
和室の壁を壁紙(クロス)に張り替えて、洋室のような明るい部屋にしたい。けれど、うちの壁が砂壁なのか土壁なのか、そもそも何でできているのかが分からない。そんな状態で調べ始めた方も多いのではないでしょうか。
結論から言うと、和室の壁は、砂壁・土壁・聚楽壁(京壁)・繊維壁(綿壁)・漆喰といった塗り壁でも、もともと壁紙が貼られている壁でも、壁紙に張り替えられます。ただし塗り壁の場合は、上からそのまま貼るのではなく、壁の状態に合わせた下地の処理を先に行うのが基本です。その処理の方法によって、費用と仕上がりの持ちが変わります。
費用の目安は、もともと壁紙が貼られている6畳の和室を量産品の壁紙で張り替える場合で、4万5,000〜7万5,000円程度です。多くの業者が最低料金を4万〜6万円程度に設定しているため、4畳半のような小さな和室でも、この金額を大きく下回ることはあまりありません。塗り壁の場合は、ここに下地処理の費用が上乗せされます。
そして、この記事でいちばんお伝えしたいのは、自分の家の壁が何でできているかを言い当ててから相談する必要はない、ということです。和室の塗り壁は見た目がよく似ていて、呼び名も地域や職人によって重なります。壁の種類と状態は、現地調査で職人が実際に触って確かめるのが、いちばん早く確実です。
この記事を読むと、次のことが分かります。
- 和室の壁が壁紙にできる理由と、塗り壁で選ぶ4つの方法(そのまま貼る/シーラーやボンドで固めてから貼る/掻き落としてから貼る/石膏ボードやベニヤを増し張りしてから貼る)
- 自分の和室の壁が何でできているかを、触った感触と見た目でざっくり見分ける目安と、分からないまま相談してよい理由
- 「壁だけ壁紙にする」場合と「床や建具まで洋室にする」場合で、相談先がどう変わるか
- 和の雰囲気を残すか洋室に寄せるかで変わる、色・柄選びの考え方
- DIYで張り替えられるか
- 費用の目安と、塗り壁で上乗せになりやすい費用
読み終えるころには、自分の家の和室について、次に何から手をつければよいかが見えてくるはずです。
うちの和室の壁が何でできているか分からない、という段階でも電話でご相談ください。部屋の広さや壁の様子をうかがったうえで、進め方と費用の目安をご案内します。見積もり・現地調査は無料です。
電話が難しい方はメールでもご相談いただけます。
和室の壁は壁紙(クロス)に張り替えられる?

和室の壁は、壁紙に張り替えられます。ただ、どう張り替えるかは、今の壁が「もともと壁紙」か「塗り壁」かで大きく分かれます。先にこの2つの違いを押さえておくと、このあとの費用や相談先の話が分かりやすくなります。
もともと壁紙が貼られている和室は、洋室と同じ張り替え
和室といっても、壁が塗り壁とは限りません。和紙のような風合いの壁紙や、塗り壁のような質感の壁紙が、最初から貼られている和室もあります。
もともと壁紙の和室の張り替えは、洋室と同じ手順です。古い壁紙を剥がして、新しい壁紙を貼ります。和室だからといって特別な工事が要るわけではありません。壁紙の下の下地の種類によって工程が少し変わることはありますが、それを施主が事前に調べておく必要はなく、現地調査で職人が確認します。
なお、「今の壁紙の上から新しい壁紙を重ねて貼れば安く済むのでは」と考える方もいますが、実際の張り替えでは古い壁紙を剥がしてから貼るのが基本で、重ね張りが選ばれることはほとんどありません。理由は壁紙の上から重ね張りはNG?ビニールクロスと水性のりが密着しない理由で解説しています。
塗り壁は、下地の処理をしてから貼る
砂壁や聚楽壁などの塗り壁は、新しいうちは表面がしっかりしていますが、年数が経つと表面がもろくなり、手で触れると粉が付いたり、縁から崩れてきたりします。この状態の壁に壁紙を直接貼っても、壁紙は崩れやすい表面に乗っているだけになり、しばらくすると端や継ぎ目から剥がれてきます。
そこで塗り壁では、壁紙を貼る前に「塗り壁をどう扱うか」を決めます。方法は大きく次の4つです。
- そのまま貼る:下地をほとんど処理せずに貼る方法。費用は最も安いものの、剥がれやすく、古い壁のシミが壁紙の表ににじみ出てくることもあるため、特別な事情がない限り積極的に選ぶ方法ではない
- シーラーやボンドで固めてから貼る:もろくなった表面を下地固め材で固めてから貼る方法。接着は安定しやすいが、次に張り替えるときに固めた表面ごと剥がれて、補修の手間が増えることがある
- 掻き落としてから貼る:塗り壁を削り落とし、パテで平らに整えてから貼る方法。手間と費用はかかるが、接着が安定し、将来の張り替えも通常の工事として扱いやすい
- 石膏ボードやベニヤを増し張りしてから貼る:塗り壁の上から板を張って新しい下地を作る方法。費用は掻き落としと同程度で、壁が室内側に数ミリ〜1センチ余り出てくる
大まかには、費用を抑えた方法ほど将来の剥がれのリスクが高く、根本的な方法ほど費用が上がる、という関係になります。どれが合うかは、壁の崩れ具合、塗りの厚み、シミの有無、あと何年その家に住むかによって変わるため、壁を実際に見てからの判断になります。
表面の傷みがかなり進んでいる塗り壁でも、壁紙をあきらめる必要はありません。上から石膏ボードやベニヤを張れば、塗り壁の状態の影響を受けにくい新しい下地を作れるためです。そのぶん費用は上がりますが、「うちの壁は古すぎて壁紙にできないのでは」と心配して相談をためらう必要はありません。
自分の和室の壁は何でできている?

張り替えの方法は壁の種類と状態で変わるため、自分の家の壁が何なのか気になる方も多いと思います。ここでは、専門知識がなくても分かる範囲の目安だけを紹介します。細かく言い当てられなくても、相談にはまったく支障がありません。
ざっくり見分けるときの目安(触った感触・見た目)
壁を確かめるときは、家具の陰など目立たない場所を指先で軽くなでる程度にしてください。強くこすったり削ったりすると、そこだけ崩れて跡が残ることがあります。
- もともと壁紙:縦に継ぎ目がまっすぐ入っている(壁紙は幅90センチほどのロールを上から下へ貼り継ぐため)。指でなでても粉や砂は付かない。端がめくれている箇所があれば、紙やビニールの層が見える
- 砂壁:表面がざらざらして硬めの手触り。こすると砂粒がぱらぱらと落ちる
- 聚楽壁(京壁):表面は細かな凹凸でなめらか。指先で軽くこすると、土の細かい粉がうっすら付く。「聚楽壁」と「京壁」は同じ壁を指して使われることが多い呼び名
- 繊維壁(綿壁):表面に繊維が見え、光の当たり方でキラキラして見えることがある。年数が経つと繊維ごとぽろぽろとほつれ落ちる。「繊維壁」と「綿壁」は同じ壁材の呼び名
- 漆喰:白くて、ほかの塗り壁に比べると比較的硬い
もう一つ、「土壁」という呼び名もよく聞きます。土や砂を練って塗った壁は、砂壁・聚楽壁と材料や仕上げが近く、どれを「土壁」と呼ぶかは地域や職人によって重なるため、厳密な線引きはありません。
また、同じ種類の塗り壁でも、古いものほど表面が粉状に崩れやすく、比較的新しい既調合の塗り壁材で仕上げたものは崩れにくい傾向があります。築年数や、過去に塗り直したことがあるかも、状態を推し量る手がかりになります。
見当がついた方は、塗り壁の種類ごとに詳しく解説した記事もあわせてご覧ください。砂壁・土壁・聚楽壁(京壁)・繊維壁(綿壁)の記事では、4つの方法の費用とリスク、追加料金が出やすい条件を解説しています。呼び名が違うだけで同じ壁を指すものは、どちらの記事を読んでも考え方は同じです。
- 砂壁:砂壁の壁紙張り替えはそのまま貼れる?4つの対応方法の費用とリスク、追加料金が出やすい条件を解説
- 土壁:土壁の壁紙張り替えはそのまま貼れる?4つの対応方法の費用とリスク、追加料金が出やすい条件を解説
- 聚楽壁(京壁):聚楽壁の壁紙張り替えはそのまま貼れる?4つの対応方法の費用とリスク、追加料金が出やすい条件を解説/京壁の壁紙張り替えはそのまま貼れる?4つの対応方法の費用とリスク、追加料金が出やすい条件を解説
- 繊維壁(綿壁):繊維壁の壁紙張り替えはそのまま貼ると危険?4つの対応方法の費用とリスク、追加費用の条件を解説/綿壁の壁紙張り替えはそのまま貼ると危険?4つの対応方法の費用とリスク、追加費用の条件を解説
- 漆喰(壁紙メーカーの施工要領書での扱いと、見積もりで確かめること):漆喰の上に壁紙は貼れる?メーカー2社の要領書に記載がなく、見積もりで聞く一言
分からないまま相談してよい理由
実際には、写真や手触りだけで壁の種類を確定するのは、慣れていないと難しいものです。無理に「うちは砂壁だ」と決めつけて話を進めると、現地調査で別の壁だと分かったときに、前提から話し直すことになります。
それに、張り替えの方法を決めるのは、種類の名前そのものよりも壁の状態です。表面が粉状になっているか、手で触れると崩れてくるか、塗りの厚みはどれくらいか、シミやカビが出ていないか。こうした状態によって、4つの方法のどれが合うかが変わります。
現地調査では、職人が壁を手で押したり、叩いたり、目立たない場所を少し削ったりして、下地の状態まで確かめます。施主が種類を言い当てるより、ずっと確実です。張り替えを相談する方の多くは、自宅の壁の種類や下地が分からないままですが、それで困ることはありません。
相談するときは、分かる範囲で次のようなことを伝えていただければ十分です。
- 和室の広さ(4畳半、6畳、8畳など)
- 壁を触ると粉や砂が付くか、崩れてくる箇所があるか
- シミやカビ、ひび割れが気になる箇所があるか
- 襖や押入れの内側も一緒に考えているか
「和室の壁を壁紙にしたいけれど、何の壁か分からない」と伝えるだけでも、そこから確認を進められます。
「壁だけ変える」か「和室全体を洋室っぽくする」かで何が変わるか
和室を明るくしたいと考えたとき、壁紙の張り替えで済ませるのか、床や建具まで含めて洋室にするのかで、工事の内容も相談先も変わります。どちらにするか決めきれていなくても相談はできますが、違いを知っておくと、問い合わせの際に希望を伝えやすくなります。
壁紙(クロス)張り替えの範囲でできること
壁紙の張り替えで変えられるのは、壁の表面の見た目です。塗り壁のくすんだ色や、粉が落ちる壁が、明るい壁紙の壁に変わるだけでも、部屋の印象はかなり違ってきます。水拭きできる壁紙を選べば、日々の手入れも楽になります。
柱が壁の表に見えている和室では、壁紙は柱と柱の間に貼ります。柱や長押(なげし)、敷居といった木の部分はそのまま残るので、仕上がりは「和室の骨組みを残したまま、壁だけが明るくなった部屋」になります。畳の部屋として使い続けながら、壁の手入れを楽にしたい、という方にはちょうどよい範囲です。
壁と一緒に、襖にも同じ壁紙を貼ることができます。壁と襖が同じ色で揃うと、襖紙だけを替える場合とは違った、洋室に近い印象になります。壁の工事だけですでに最低料金を超えていれば、襖を加えても最低料金に引き上げ直されることはなく、加わるのは襖の分の材料費と手間です。ただし、襖だけをきれいにしたいのであれば、表具店や畳屋に襖紙の張り替えを頼んだほうが、ほとんどの場合は安く済みます。詳しくは襖に壁紙は貼れる?襖紙の張り替えとの費用比較と確かめる2つのことで解説しています。
押入れの内側も、壁と一緒に相談できます。押入れの内側はベニヤ板のことが多く、ベニヤに壁紙を貼る場合は、板から出るアク(シミの原因になる成分)を止める処理が必要になります。詳しくはベニヤ板に壁紙は貼れる?アク止めを省くと黄色〜茶色のシミが出る理由と、見積もりで聞く一言をご覧ください。
和の風合いを残したいなら、塗り直すという道もある
塗り壁が古びてきたときの選択肢は、壁紙にすることだけではありません。塗り壁として塗り直せば、和室らしい落ち着いた質感をそのまま保てます。客間や仏間として和の設えを残したい場合には、こちらが合っていることもあります。
一方で、塗り直した壁も年月とともにまた表面がもろくなり、水拭きができないという扱いにくさも変わりません。塗り直しを頼む相手は、一般的には壁紙の業者ではなく、左官職人や左官工事を扱う工務店になります。
なお、壁のシミが気になって壁紙を検討する場合は、シミの原因にも目を向けておきたいところです。湿気がこもりやすい北向きの部屋などでは、壁紙に替えても塗り直しても、時間が経つとシミやカビが再び出てくることがあります。実際に、土壁のシミをきっかけに壁紙への張り替えを検討された方が、再発の可能性や費用の面を踏まえ、ご家族と相談のうえ塗り直す方向で検討された例もあります(【相談事例】土壁のシミが気になりクロス張替えを検討されたが、土壁の塗り直しを選ばれた猪苗代町のご相談)。
床・建具まで含む本格的な洋室化は、大工工事が中心になる
畳をフローリングに替える、押入れをクローゼットにする、障子や襖を洋風のドアに替えるといった工事まで含めると、大工工事が中心になります。床や建具まで変える洋室化の相談先は、工務店やリフォーム会社になることが多くなります。床や建具の造作は、壁紙とは別に大工など専門の職人の仕事になるためです。ただ、壁紙の業者でも、大工などの職人を手配して床や建具まで含めて受けられるところがあるので、見積もりを頼むときに、どこまでの工事を1つの窓口でまとめて頼めるかを確かめておくと安心です。工事の範囲が広がるぶん、費用も壁だけの張り替えよりずっと大きくなります。
床や建具まで変えるかを決めきれていないときは、壁だけなら壁紙の業者に、床や建具まで含めるなら工務店やリフォーム会社に見積もりを依頼し、費用を比べてから決める方法もあります。
どちらにするか迷ったときは、次の3点が判断の目安になります。
- その部屋を、畳の部屋として使い続けたいか、ベッドや洋家具を置く部屋にしたいか
- その家に、あと何年くらい住む予定か
- 壁以外(畳、天井、建具)の傷みがどのくらい進んでいるか
畳の部屋として使い続けるつもりで、傷みが目立つのが主に壁であれば、壁紙の張り替えで十分に印象が変わります。畳や天井の傷みも目立ち、部屋の使い方そのものを変えたいのであれば、洋室化まで含めて検討する価値があります。業者の種類ごとの得意分野は壁紙張り替えはどこに頼む?4種類の業者の違いと失敗しない選び方で整理しています。
色・柄選びの基本的な考え方
和室の壁紙選びで、洋室と違うのは、柱や長押、敷居、天井といった木の部分が残ることです。壁紙の色は、壁紙単体ではなく、この木の色と一緒に見て決めると失敗しにくくなります。
和の雰囲気を残すか、洋室に寄せるか
まず考えたいのは、張り替えたあとの部屋をどう使いたいかです。
和の雰囲気を残したいなら、和紙のような風合いの柄や、塗り壁のような質感を再現した柄が候補になります。壁紙の見本帳には、こうした柄も多く載っています。落ち着いた色味を選べば、柱や畳とも自然になじみます。
洋室のような明るさに寄せたいなら、白やアイボリー、明るいベージュといった淡い無地に近い色が選びやすい方向です。壁の面積が明るくなるだけで、部屋全体の印象は大きく変わります。ただし、柱や長押の濃い木の色は残るため、真っ白な壁紙だと木部とのコントラストが強く出ることもあります。気になる場合は、少し黄みのある白やベージュのほうが、木の色とのつながりが柔らかくなります。
見本帳の選び方のコツ
壁紙は、手のひらほどの見本で見たときより、壁一面に貼ったときのほうが明るく淡く見える傾向があります。迷ったら、見本より少し濃いめの色を選ぶと、イメージとのずれが小さくなります。
また、塗り壁から張り替える場合や築年数の古い家では、下地の細かな凹凸が表に出にくいよう、職人が厚手の壁紙から選ぶよう助言することがあります。見本帳を見るときは、色柄だけでなく、壁紙の厚みも相談してみてください。
壁紙のグレードには、量産品と、デザインや機能の選択肢が多い1000番台のものがあります。居室として使う和室なら、量産品で困ることはまずありません。グレードによる価格差と選び分けは量産クロスと1000番クロスの違い|価格差は6畳で約1万円、部屋ごとの選び分け方で解説しています。
床の間の壁など一面だけ色や柄を変える方法もありますが、面積や色数の選び方で失敗しやすい点もあります。検討する場合はアクセントクロスの失敗例は3つ|面積は壁の2〜3割・色は3色まで、見本帳は少し濃いめを選ぶを参考にしてください。
和室の壁紙張り替えはDIYでできる?
和室の壁紙を自分で張り替える方法を解説した情報も多く見かけます。ただ、壁の種類によって難しさは大きく変わり、特に塗り壁からの張り替えは、業者に依頼することをおすすめします。
もともと壁紙なら、基本の手順は洋室と同じ
もともと壁紙が貼られている和室なら、作業の中身は洋室の張り替えと同じです。古い壁紙を剥がし、下地の凹凸をパテで整え、継ぎ目がずれないように貼っていく工程が必要で、仕上がりの差が出やすいのもこの下地処理と継ぎ目の始末です。和室の場合は、手順は同じでも、柱や長押に沿って壁紙をきれいに切りそろえる箇所が多く、そのぶん手間もかかります。自分でやるか業者に頼むかの違いは、壁紙の張り替えは自分でできる?DIYの難易度とプロに頼むメリットを比較で整理しています。
塗り壁からの張り替えは、さらに難しい
塗り壁からの張り替えでは、粉落ちを止めるシーラーの塗り方と乾燥時間の管理、凹凸を平らに見せるパテ処理、増し張りをするなら板を張る作業と、仕上がりに直結する工程が増えます。下地処理の判断がずれると、数か月から数年たってから剥がれや浮きが出てきます。張った直後には分からないのが厄介なところです。
塗り壁を掻き落とす作業は、粉塵が大量に出るうえ、古い建物ではもう一つ考えておくべきことがあります。石綿(アスベスト)は2006年9月から製造・使用などが禁止されていますが、それ以前に着工した建物には、防火・断熱などの目的で使われている可能性があり、解体・改修工事を行う施工業者には、関係法令に定められた飛散防止などの措置が求められています(出典:厚生労働省「石綿総合情報ポータルサイト」発注者・施主向けページ)。業者が工事をする場合は、塗り壁を削るときに限らず、古い壁紙を剥がす張り替えでも、工事の規模の大小にかかわらず、工事の前にアスベストの有無を調べる事前調査が必要です(行政への報告が必要になるのは一定規模以上の工事です)。事前調査の考え方と施主がすることは、壁紙のアスベストは見た目で分かる?1970〜1991年製が対象、張り替え前の事前調査で施主がすることで解説しています。
高い場所の作業も見落とせません。天井際まで壁紙を貼るには脚立に乗って作業することになり、脚立からの落下によるけがは少なくありません。高所の作業に慣れていない方や、体力に不安がある方は、無理に自分で行わないほうが安全です。
費用はどのくらいかかる?
和室の壁紙張り替えの費用は、壁がもともと壁紙か塗り壁かで、考え方が変わります。
もともと壁紙の和室なら、面積と最低料金で決まる
量産品の壁紙で張り替える場合、材料費と施工費を合わせて1平方メートルあたり1,500〜2,500円程度が目安です。和室の壁の面積(窓や襖、押入れなどを引く前の広さ)を当てはめると、おおよそ次のようになります。
- 6畳(壁の面積約30平方メートル):4万5,000〜7万5,000円程度
- 8畳(壁の面積約34〜37平方メートル):5万〜9万円程度
実際には窓や襖、押入れの部分には壁紙を貼らないため、貼る面積はこれより小さくなります。ただ、多くの業者は最低料金を4万〜6万円程度に設定しているので、面積が小さくなっても、この金額を大きく下回ることはあまりありません。4畳半の和室なら、この最低料金の範囲に収まることが多くなります(4畳半の壁紙張り替え費用はいくら?4万〜6万円の目安と、面積ほど安くならない理由を解説)。
なお、税込みで見積もるか税抜きで見積もるかは業者によって異なります。見積もりを比べるときは、税込みか税抜きかを揃えて見てください。
塗り壁なら、下地処理の費用が上乗せされる
塗り壁から張り替える場合は、壁紙の張り替え費用に下地処理の費用が加わります。上乗せの大きさは、4つの方法のどれを選ぶかで変わり、おおむね「そのまま貼る」が最も小さく、「シーラーやボンドで固める」がその次、「掻き落とし」と「増し張り」が大きくなります。
たとえば、8〜10畳の和室の土壁に石膏ボードを張ってから壁紙を貼る方法をご案内した例では、同じ広さの通常の壁紙の張り替えのおよそ倍の費用になる見込みでした(先ほど紹介した猪苗代町の相談事例)。掻き落としや増し張りは、材料費に加えて手間と日数がかかるため、それだけ金額に差が出ます。
このほか、塗り壁からの張り替えでは、次のような費用が加わることがあります。
- アク止めの処理:古い塗り壁のシミやヤニが壁紙ににじみ出るのを防ぐ処理
- 下地補修:掻き落としたあとの壁や、増し張りする前の壁に、ひび割れや傷みがあった場合の補修
具体的な金額は壁の状態を見てからでないと決まらないため、見積もりでは「どの方法で施工するか」「アク止めは含まれているか」が明記されているかを確認してください。和室1部屋ほどの工事では「クロス張り替え一式」という書き方自体は珍しくありませんが、塗り壁の場合は、一式の中身としてどの方法で施工するのかを書いてもらうと安心です。あわせて、アスベストの事前調査をどう進めるかも聞いておくとよいでしょう。見積書全般の確認事項はクロス張り替えの見積書チェックポイント7選|追加費用で後悔しないための確認事項にまとめています。
なお、壁の種類にかかわらず、大型の家具が複数ある部屋では家具の移動に数千円〜1万円前後かかることがあります。見積書に項目が無くても、施工費に含まれていることが多い費用です。また、分譲マンションでは、工事の内容によって管理組合への届け出や承認が必要になることがあり、その扱いはマンションの管理規約によって違います。まずは管理会社や管理組合に確認し、承認が必要な場合は日程に余裕を見ておいてください。
ほかの部屋とまとめると、1部屋あたりの負担は小さくなる
壁紙の張り替えには、職人の手配や移動、養生、片付けといった、面積に関係なくかかる手間があります。そのため、和室だけを単独で頼むより、ほかの部屋や廊下とまとめて頼んだほうが、1部屋あたりの費用の負担は小さくなります。家全体の壁紙が気になり始めている場合は、和室以外の部屋もまとめて見積もりを取ると、比べやすくなります。
まとめ
和室の壁は、塗り壁でも、もともと壁紙でも、壁紙に張り替えられます。もともと壁紙なら洋室と同じ張り替えで、塗り壁なら「そのまま貼る」「シーラーやボンドで固める」「掻き落とす」「増し張りする」の4つの方法を比べ、壁の状態に合わせて選びます(「そのまま貼る」は費用が最も安い反面、剥がれやすさとシミのにじみのリスクが最も高い方法です)。表面の傷みが進んでいても、板を張って新しい下地を作る方法があるので、壁紙をあきらめる必要はありません。
自分の家の壁が砂壁なのか聚楽壁なのか繊維壁なのかは、触った感触や見た目である程度の見当はつきますが、言い当てる必要はありません。方法を決めるのは種類の名前より壁の状態で、それは現地調査で職人が確かめます。
壁だけを壁紙にするなら、柱や畳を残したまま明るい部屋になり、襖や押入れの内側も一緒に相談できます。床や建具まで洋室にするなら、工務店やリフォーム会社に相談することが多く、職人を手配し、床や建具の工事までまとめて受ける壁紙の業者もあります。和の風合いを残したいなら、塗り直しという道もあります。
費用は、もともと壁紙の6畳の和室を量産品で張り替えるなら4万5,000〜7万5,000円程度、4畳半なら最低料金の4万〜6万円程度の範囲に収まることが多く、塗り壁の場合はここに下地処理の費用が上乗せされます。
壁の種類が分からない、壁だけにするか床や建具まで変えるかも決めきれていない。そんな段階でかまいません。まずは電話か問い合わせフォームで、「和室の壁を壁紙にしたいけれど、何の壁か分からない」と伝えてみてください。
自分の和室の壁にはどの方法が合いそうか、費用はどのくらいになりそうかを知りたい方は、電話でご相談ください。壁の種類が分からなくても、部屋の様子をうかがったうえで、現地調査で確かめる流れをご案内します。畳をクッションフロアに替える工事も、壁紙とあわせてご相談いただけます。見積もり・現地調査は無料です。
電話が難しい方はメールでもご相談いただけます。
この記事の執筆者

氏名:松田郁幾
実績:壁紙張り替えを中心に、これまで多くのお客様・職人と関わってきました。
この記事について:現場で見聞きした実例をもとに、誇張せず、実践的な視点で解説しています。



