アクセントクロスの失敗例は3つ|面積は壁の2〜3割・色は3色まで、見本帳は少し濃いめを選ぶ

緑の壁紙の見本を白い壁に当てて、夫婦で色を相談している様子

壁紙を張り替えるなら、どこか1面だけ色を変えてみたい。そう思って調べ始めると、「アクセントクロスで失敗した」「思っていたのと違った」という声がたくさん出てきます。せっかくの張り替えで後悔はしたくないけれど、白っぽい無難な壁紙のままにするのも少しもったいない。自分では決めきれずに迷っている方は多いと思います。

先に結論をお伝えします。アクセントクロスの失敗は、大きく分けて「見本と実際の仕上がりが違った」「色が主張しすぎた、または目立たなかった」「質感が合わずに浮いて見えた」の3つです。いずれの失敗も、選ぶときに押さえておくことを知っていれば避けやすいものです。

壁紙メーカーのサンゲツは、アクセントクロスを取り入れる面積の目安を「お部屋の壁面全体のうち2〜3割程度」、壁が4面ある部屋なら1面、としています。色は「3色までにまとめる」ことを勧め、色だけでなく質感をそろえないと「アクセントクロスだけが浮いて見える」とも書いています。これに加えて、見本帳で選ぶときは少し濃いめを選ぶ、こだわりの柄は面積を絞って使う、といった現場のコツを知っておくと、大きく外すことは避けやすくなります。

この記事を読むと、次のことが分かります。

  • アクセントクロスでよくある3つの失敗と、それぞれが起きる理由
  • メーカーが挙げている選び方の基本(場所・面積・色柄・素材・機能性)
  • 見本帳での選び方、ショールームの使い方、こだわりの柄の使い方など、張り替えの現場で役立つコツ
  • アクセントクロスだけを後から頼むより、張り替えと同時のほうが負担が小さい理由
  • どの壁に、どこまで貼るかを業者と決めておくこと

読み終えるころには、「アクセントクロスにしたら失敗しそう」という漠然とした不安が、「この部屋のこの壁に、こういう色を入れたい」という具体的な相談に変わっているはずです。

張り替えを考えている部屋で、どの壁にアクセントクロスを入れるとよいか迷っている方は、電話でお尋ねください。お部屋の様子を伺ったうえで、見本帳を使った選び方をご案内します。見積もり・現地調査は無料です。

電話が難しい方はでもご相談いただけます。


アクセントクロスの失敗は、3つのパターンに分けられる

緑の壁の前の床に開いて置かれた壁紙の見本帳

アクセントクロスとは、部屋の壁の一部に、他の面とは違う色や柄の壁紙を貼る方法です。サンゲツは「すべての壁面に色や柄を用いるのではなく、一部に限り取り入れる点が大きな特徴です」と説明し、そのうえで「インパクトが強いだけに色や柄の選び方のコツを押さえておくことが重要です」と書いています(出典:サンゲツ「アクセントクロスとは? 効果やメリット、選び方を徹底解説」)。

インパクトが強いぶん、選び方を外したときの違和感も大きくなります。よく聞く失敗を整理すると、次の3つに分けられます。

見本と実際の仕上がりが違った

よくあるのが、「見本で見たときはいいと思ったのに、貼ってみたら印象が違った」という失敗です。

見本帳に収録された壁紙の見本は、壁面よりはるかに小さいものです。それが壁一面の広さになると、同じ色でも見え方が変わります。張り替えの現場でよく知られているのは、見本より壁一面に貼ったときのほうが、明るく淡く見えるということです。見本で「ちょうどいい濃さ」と思った色が、壁に貼ると思ったより薄く、アクセントとして効いていない、ということが起こります。

サンゲツも、この見え方の差に触れています。カタログやWEBサイトの画像だけで判断しないほうがよいとしたうえで、「写真と実物では質感が異なっていたり、光の加減などによって色の見え方が違っていたりするケースも少なくありません」と書いています(出典:同上)。

見え方は、光の当たり方でも変わります。窓からの光が入る昼間と、照明をつけた夜とでは、同じ壁紙でも色が違って見えることがあります。見本を見た場所と、実際に貼る壁の明るさが違えば、その差がそのまま「思っていたのと違う」になります。

色が主張しすぎた、または目立たなかった

2つめは、色の強さの見誤りです。これには、反対向きの2つの失敗があります。

1つは、色が強すぎて部屋の中で浮いてしまう失敗です。濃い色や鮮やかな色を広い面に使うと、部屋全体がその色に引っ張られ、落ち着かない印象になることがあります。

もう1つは、逆に色が弱すぎて、アクセントとして効かない失敗です。サンゲツは注意点として、「ベースの壁紙が白系の場合、アクセントクロスに淡いベージュ系などを取り入れてもあまり効果が期待できません」と書いています(出典:サンゲツ「アクセントクロスとは? 効果やメリット、選び方を徹底解説」)。

後者が起きやすい理由も、サンゲツは説明しています。ふだんの壁紙選びは部屋の全面に貼る前提で考えるので、アクセントクロスを選ぶときも「無難で落ち着いた色・柄のものを選んでしまいかねません」というのです(出典:同上)。色を変えてみたいけれど失敗が怖い、という気持ちで控えめな色を選ぶと、かえって「変えた意味がなかった」という結果になりやすい、ということです。

どちらの失敗も、色そのものより、使う面積と、周りの壁紙や家具との関係で決まります。次の章で見る「面積」と「色数」の目安が、ここでの手がかりになります。

質感が合わずに浮いて見えた

3つめは、色ではなく質感の失敗です。サンゲツは「色のバランスに問題がなかったとしても、壁紙の質感が統一されていないと、アクセントクロスだけが浮いて見えることにもなりかねません」と書いています(出典:同上)。

壁紙には、表面の凹凸が細かいもの、織物のような目があるもの、木目や石目を印刷したものなど、さまざまな質感があります。色だけを見て選ぶと、ほかの壁との質感の違いに、貼ってから気づくことがあります。サンゲツが「写真と実物では質感が異なっていたり」と書いているとおり、質感は写真や小さな見本では分かりにくい要素で、ここでも見本と実物の差が効いてきます。

なお、「数年で飽きてしまった」という声もよく見かけます。これは選んだときの失敗というより、時間がたってからの感じ方の変化です。サンゲツは、リビングの例として「木目やコンクリートなど飽きのこないマテリアル柄」を挙げています(出典:同上)。長く過ごす部屋ほど、流行りの強い色より、落ち着いた柄や素材感のあるものを選ぶ、という考え方もあります。

もう一つ、飽きたときの戻し方も知っておくと、選ぶときの気持ちが楽になります。アクセントクロスは1面だけなので、その面だけを貼り替えて元の色に戻すこともできます。ただし、1面だけを新しく貼ると、同じ品番の壁紙でも、何年か経った隣の面と色の差が出ることがあります。壁の角(入隅)で区切って貼り替えれば、この差は目立ちにくくなります。1面だけ新しくしたときに色がそろわない理由は、壁紙の日焼けは掃除・漂白で戻る?ヤニとの見分け方と部分張替えで色が合わない理由で詳しく扱っています。また、戻すときも1面だけの工事になるので、あとで触れる最低料金がかかります。それでも「合わなければ1面だけ戻せる」と分かっていれば、最初から無難な色に寄せすぎずに済みます。

アクセントクロスに限らず、壁紙の張り替え全体でよくある後悔については、壁紙張り替えで後悔する人の共通点とは?失敗事例と業者選びのポイントを解説でまとめています。

メーカーが挙げている選び方の基本

ソファの背面の壁1面だけをくすんだ緑にし、カーテンも同じ緑でそろえたリビング

失敗の3パターンを踏まえて、選び方の基本を見ていきます。サンゲツは「アクセントクロス選びで押さえておきたい5つのコツ」として、場所・面積・色柄・素材・機能性の5つを挙げています(出典:サンゲツ「アクセントクロスとは? 効果やメリット、選び方を徹底解説」)。このうち素材(質感)は前の章で触れたので、残りの4つを順に見ます。

どの部屋の、どの壁に入れるか

最初に決めるのは場所です。サンゲツは、まずどの部屋に取り入れるかを決め、部屋の用途に合わせて選ぶよう勧めています。例として、リビングにはインテリアに合わせたものや飽きのこないマテリアル柄、寝室には落ち着いた空間を演出できるシックな色、と書いています(出典:同上)。

部屋が決まったら、次はどの壁にするかです。サンゲツは、部屋の「見どころ」になる壁面を、家具との兼ね合いも考えて決めるよう勧め、例としてテレビの背面や、絵や写真を飾る壁面を挙げています(出典:同上)。テレビ背面やトイレ、リビング、キッチンなど、場所が違っても基本の考え方は同じで、部屋の中でいちばん目に入る壁、いちばん見せたい壁を選ぶ、ということです。

反対に、家具で大部分が隠れてしまう壁や、窓やドアで細かく分かれている壁は、せっかく色を変えても効果が出にくくなります。どの壁が「見どころ」になるかは、部屋に入ったときの目線で考えると決めやすくなります。

家具との兼ね合いも、置いたあとの姿で考えておきます。たとえばテレビの背面は定番の場所ですが、大きなテレビやテレビボードを置くと、色の見える範囲は壁の上半分と左右の端だけになります。見える面積が小さくなるぶん、色を選ぶときは、テレビを置いたあとの見え方を想像しておく必要があります。反対に、ソファの背面のように家具の上に広く壁が見える場所では、色の強さがそのまま部屋の印象になります。同じ色でも、どの壁に貼るかで効き方が変わる、ということです。

面積は部屋の壁全体の2〜3割が目安

面積について、サンゲツは「一般的には、お部屋の壁面全体のうち2〜3割程度にとどめるとよいでしょう」と書き、壁が4面ある部屋なら「いずれか1面をアクセントクロスにする、といったイメージ」としています(出典:同上)。

面積を広げすぎた場合の失敗も書かれています。「アクセントクロスを多用しすぎると、かえってインパクトが薄れてしまったり、統一感に欠ける印象を与えるお部屋になってしまったりするおそれがあります」(出典:同上)。

前の章の「色が主張しすぎた」という失敗は、この面積の目安を超えたときに起きやすくなります。1面に絞れば、部屋全体がその色に引っ張られる失敗は起きにくくなります。ただし1面でも、色の鮮やかさや家具との組み合わせによっては主張が強くなるので、部屋全体の配色を見て判断します。迷ったら、まず1面で考えるのが無難です。

色は3色まで、明度と彩度で調整する

色について、サンゲツは注意点として「室内の色は3色までにまとめるよう意識すること」を挙げています。ベースの色1色に、あと2色をどう配置するかを考える、という考え方です。配色例として「白:ベースの壁紙」「ブラウン:家具」「グリーン:アクセントクロス、カーテン」が示されています(出典:サンゲツ「アクセントクロスとは? 効果やメリット、選び方を徹底解説」)。

ここで大事なのは、アクセントクロスの色を単独で決めるのではなく、家具やカーテンの色も含めて、部屋全体の色の数として数えることです。壁は白、床と家具は茶色、という部屋なら、残りはあと1色です。その1色をアクセントクロスとカーテンなどで共有すると、部屋がまとまって見えます。

たとえば、白い壁に茶色のフローリングと木の家具、という多くの住まいにある組み合わせで考えてみます。ここに1面だけくすんだ緑を入れるなら、クッションやカーテンにも近い緑を入れると、壁の色だけが飛び出して見えることがありません。逆に、カーテンが青、ソファが赤、とすでに色が多い部屋にさらに別の色の壁を足すと、4色目、5色目になり、雑然とした印象になりやすくなります。サンゲツも「使われている色が多すぎると、雑然とした印象のお部屋になりがちです」と書いています(出典:同上)。いま部屋にある色を数えてから、アクセントの色を決める順番にすると、この失敗は避けやすくなります。

色の選び方では、明度と彩度という考え方も紹介されています。明度は色の明るさで、明度が高い色は部屋を広く見せ、明度が低い色は空間を引き締めて奥行きを出す効果があるとされています。彩度は色の鮮やかさで、彩度が高いほど目を引きやすくなります。サンゲツは「お部屋全体の統一感を損なわないためにも、高彩度と低彩度の壁紙が混在しないように注意しましょう」と書いています(出典:同上)。

難しく考える必要はありません。「明るい色か、暗い色か」で部屋の広さの感じ方が変わり、「鮮やかな色か、くすんだ色か」で目立ち方が変わる、と覚えておけば十分です。前の章の「目立たなかった」という失敗は、ベースの白と明るさも鮮やかさも近い色を選んだときに起きやすくなります。

機能性も一緒に選ぶ。汚れ防止を選ぶと柄の選択肢が限られる

サンゲツが挙げる5項目のうち、最後の「機能性」については、部屋の用途や場所に合った機能を備えた壁紙を選ぶよう勧めています。例として、キズが付きにくい、汚れが拭き取りやすい、調湿効果がある、といった機能を挙げ、「キッチンやトイレなど、キズや汚れ、湿気を気にしたい空間には色や柄とあわせて機能性を確認しておくことをおすすめします」と書いています(出典:同上)。

トイレや洗面所、キッチンにアクセントクロスを入れたい場合、汚れ防止の壁紙(表面に汚れ防止のフィルムを貼り合わせたもの)と、アクセントクロスは両立できます。ただし、汚れ防止の壁紙は、一般的な壁紙に比べて選べる柄の数が限られます。その範囲の中から色や柄を選ぶことになる、と考えておいてください。

一方で、湿気が気になる場所で心配されやすい防カビについては、事情が違います。少なくともサンゲツの見本帳では、載っている壁紙の多くに、最初から防カビの性能が付いています。防カビのために柄をあきらめる必要は、ほとんどの場合ありません。ただし、防カビの壁紙を選べばカビを防げる、というわけではない点には注意が必要です。見本帳のどこまでが防カビ仕様なのかは、防カビ壁紙は選んで買うもの?サンゲツの量産品は掲載品全点が防カビ、メーカーは「壁紙だけでは防げない」と明記で確かめています。

「好きな柄を見つけたけれど、その柄には汚れ防止のものがない」ということは起こり得ます。その場合、機能を優先するか、柄を優先するかを決める必要があります。見本帳を見る段階で「トイレなので、汚れが拭き取りやすいものの中から選びたい」のように、場所と困りごとを伝えておくと、最初から選べる範囲で探せるので、あとから選び直す手間が省けます。

費用の面では、汚れ防止の壁紙は、量産品と呼ばれる標準的な壁紙より材料の単価が上がります。ただ、機能があるから特別に高いというより、量産品と、1000番台と呼ばれる一つ上のグレードとの差の範囲に収まるものです。アクセントに使うのが1面であれば、その差もその面の分だけです。汚れ防止の壁紙が、どんな汚れをどこまで落とせるように作られているのかは、壁紙の汚れ防止はどこまで落ちる?規格の試験は4つの汚れだけ、油汚れ・ヤニ・手垢は対象外で詳しく扱っています。

失敗しないための、張り替えの現場のコツ

選び方の基本に加えて、張り替えの現場でよく使われているコツを5つ紹介します。

見本帳では、迷ったら少し濃いめを選ぶ

張り替えの壁紙は、多くの場合、業者が持参する見本帳から選びます。先ほど触れたとおり、見本より壁一面に貼ったほうが明るく淡く見えるので、見本帳で2つの色で迷ったら、少し濃いほうを選ぶと、貼り上がりが思ったより薄い、という失敗を避けやすくなります。

サンゲツは、見え方の差を避けるために「できるだけ大きなサイズのサンプルを取り寄せる」ことを勧めています(出典:サンゲツ「アクセントクロスとは? 効果やメリット、選び方を徹底解説」)。確かに大きいサンプルがあれば、施工後のイメージはつかみやすくなります。ただ、業者を通して大きなサンプルを個別に取り寄せる場合、手数料がかかったり、取り寄せに対応していなかったりすることもあります。取り寄せを考えるなら、見積もりの際に対応できるかを聞いてみてください。

見本帳で見るときは、貼る予定の壁の前で、見本を壁に当てて見るのがおすすめです。できれば、昼間の光と、夜に照明をつけた状態の両方で見てみてください。見本帳を机の上で見るのと、実際の壁の前で見るのとでは、同じ色でも印象が変わります。メーカーのカタログに載っている部屋全体の写真や、業者の施工事例の写真も、壁一面に貼ったときの様子をつかむ手がかりになります。

もう一つ、築年数が経った住まいでは、職人から「見本帳の中でも厚手のものから選んでください」と言われることがあります。古い壁は、剥がしたあとの下地に細かな段差が残っていることがあり、薄い壁紙だとそれを拾って表面に出てしまうためです。気に入った柄が薄手だった場合は、現地調査のときに、その壁で使えるかを確かめておくと安心です。

ショールームで、実物の色や質感を確かめる

見本帳の小さな見本では分かりにくい色や質感を確かめる方法として、壁紙メーカーのショールームで実物を見る、という方法もあります。当店にご相談いただいた方の中にも、アクセントクロスの柄を決める前にショールームで実物を見て、仕上がりのイメージを固めた方がいます。

サンゲツは、品川・名古屋・大阪・福岡・仙台・金沢・広島・沖縄の8か所にショールームを置いています。館内は「事前にご予約いただかなくても自由にご覧いただけます」と案内されており、商品を実際に見て、触れて確かめられます。ただし、「館内設備および、展示商品の種類・点数はショールームによって異なります」ともあるので、見たい品番が決まっているなら、行く前に確認しておくと確実です(出典:サンゲツ「ショールーム」)。

近くにショールームがない場合は、品川ショールームの館内を360°の画像で再現したバーチャルショールームも公開されています。ただし撮影時期は2023年7月で、閲覧する時期によっては展示品の一部が廃番になっている可能性があると注記されています(出典:同上)。雰囲気をつかむのに使い、品番は見本帳やメーカーの商品ページで確かめる、という使い方が向いています。

行く前の準備として、サンゲツは「平面図などのサイズや間取りがわかるもの」や「インテリアに合わせたい家具や衛生陶器などの色やイメージがわかるもの」を用意しておくよう勧めています(出典:同上)。アクセントクロスを選ぶなら、貼りたい壁の写真と、合わせたい家具やカーテンの写真を持っていくと、部屋全体の色の数を考えながら見比べられます。気に入った壁紙があれば品番を控えておき、見積もりのときに伝えてください。

こだわりの柄は、面積を絞って使う

見本帳には、海外ブランドとのコラボ柄など、標準的な1000番台の壁紙の2倍近い定価のものもあります。こうした特殊な価格帯の柄を部屋全体に使うと、費用が大きく上がります。一方で、テレビの背面など1面だけに使うのであれば、材料の差がかかるのはその面の分だけなので、部屋全体に使う場合より上乗せを抑えやすくなります。

これは、アクセントクロスの考え方そのものと相性がよい使い方です。部屋の壁全部を気に入った柄にするのは難しくても、いちばん見せたい1面だけなら、こだわりの柄を選べる余地が生まれます。メーカーの目安に沿って面積を2〜3割に絞ることは、見た目のバランスだけでなく、費用の面でも理にかなっています。

壁紙のグレードごとの価格差と、部屋ごとの選び分けの考え方は、量産クロスと1000番クロスの違い|価格差は6畳で約1万円、部屋ごとの選び分け方で詳しく扱っています。

アクセントクロスだけを後から頼むより、張り替えと同時のほうが負担は小さい

アクセントクロスを考えるタイミングにも、失敗の分かれ目があります。部屋全体の張り替えと同時に1面だけ色を変えるのと、張り替えが終わってから「やはり1面だけ色を変えたい」と別に頼むのとでは、費用のかかり方が大きく違うからです。

壁紙の張り替えは、職人が現場に来て、養生をし、道具を広げて片づけるまでの手間が、1面でも1部屋でもそれほど変わりません。そのため、1面だけの工事でも最低料金がかかり、多くの業者は最低料金を4万〜6万円程度に設定しています。一方、部屋全体の張り替えと同時であれば、アクセントクロスの面は、使う壁紙が変わるだけです。増えるのは、基本的には選んだ壁紙と量産品との材料の差が中心で、1面のために職人がもう一度来るわけではありません。どこまで差が出るかは、選ぶ商品や施工の条件によって変わります。

ですから、アクセントクロスを少しでも考えているなら、張り替えの見積もりを取る段階で「この1面は色を変えるかもしれない」と伝えておくのがおすすめです。見積もりの中で、白のままの場合とアクセントクロスにした場合の差を聞いておけば、費用を見てから決めることもできます。1面や一部だけを後から頼むと割高になる仕組みは、天井を例にクロス張り替えで天井もやるべき?壁と同時なら追加2万円、後回しは割高になる理由で詳しく扱っています。

どの壁に、どこまで貼るかを先に決めておく

アクセントクロスで意外に起きやすいのが、「どこまでを色の違う壁紙にするか」の認識のずれです。たとえば、窓のある壁の、窓の上や下の細い部分まで含めるのか。壁が折れ曲がっているところで、どちらの面までを変えるのか。こうした境目は、見本を選ぶことに気を取られていると、決めないまま工事の日を迎えてしまうことがあります。

壁紙を貼り分けるときは、壁の角(入隅)で区切るのが基本です。面の途中で色を切り替えると、継ぎ目の位置が目立ちやすくなるためです。部屋の角で区切れば、色の境目が自然に見えます。どの面を変えるかは、この角を単位にして考えると決めやすくなります。

現地調査のときに、「この壁の、この角からこの角まで」と、実際に壁を指さしながら確認しておくと安心です。最初の見積もりはグレードだけで出され、品番は見本帳で選んでから決まることも多いので、品番を決めたあとの見積書で、どの面にどの品番を貼るかが書かれているかを見ておくと、言った言わないのずれを防げます。見積書でほかに確かめておきたい項目は、クロス張り替えの見積書チェックポイント7選|追加費用で後悔しないための確認事項にまとめています。

まとめ

アクセントクロスの失敗と選び方について、メーカーの案内と張り替えの現場のコツを整理します。

  • アクセントクロスの失敗は、「見本と実際の仕上がりが違った」「色が主張しすぎた、または目立たなかった」「質感が合わずに浮いて見えた」の3つに分けられる
  • 面積は部屋の壁全体の2〜3割、壁が4面の部屋なら1面が目安。色は家具やカーテンも含めて3色まで
  • ベースが白系なら、淡いベージュのような近い色はアクセントとして効きにくい。色だけでなく質感もそろえる
  • トイレや洗面所などの水回りでも、汚れ防止の壁紙とアクセントクロスは両立できる。ただし汚れ防止の壁紙は柄が限られるので、その範囲で選ぶ。防カビは、サンゲツの見本帳では多くの壁紙に最初から付いている
  • 見本より壁一面のほうが明るく淡く見えるので、迷ったら少し濃いめを選ぶ。こだわりの柄は面積を絞れば、部屋全体に使う場合より費用の上乗せを抑えやすい
  • 見本帳だけで決めきれないときは、メーカーのショールームで実物の色や質感を確かめる。見たい品番の展示があるかは事前に確認し、気に入った品番は控えて見積もりのときに伝える
  • アクセントクロスだけを後から頼むと1面でも最低料金がかかる。張り替えと同時なら、増えるのは基本的には壁紙の材料の差が中心
  • どの壁の、どの角からどの角までを貼り分けるかを、現地調査のときに決めておく

アクセントクロスは、部屋全体の張り替えのなかで、1面だけに気持ちを込められる方法です。「失敗が怖いから白のままにする」と決める前に、どの部屋の、どの壁なら色を入れてみたいかを考えてみてください。それが決まれば、あとは見本帳を見ながら一緒に絞り込んでいけます。

部屋全体の張り替えの中で、どこか1面にアクセントクロスを入れてみたい方は、電話でご相談ください。現地調査でお部屋を見たうえで、どの壁が合いそうか、見本帳の中からどう選ぶかをご案内します。見積もり・現地調査は無料です。

電話が難しい方はでもご相談いただけます。

この記事の執筆者

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氏名:松田郁幾
実績:壁紙張り替えを中心に、これまで多くのお客様・職人と関わってきました。
この記事について:現場で見聞きした実例をもとに、誇張せず、実践的な視点で解説しています。

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