長さが少し増えます。どのくらい増えるかは柄によって違います。柄合わせで量が増える理由と、柄を決めるときの進め方は、柄物の壁紙は無地より量が少し増える|柄合わせの理由と、現地調査(見積もり)前後の決め方で詳しく扱っています。

こうした計算を、自分でぴったり行うのは難しいものです。自分で輸入壁紙を買うなら、買う前に、品番と張りたい壁の大きさを業者に伝えて、何本必要かを確かめてもらうのが確実です。

必要な本数は、まとめて1回で買う

壁紙の本数を決めたら、まとめて1回で注文しましょう。リリカラのオンラインストアには、「同じ品番でも、別注文でいただいた場合は製造ロットが異なってしまう可能性があります。ロットが異なると微妙な色差が生じてしまう場合があります」と書かれています(出典:リリカラオンラインストア「Fruit|LIS42022|輸入壁紙(糊なし)」、前出)。

足りなくなってから同じ品番を追加で買うと、色がわずかに違う壁紙が混ざってしまうことがあります。リリカラが注意しているのは「微妙な色差」ですが、同じ壁に並べて張るものなので、気になる方は避けておきたいところです。買ったあとに「足りなかった」とならないよう、必要な本数は、切り代や柄合わせの分も含めて業者と確かめたうえで注文すると安心です。

あわせて、届いた壁紙は、商品の注意事項に従って張る日まで保管しておきましょう。施工に使える状態かどうかは、実物を業者に見てもらって確かめましょう。

持ち込み材の箇所は、施工保証の対象外になりやすい

持ち込み施工では、保証の範囲も確かめておきたい点です。持ち込み材を使った箇所は、施工後に剥がれや浮きが出ても、施工保証の対象外になることが一般的です。材料そのものの状態が原因なのか、施工が原因なのかを切り分けにくいためです。扱いは業者によって違うので、対象になる範囲を事前に確かめておきましょう。

前の章で見たとおり、輸入壁紙には、下地や継ぎ目の影響が仕上がりに表れやすいものがあります。持ち込みで頼む場合は、「仕上がりや、後から剥がれが出たときに、どこまで対応してもらえるか」を、施工の前に確かめておきましょう。

輸入壁紙にすると、費用はどれくらい変わる?

輸入壁紙にすると、材料の価格を中心に、費用は国産の壁紙より上がりやすくなります。ここでは、材料の価格と、施工の費用に分けて考え方を整理します。

材料の価格は、品番によって大きく違う

まず、材料の価格です。リリカラのオンラインストアでは、Morris & Co.の輸入壁紙の一つが、幅52cm・長さ10mの1本あたり31,900円(税込、2026年10月時点)で販売されています(出典:リリカラオンラインストア「Fruit|LIS42022|輸入壁紙(糊なし)」、前出)。1本で覆えるのは約5.2㎡なので、単純計算で1㎡あたり約6,100円(税込)です(切り代や柄合わせの分は含まない計算です)。

国内メーカーの見本帳から選べる輸入壁紙では、前の章で紹介したマリメッコの品番が、標準価格で1㎡あたり3,290円(税別)で、「通常の商品と別の販売掛率設定品」とされていました。一方、同じサンゲツが扱うフィンレイソンの柄の品番は、1000番台の見本帳「リザーブ」に1㎡あたり1,090円(税別)で載っていました。販売店の販売価格(税込)とメーカーの標準価格(税別)は性格が違うので単純には比べられませんが、輸入壁紙には、国内の1000番台の壁紙の標準的な価格より、材料の価格が何倍も高いものがあることは分かります。

輸入壁紙の価格は品番によってさまざまです。ブランドの名前だけで「高い」「安い」と決めず、気になる品番があれば、その価格を確かめておきましょう。

施工の費用は、見積もりのときに確かめる

施工の費用については、輸入壁紙だから一律にいくら上がる、という決まりはありません。ここまで見てきたように、下地処理や継ぎ目の納め方に手間がかかることはありますが、それを施工費にどう反映するかは業者によって違います。

そのため、見積もりのときに「輸入壁紙の場合、施工費は国産の壁紙と変わりますか」と聞いておくのが確実です。品番が決まっていれば、その品番を伝えて見積もりを出してもらうと、材料費と施工費の内訳がはっきりします。

また、リビングの壁1面だけのように張る範囲が小さい場合は、最低料金にも気をつけておきたいところです。多くの業者が、1回の工事に4万〜6万円程度の最低料金を設けています。材料を持ち込んで、業者の見積もりに材料費が入らなくても、最低料金はかかるので、総額がそれほど下がらないことがあります。

前の章で紹介したラウファーザーの記事では、ラウファーザーを例に、費用が上がる理由(製品の単価、仕入れの単位、幅、施工の手間)を整理しています。ただし、仕入れの単位や幅、施工の手間は商品によって違います(たとえば、この記事で紹介したMorris & Co.の輸入壁紙は、幅52cm・1本10mの単位で販売されています)。気になる品番の条件は、業者に確かめておきましょう。

輸入壁紙を選ぶ前に確かめておきたいこと

最後に、輸入壁紙を選ぶとき、業者に相談する前に確かめておきたいことを整理します。

品番と、有効巾・素材・販売単位を控えておく

気になる輸入壁紙があれば、まず品番を控えておきましょう。あわせて、商品ページや見本帳に書かれている有効巾(実際に壁を覆う幅)、素材(紙かビニルか)、販売の単位(1本あたりの長さ)も、分かる範囲で控えておくと、業者に相談するときに話が早く進みます。分からない項目は、品番を伝えて業者に確かめてもらうとよいでしょう。

業者に相談するときは、品番に加えて、張りたい部屋と壁(リビングのテレビの後ろの1面、など)を伝えましょう。すでに買ってある場合は、そのことと、手元にある本数も伝えます。写真があれば見せるとイメージが伝わりやすく、実物があれば、現地調査のときに見てもらえます。

小さな見本と、壁一面に張ったときの見え方は違う

輸入壁紙に限らず、小さな見本と、壁一面に張ったときとでは、色や柄の見え方が違います。見本では落ち着いて見えた色の柄が、壁一面に張ると、思ったより明るく、にぎやかに感じられることもあります。特に、柄が主役のブランドの壁紙は、壁一面に柄が何十回も繰り返されたときの印象を想像しておくことが大切です。

できれば大きめのサンプルを取り寄せて、張る予定の壁に当てて、床やドア、家具との組み合わせを見ておきましょう。ショールームで確かめて柄を決め、リビングの壁1面を張り替えた例は、【施工事例】兵庫県尼崎市:カーテンの新調に合わせてリビングの壁1面をアクセントクロスに|ショールームで選んだ柄で1日で施工で紹介しています。見本と壁一面での見え方の違いや、大きめのサンプルの取り寄せ方は、壁紙のサンプルと実際の色はなぜ違う?メーカーが説明する「面積効果」と、見本帳の見方・サンプルの取り寄せ方で詳しく扱っています。

まとめ

輸入壁紙を検討するときのポイントを整理します。

  • 輸入壁紙は、海外で作られて輸入された壁紙。紙の輸入壁紙がよく知られているが、ビニルの輸入壁紙もある
  • 紙の輸入壁紙は、ビニールクロスと性質が違い、一度水や汚れが染み込むと拭き取れないものもある。水はねや手の触れやすい場所より、眺めて楽しむ壁に向く
  • 幅が国産の壁紙(90cm前後)より狭いものがある(たとえばリリカラが扱うMorris & Co.の輸入壁紙は52cm)。同じ壁でも張る枚数と継ぎ目が増え、必要な量の数え方も変わる
  • 海外ブランドの名前だけでは、輸入壁紙かどうかも価格の水準も分からない。国内メーカーの見本帳から選べる輸入壁紙もあれば、1000番台と同じ水準の価格の品番もある。品番ごとの注意事項と価格で確かめる
  • 紙の輸入壁紙には、下地の凹凸や継ぎ目が仕上がりに表れやすく、表面も傷つきやすいものがある。輸入壁紙を張った経験があるかを業者に聞いておく
  • 自分で買って持ち込むなら、対応できる業者かを確かめ、買う前に必要な本数を業者に確かめてもらい、まとめて1回で買う。持ち込み材の箇所は保証の対象外になりやすい
  • 材料の価格は品番によって大きく違い、国内の1000番台の標準的な価格より何倍も高い輸入壁紙もある。施工費の扱いは業者によるので、見積もりのときに確かめる
  • 小さな見本と壁一面では、色や柄の印象が変わる。できれば大きめのサンプルを、張る予定の壁に当てて確かめる

輸入壁紙は、国産の壁紙と同じ感覚で選ぶと、施工や費用で戸惑うことがある壁紙です。ただ、違いを知ったうえで選べば、部屋の雰囲気を大きく変えてくれる選択肢になります。気になる輸入壁紙が決まったら、品番や写真(買ってあれば実物)を用意して、施工を扱う業者に、対応できるかどうかと費用の目安を、電話で相談してみてください。

当店では輸入壁紙の張り替えもご相談いただけます。気になっている輸入壁紙の品番や写真をご用意のうえ、電話か問い合わせフォームでお尋ねください。張りたいお部屋と壁を伺ったうえで、現地調査で壁の状態を確かめ、見積もりをお出しします。見積もり・現地調査は無料です。

電話が難しい方はでもご相談いただけます。

この記事の執筆者

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氏名:松田郁幾
実績:壁紙張り替えを中心に、これまで多くのお客様・職人と関わってきました。
この記事について:現場で見聞きした実例をもとに、誇張せず、実践的な視点で解説しています。

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