ヴィンテージテイストの壁紙は国内メーカーでも選べる|木目・レンガ・コンクリートの柄で作り、価格は品番で確かめる

赤茶のレンガ調の柄の壁と白い無地の壁が並ぶ部屋の一角。レンガ調の壁の前に鉢を2つ置いた低い棚がある

カフェやお店、インテリアの写真で、使い込んだ木やレンガ、コンクリートの壁が似合う「ヴィンテージ」な部屋を見て、こんな雰囲気にしてみたいと思ったことはありませんか。壁紙を張り替えるなら、リビングや自分の部屋だけでも取り入れてみたい。そう思う一方で、そういう柄は海外の特別な壁紙で高いのではないか、ふつうの張り替えの業者に頼めるのか、部屋が暗く重たくならないか、と気になって、選択肢から外してしまう方もいると思います。

先に結論をお伝えします。ヴィンテージテイストの壁紙は、サンゲツやリリカラといった国内の壁紙メーカーの商品からも選べ、ふつうの張り替えと同じように、業者が持ってくる見本帳(サンプル帳)で選べます。ただし「ヴィンテージ」は、見本帳の柄の分類名として決まっているものではなく、木目・レンガやタイル・コンクリートや石目調といった柄を組み合わせて作る雰囲気(テイスト)の呼び名です。見本帳で探すときは、「ヴィンテージ」という名前ではなく、これらの柄の分類から探すことになります。価格も、確認できたサンゲツの品番は、色や柄の選択肢が多い「1000番台」と呼ばれるグレードの標準的な価格で、ヴィンテージの柄だから特別に高いというわけではありません。ただし、見本帳の中には標準より定価がかなり高い品番もあるので、気に入った柄の価格帯は品番で確かめることが大切です。ヴィンテージの雰囲気にしたいと決めたら、木目・レンガ・コンクリートなど、どの系統の柄にしたいかを現地調査(=見積もり)を依頼するときに伝え、その柄が載った見本帳を持ってきてもらうのが近道です。

この記事を読むと、次のことが分かります。

  • ヴィンテージテイストの壁紙とは何か(サンゲツとリリカラでの扱われ方の違い、テイストの呼び名であること)
  • ヴィンテージテイストを作る柄の傾向(古材を思わせる木目、レンガ・タイル柄、コンクリート・モルタル・石目調)
  • ヴィンテージテイストの柄の価格帯(確認できた品番は1000番台の標準的な価格、海外ブランドの柄も品番で確かめること)
  • 失敗しないための選び方(部屋全体か1面か、床・ドアの色との相性、写真の伝え方)
  • ヴィンテージ柄で張り替えるときの頼み方(柄の系統を事前に伝える、柄合わせで必要な長さが少し増える、モダンや北欧と迷ったときの伝え方)

読み終えるころには、ヴィンテージの雰囲気で張り替えたいときに、何を決めて、どう伝えればよいかが見えてくるはずです。

ヴィンテージテイストの壁紙で、自宅の壁を張り替えるとどうなるか知りたい方は、電話か問い合わせフォームでお尋ねください。張り替えたいお部屋と、木目・レンガ・コンクリートなど思い描いている柄の雰囲気を伺ったうえで、現地調査(見積もり)の進め方をご案内します。見積もり・現地調査は無料です。

電話が難しい方はでもご相談いただけます。


ヴィンテージテイストの壁紙とは?国内の壁紙メーカーでも選べるジャンル

「ヴィンテージ」と聞くと、海外のアンティークの壁紙や、古い建物を改装したお店の内装を思い浮かべるかもしれません。実際には、住宅の張り替えで使われる国内の壁紙メーカーの商品にも、ヴィンテージの雰囲気を作れる柄がそろっています。ただ、メーカーが「ヴィンテージ」という言葉をどう使っているかは、メーカーによって違います。ここでは、サンゲツとリリカラの扱い方を見比べながら、「ヴィンテージ」が何を指す言葉なのかを整理します。

サンゲツでは「ヴィンテージ」がコーディネート提案のスタイル名として使われている

サンゲツは、普及グレードの「量産品」の見本帳「SP」(サンゲツは「リーズナブルな価格帯」と紹介しています)のコーディネート写真集で、インテリアのスタイルを「シンプル」「ナチュラル」「モダン」「カジュアル」「ノルディック」「エレガント」「ヴィンテージ」「和」に分けて紹介しています(出典:サンゲツ「ヴィンテージスタイル|SPおすすめコーデ写真集」)。「ヴィンテージ」は、部屋全体をどんな雰囲気にまとめるかという、コーディネートの方向性の名前として使われている、ということです。

以前のカタログでの案内ですが、2023年に発行された見本帳「2023-2026 ファイン」に付属していたコーディネート集「インテリアレシピブック」には、「Vintage インダストリアルな家」という章がありました。そこでは「素材感のある木目やレザーと、テクスチャーを感じる石目調の壁紙を合わせて」ヴィンテージテイストにする、と説明され、「コンクリートや濃い色のタイルとの相性もぴったり」と書かれています。章には「#インダストリアル #コンクリート #男前インテリア」というタグも付いています(出典:サンゲツ「2023-2026 ファイン」インテリアレシピブック(PDF))。「インダストリアル」は、工場や倉庫のような、無骨で素材感のある内装の雰囲気を指す言い方です。ヴィンテージとインダストリアルは、このように重なり合う雰囲気として扱われています。

なお、現行の「2026-2029 ファイン」の見本帳には、「ヴィンテージ」という言葉は見当たりませんでした。Webのコーディネート集をインテリアスタイル別に検索できるという案内の中に、「インダストリアル」というスタイルが挙がっています(出典:サンゲツ「2026-2029 ファイン」PDFカタログ、2026年10月時点)。同じメーカーでも、時期や見本帳によって、呼び方が変わることがあるということです。

リリカラには同名の分類は無く、柄は「ストーン」「タイル・レンガ」などに分かれている

リリカラのオンラインストアでは、壁紙を「テイストから探す」ときの分類が、「ナチュラル」「カジュアル」「モダン」「クラシック・エレガント」「エスニック」「北欧」「和」の7つになっていて、「ヴィンテージ」や「インダストリアル」という分類はありません。一方、「柄から探す」には「ウッド」「ストーン」「タイル・レンガ」などの分類があります(出典:リリカラ オンラインストア「コレクション一覧」)。

たとえば「ストーン」の分類には、「ナチュラルコンクリート」「クールな塗りたてモルタル」「ラスティックな石目」「ラスティックメタル」といった名前の柄が並んでいます(出典:リリカラ オンラインストア「ストーンの壁紙」)。「ラスティック」は、素朴で荒々しい、使い込んだような風合いを表す言葉です。ヴィンテージの雰囲気に合いそうな柄は、リリカラでは「ヴィンテージ」という名前ではなく、「ストーン」などの柄の分類の中に入っています。

「ヴィンテージ」は柄の分類名ではなく、複数の柄を組み合わせたテイストの呼び名

サンゲツの商品ページを見ても、同じことが分かります。たとえばリザーブという見本帳に載っているタイル柄(品番RE55900)は「ヴィンテージ感のあるタイル柄です」と説明されていて、ページに表示される分類は「パターン」です(出典:サンゲツ 商品ページ「RE55900」)。同じ見本帳の石目調の壁紙(品番RE55399)は、「ラフな質感の石目調壁紙。ヴィンテージな配色でお部屋をインダストリアルに演出します」と説明されています(出典:サンゲツ 商品ページ「RE55399」)。別のタイル柄(品番RE55656)の分類は「タイル・レンガ」です(出典:サンゲツ 商品ページ「RE55656」)。「ヴィンテージ」は、商品の説明の中で雰囲気を表す言葉として使われていて、柄そのものは、タイル・レンガや石目調、木目といった分類に属している、ということです。

ここから言えるのは、見本帳やメーカーのWebサイトで「ヴィンテージ」という分類を探しても、見つからないことがある、ということです。それは、ヴィンテージの柄が無いからではありません。ヴィンテージは、木目・レンガ・コンクリートといった柄を組み合わせて作る雰囲気なので、探すときは、その材料になる柄の分類から当たるのが近道です。

ヴィンテージテイストを作る柄の傾向|木目・レンガ・コンクリート・石目調

古材を思わせる濃い茶色の木目の柄の壁と、白い無地の壁が並ぶ部屋の一角

では、ヴィンテージの雰囲気は、どんな柄で作られているのでしょうか。先ほどのメーカーの説明に出てきた柄を手がかりに、代表的な系統を3つに分けて見ていきます。どの系統を中心にするかで、同じヴィンテージでも部屋の印象は変わってきます。

古材を思わせるラフな木目

ヴィンテージの雰囲気でよく使われるのが、木目の柄です。サンゲツの以前のコーディネート集でも、ヴィンテージテイストの組み合わせの最初に「素材感のある木目」が挙げられていました(出典:サンゲツ「2023-2026 ファイン」インテリアレシピブック(PDF)、前出)。検索では「古材風」と呼ばれることもありますが、メーカーの分類名として「古材風」という言葉が使われているのは、今回調べた範囲では見当たりませんでした。見本帳で探すときは、「木目」や「ウッド」の分類の中から、節や色むら、表面のざらつきが感じられる柄を選ぶと、使い込んだ木材のような雰囲気に近づきます。

同じ木目でも、明るく均一な木目はナチュラルや北欧の雰囲気に、色が濃く、節や傷のような表情がある木目はヴィンテージの雰囲気に寄っていきます。木目の色の選び方や、壁と天井のどこに貼るかといった木目の壁紙そのものの選び方は、木目調の壁紙・クロスの選び方|木種・貼る方向・板目か柾目かの3つの視点と、見本帳で見た印象との違いが参考になります。

レンガ・タイル柄

レンガやタイルの柄も、ヴィンテージの雰囲気を作る代表的な柄です。サンゲツのRE55900のように、タイル柄そのものが「ヴィンテージ感のある」と紹介されているものもあります(出典:サンゲツ 商品ページ「RE55900」、前出)。以前のコーディネート集でも、ヴィンテージテイストには「濃い色のタイル」が合う、と書かれていました(出典:サンゲツ「2023-2026 ファイン」インテリアレシピブック(PDF)、前出)。

レンガやタイルの柄は、見本帳では「タイル・レンガ」の分類にまとまっていることが多く、サンゲツの商品ページでもリリカラのオンラインストアでも、この分類名が使われています。赤茶のレンガか、白やグレーのレンガか、目地のはっきりしたタイルかで、同じヴィンテージでも温かみのある雰囲気から無骨な雰囲気まで変わります。レンガ調の色の選び方や、本物らしく見えるかを左右する点は、レンガ調の壁紙とは?白・茶・グレーの選び方と、本物らしく見えるかを決める3つの確認で詳しく整理しています。

コンクリート・モルタル・石目調

コンクリート打ちっぱなしのような壁や、モルタルを塗ったような壁、ラフな石の面のような壁も、ヴィンテージ、とくにインダストリアルな雰囲気によく合います。サンゲツの以前のコーディネート集の「Vintage」の章には「#コンクリート」のタグが付いていて、同じ章の個室の例では「コンクリートやカーキのアクセントクロスを取り入れると、男前インテリアを楽しめます」と紹介されています(出典:サンゲツ「2023-2026 ファイン」インテリアレシピブック(PDF)、前出)。

こうした柄は、リリカラでは「ストーン」の分類に、コンクリートやモルタルの名前が付いた柄として多く並んでいます(出典:リリカラ オンラインストア「ストーンの壁紙」、前出)。サンゲツの現行の「2026-2029 ファイン」の見本帳でも、「タイル」「コンクリート」「ストーン」「レンガ」などが、素材感を表した柄のまとまりとして目次に並んでいます(出典:サンゲツ「2026-2029 ファイン」PDFカタログ、前出)。モルタルや石のような質感の壁紙の選び方は、塗り壁風の壁紙とは?石目調の選び方と本物の塗り壁との違い、費用はふつうの張り替えと同じで詳しく扱っています。

コンクリートやモルタルの柄は、グレーの濃さで印象が大きく変わります。明るいグレーなら軽やかで、すっきりした雰囲気に、濃いグレーなら重厚で、引き締まった雰囲気になります。壁一面がグレーになると、部屋が冷たく感じられることもあるので、木目の家具や床と組み合わせて、温かみを足す考え方もあります。

ヴィンテージテイストの柄の価格帯|確認できた品番は標準的なグレード

ヴィンテージの柄を検討するとき、気になるのが価格です。「ヴィンテージの柄=特別な壁紙=高い」と思い込んで、検討をやめてしまうのはもったいないことです。ここでは、確認できた品番をもとに、ヴィンテージの柄の価格帯を見ていきます。

確認できたサンゲツの品番は、1000番台の標準的な価格

住宅の張り替えで使う壁紙には、大きく分けて、白系の無地を中心にした普及グレードの「量産品」と、色や柄の選択肢が多い「1000番台」の2つのグレードがあります。量産品は白系統が多く、はっきりした柄物はあまり多くありません。木目やレンガ、コンクリートのような柄をしっかり選びたいなら、多くは1000番台の見本帳から探すことになります。ただし、先に見たように、量産品の見本帳「SP」にもヴィンテージのコーディネート例はあります。

サンゲツの商品ページ(2026年10月時点)で、メーカーが示す標準価格(材料のみ・税別・施工費別)を見てみます。先ほどの「ヴィンテージ感のあるタイル柄」(RE55900)も、「ヴィンテージな配色」の石目調(RE55399)も、「リザーブ」という見本帳に載っていて、標準価格は1mあたり1,000円(1㎡あたり1,090円)です(出典:サンゲツ 商品ページ「RE55900」、サンゲツ 商品ページ「RE55399」、前出)。これは、1000番台の標準的な価格と同じです。確認できた品番は限られますが、その範囲では、ヴィンテージの雰囲気の柄も、標準的なグレードの価格に収まっていました。

量産品と1000番台の価格差は、標準的な品番どうしで比べると、1㎡あたり数百円ほどです。標準的な品番であれば、ヴィンテージの柄でも価格が何倍にもなるわけではありません。グレードによる価格の違いと、部屋ごとの選び分け方は、量産クロスと1000番クロスの違い|価格差は6畳で約1万円、部屋ごとの選び分け方で詳しく扱っています。ただし、見本帳の中には、標準より定価がかなり高い品番もあります。ヴィンテージの柄かどうかでは価格は決まらないので、気に入った柄の価格帯は、見本帳の表示や、現地調査のときの担当者の説明で、品番ごとに確かめておきましょう。なお、ここで挙げた標準価格は、メーカーが示す材料の価格です。張り替えの見積もりの金額は、これに施工費などが加わったもので、業者によっても変わるので、標準価格をそのまま見積もりの金額と比べないようにしましょう。

見積もりを受け取ったら、選んだ柄がどちらのグレードの価格で計算されているかも確かめておきましょう。「この柄は、量産品と1000番台のどちらの価格ですか」と一言聞いておけば、金額の根拠がはっきりし、あとで柄を変えたときにどのくらい変わるかの見当もつけやすくなります。

海外ブランドの柄も、高いかどうかは品番で確かめる

ヴィンテージやクラシックな雰囲気の壁紙を探していると、海外ブランドの柄に行き当たることもあります。海外の柄なら特別に高いのでは、と思うかもしれませんが、海外ブランドの柄だから高いとは限りません。国内メーカーの見本帳に載っている海外ブランドの柄にも、標準的な価格帯の品番と、標準より定価が高い品番があり、どちらなのかは品番ごとに違います。

また、輸入壁紙の中には、素材や幅、施工の注意点が国産のビニールクロスと違うものがあります。気に入った柄が海外ブランドのものだったら、価格帯とあわせて、国産の壁紙と同じように貼れる品番かどうかも、品番で確かめておくと安心です。輸入壁紙の素材・施工の違いや、費用の考え方、品番ごとの確かめ方は、輸入壁紙の張り替えは国産と何が違う?幅52cmの例で見る素材・施工・持ち込み・費用の確かめ方で詳しく扱っています。

失敗しないための色・柄の選び方

ヴィンテージの壁紙は、写真で見ると魅力的でも、自分の家に貼ったときに「思っていたより暗い」「重たい」となることもあります。濃い色や、ざらつきのある質感の柄が多いテイストだからです。ここでは、選ぶときに押さえておきたい考え方を見ていきます。

部屋全体にするか、1面だけ(アクセントクロス)にするか

最初に考えておきたいのは、どこに貼るかです。部屋の壁すべてをヴィンテージの柄にするのか、1面だけをヴィンテージの柄にして、ほかの壁は無地にするのかで、仕上がりの印象は大きく変わります。

部屋全体を濃い色のレンガやコンクリートの柄にすると、雰囲気はしっかり出る一方で、部屋が暗く、狭く感じられることもあります。とくに、窓が小さい部屋や、日当たりの少ない部屋では、その傾向が強く出やすくなります。

初めてヴィンテージの柄を取り入れるなら、1面だけ違う壁紙を貼る「アクセントクロス」から試すのも一つの方法です。サンゲツの以前のコーディネート集でも、個室の例として「コンクリートやカーキのアクセントクロス」が紹介されていました(出典:サンゲツ「2023-2026 ファイン」インテリアレシピブック(PDF)、前出)。リビングのテレビの背面やソファの後ろ、寝室のベッドの頭側など、視線が集まる壁を1面だけヴィンテージの柄にすると、ほかの壁の無地が柄を引き立ててくれます。アクセントクロスの面積の目安や、よくある失敗の型は、アクセントクロスの失敗例は3つ|面積は壁の2〜3割・色は3色まで、見本帳は少し濃いめを選ぶにまとめています。

床・ドアの色との相性を見る

ヴィンテージの部屋の写真は、写っている床や家具、照明と組み合わさって、あの雰囲気になっています。同じ柄でも、自分の家の床やドアと合わせたときに同じ印象になるとは限りません。張り替えでは、床やドア、窓枠は今あるものがそのまま残るので、壁紙はそれらの色に合わせて選ぶことになります。床とドアの色を基準にした壁紙の色の選び方は、壁紙の色の選び方は床とドアの色が基準|グレー・ベージュ・白の合わせ方と見本帳での4つの確認で詳しく扱っています。

サンゲツのSPのコーディネート写真集には、スタイルのほかに「部屋から探す」「床色で探す」という探し方も用意されています(出典:サンゲツ「ヴィンテージスタイル|SPおすすめコーデ写真集」、前出)。自分の家の床に近い色の例を探して見ると、ヴィンテージの柄がどう見えるかを想像しやすくなります。

見本帳で選ぶときは、小さな見本を机の上で見るのではなく、貼る予定の壁に当てて、床やドア、家具との組み合わせを見ておきましょう。木目やレンガの柄は、小さな見本では柄が1つか2つ分しか見えませんが、壁一面に貼ると、その柄が何十回も繰り返されます。見本では控えめに見えた柄が、壁全体では主張が強く感じられることもあります。見本と壁一面で見え方が違う理由や、大きめのサンプルの取り寄せ方は、壁紙のサンプルと実際の色はなぜ違う?メーカーが説明する「面積効果」と、見本帳の見方・サンプルの取り寄せ方で詳しく扱っています。

写真やショールームで見た柄は、そのまま伝える

ヴィンテージの壁紙を選ぶきっかけは、雑誌やSNS、お店で見た内装であることが多いと思います。気に入った部屋の写真は、何枚か保存しておきましょう。写真がたまってくると、木目が多い、レンガが多い、グレーのコンクリートが多い、といった自分の好みの傾向が見えてきます。現地調査のときにその写真を見せれば、言葉だけで伝えるより、イメージが伝わりやすくなります。

ただし、Webサイトの画像で見た柄の色や大きさは、実物とは違って見えることがあります。サンゲツの商品ページにも、「商品や施工例画像が実際の商品の色・縮尺と異なることがございます」「最終的な商品選定では、ショールーム、取扱店店頭などで現品見本をご確認ください」と書かれています(出典:サンゲツ 商品ページ「RE55900」、前出)。メーカーのショールームが近くにあれば、大きな実物を見てから決めるのも一つの方法です。ショールームでできることや、行く前に用意しておくものは、壁紙のショールームでできること|予約の要否・持っていくもの・照明の違いと、決めた柄の活かし方で詳しく扱っています。ショールームに行けない場合でも、現地調査のときに見本帳の実物を見て、色味や質感を確かめておけば、画像との違いで後悔することを減らせます。

ヴィンテージ柄で張り替えるときの頼み方

コンクリート調のグレーの見本を壁にテープで留め、その下の台に同じグレーの見本帳を開いている。右には床と同じ濃い茶色のドア

ヴィンテージの雰囲気で張り替えたいと決めたら、業者への伝え方で、選べる柄の幅も、話の進み方も変わってきます。壁紙の張り替えを業者に頼むときは、現地調査に来てもらうことが、そのまま見積もりの依頼になります。ここでは、その現地調査(見積もり)を依頼するときに押さえておきたいことを見ていきます。

柄の系統は現地調査の前に伝えておく

ヴィンテージの雰囲気にしたいと考えているなら、現地調査を依頼する電話やメールの時点で、そのことを伝えておきましょう。このとき、「ヴィンテージっぽくしたい」だけでなく、木目なのか、レンガやタイルなのか、コンクリートやモルタルなのか、という柄の系統まで伝えておくのがおすすめです。ここまで見てきたように、「ヴィンテージ」は見本帳の分類名として決まっているものではないので、雰囲気の言葉だけでは、どの見本帳を持っていけばよいかが伝わりにくいからです。

壁紙の見本帳は、メーカーやグレードごとに何冊にも分かれていて、業者が現地調査にすべてを持ってくるとは限りません。柄の系統を伝えておけば、その柄が載っている見本帳を、現地調査に持ってきてもらえます。品番まで決めておく必要はありません。「リビングの1面を、濃いめのレンガの柄にしたい」「寝室を、グレーのコンクリートの柄にしたい」くらいの伝え方で十分です。好みの柄がすでに決まっているなら、メーカー名と品番を控えておき、それを伝えるのが確実です。

現地調査の時間だけでは、柄を決めきれないこともあります。誰かと相談したい、ショールームで大きな実物を見てから決めたい、といった場合は、見積もりの金額が合ってから、別の日に柄を決めることもあります。ただし、その場合は、後日決めた柄によって見積もりの金額が変わることがあります。グレードの価格帯や、このあと説明する柄合わせで増える量は、柄(品番)によって違うからです。別の日に柄を決めたときは、「この柄で、見積もりの金額は変わりますか」と、そのときに確かめておきましょう。

柄物は多くの場合、柄合わせが必要で、必要な壁紙の長さが少し増える

ヴィンテージに限らず、柄物の壁紙は、多くの場合、隣り合う壁紙どうしで柄がずれないように、柄の位置をそろえて貼ります。これを「柄合わせ(絵合わせ)」と呼びます。柄合わせが必要な壁紙では、柄をそろえるためにずらして切った分が使えずに余るので、無地の壁紙より、必要な壁紙の長さ(メーター数)が少し増えます。レンガやタイルの柄だけでなく、木目やコンクリートの柄にも、同じ模様が一定の間隔で繰り返され、柄合わせが必要な品番があります。一方で、柄合わせが不要と表示された品番もあるので、選んだ品番の表示で確かめておきましょう。

増えるといっても「少し」増える程度で、壁紙の量が何倍にもなるわけではありません。ただ、使う壁紙が増えれば、そのぶん見積もりの数量や金額にも表れます。現地調査で品番まで決まったら、その品番で見積もりが出ているか、柄合わせで増える分が見込まれているかを確かめておきましょう。柄合わせで余りが出る理由や、柄を決めるタイミングと見積もりの関係は、柄物の壁紙は無地より量が少し増える|柄合わせの理由と、現地調査(見積もり)前後の決め方で詳しく整理しています。

モダンや北欧と迷ったら、柄の系統と色で伝える

ヴィンテージは、ほかのテイストと境目がはっきり分かれているわけではありません。サンゲツの現行の「2026-2029 ファイン」の見本帳では、「モダン」のスタイルについて、「壁紙にはタイルやコンクリートなどのマテリアル柄を取り入れたり、暗めの床材で引き締めると高級感が出ます」と説明されています(出典:サンゲツ「2026-2029 ファイン」PDFカタログ、前出)。タイルやコンクリートの柄は、ヴィンテージにもモダンにも使われる、ということです。木目も、明るい色ならナチュラルや北欧、濃い色ならヴィンテージ、というように、色や表情で印象が分かれます。

そのため、「ヴィンテージ」と「モダン」「北欧」のどれにするかで迷ったときは、テイストの名前を決めることにこだわらなくても大丈夫です。業者に伝えるときは、「濃い色の木目」「白っぽいレンガ」「明るいグレーのコンクリート」のように、柄の系統と色で伝えれば、見本帳を選ぶ手がかりとしては十分です。北欧テイストの壁紙の選び方は、北欧テイストの壁紙は国内メーカーでも選べる|多くは1000番台、ブランド柄は品番で価格帯を確かめるで扱っています。木目やレンガ調、モルタルや石のような質感の柄そのものの選び方は、先に紹介したそれぞれの記事も参考になります。

まとめ

ヴィンテージテイストの壁紙を選ぶときのポイントを整理します。

  • 「ヴィンテージ」は見本帳の柄の分類名ではなく、木目・レンガやタイル・コンクリートや石目調などの柄を組み合わせて作るテイストの呼び名。サンゲツはコーディネート提案のスタイル名として使い、リリカラには同名の分類が無いなど、メーカーによって扱い方が違う
  • 見本帳で探すときは、「ヴィンテージ」という名前ではなく、「木目(ウッド)」「タイル・レンガ」「ストーン」などの柄の分類から探す。古材を思わせる木目は、節や色むらのある濃い色の木目から選ぶ
  • 確認できたサンゲツの品番は、1000番台の標準的な価格だった。ただし価格は品番によって違い、海外ブランドの柄も高いとは限らないので、気に入った柄の価格帯は品番で確かめる
  • 初めてなら、1面だけのアクセントクロスから試す方法もある。床・ドアの色を基準に選び、見本は貼る予定の壁に当てて見る。Webの画像は実物と色・縮尺が違うことがある
  • ヴィンテージにしたいことは、木目・レンガ・コンクリートなどの柄の系統とあわせて、現地調査(見積もり)を依頼するときに伝え、その柄が載った見本帳を持ってきてもらう。決めきれなければ別の日に柄を決めることもあり、その場合は決めた柄で金額が変わるかを確かめる
  • 柄物は多くの場合、柄合わせが必要で、必要な壁紙の長さが少し増える。品番が決まったら、柄合わせの分を含めた見積もりかを確かめる

ヴィンテージテイストの壁紙は、海外の特別な壁紙だけのものではなく、ふつうの張り替えの中で選べる選択肢の一つです。

ヴィンテージテイストの壁紙での張り替えを考えている方は、電話か問い合わせフォームでご相談ください。木目・レンガ・コンクリートなど希望の柄の系統や、決まっている柄があればその柄を伺ったうえで、現地調査のときに、その柄が載った見本帳で柄を確かめられるよう進めます。品番が決まったら、柄合わせを含めた金額になっているかも、見積もりで確かめられます。見積もり・現地調査は無料です。

電話が難しい方はでもご相談いただけます。

この記事の執筆者

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氏名:松田郁幾
実績:壁紙張り替えを中心に、これまで多くのお客様・職人と関わってきました。
この記事について:現場で見聞きした実例をもとに、誇張せず、実践的な視点で解説しています。

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