木目調の壁紙・クロスの選び方|木種・貼る方向・板目か柾目かの3つの視点と、見本帳で見た印象との違い

白い壁と、片側だけ木目調の壁がある部屋に、ソファと観葉植物を置いた様子

壁紙を張り替えるなら、今度は白い壁紙だけでなく、木目調のクロスも使ってみたい。リビングの1面や天井に木目を取り入れた部屋の写真を見て、そう考え始めた方もいると思います。ただ、木目調と一口にいっても種類が多く、見本帳の小さな見本だけで選んで、貼ってみたらイメージと違った、ということにならないか、不安になるところです。

先に結論をお伝えします。木目調クロスは、「どの木を表現した柄か(木種)」「木目をどの向きに貼るか(貼る方向)」「板目か柾目か」の3つの視点で選ぶと、候補を絞りやすくなります。そのうえで、木目調は色だけでなく、柄の向きや表面の質感で印象が変わり、照明によっても見え方が変わるので、小さな見本を机の上で見ただけでは決めにくいものです。使いたい部屋や面と、木目の方向性をある程度決めたら、現地調査(=見積もり)を依頼し、そのときに見本帳を実際の壁に当てたり、天井の下で見上げたりして確かめる、という順番で進めると安心です。

この記事を読むと、次のことが分かります。

  • 木目調クロスとはどんな壁紙か、なぜ選ばれるのか
  • 選ぶときの3つの視点(木種、貼る方向、板目と柾目)
  • よく使われる場所(リビング、寝室、キッチンまわり、ダイニングの天井、トイレ)と、和室の天井に貼りたいときに知っておきたい下地のこと
  • 見本帳で見た印象と、貼ったあとの見え方の違い(色の見え方、木目の流れと柄のつながり、照明による見え方)
  • あわせて考えておきたい、床やドアとの色合わせ、グレード、1面だけ使う場合のこと

読み終えるころには、木目調クロスをどこに使い、何を確かめてから選べばよいかが見えてくるはずです。

木目調クロスを使ってみたい部屋や面があり、自宅の壁や天井に貼るとどうなるか知りたい方は、電話か問い合わせフォームでお尋ねください。張り替えたいお部屋と、思い描いている木目の雰囲気を伺ったうえで、現地調査(見積もり)の進め方をご案内します。見積もり・現地調査は無料です。

電話が難しい方はでもご相談いただけます。


木目調クロスとは?選ばれる理由

木目調の壁の前に、木目柄の見本を並べた見本帳を開いて置いた様子

木目調クロスは、木の板のような模様を表現した壁紙です。本物の木を貼っているわけではなく、壁紙の表面に木目の柄がプリントされています(出典:サンゲツ「リアルな木目調のおしゃれな壁紙を紹介|選び方やおすすめの場所を解説」)。張り替えの工事としては、ふつうの壁紙と同じように、職人がロール状の壁紙を切って貼っていきます。

選ばれる理由として大きいのは、部屋に温かみを足せることです。サンゲツは、お部屋を無機質な印象にしたくない、温かみが感じられる空間にしたいという方に、リアルな木目調の壁紙を勧めています(出典:同上)。白い壁紙だけで仕上げた部屋は、すっきりする一方で、少し冷たい印象になることもあります。壁の1面や天井に木目を取り入れると、部屋に温かみややわらかな印象を加えられます。どんな印象になるかは、木目の色や柄によって変わります。

合わせられるインテリアの幅が広いことも、選ばれる理由の一つです。リリカラは、木目調壁紙について「ナチュラルテイストからモダン、北欧風まで、幅広いスタイルに調和しやすく、コーディネートの自由度が高い点も魅力」と書いています(出典:リリカラ「壁も天井もおしゃれに!リアルな質感が魅力の木目調壁紙(クロス)特集」)。同じ記事では、本物の木材と比べて施工やメンテナンスがしやすく、コストも抑えられるため、手軽に自然の風合いを取り入れられる、とも紹介されています。壁や天井を本物の板張りにする工事と比べると、木目の雰囲気を、壁紙の張り替えの範囲で取り入れられる、ということです。なお、木目調で北欧風にまとめる方法とは別に、植物や幾何学模様などをあしらった北欧テイストの柄の壁紙を選ぶ場合の考え方は、北欧テイストの壁紙は国内メーカーでも選べる|多くは1000番台、ブランド柄は品番で価格帯を確かめるで詳しく扱っています。また、色が濃く、節や傷のような表情がある木目をレンガやコンクリートの柄と組み合わせて、ヴィンテージテイストにまとめる考え方は、ヴィンテージテイストの壁紙は国内メーカーでも選べる|木目・レンガ・コンクリートの柄で作り、価格は品番で確かめるで紹介しています。

なお、築年数の経った住まいでは、壁や天井そのものが「木目の模様が印刷された合板(プリント合板)」でできていることがあります。これは壁紙ではなく、壁や天井の合板の表面に木目を印刷したシートが貼られ、仕上げとしてそのまま見せているものです。この記事で扱う木目調クロスは、壁紙の表面に木目の柄がある商品のことで、両者は別のものです。

木目調クロスを選ぶときの3つの視点

明るい色、節のある柄、濃い色の木目柄の見本が3枚並んでいる様子

木目調クロスは、見本帳を開くと、明るい色から濃い色、整った木目から節の目立つ木目まで、たくさんの品番が並んでいます。サンゲツは、木目調壁紙を選ぶときのポイントとして、表現されている木種、壁紙を貼る方向、板目と柾目の3つを挙げています(出典:サンゲツ「リアルな木目調のおしゃれな壁紙を紹介|選び方やおすすめの場所を解説」、前出)。ここでは、この3つの視点を順に見ていきます。

表現されている木種で選ぶ

木目調クロスは、どの木を表現した柄かによって、色合いや木目の表情が変わります。サンゲツは、表現されている木種の例として、次の4つを挙げています(出典:同上)。

  • オーク柄:ナラの木目を表現したもの。ナチュラルな色と質感で、幅広いインテリアや床に合わせやすい
  • パイン柄:松の木の材に特有の節を表現したもの。素朴な雰囲気と木の存在感がある
  • チェスナット柄:栗の木の材を表現したもの。力強い木目と温かみのある色合いで、重厚な雰囲気になる
  • アッシュ柄:トネリコの木目を表現したもの。力強く直線的な木目で、モダンな印象になる

木種の名前を覚える必要はありません。見本帳を見るときに、「明るくやさしい木目がいいのか」「節のある素朴な木目がいいのか」「濃い色で落ち着いた木目がいいのか」「直線的ですっきりした木目がいいのか」という方向性を持っておくと、品番を絞り込みやすくなります。

方向性を考えるときは、床のフローリングやドア、家具など、今の部屋にある木の色を手がかりにするとよいでしょう。今の部屋の木の色と、木目調クロスの候補を並べて見比べてみると、どの方向性が合いそうかが見えてきます。

貼る方向で選ぶ

木目には流れがあります。その流れに対して、壁紙をどの向きに貼るかでも、部屋の印象は変わります。サンゲツは、特に天井に木目調壁紙を取り入れる場合について、木目の流れを縦方向に使う縦貼りは奥行きを感じさせ、横貼りは空間の広がりを強調する、と説明しています(出典:同上)。

たとえば、細長いリビングダイニングの天井なら、木目を部屋の奥に向かって流すと奥行きが強調され、部屋の幅の方向に流すと横への広がりが感じられる、ということです。天井は、壁よりも目線から離れているので、木目の流れが部屋全体の印象として伝わりやすい場所です。サンゲツも、天井は木目調壁紙を採用する場所として人気がある、と書いています(出典:同上)。

壁に貼る場合も、木目が上下に流れるか、左右に流れるかで印象は違ってきます。同じ品番でも、どちらの向きで使うかで仕上がりの雰囲気が変わるということです。選んだ品番をどの向きで貼るかは、貼る場所の形もあわせて、現地調査のときに相談しておくと安心です。

板目か柾目かで選ぶ

木目には、大きく分けて「板目(いため)」と「柾目(まさめ)」があります。サンゲツの説明では、板目は丸太の外側を切り出したときに現れる、年輪をいかした木目で、波打つような温かみのある木目を表現したいときに向いています。柾目は丸太の中心部分を切り出したときに現れる木目で、年輪が直線的に現れるため、すっきりとした外観に仕上げたいときに向いています(出典:同上)。

サンゲツは、木の風合いやぬくもりを表現したいなら板目柄、スタイリッシュで洗練された雰囲気にしたいなら柾目柄を取り入れるとよい、とまとめています(出典:同上)。見本帳では、同じような色の木目調クロスでも、板目と柾目で印象がかなり違って見えます。部屋をやわらかい雰囲気にしたいのか、すっきりとした雰囲気にしたいのかを考えておくと、候補を選びやすくなります。

3つの視点は、どれか1つで決めるものではありません。たとえば「床に合わせやすい明るい木種で、すっきり見せたいので柾目、天井に貼って奥行きを出したい」というように、組み合わせて考えると、見本帳の中から候補を絞りやすくなります。なお、木目調の品番の中には、細長い板を斜めに互い違いに並べたヘリンボーン柄もあり、見本帳での探し方や色の系統ごとの選び方は、ヘリンボーン柄の壁紙の選び方|見本帳では木目調の中を探す・色は3系統・柄合わせで量が少し増えるで扱っています。

木目調クロスがよく使われる場所

木目調クロスを使ってみたいと思っても、どの部屋に、どのくらい取り入れればよいかは迷うところです。サンゲツは、木目調壁紙がおすすめの場所として、リビング、寝室、キッチンまわり、ダイニングの天井、トイレを挙げています(出典:サンゲツ「リアルな木目調のおしゃれな壁紙を紹介|選び方やおすすめの場所を解説」、前出)。ここでは、メーカーの紹介をもとに、それぞれの使い方を見ていきます。

リビングは、長い時間を過ごすことの多い場所なので、自然な木の風合いを取り入れる場所として勧められています。サンゲツは、ナチュラルウッド系やホワイト系の木目調を選ぶと、ゆったりとくつろげる空間になると書き、メリハリをつけたい場合は、四方の壁のうち1面に木目調を取り入れる方法を紹介しています(出典:同上)。

寝室や書斎のように、気分を落ち着けて過ごしたい部屋には、ダークトーンの木目調が勧められています(出典:同上)。濃い色の木目は、重厚で落ち着いた雰囲気になりやすい一方、部屋全体に使うと暗い印象になることもあるので、1面だけに使うか、部屋全体に使うかは、部屋の広さや明るさも含めて考えておきたいところです。

キッチンまわりでは、キッチンカウンターや収納まわりを部分的に木目にすると、さりげないアクセントになる、と紹介されています。あわせてサンゲツは、水はねや油汚れが気になりやすいキッチンでは、汚れやニオイ対策などの機能を備えた壁紙も勧めています(出典:同上)。木目の柄だけでなく、その場所に要る機能があるかも、品番を選ぶときの確認点になります。

ダイニングの天井を木目調にする使い方もあります。サンゲツは、リビングダイニングのダイニング部分だけ天井の壁紙を切り替えると、視覚的に空間を区切る効果がある、と説明しています(出典:同上)。天井に使う木目調については、リリカラが、厚みがあり、表面のエンボス(凹凸)が強いタイプを選ぶと、きれいに仕上がりやすい、と勧めています(出典:リリカラ「壁も天井もおしゃれに!リアルな質感が魅力の木目調壁紙(クロス)特集」、前出)。天井に使いたい品番が決まってきたら、厚みや表面の凹凸もあわせて見ておくとよいでしょう。

天井に濃い色の木目を使うかどうかは、部屋の印象に関わります。サンゲツは、床、壁、天井の順に上にいくほど明るくすると天井が高く広く感じられ、逆に天井を一段暗くすると空間に落ち着きが出る、と案内しています(出典:サンゲツ「壁紙選びのポイント」)。広く見せたいのか、落ち着いた雰囲気にしたいのかによって、天井の木目の色を選ぶと考えると分かりやすいでしょう。

トイレでは、アクセントクロスとして木目調を使う方法が紹介されています。サンゲツは、ナチュラルウッド系の木目には清潔感をもたらす効果が期待できる、とし、撥水機能や汚れ防止加工のある壁紙を選ぶと、日常のお手入れがしやすくなる、と書いています(出典:サンゲツ「リアルな木目調のおしゃれな壁紙を紹介|選び方やおすすめの場所を解説」、前出)。

ここで挙げた場所は、メーカーが紹介している使い方です。実際にどこにどのくらい使うかは、部屋の広さや明るさ、床や建具の色、好みによって変わります。気になる使い方があれば、その場所の写真を何枚か保存しておき、現地調査のときに見せると、イメージが伝わりやすくなります。

和室の天井に貼りたいときは、今の天井の材料を確かめる

木目調クロスを貼りたい場所として、和室の天井が挙がることもあります。実際に、和室の天井に木目調のクロスを貼りたい、というご相談をいただいたことがあります。そのご相談では、今の天井が、木目が印刷された合板(プリント合板)で、その上から木目調クロスを貼りたい、というご希望でした。

このように、プリント合板の上から壁紙を貼る場合は、シーラーと呼ばれる下地処理剤を塗って、下地を整えることが必須になります。プリント合板の表面の印刷シートは水を吸わないため、そのままでは壁紙の糊がなじみにくく、後から剥がれや浮きの原因になることがあります。そこで、壁紙を貼る前にシーラーを塗って、糊がつきやすい状態に整えます。

この下地処理は、石膏ボードの天井や壁に貼る場合と比べて、工程が1つ増えることになります。そのぶん、費用も少し上がります。和室の天井を木目調クロスにしたいと考えているなら、「今の天井が何でできているか」によって、張り替えの工程と費用が変わることを知っておくと、見積もりの内容を理解しやすくなります。なお、今の天井や壁がすでに壁紙で仕上げられている場合は、古い壁紙を剥がしてから新しい壁紙を貼るのが基本です。壁紙の上に壁紙を重ねて貼ることが勧められない理由は、壁紙の上から重ね張りはNG?ビニールクロスと水性のりが密着しない理由で詳しく扱っています。

今の天井がプリント合板かどうかは、見た目だけでは分かりにくいこともあります。見当がつけば、問い合わせのときに「天井は木目の合板だと思う」と添えてもかまいません。分からなくても、下地は現地調査のときに確かめてもらえるので、脚立に上ってまで自分で見分ける必要はありません。プリント合板の見分け方(壁を例にした説明です)や、シーラーによる下地処理の仕組み、見積もりで確かめておきたいことは、プリント合板の壁紙張り替えは石膏ボードと何が違う?追加費用数千円〜数万円と業者の見分け方を解説で詳しく扱っています。和室の天井でよく見られる3つの造り(竿縁天井、目透かし天井、合板の天井)の目印や、溝のある合板の天井の処理、天井だけを頼む場合と壁と一緒に頼む場合の費用の考え方は、和室の天井にクロス(壁紙)は張れる?木目の合板でも張れるが、シーラーが加わる理由と費用の目安で整理しています。また、天井の下地とは別に、壁や床の間、襖への柄の使い分けで和室を和モダンな雰囲気にしたい場合の壁紙の選び方は、和室を和モダンにする壁紙の選び方|畳・柱は残し、強い柄は床の間・一面・襖にで扱っています。

見本帳で見た印象と、貼ったあとの見え方の違い

木目調クロスを選ぶときに、もう一つ知っておきたいのが、見本帳で見た印象と、壁や天井に貼ったあとの見え方の違いです。

壁紙の見本帳は、張り替えを頼む業者が現地調査のときに持ってきてくれるのが一般的です。見本帳はメーカーやグレードごとに分かれているので、依頼するときに「木目調を使いたい」と伝えておくと、木目調が載っている見本帳を持ってきてもらえます。ここでは、その見本帳で確かめておきたい、色そのものの見え方、木目の流れと柄のつながり、照明による見え方の3つを見ていきます。

色そのものの見え方:壁一面では見本より明るく淡く見えることがある

見本帳の小さな見本と、壁一面に貼ったときとでは、色の見え方が変わることがあります。サンゲツは、壁紙選びのポイントとして「カタログで見るより実際の仕上がりは明るく、淡く見えることがあります」と書き、「なるべく大きなサンプルで確かめましょう」と勧めています(出典:サンゲツ「壁紙選びのポイント」、前出)。

木目調で言えば、見本帳で「ちょうどいい落ち着いた茶色」と感じた木目が、壁一面では思ったより明るく、軽い印象に見える、ということが起こり得ます。同じ系統の色合いで迷ったら、少し濃いめのほうも候補に入れて見比べてみるとよいでしょう。

ただし、これは色そのものの見え方の話です。それとは別に、濃い色の木目を広い面に使うと、部屋全体が暗い印象になることもあります。色そのものは見本より明るく淡く見えることがあっても、ダークトーンの木目を寝室の壁すべてに貼れば、部屋の雰囲気は重く落ち着いた方向に変わります。「色がどう見えるか」と「部屋全体がどんな印象になるか」は分けて考えて、使う面の広さもあわせて決めておくと安心です。

木目の流れと柄のつながり:小さな見本では一部分しか見えない

見本帳の小さな見本では、木目の流れや節が一部分しか見えないことも気をつけたい点です。壁一面に貼ると、その木目が何枚分も並んで見えることになります。見本では気にならなかった節や木目の濃淡が、壁全体では目につくこともあります。見本は、できるだけ大きなもので、木目の流れが分かる範囲を見ておくと、貼ったあとの印象に近づけます。見本と壁一面で見え方が違う理由や、見本帳の見方、大きめのサンプルの取り寄せ方は、壁紙のサンプルと実際の色はなぜ違う?メーカーが説明する「面積効果」と、見本帳の見方・サンプルの取り寄せ方で詳しく扱っています。

木目のように流れのある柄は、壁紙どうしの継ぎ目や、壁の角、窓やドアのまわりで、柄がどう見えるかも気になるところです。継ぎ目や角で柄がどうつながって見えるか、選んだ品番がその壁でどう見えそうかは、現地調査のときに確かめられます。気になる品番があれば、そのときに聞いておきましょう。柄を合わせながら貼る壁紙では、無地より使う量が少し増えます。柄物の壁紙で量が増える理由と、見積もりで確かめておきたいことは、柄物の壁紙は無地より量が少し増える|柄合わせの理由と、現地調査(見積もり)前後の決め方で詳しく扱っています。

照明の色や明るさで、木目の見え方が変わる

木目調クロスの見え方は、照明によっても変わります。リリカラは、照明の温度(光の色味)や光の明るさで壁紙の見え方が変わるため、照明器具と合わせて木目調壁紙を選ぶと、よりイメージどおりの空間になる、と書いています(出典:リリカラ「壁も天井もおしゃれに!リアルな質感が魅力の木目調壁紙(クロス)特集」、前出)。

たとえば、オレンジがかった温かい色の照明の下では、木目の茶色が赤みや黄みを帯びて見えやすく、白っぽい照明の下では、同じ木目がすっきりした色合いに見えることがあります。リビングと寝室で照明の色が違う家なら、同じ品番でも、部屋によって見え方が変わることになります。

表面の質感にも違いがあります。木目調クロスには、木目の柄に合わせて表面に凹凸や艶の差をつけ、本物の木に近い質感を出しているものがあります。こうした質感の出し方は商品によって差があり、商品によっては、光が当たる角度や強さによって、凹凸や艶の見え方が変わるものもあります(出典:同上)。昼間に窓から光が差し込むときと、夜に照明をつけたときとで、同じ木目調クロスの印象が変わることがある、ということです。

見本を確かめるときは、机の上ではなく、貼る予定の壁に当てて見てください。天井に貼る予定なら、脚立などに上る必要はありませんが、見本を頭の上にかざして、下から見上げたときの見え方も見ておくと、仕上がりを想像しやすくなります。部屋の明るさは時間帯や照明でも変わるので、現地調査のときの見え方と、ふだん過ごす時間帯(夜に照明をつけたときなど)の見え方は違うことがある、と頭に置いておくとよいでしょう。現地調査の時間だけで決めきれないときは、別の日に品番を決めることもあります。その場合は、決めた品番で見積もりの金額が変わらないかを、そのときに確かめておきましょう。リリカラも、画像はモニターの設定や部屋の照明などの影響で実際の商品と色味が違って見える場合があるとして、検討の際は実際の商品の見本を確認するよう案内しています(出典:同上)。インターネットの画像だけで決めず、実物の見本で確かめることが基本です。

また、築年数が経った住まいでは、古い壁紙を剥がしたあとの下地に細かな段差が残ることがあり、職人から「見本帳の中でも厚手のものから選んでください」と言われることがあります。光が横から当たる壁や天井では、下地の段差の影も見えやすくなるので、気に入った品番が薄手だった場合は、その壁や天井で使えるかを現地調査のときに確かめておくと安心です。照明の光で継ぎ目や下地の凹凸が目立つ仕組みと、厚手の壁紙の選び方は、壁紙の継ぎ目が照明で目立つ理由は?斜めの光と段差の影、経年か施工かの見分け方と厚手の壁紙の選び方で詳しく扱っています。

あわせて考えておきたい、色・グレード・使う範囲

ここまで、木目調クロスそのものの選び方を見てきました。実際に選ぶときは、ほかにもいくつか考えておきたいことがあります。ここでは、床やドアとの色合わせ、グレード、使う範囲の3つについて、要点だけを整理します。

床やドアとの色合わせは、木目調クロスを選ぶときにも大切です。サンゲツは、床材やドアの色調と合わせて壁紙の基本色を考えるよう勧めていて、床やドアの木目の色調には赤み、黄み、グレーみのあるものなどさまざまあり、壁紙の基本色をその木目の色調に合わせると部屋に統一感が生まれる、と案内しています(出典:サンゲツ「壁紙選びのポイント」、前出)。木目調クロスを貼る面以外の壁を何色にするかも含めて、床やドアの色を基準に考えると、まとまりのある部屋になりやすくなります。床やドアの色との具体的な合わせ方は、壁紙の色の選び方は床とドアの色が基準|グレー・ベージュ・白の合わせ方と見本帳での4つの確認で詳しく扱っています。

グレードも確かめておきたい点です。壁紙には、白系の無地を中心にした普及グレードの「量産品」と、色や柄の選択肢が多い「1000番台」と呼ばれるグレードがあります。木目や石目、塗り壁のような質感を再現した壁紙は、主に1000番台のほうにそろっています。1000番台は量産品より材料の単価が上がるので、木目調クロスを選ぶときは、候補の品番がどのグレードかを見ておくと、費用の見当をつけやすくなります。グレードによる価格の違いと、部屋ごとの選び分け方は、量産クロスと1000番クロスの違い|価格差は6畳で約1万円、部屋ごとの選び分け方で詳しく扱っています。

使う範囲も、仕上がりと費用の両方に関わります。部屋の壁すべてを木目調にするのか、テレビの背面やベッドの頭側など1面だけにするのか、天井だけにするのかで、印象は大きく変わります。1面だけ違う壁紙を貼る方法はアクセントクロスと呼ばれ、木目調を取り入れやすい方法の一つです。ただし、まわりの壁と質感が合わずに浮いて見えた、色が主張しすぎた、といった失敗の型もあるので、使う面と面積は、見本を当てながら決めていくとよいでしょう。アクセントクロスの失敗の型と、面積や色数の目安は、アクセントクロスの失敗例は3つ|面積は壁の2〜3割・色は3色まで、見本帳は少し濃いめを選ぶにまとめています。

また、壁紙には、ビニールクロスや紙、布など、素材そのものの種類もあります。木目調かどうかは柄の話で、素材の種類とは別の軸です。素材ごとの特徴や、お手入れのしやすさの違いは、壁紙の種類は代表的な4つ|住宅用の約9割はビニールクロス、分からないときの確かめ方で整理しています。

まとめ

木目調クロスを選ぶときのポイントを整理します。

  • 木目調クロスは、壁紙の表面に木目の柄がプリントされた壁紙。部屋に温かみを足せて、ナチュラルからモダン、北欧風まで幅広いインテリアに合わせやすい。築年数の経った住まいの「木目が印刷された合板(プリント合板)」とは別のもの
  • 選ぶときは「木種」「貼る方向」「板目か柾目か」の3つの視点で考える。今の部屋の床や建具の木の色を手がかりにすると、方向性を決めやすい
  • メーカーが紹介するおすすめの場所は、リビング、寝室、キッチンまわり、ダイニングの天井、トイレ。天井に使うなら、厚みがあり表面の凹凸が強いタイプが勧められている
  • 和室の天井がプリント合板なら、その上から貼るにはシーラーで下地を整える工程が加わり、費用も少し上がる。今の天井や壁が壁紙なら、剥がしてから貼るのが基本。天井の材料が分からなくても、現地調査で確かめてもらえる
  • 見本帳は現地調査のときに業者が持ってくるのが一般的。「木目調を使いたい」と伝えておくと、木目調が載っている見本帳を持ってきてもらえる
  • 壁一面では見本より明るく淡く見えることがある。濃い木目を広い面に使うと部屋全体が暗い印象になることもあるので、色の見え方と部屋全体の印象は分けて考える。小さな見本では木目の流れや節が一部分しか見えないので、できるだけ大きな見本で確かめる
  • 照明の色や明るさ、光の当たり方で、木目の色味や質感の見え方が変わる。見本は貼る予定の壁に当て、天井なら頭の上にかざして見上げる。時間帯や照明で見え方が変わることも頭に置いておく
  • 床やドアとの色合わせ、グレード(木目調は主に1000番台)、使う範囲(部屋全体か1面か天井か)もあわせて考える

木目調クロスは、張り替えをきっかけに部屋の雰囲気を大きく変えてくれる選択肢です。使いたい部屋や面と、明るい木目か濃い木目か、板目か柾目かといった方向性が見えてきたら、それを伝えて現地調査(見積もり)を電話か問い合わせフォームで依頼してみてください。現地調査のときに、持ってきてもらった見本帳を実際の壁に当てたり、天井の下で見上げたりして確かめれば、天井の下地のことも含めて、その場で相談できます。

木目調クロスでの張り替えを考えている方は、電話か問い合わせフォームでご相談ください。使いたいお部屋や面と、思い描いている木目の雰囲気を伺ったうえで、現地調査でお部屋を確認し、見本帳を実際の壁に当てたり、天井の下で見上げたりしながら選び方をご相談いただけます。天井や壁の下地の状態も、そのときに確かめます。見積もり・現地調査は無料です。

電話が難しい方はでもご相談いただけます。

この記事の執筆者

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氏名:松田郁幾
実績:壁紙張り替えを中心に、これまで多くのお客様・職人と関わってきました。
この記事について:現場で見聞きした実例をもとに、誇張せず、実践的な視点で解説しています。

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