エコカラットと壁紙の違いは?1㎡8,900円〜のタイルと壁紙を機能・費用・模様替えで比べる

壁の左側に石のような質感のタイル、右側に無地の壁紙を張ったリビングの壁

家の壁紙の張り替えを考えはじめると、「せっかくなら玄関やリビングの壁を1面だけ、少し特別なものにしたい」と思うことがあります。そのとき候補に挙がりやすいのが、エコカラットです。ところが調べてみると、「エコカラットは壁紙の一種なのか」「壁紙と比べて何が良いのか」「壁紙の上から張れるのか」と、分からないことが次々に出てきます。

結論から言うと、エコカラットは壁紙ではなく、LIXILが販売している「内装壁機能タイル」です。湿気を吸ったり吐いたりする調湿や、においを吸着する機能を持つ一方で、価格はLIXILの製品情報で1㎡あたり8,900円〜21,800円です。施工の費用は別に確かめる必要がありますが、製品の価格だけで、材料と施工をあわせて1㎡あたり1,500〜2,500円程度が目安の量産品の壁紙を大きく上回ります。また、壁紙の上にそのまま張れるとは限らず、LIXILは「壁紙を剥がしてから施工するのが基本」としています。

どちらが優れているかではなく、「調湿やにおいといった機能を重視するのか」「費用と、将来の模様替えのしやすさを重視するのか」で選ぶと決めやすくなります。見た目の雰囲気だけなら、石やタイルのような柄の壁紙で近づけるという選択肢もあります。

この記事を読むと、次のことが分かります。

  • エコカラットは壁紙ではなく壁に張るタイルで、珪藻土の壁紙とも別のものであること
  • 機能の違い(調湿・におい・お手入れ)と、LIXILが示している調湿の数字の読み方
  • 費用の違い(エコカラットプラスの4段階の価格と、壁紙の材工込みの単価・最低料金)
  • 施工と模様替えのしやすさの違い(壁紙の上から張れる5つの条件、マグネット式の「エコカラット セルフ」)
  • エコカラットのような雰囲気を壁紙で出すという選択肢と、そのときに気をつけること

読み終えるころには、自分の家のどの面をどちらにするか、見積もりのときに何を聞けばよいかが見えてくるはずです。

エコカラットにするか壁紙にするか、まだ迷っている段階でも構いません。エコカラットの施工も、壁紙の張り替えとあわせて電話でご相談いただけます。見積もり・現地調査は無料です。

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エコカラットは壁紙ではなく、壁に張るタイル

厚みのある壁のタイルの端と、その横に続く平らな壁紙

「エコカラット 壁紙」と調べると、エコカラットを壁紙の一種のように紹介しているページも目に入ります。まずは、そもそも何が違うのかを整理しておきます。

エコカラットはLIXILの「内装壁機能タイル」

エコカラットは、住宅設備・建材メーカーのLIXILが販売している製品で、同社は現在の主力商品「エコカラットプラス」を「内装壁機能タイル」と位置づけています。製品ページでは「湿気は通すが、水や汚れはほぼ通さない」とうたい、調湿、においの吸着、有害物質の低減、水拭きできるお手入れのしやすさという4つの機能を挙げています(出典:LIXIL「内装壁機能タイル エコカラットプラス」)。

つまり、エコカラットは紙やビニールのロールを貼る壁紙ではなく、板状のタイルを壁に張って仕上げるものです。壁紙と同じように「壁の表面を仕上げる材料」ではありますが、製品の種類としては別物です。見本の写真では壁紙と並んで紹介されることもあるので、ここを押さえておくだけでも、比べるときの迷いが減ります。

珪藻土の壁紙や塗り壁とも別のもの

もう一つ混同しやすいのが「珪藻土」です。エコカラットも珪藻土も「湿気を吸ったり吐いたりする」と紹介されるため、同じ仲間のように見えます。

壁紙の中には、表面に珪藻土を使った「珪藻土の壁紙」があり、これはロール状の壁紙として貼って仕上げる製品です。また、左官職人がコテで塗って仕上げる「珪藻土の塗り壁」もあります。エコカラットは、珪藻土の壁紙とも珪藻土の塗り壁とも違う、タイルの製品です。珪藻土の壁紙を含め、壁紙の素材ごとの違いは、壁紙の種類は代表的な4つ|住宅用の約9割はビニールクロス、分からないときの確かめ方で詳しく解説しています。

比べるときは「機能」「費用」「施工と模様替え」の3つ

エコカラットと壁紙は、どちらも壁を仕上げる材料ですが、得意なことが違います。比べるときは、次の3つに分けて考えると整理しやすくなります。

  • 機能:湿気やにおいへの働き、お手入れのしやすさ
  • 費用:材料の価格と、工事を頼んだときの総額の考え方
  • 施工と模様替え:今の壁紙の上に張れるか、将来ほかの柄に変えたくなったときにどうなるか

ここからは、この3つの順に見ていきます。

機能で比べる|調湿・におい・お手入れ

靴箱の後ろの壁にタイルを張った玄関

エコカラットを選ぶ理由として、いちばんよく挙がるのが機能です。ここでは、LIXILが示している内容と、壁紙側の選択肢を並べてみます。

調湿:LIXILは「珪藻土の約6倍、調湿壁紙の25倍以上」としているが、研究室試験の数字

LIXILは、エコカラットプラスの調湿機能について、湿度が高いときは湿気を吸収し、乾燥しているときは湿気を放出するとしたうえで、「その効果は珪藻土の約6倍、調湿壁紙の25倍以上もあるんです」と紹介しています(出典:LIXIL「内装壁機能タイル エコカラットプラス」)。

ただし、この数字には注釈が付いています。同じページには「試験結果は、当社で実施した研究室試験のデータです。実使用空間での効果は確認しておりません。部屋の使用条件、気象・換気などの環境条件によって異なります」と書かれています(出典:同上)。小さな試験体を一定の温度・湿度の槽に入れて、吸った湿気と吐いた湿気の量を測った結果、という意味です。また、比べている「珪藻土」が塗り壁なのか壁紙なのかは、このページからは分かりません。

ですから、「エコカラットにすれば部屋の湿度が6倍良くなる」「壁紙の25倍、結露が減る」と受け取るのは言い過ぎです。LIXILの調湿の数字は、メーカー自身の研究室試験で材料そのものの調湿性が高いと示されたもの、と捉えておくのが正確です。実際の部屋の湿度は、広さや換気、エコカラットを張る面積などによって変わります。

壁紙にも、湿気を逃がすタイプがある

壁紙の側にも、湿気への対策を目的にした製品があります。壁紙メーカーのサンゲツは「カビ・結露を抑える調湿タイプ」として、吸放湿壁紙、通気性壁紙、珪藻土壁紙の3つを紹介し、おすすめの場所に「玄関、廊下、洗面・トイレ、クローゼット、和室」を挙げています(出典:サンゲツ「カビ・結露を抑える調湿タイプ|壁紙の選び方」)。

それぞれの説明は少しずつ違います。吸放湿壁紙は、壁紙に配合された吸水性ポリマーが湿度の変化に応じて吸湿・放湿し、結露やかびの発生を軽減するもの。通気性壁紙は、高い通気性で壁を通して湿気を排出するもの。珪藻土壁紙は、夏は湿気を吸い取り、冬は水分を放出して湿度を調節するもので、「使用環境により効果は異なります」と注記されています(出典:同上)。

調湿の大きさだけで比べれば、LIXILの試験の数字はエコカラットのほうが上ということになります。一方で、壁紙の調湿タイプは、壁紙の張り替えと同じ工事で選べます。湿気が気になる場所がクローゼットや洗面所のように広くない場所なら、まず壁紙の調湿タイプで足りるかを考え、それでもより高い調湿性を求めるならエコカラットを検討する、という順番もあります。ただし、調湿タイプのうち珪藻土壁紙については、サンゲツが、シミの原因になるため洗面台の近くの壁など直接水分が付くような場所への使用は避けるよう勧めています(出典:サンゲツ「壁紙にはどんな素材がある? 代表的な種類と特長・注意点を解説」)。洗面所で選ぶときは、そのタイプがその場所に使えるかを見本帳の表示で確かめてください。

なお、どちらを選んでも、湿気やカビの悩みが壁の材料だけで解決するとは限りません。換気や家具の置き方なども関わります。カビ対策として壁紙を選ぶときの考え方は、防カビ壁紙は選んで買うもの?サンゲツの量産品は掲載品全点が防カビ、メーカーは「壁紙だけでは防げない」と明記で解説しています。

におい:エコカラットは脱臭、壁紙にも消臭タイプがある

LIXILは、エコカラットプラスがにおいの原因となる成分を吸着し、靴やペット、カビなどが混じった玄関特有のにおいに脱臭効果を発揮するとしています。ホルムアルデヒドやトルエンといった有害物質を吸着・低減する機能も挙げています(出典:LIXIL「内装壁機能タイル エコカラットプラス」)。こちらにも、調湿と同じく「研究室試験のデータです。実使用空間での効果は確認しておりません」という注釈が付いています(出典:同上)。

壁紙にも、消臭の機能を持たせたものがあります。サンゲツは、表面に消臭剤を加工した壁紙について、ホルムアルデヒド(建材などのニオイ)、アセトアルデヒド(タバコ臭・加齢臭など)、アンモニア(トイレ臭・ペット臭など)といったにおいに効果が期待できるとし、「使用環境によっても異なりますが、抗菌・消臭効果が約10年持続します」と説明しています(出典:サンゲツ「室内環境に役立つタイプ|壁紙の選び方」)。同じサンゲツでも、消臭の機能を持つ壁紙はほかの製品もあり、試験の対象にしている物質や効果が続く年数は製品ごとに違います。

どちらも、これから張る材料の表面で、においの原因になる物質を吸着するものです。エコカラットも消臭タイプの壁紙も、すでに壁や下地に染み込んだにおいを取り去るものではありません。消臭壁紙が試験の対象にしている物質と効く範囲、張り替え前に考えておきたいことは、壁紙の臭いの原因は4つ|張り替え直後のにおい、掃除の考え方と消臭壁紙が効く範囲で詳しく解説しています。

お手入れ:どちらも水拭きできるが、気をつける点が違う

お手入れについて、LIXILは「従来の調湿建材ではむずかしかった水拭き掃除」がエコカラットプラスでは気軽にできるとし、水はねを気にせず使えるので水まわりにもおすすめだとしています(出典:LIXIL「内装壁機能タイル エコカラットプラス」)。一方で、同じページには「汚れが完全に除去できるということを保証するものではありません」という注記があり、製品の側面に汚れが付いた場合は、一般家庭用洗剤を歯ブラシなどに付けて速やかに落とすよう案内されています(出典:同上)。表面に凹凸のある柄では、目地や側面に汚れが残りやすいことは頭に置いておくとよいでしょう。

住宅の壁紙の多くを占めるビニールクロスも、軽い汚れなら水拭きや薄めた中性洗剤での拭き取りができます。汚れが付きやすい場所には、汚れを拭き取りやすくした「汚れ防止」の機能を持つ壁紙もあります。ただし、汚れ防止の壁紙でも、どんな汚れでも落ちるわけではありません。どこまで期待できるかは、壁紙の汚れ防止はどこまで落ちる?規格の試験は4つの汚れだけ、油汚れ・ヤニ・手垢は対象外で解説しています。

お手入れのしやすさでは、どちらかが大きく劣るわけではありません。違いが出るのは、汚れが落ちきらなかったときの対処です。壁紙なら、その面を張り替えれば新しくなります。エコカラットで同じように表面を新しくしたい場合は、張ってあるものを撤去する工事になります。そこは次の「施工と模様替え」の話につながります。

費用で比べる|エコカラットは1㎡8,900円〜、壁紙は材工込み1,500〜2,500円程度

機能に惹かれていても、最後に決め手になりやすいのは費用です。ここでは、エコカラットの価格と、壁紙の費用の考え方を並べます。

エコカラットプラスの価格は1㎡あたり4段階

LIXILのエコカラットの製品情報では、エコカラットプラスの価格が1㎡あたり「21,800円」「17,300円」「12,300円」「8,900円」の4段階で示されています。同じエコカラットプラスでも、柄(商品)によってこのどれかに分かれる、という形です(出典:LIXIL「エコカラット 製品情報 エコカラットプラス」)。

このページの価格は、製品としての1㎡あたりの価格です。税込みか税抜きか、張る手間(施工)の費用が含まれるかは、このページには書かれていません。エコカラットの施工を業者に頼むなら、製品の価格に加えて張る手間と下地の前処理の費用を見積もりで確かめます。

壁紙は材工込みの単価と、最低料金で考える

壁紙の張り替え費用は、材料と施工をあわせた「材工込み」の単価で考えるのが一般的です。量産品の壁紙なら、1㎡あたり1,500〜2,500円程度が目安です。柄や色の選択肢が多い1000番台のグレードにすると、ここから少し上がります。量産品と1000番台の違いや価格差は、量産クロスと1000番クロスの違い|価格差は6畳で約1万円、部屋ごとの選び分け方で解説しています。

もう一つ知っておきたいのが、最低料金です。職人が現場に来て、養生し、道具を出して片づけるまでの手間は、壁1面でも1部屋でもそれほど変わりません。そのため、壁紙の張り替えでは、多くの業者が最低料金を4万〜6万円程度に設定しています。壁1面だけの張り替えだと、面積×単価よりも、この最低料金のほうが総額を決めることが多くなります。

壁1面で比べると、差はどのくらいか

具体的な数字で比べてみます。たとえば、6畳の部屋の長いほうの壁1面(幅約3.6m×高さ約2.4m、約8.6㎡)をすべて張る場合で考えます。

  • エコカラットプラス:製品の価格だけで、8,900円の柄なら約7万7,000円、21,800円の柄なら約18万8,000円。これに施工などの費用が加わる
  • 壁紙:材工込みの単価で計算すると約1万3,000〜2万2,000円だが、1面だけの依頼なら最低料金(4万〜6万円程度)がかかることが多い

製品の価格と材工込みの価格を並べているので、厳密な比較ではありません。それでも、同じ壁1面で比べれば、エコカラットは製品の価格だけで、壁紙の張り替えにかかる総額を上回りやすい、という見当はつきます。反対に、家全体の張り替えとあわせて壁紙で1面だけ柄を変える場合は、最低料金が改めてかかるわけではありません。その面に使う壁紙が変わるだけなので、増えるのは基本的に、選んだ壁紙と量産品との材料の差が中心です(どこまで差が出るかは、選ぶ商品や施工の条件によって変わります)。エコカラットとの差は、さらに広がります。

もちろん、エコカラットを壁一面ではなく、テレビの背面や玄関の一部だけに張るなら、製品の価格はその面積の分だけで済みます。どのくらいの面積に張りたいかを決めておくと、見積もりを比べやすくなります。

施工と模様替えのしやすさで比べる

機能と費用に加えて、意外と見落とされやすいのが、工事の条件と、何年か後に模様替えをしたくなったときのことです。

エコカラットプラスは、壁紙を剥がしてから張るのが基本

「エコカラットは壁紙の上から張れますか」という質問について、LIXILは、新築・リフォームを問わず、エコカラットプラスを張る位置に壁紙が張られている場合は「壁紙を剥がしてから施工するのが基本です」と答えています(出典:LIXIL Q&A「『エコカラットプラス』を壁紙の上に張れますか?」)。

家全体の壁紙の張り替えを考えている場合は、このことが段取りに関わります。エコカラットにする面も、いったん今の壁紙を剥がすことになるので、張り替えの計画を立てる段階で「どの面をエコカラットにするか」を決めておくと、剥がす工程を二度に分けずに考えやすくなります。

壁紙の上から張れるのは、5つの条件をすべて満たすときだけ

LIXILは同じ回答の中で、次の適用条件にすべて当てはまる場合は、壁紙の上から貼り付けできるとしています(出典:同上)。

  • ビニル系(フッ素・EBなどの撥水系表面処理品を除く)、または布系の壁面である
  • カビが生えていない
  • 汚れがない
  • 壁紙の剥がれがない
  • 施工部位が天井ではない

このうち1つ目について、LIXILは「最重要項目」としていて、オレフィン系(非塩ビ系)や紙系の壁紙の上には張れないこと、撥水処理がされているか分からない場合は必ず壁紙を剥がすことを求めています。また、壁紙の上から張れる条件をすべて満たした場合も、施工の前に下地の前処理が必要で、壁紙を剥がすかどうかにかかわらず「エコカラットプラス 施工マニュアル」を確認したうえで施工するよう案内しています(出典:同上)。

長く住んできた家の壁紙は、汚れや継ぎ目の剥がれ、部分的なカビなど、どれか1つに当てはまることがあります。「壁紙の上から張れるなら手軽そう」と考えていても、剥がしてから張ることになる場合もある、と考えておくと見積もりのときに慌てずに済みます。自分で施工する場合の手順は、この記事では扱いません。LIXILの施工マニュアルで確かめてください。

マグネット式の「エコカラット セルフ」は、壁紙の上に取り付けられる

壁紙を剥がしてから張るのが基本のエコカラットプラスとは別の選択肢として、LIXILは「エコカラット セルフ」という製品も出しています。壁にタッカーで留めたベースシートに、裏面にマグネットの付いたエコカラットを取り付ける仕組みで、工事業者に取り付けてもらうほか、自分で取り付けることもできるとしています。よくある質問では「壁紙の上から取付けできますか」に対し「はい。壁紙を剥がす必要はありません」と答えています(出典:LIXIL「エコカラット セルフ」)。

価格は、約60cm×約120cmのセット(1260セット)や約90cm角のセット(9090セット)が標準価格45,000円(税抜)、柄を付け替えるための付替え用が38,000円(税抜)です(出典:同上)。マグネットなので別の柄に付け替えたり、取り付ける場所を変えたりでき、取り外したあとに残るのはタッカーの小さな穴で、市販の壁紙補修剤で直せるとされています(出典:同上)。

一方で、注意事項として、凹凸のある壁面やコンクリートなどタッカーで留められない壁面には取り付けできないこと、屋外や浴室、床、キッチンバックには取り付けできないことが挙げられています(出典:同上)。1セットの大きさが決まっているので、エコカラット セルフは壁一面を覆うというより、壁の一部をアクセントにする使い方に向いています。

将来の模様替えは、壁紙のほうが身軽

壁紙は、張り替えるたびに古い壁紙を剥がして新しいものを貼るのがふつうの流れです。何年かたって色や柄に飽きた、汚れが目立ってきた、というときも、その面を張り替えれば雰囲気を変えられます。

エコカラットプラスは、壁に張り付けて仕上げるタイルです。気に入った柄で長く使う前提なら問題ありませんが、何年か後に「やはり壁紙に戻したい」「別の柄にしたい」と思ったときは、張ったエコカラットを撤去する工事が必要になります。撤去したあとの壁がどんな状態かは、剥がしてみないと分かりません。下地の状態によっては、壁紙を貼る前に補修が必要になり、その分の費用が加わることがあります。

今あるエコカラットを壁紙に替えたい、という場合も同じです。見積もりのときに、エコカラットの撤去そのものにかかる費用と、「撤去したあとの下地が傷んでいた場合、追加でどのくらいかかるか」の2つを聞いておくと、条件と幅を説明してもらえます。下地の傷みと補修の考え方は、石膏ボードと壁紙は何が違う?傷みは30cmが分かれ目、ボード交換は大工が必要で別途費用で解説しています。

エコカラットのような雰囲気を、壁紙で出すという選択肢

ここまで比べてみて、「機能よりも、玄関やリビングの雰囲気を変えたいのが本音」という方もいるでしょう。その場合は、壁紙でエコカラットに近い見た目を目指す、という選択肢があります。

石やタイルのような柄の壁紙がある

壁紙の見本帳には、石の質感や、タイルを並べたような目地の柄、凹凸を表現した壁紙も並んでいます。こうした壁紙は、「エコカラット風」と呼ばれて探されることもあります。ビニールクロスは、ほかの素材の見た目を再現したデザインが多いのが特長で、エコカラットのような雰囲気も、柄の選び方次第で近づけることができます。

壁紙であれば、費用の考え方は先に見たものと同じです。ただし、石目やタイル調のような質感のある柄は、量産品ではなく1000番台のグレードに多く、単価は量産品より少し上がります。家全体の張り替えとあわせて1面だけ柄を変えるなら、増えるのは量産品との材料の差が中心で(選ぶ商品や施工の条件によって変わります)、何年か後にまた別の柄に変えることもできます。

見た目は近づけても、機能は別に選ぶ

ただし、エコカラットのような柄の壁紙は、見た目を近づけたものです。タイルそのものの厚みや手触り、光の当たり方でできる陰影までは同じになりにくく、近くで見ると印象が違うこともあります。見本帳の小さなサンプルだけで決めず、できれば大きめのサンプルやメーカーのショールームで、実物の質感を確かめてから選ぶと安心です。

また、柄がエコカラットに似ていても、調湿やにおいの機能まで備わっているとは限りません。機能は柄とは別に、その壁紙ごとに決まっています。湿気やにおいも気にしたい場合は、見本帳で色や柄と一緒に、その壁紙にどんな機能表示があるか(調湿タイプや消臭タイプか)を確かめておくとよいでしょう。

1面だけ変えるときは、色と面積のバランスも考える

エコカラットにしても、エコカラットのような柄の壁紙にしても、部屋の中の1面だけを変えることになります。1面だけ色や柄を変えると、色や面積によっては思っていた仕上がりと違って見えることがあります。面積や色の数の目安、見本帳での選び方は、アクセントクロスの失敗例は3つ|面積は壁の2〜3割・色は3色まで、見本帳は少し濃いめを選ぶで解説しています。

実際に、リビングの壁1面だけを、ショールームで確かめて決めた柄の壁紙に張り替えた例は、【施工事例】兵庫県尼崎市:カーテンの新調に合わせてリビングの壁1面をアクセントクロスに|ショールームで選んだ柄で1日で施工で紹介しています。

まとめ:何を優先するかで、エコカラットか壁紙かを決める

ここまで、エコカラットと壁紙の違いを、機能・費用・施工と模様替えの3つで比べてきました。

  • エコカラットは壁紙ではなく、LIXILの「内装壁機能タイル」。珪藻土の壁紙や塗り壁とも別のもの
  • 調湿について、LIXILは「珪藻土の約6倍、調湿壁紙の25倍以上」としているが、これは同社の研究室試験のデータで、実際の部屋での効果は確認されていない。壁紙にも、吸放湿・通気性・珪藻土の調湿タイプや、消臭タイプがある
  • エコカラットプラスの価格は製品として1㎡あたり8,900円〜21,800円の4段階。壁紙は材工込みで1㎡あたり1,500〜2,500円程度(量産品)が目安で、1面だけなら最低料金(4万〜6万円程度)で考える
  • エコカラットプラスは、壁紙を剥がしてから張るのが基本。壁紙の上から張れるのは5つの条件をすべて満たすときだけで、その場合も前処理が必要
  • マグネット式の「エコカラット セルフ」は壁紙の上に取り付けられるが、凹凸のある壁面やキッチンバックなどには取り付けられない
  • 将来の模様替えは壁紙のほうが身軽。エコカラットを撤去して壁紙に戻すときは、下地の状態によって補修の費用が加わることがある
  • 見た目の雰囲気だけなら、石やタイルのような柄の壁紙で近づける選択肢もある。ただし機能は別に選ぶ

調湿やにおいへの働きを重視し、その面を長く同じ柄で使うつもりなら、エコカラットは有力な候補になります。費用を抑えたい、何年か後にまた模様替えをしたい、雰囲気が変われば十分という場合は、壁紙のほうが向いています。迷っているなら、家全体の張り替えの計画と一緒に、どの面をどちらにするかを決めるのがおすすめです。

どちらにするか決めきれないときは、エコカラットにした場合と壁紙にした場合の両方について、見積もりで費用と工事の条件を並べてみてください。

張り替えたい場所と、エコカラットも気になっていることを、電話でお伝えください。エコカラットの施工も、壁紙の張り替えとあわせて現地調査のうえでご案内します。見積もり・現地調査は無料です。

電話が難しい方はでもご相談いただけます。

この記事の執筆者

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氏名:松田郁幾
実績:壁紙張り替えを中心に、これまで多くのお客様・職人と関わってきました。
この記事について:現場で見聞きした実例をもとに、誇張せず、実践的な視点で解説しています。

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