
応接スペースの壁の黄ばみ、会議室のホワイトボードまわりの汚れ、通路の角の擦れ。長く使っている事務所や店舗では、来客の目に入る場所ほど壁の傷みが気になってきます。張り替えたいと思っても、平日は通常どおり業務や営業があり、工事のために休むわけにもいきません。ビルの管理会社に何か届け出が要るのか、建物によっては特別な壁紙が必要なのではないか、社内にどう説明すればよいのか、と気になることも多いはずです。
結論から言うと、事務所や店舗の壁紙の張り替えは、工事の中身そのものは住宅と同じで、一般的な量産壁紙で張り替えられることが多い工事です。費用も住宅と同じく「張り替える壁の面積×1㎡あたりの単価」が基本で、量産壁紙なら材料と工事を合わせて1㎡あたり1,500〜2,500円程度が目安です。面積が小さい工事では、多くの業者が設けている4万〜6万円程度の最低料金の近くになります。
住宅と違うのは、工事の中身ではなく、工事のまわりにある条件です。営業日と工事の日をどう重ねないか、ビルの貸主や管理会社に何を確認しておくか、建物の用途や規模によってかかる内装の防火の決まりをどう確かめるか。この3つを先に押さえておくと、見積もりの段階で話が進めやすくなります。
この記事を読むと、次のことが分かります。
- 事務所・店舗の壁紙張り替えが住宅と違う3つの点(営業との重なり、貸主・管理会社への確認、内装の防火の決まり)
- 休日・夜間など営業時間外に施工したいときの考え方と、日程の組み方
- 内装の防火の決まり(不燃・準不燃)と、一般的な量産壁紙の区分
- 費用の考え方(面積×単価、最低料金、壁の穴など部分的な直し、什器の移動)
- 入居・退去のタイミングで張り替えるときの段取り
読み終えるころには、自分の事務所や店舗の張り替えについて、次に何から手をつければよいかが見えてくるはずです。
事務所や店舗の壁紙を、営業への影響を抑えて張り替えられるか知りたい方は、電話でご相談ください。休業日や工事の希望日、気になっている場所をうかがったうえでご案内します。見積もり・現地調査は無料です。
電話が難しい方はメールでもご相談いただけます。
事務所・店舗の壁紙張り替えは、住宅と何が違うのか

最初に、事務所や店舗の張り替えが住宅とどこで違うのかを整理しておきます。古い壁紙を剥がし、下地を整えて、新しい壁紙を貼るという工事の流れは、事務所でも店舗でも住宅と変わりません。使う壁紙も、多くの場合は住宅と同じ量産壁紙です。違いが出るのは、工事をする日、建物のルール、建物にかかる決まりの3つです。
営業日の工事は、来客や業務と重なる
住宅の張り替えでも、複数の部屋は、部屋ごとではなく、剥がし・下地の処理・新しい壁紙の張りといった作業ごとにまとめて進めることが多く、工事を頼んだ部屋はしばらく使えなくなります。事務所や店舗でも同じで、工事中の部屋は家具や什器を動かし、床を養生するので、その間は業務や接客に使えるスペースが減ります。
壁紙を剥がす音や職人の出入りもあるので、応接スペースや売り場の工事を営業時間中に行うと、来客の目にも入ります。そのため、事務所や店舗の張り替えでは、休業日や営業時間外に工事をしたい、工事の範囲を区切って何日かに分けたい、という相談が多くなります。ただし、範囲を区切って日を分けると、全体の日数が延びたり、費用が高くなったりすることがあります。どの日なら工事ができて、どの部屋なら工事中も使わずに済むかを、社内で先に洗い出しておくと、業者との日程の相談がスムーズになります。
テナントなら、貸主・管理会社の確認が要ることがある
賃貸のオフィスビルや店舗物件に入居している場合、室内の壁紙であっても、張り替えの前に貸主や管理会社への確認が必要になることがあります。内装工事を届け出制にしている建物もあれば、工事の内容や業者について承認を求める建物もあり、扱いは建物によってさまざまです。
確認の中身は、工事の可否だけとは限りません。工事ができる曜日や時間帯、エレベーターや共用部分の使い方と養生、工事車両の停め方、休日・夜間の入館の手続きなど、建物ごとにルールが決まっていることがあります。張り替えを考え始めたら、まず管理会社に「室内の壁紙を張り替えたいが、届け出や承認は必要か、工事の時間帯や入館の決まりはあるか」を聞いておくと、日程を組むときに困りません。
建物の用途や規模によって、内装の防火の決まりがかかることがある
もう一つは、建物の内装にかかる燃えにくさの決まりです。建物の用途や規模、部屋の条件によっては、壁や天井を燃えにくい材料で仕上げることが求められます。住宅のキッチンでも話題になる決まりですが、店舗や事務所では、建物の用途や規模によって住宅より厳しい条件がかかることがあります。
ただ、一般的な量産壁紙の多くは、燃えにくさの区分のうち「準不燃」の認定を受けているので、量産壁紙で対応できる場合も多くあります。まずは、自分の建物で必要な区分を確かめることが大切です。どんな決まりがあり、何を確かめればよいかは、このあと詳しく見ていきます。
休日・夜間など、営業時間外の施工はできるか

事務所や店舗の張り替えで、いちばん多い悩みが工事の日程です。ここでは、営業時間外に施工したいときの考え方と、日程の組み方を見ていきます。
対応できるかは、業者と建物の条件しだい
休日や夜間に施工できるかどうかは、一律には決まりません。業者が休日や夜間に職人を手配できるかどうか、そして建物の側で、その日時に入館して作業できるかどうかの両方がそろう必要があります。
建物の側の条件としては、休日や夜間でも入館できるか、作業に使う照明のための電気が使えるか、エレベーターや搬入口が使えるか、といったことがあります。夜間の作業は、同じ建物のほかのテナントや近隣への音の配慮が求められることもあります。こうした条件は、先ほどの管理会社への確認であわせて聞いておくと、業者に相談するときに具体的な話ができます。
あわせて決めておきたいのが、工事の日に誰が立ち会うかです。休業日や夜間の工事では、社員が出勤して立ち会うのか、鍵を預けて作業してもらうのかで、社内の段取りが変わります。立ち会いが作業の始めと終わりだけで済むこともあり、扱いは業者によって違うので、希望日を伝えるときに一緒に相談しておきましょう。鍵を預ける場合でも、現地調査で、壁紙を剥がしてみないと下地の状態が分からないと言われている場合など、当日に判断を求められることもあるので、工事の日に連絡がつく担当者を決めておくと安心です。立ち会いが役立つ場面と、鍵を預けるときの確認事項は、壁紙張り替えの立ち会いは必要?役立つ3つの場面と、留守中に鍵を預けるときの確認事項で解説しています。
休日や夜間の施工で費用が変わるかどうかも、業者によって扱いが違います。見積もりを頼むときに、「休業日の施工を希望していますが、平日と費用は変わりますか」と、希望日とあわせて聞いておきましょう。費用の条件が見積書に書かれていれば、社内で説明するときにも根拠として示せます。
工事を区切ると、営業日を空けずに進めやすい
1日ですべて終わらせることにこだわらず、工事を部屋やエリアごとに区切って進めるのも一つの方法です。たとえば、休業日に応接スペースと会議室を張り替え、次の休業日に執務スペースを張り替える、というように日を分けます。
工事の時間は広さや下地の状態で変わりますが、6〜8畳ほどの部屋1つで4〜6時間ほど、複数の場所をまとめて張り替える場合は2〜3日ほどを見込むのが目安です。下地を整えるパテの乾燥を待つために、作業が翌日にまたがることもあります。どこまでを1日で終えたいかを伝えておくと、業者のほうでも区切り方を提案しやすくなります。工事の時間と日数の決まり方は、壁紙張り替えの時間はどれくらい?1部屋4〜6時間の目安と日数の決まり方を解説で解説しています。
ただし、区切りすぎると、職人の手配や養生、片付けの手間がそのたびにかかります。日を分けた場合とまとめた場合で、総額がどう変わるかも見積もりで確認しておくとよいでしょう。
日程は、できるだけ早めに相談する
業者によっては、現地調査から施工まで1〜2か月先まで予定が埋まっていることがあります。休日や夜間のように日時を指定する工事では、選べる日がさらに限られるので、早めに相談するほど選択肢が広がります。
特に2〜3月は、賃貸住宅の退去にともなう原状回復の工事が集中し、職人の予定が埋まりやすい時期です。年度の切り替わりに合わせて事務所をきれいにしたい、という場合は、前の年の秋から年内のうちに相談しておくと安心です。時期ごとの混み具合は、壁紙・クロス張り替えに適した季節は?一年中できる理由と、避けたい2〜3月で解説しています。
来客・取引先・同じフロアの入居者には、事前に知らせておく
工事の日が決まったら、その日に来社予定の来客や取引先、同じフロアに入っているほかのテナントに、工事があることを知らせておくと安心です。営業しながら一部だけ工事をする場合は、使えない部屋や通りにくくなる通路があることも伝えておきましょう。
張り替えたあとは、においが残ることがあります。サンゲツは、施工時の臭いが残る場合があるとして、施設の利用開始後1週間程度は十分に換気するよう案内しています(出典:サンゲツ「壁紙のメンテナンス(一般ビニル壁紙)」)。なお、工事の翌日に来客の予定を入れたい場合は、工事の日程を決めるときに業者に伝えておくと、作業の順番を考えてもらえます。
内装の防火の決まり(不燃・準不燃)は気にしなくてよいのか
事務所や店舗の張り替えで、住宅以上に気になるのが内装の防火の決まりです。ここでは、細かな法令の条件には立ち入らず、張り替えを頼む側として押さえておきたいことに絞って説明します。
建物の用途や規模によって、壁・天井の燃えにくさに決まりがかかる
建物の内装には、燃えにくさの決まりがある場所があります。壁紙メーカーのサンゲツは、建築基準法などで定められた内装の決まりを一覧表にまとめており、その表には、飲食店や物品販売業を営む店舗などの用途、建物の階数や延べ面積、窓の少ない部屋、火を使う設備のある部屋といった条件ごとに、壁や天井を「難燃以上」「準不燃以上」で仕上げる、といった決まりが並んでいます(出典:サンゲツ「壁紙の防火認定制度と表示について」)。
同じ表には、一覧表は概要であり詳細は法令の本文を参照すること、都道府県によっては条例で独自の決まりを定めていることも書かれています(出典:同上)。つまり、自分の事務所や店舗にかかる決まりは、建物の用途や規模、構造、部屋の条件などで細かく分かれていて、壁紙の見た目や部屋の使い方だけでは判断できません。
燃えにくさの区分には、「不燃」「準不燃」「難燃」の3段階があります。壁紙の場合、それぞれの区分の認定を受けた製品には認定番号が付いていて、不燃は「NM」、準不燃は「QM」、難燃は「RM」で始まる番号です(出典:同上)。
一般的な量産壁紙の多くは、準不燃の認定を受けている
決まりがあると聞くと、特別な壁紙が必要な気がしますが、多くの場合はそうではありません。張り替えで広く使われている量産壁紙の多くは、準不燃の認定を受けています。
たとえば、サンゲツの量産壁紙の見本帳「SP」の品番対照表を見ると、掲載されている105の品番の防火認定番号はすべて「QM」、つまり準不燃です(出典:サンゲツ「SP」品番対照表)。準不燃は、3段階のうち不燃に次ぐ区分なので、「難燃以上」「準不燃以上」が求められる場所であれば、区分としてはその条件を満たすことになります。
ただし、ここで挙げたのは1つのメーカーの1冊の見本帳の例です。また、サンゲツの説明では、壁紙の防火の認定は壁紙単体ではなく、下に張られている下地との組み合わせで受けているもので、下地によって同じ壁紙でも防火の性能が変わる場合があるとされています(出典:サンゲツ「壁紙の防火認定制度と表示について」)。実際に使う壁紙の区分は、見積もりのときに品番で確かめ、建物の条件に合っているかは業者に確認してもらうのが確実です。住宅のキッチンの壁紙と準不燃の関係については、キッチンの壁紙張り替えは普通の壁紙でいい?量産壁紙の多くは準不燃、費用は最低料金4万〜6万円が目安でも解説しています。
内装材料の指定は貸主・管理会社に確かめ、条件に合うかは業者に確認する
では、不燃の壁紙が必要になるのはどういう場合でしょうか。不燃の認定を受けた壁紙は、グレードの高い壁紙の中の一部の品番として用意されていて、量産壁紙より価格は高くなります。必要になるかどうかは、先ほどの決まりのうち、どの条件が自分の建物と部屋にかかるかで決まります。
建物側で指定されている内装材料は、まず貸主や管理会社に聞くのが近道です。テナントとして入居している場合は、管理会社や貸主に「室内の壁紙を張り替えたいが、内装の材料に決まりはあるか(不燃・準不燃などの指定はあるか)」を確認し、その答えを業者に伝えてください。今貼ってある壁紙の品番や、入居時の内装工事の書類が手元にあれば、それも手がかりになります。
決まりが分からないまま見積もりを頼んでもかまいません。その場合は、「店舗(事務所)として使っている部屋です」と用途を伝え、使う予定の壁紙の防火の区分を見積もりの段階で教えてもらいましょう。使う予定の壁紙の区分と、それが建物の条件に合うことを業者に確認できていれば、管理会社や社内にも説明しやすくなります。
費用の考え方
次に、費用の考え方を見ていきます。事務所や店舗だからといって、壁紙の張り替えの費用の決まり方が住宅と大きく変わるわけではありません。
基本は「面積×単価」、小さな工事は最低料金に近くなる
壁紙の張り替え費用は、基本的に「張り替える壁の面積×1㎡あたりの単価」で考えます。一般的な量産壁紙であれば、材料と工事を合わせて1㎡あたり1,500〜2,500円程度が目安です。この単価には、古い壁紙を剥がす作業、新しい壁紙を貼る作業、養生、廃材の処分、軽い下地処理が含まれていることが多いものの、どこまで含むかは業者によって違います。
一方で、職人が来て、養生をして、道具を出して片づけるまでの手間は、壁1面でも1部屋でも大きくは変わりません。そのため、多くの業者は1件あたりの最低料金を4万〜6万円程度に設定しています。応接スペースの壁1面だけ、のように面積の小さい工事では、見積もりは最低料金の近くになりやすくなります。
反対に、応接スペース、会議室、通路のように何箇所かをまとめて頼むと、面積に関係なくかかる手間が1回分で済み、1箇所あたりの負担は小さくなりやすくなります。張り替えを考えている場所が複数あるなら、まとめた場合と、優先する場所だけの場合の両方の金額を出してもらうと、社内で範囲を決めるときの材料になります。
汚れが目立ちやすい場所に汚れ防止などの機能のある壁紙を使う場合は、費用の差は壁紙のグレードの差が目安になります。グレードの違いは量産クロスと1000番クロスの違い|価格差は6畳で約1万円、部屋ごとの選び分け方、汚れ防止の壁紙で落とせる汚れの範囲は壁紙の汚れ防止はどこまで落ちる?規格の試験は4つの汚れだけ、油汚れ・ヤニ・手垢は対象外で解説しています。
壁の穴など部分的な直しは、1面の張り替えと同じくらいになることがある
事務所や店舗では、物をぶつけてできた壁の穴やへこみを直したい、という相談もあります。小さな傷だから安く済むと考えがちですが、穴を塞いで壁紙を貼り直す直し方は、思ったほど安くならないことがあります。
張り替え業者に頼む場合、めくれた壁紙の貼り戻しのような簡単な直しなら、1面の張り替えより安い料金を設けている業者もあります。一方、穴を塞いで壁紙を貼り直す直し方は、壁紙を継ぎ目の位置で区切って最低1枚分を貼ることになり、職人の段取りも1面と変わらないので、費用は1面の張り替えと同じくらいになりやすくなります。実際に、店舗の壁にできた拳大の穴について、部分的な補修でも一面の張り替えと金額がほぼ変わらないとご案内したご相談もあります(【相談事例】壁の穴、部分補修でも一面張替えと金額が変わらなかった岡山市の店舗のご相談)。
張り替える予定がなく、穴だけを直したいなら、張り替えずに破れや穴の箇所だけを直す「壁紙リペア業者」という頼み先もあります。目安は、下地に傷みが無い場合で1万〜3万円程度、石膏ボードの補修が要る場合で1万5,000〜5万円程度です。ただし、条件によっては、近くで見ると直した跡が分かることがあります。穴が1〜数箇所で周りの壁紙がきれいならリペア、周りも汚れや黄ばみが目立つなら張り替え、というように、範囲と周りの壁紙の状態で考えるとよいでしょう。部分的な張り替えとリペアの違いは、壁紙の部分張り替えはできる?最低1枚分になる理由と、1面張り替えと比べた費用・色の注意点で解説しています。
なお、穴が大きく、下地の石膏ボードの傷みが30cm程度を超えるような場合は、ボードの交換に大工の手配が必要になり、その費用が別に加わります。
机・棚・キャビネットなど什器の移動を、誰が行うか
事務所や店舗では、壁際に机や書棚、キャビネット、陳列棚が並んでいることが多く、壁紙を張り替えるにはそれらを動かす必要があります。住宅の家具と同じく、什器の移動は見積書に項目が無くても施工費に含まれていることが多いものの、大きな什器が多い場合は別に費用がかかることもあります。
什器の移動で確かめておきたいのは、どこまでを業者が動かし、どこからを自社で片付けるかです。棚の中の書類や商品、机の上のパソコンや配線は、業者が触れるより自社で先に片付けておくほうが安心な場合が多いでしょう。現地調査のときに、「この棚とキャビネットは動かしてもらえますか」「中身はこちらで出しておいたほうがよいですか」と確認しておくと、工事当日の段取りが狂いません。家具の移動の考え方は、壁紙張り替えの家具移動は業者に頼める?費用相場と自分では動かせない家具の対処法で解説しています。
社内で説明しやすい見積もりにしておく
事務所の張り替えでは、上長への説明や社内の稟議のために、見積もりを根拠として示す場面があります。そのとき説明しやすいのは、総額だけでなく、張り替える範囲と面積、1㎡あたりの単価、壁紙のグレード、含まれている作業が分かる見積もりです。
見積もりを頼むときに、「見積もりは、範囲ごとの金額と、面積・単価が分かる形でお願いします」と伝えておくと、あとから範囲を絞る・広げるといった判断もしやすくなります。下地の傷みは、原則として現地調査の段階で見当がつき、通常の下地処理を超える補修が要る場合はその費用も施工の前に見積もりで伝えられます。費用は、原則として見積もりのとおりです。ただ、特殊な場合には、壁紙を剥がしてみないと下地の状態が分からないこともあります。現地調査でそう言われたときは、「下地が傷んでいた場合、追加でどのくらいかかりそうか」の目安を剥がす前に聞いておくと、予算の上限を社内で決めるときの材料になります。見積書で確認したいそのほかの項目は、クロス張り替えの見積書チェックポイント7選|追加費用で後悔しないための確認事項で解説しています。
入居・退去のタイミングで張り替えるときの段取り
最後に、事務所の移転や店舗の出店・閉店にあわせて張り替える場合の段取りを見ておきます。家具や什器が入っていない状態で工事ができるので、作業そのものは進めやすくなりますが、日程には別の難しさがあります。
入居前の張り替えは、入居日から逆算する
新しい事務所や店舗に入居する前に壁紙を張り替える場合、工事ができるのは、物件の引き渡しや鍵の受け取りから、什器の搬入や入居までの限られた期間です。その間には、ほかの内装工事、電気や通信の工事、清掃、什器の搬入など、別の業者の作業も入ることがあります。
天井・壁・床を一緒に工事する場合は、一般に天井、壁、床の順に上から進めます。壁紙の工事は、床の工事や什器の搬入より前に済ませることが多いので、入居日から逆算して、壁紙の工事に使える日を先に確保しておくと、ほかの作業の日程も組みやすくなります。
入居前の物件で現地調査を受けるには、物件に入れる日時を貸主や管理会社と調整する必要があります。引き渡し前の物件では、立ち会いや入室の日時が限られることもあるので、入居の日程が決まった時点で早めに業者に相談しておくと安心です。
退去時の張り替えは、まず契約と管理会社に確認する
退去のときに壁紙をどうするかは、入居の前とは事情が違います。事務所や店舗の賃貸借契約では、退去時に室内をどこまで元に戻すか、その工事を誰が手配するかが、契約や建物の決まりで定められていることがあります。
自分で業者を手配して張り替えてよいのか、建物側で工事が手配されるのかによって、進め方が変わります。退去の予定が決まったら、まず契約書を確認し、管理会社に壁紙の扱いを聞いておきましょう。自社で手配してよい場合も、退去日までに工事を終える必要があるので、入居前と同じく日程は早めに押さえておくと安心です。
まとめ:営業の予定と、分かっている建物の条件を伝えて、現地調査を申し込む
事務所・店舗の壁紙張り替えについて、ここまでの内容を整理します。
- 工事の中身は住宅と同じで、一般的な量産壁紙で張り替えられることが多い。違うのは、営業との重なり、貸主・管理会社への確認、内装の防火の決まりの3つ
- 休日・夜間の施工ができるかは、業者の手配と建物の条件しだい。費用が変わるかも含めて見積もりで確認し、工事を区切る方法も検討する
- 建物の用途や規模によって、壁・天井の燃えにくさに決まりがかかることがある。一般的な量産壁紙の多くは準不燃の認定品。内装材料の指定は貸主・管理会社に確かめ、使う壁紙が建物の条件に合うかは業者に確認する
- 費用の基本は「面積×単価」。量産壁紙は1㎡あたり1,500〜2,500円程度、小さな工事は最低料金(多くの業者で4万〜6万円程度)に近くなる。壁の穴の直しは1面と同じくらいになることがあり、穴だけならリペア業者という頼み先もある
- 什器の移動の分担と、社内で説明しやすい見積もりの形を、現地調査の段階で確認する
- 入居前の張り替えは入居日から逆算して工事の日を確保し、退去時の張り替えは先に契約書と管理会社で壁紙の扱いを確認する
まずは、工事ができる休業日や時間帯と、張り替えたい場所を書き出してみてください。工事ができる日と、確認できた範囲の建物のルールを伝えて現地調査を申し込み、壁と下地の状態を見てもらえば、営業への影響を抑えた進め方と、社内に示せる見積もりがそろいます。
事務所や店舗の壁紙張り替えを考えている方、休業日や夜間の工事を希望している方は、電話でご相談ください。工事の希望日と、分かっている範囲の建物のルールをうかがったうえで、現地調査で壁と下地の状態を見て、範囲ごとの費用をご案内します。見積もり・現地調査は無料です。
電話が難しい方はメールでもご相談いただけます。
この記事の執筆者

氏名:松田郁幾
実績:壁紙張り替えを中心に、これまで多くのお客様・職人と関わってきました。
この記事について:現場で見聞きした実例をもとに、誇張せず、実践的な視点で解説しています。



