
カフェやインテリアの実例で、レンガやタイルの壁を背景にした部屋を見かけることがあります。リビングの壁紙を張り替えるなら、あんな雰囲気を取り入れてみたい。けれど本物のレンガを積んだりタイルを貼ったりするのは、費用も工事も大がかりになりそうです。そこで気になるのが、「レンガ調の壁紙は、実際にはどんな柄があって、どのくらい本物らしく見えるのか」ということだと思います。
先に結論をお伝えします。レンガ調・タイル柄の壁紙は、サンゲツやリリカラといった壁紙メーカーの見本帳では「タイル・レンガ」という分類で載っている柄の一つです。レンガ調の壁紙は、ふつうの壁紙の張り替えと同じ工事で取り入れられます。たとえばサンゲツの見本帳「リザーブ」(2024-2027)には、タイル・レンガの柄が34品番載っていて、メーカーの標準価格(定価)はいずれも1mあたり1,000円(税別・材料のみ)です。費用も、特別な工事の費用ではなく、ふつうの張り替えと同じ考え方(面積と壁紙のグレード)で決まります。ただし、選ぶ品番の価格帯や柄合わせの有無、張り替える範囲によって金額は変わります。
一方で、レンガ調の壁紙は本物のレンガやタイルを印刷や凹凸の表現で再現した製品で、本物とまったく同じにはなりません。「本物らしく見えるか」「安っぽく見えないか」は、柄そのものの出来だけでなく、柄の大きさ、壁一面に貼ったときの見え方、継ぎ目や角での柄のつながり方で変わります。そして、画面の画像で見た印象と、自宅の壁に貼ったときの印象は違うことがあります。
この記事を読むと、次のことが分かります。
- レンガ調・タイル柄の壁紙とは何か(見本帳での分類、石目調との違い、本物のレンガ・タイルとの違い)
- 色の系統(ホワイト系/ブラウン系/グレー系)ごとの雰囲気と、隣にある選択肢(石目調・ストーン柄)
- どこまでリアルに見えるかを左右する3つのこと(柄の大きさと柄合わせ、画像・見本と壁一面の見え方の違い、凹凸と光)
- 1面だけに使うアクセントクロスという取り入れ方
- 費用の目安と、見積もりのときに確かめること
読み終えるころには、自分の部屋にレンガ調をどう取り入れるか、次に何から始めればよいかが見えてくるはずです。
レンガ調やタイル柄の壁紙で、お部屋の壁を張り替えられるか知りたい方は、電話でお尋ねください。張り替えたい壁と、思い描いている雰囲気を伺ったうえで、見本帳での選び方と張り替えの進め方をご案内します。見積もり・現地調査は無料です。
電話が難しい方はメールでもご相談いただけます。
レンガ調・タイル柄の壁紙とは?本物とどう違うか

まず、レンガ調・タイル柄の壁紙がどんな位置づけの製品なのかを、壁紙メーカーの分類から見ていきます。
見本帳には「タイル・レンガ」のような分類がある
張り替えに使う壁紙は、多くの場合、業者が持参する壁紙メーカーの見本帳から選びます。たとえばサンゲツやリリカラでは、レンガ調・タイル柄が一つの分類としてまとめられています。
サンゲツの見本帳「リザーブ」(2024-2027)の商品検索では、見本帳の索引に「木目」「コンクリート・ストーン」「タイル・レンガ」「和」といった区分が並んでいます。このうち「タイル・レンガ」には34品番が載っていて、標準価格(メーカーの定価)はいずれも1mあたり1,000円(税別・材料のみ)です(出典:サンゲツ「2024-2027 リザーブ 商品検索」タイル・レンガ)。リリカラのオンラインストアでも、壁紙を柄から探す項目に「無地(石目・塗り壁調)」「ストーン」「タイル・レンガ」が別々に並んでいます(出典:リリカラ「レンガ柄壁紙でおしゃれなお部屋|おすすめ品番とコーディネート集」)。
つまり、レンガ調の壁紙を探すなら、見本帳の「タイル・レンガ」のような区分を開けば、まとまって見比べられるということです。呼び方や分け方はメーカーや見本帳によって違うことがあります。見本帳を見せてもらうときに「レンガ調・タイル柄のページを見たい」と伝えれば話が早く進みます。
なお、漆喰やモルタル、コンクリートのような質感を再現した壁紙は「石目調」と呼ばれ、メーカーによってはその説明の中でレンガに触れていることもあります。ただ、上のとおり見本帳や商品の分類では、目地の入ったレンガ・タイルの柄と、塗り壁のような石目調は別の区分として並んでいます。塗り壁のような質感の壁紙を考えている場合は、塗り壁風の壁紙とは?石目調の選び方と本物の塗り壁との違い、費用はふつうの張り替えと同じで詳しく扱っています。
印刷と凹凸で、レンガやタイルの「らしさ」を出している
レンガ調・タイル柄の壁紙は、レンガやタイルそのものを貼っているわけではありません。レンガ調の壁紙は、表面にレンガやタイルの色・目地を印刷し、凹凸をつけるなどして本物らしさを出しています。
その表現の仕方は品番ごとに違います。たとえばサンゲツのRE55656は、「同調プリントと呼ばれる製法で目地の凹凸をリアルに表現した大判のタイル柄です。壁一面のアクセントにもおすすめ。」と紹介されています(出典:サンゲツ「RE55656」)。印刷した目地の位置と、型押しの凹みの位置をそろえることで、目地がへこんで見えるように作られている、ということです。
同じレンガ柄でも、印刷が平板に見えるもの、目地の凹凸まで再現したもの、塗りムラや欠けまで描き込んだものと、作り込みの度合いはさまざまです。「安っぽく見えないか」が気になる方は、まずこの作り込みの違いに目を向けると、見本帳の見方が変わってきます。
本物のレンガ・タイルとの違い
本物のレンガやタイルを部屋の壁に取り入れる場合と比べると、いちばん大きな違いは費用と工事の大きさです。リリカラは、リアルさを求めて本物のレンガやタイルを部屋に取り入れようとすると「どうしても商品代や施工費は高くなりがちです」とし、「でも、壁紙ならば比較的リーズナブルに施工することができます」と書いています(出典:リリカラ「レンガ柄壁紙でおしゃれなお部屋|おすすめ品番とコーディネート集」)。
レンガ調の壁紙は、ほかの壁紙と同じように、古い壁紙を剥がして下地を整え、新しい壁紙を貼るという、ふつうの張り替えの工程で仕上げます。本物の素材を積んだり貼ったりする工事とは違い、張り替えのついでに選べる柄の一つ、と考えると分かりやすいでしょう。飽きたときや汚れたときも、次の張り替えで別の柄に替えられます。
反対に、壁紙で手に入らないのは、本物の素材そのものの手触りや重さ、一つひとつ違う焼きムラです。レンガ調の壁紙は工業製品なので、同じ品番なら同じ柄が規則正しく繰り返されます。この「繰り返し」が、後の章で見るリアルさの分かれ目にもなります。
本物のタイルを壁に取り入れる方法には、調湿などの機能を持つ内装用のタイル(たとえばLIXILのエコカラット)を貼る方法もあります。こちらは素材も工事の内容も壁紙とは別物なので、比べたい場合はエコカラットと壁紙の違いは?1㎡8,900円〜のタイルと壁紙を機能・費用・模様替えで比べるを参考にしてください。
色の系統で選ぶ(ホワイト系/ブラウン系/グレー系)

レンガ調の壁紙は、色の系統によって部屋の雰囲気が大きく変わります。リリカラは、レンガ柄の壁紙をホワイト系・ブラウン系・グレー系に分けて紹介しています(出典:リリカラ「レンガ柄壁紙でおしゃれなお部屋|おすすめ品番とコーディネート集」)。ここではその紹介をもとに、それぞれの雰囲気を見ていきます。
どの系統にするかを考えるときは、床やドアの色との相性、部屋全体で使う色の数も大切です。壁紙の色を床・ドアとどう合わせるか、色の数をどう数えるかの基本は、壁紙の色の選び方は床とドアの色が基準|グレー・ベージュ・白の合わせ方と見本帳での4つの確認にまとめています。
ホワイト系:さりげなく取り入れたいとき
白いレンガをモチーフにした柄です。リリカラは、ホワイト系のレンガ柄について「レンガ柄の中でもシンプルな商品なので、さりげなく取り入れたい方にもおすすめです」と書き、品番LL7274を「どんな空間でも取り入れやすいホワイトのレンガ柄」と紹介しています。木目の床や家具、観葉植物など、自然の風合いのあるインテリアと合わせる例も挙げています(出典:同上)。
白いレンガ柄は、レンガの形が見えつつも色の主張が控えめなので、「レンガ調は気になるけれど、部屋が重たくなるのは避けたい」という方に向いています。同じホワイト系の中でも、目地がくっきりしたもの、よりシンプルなもの、レンガの上から漆喰を塗ったような質感のものなど表情に幅があるので、どこまでレンガらしさを出したいかで選び分けられます。
ブラウン系:レンガらしさをはっきり出したいとき
赤茶色のレンガは、多くの人が「レンガ」と聞いて思い浮かべる色です。リリカラは、ブラウン系のうち経年変化したようなデザインの柄を「インダストリアルテイストやブルックリンスタイルにもおすすめです」とし、ホワイトの壁紙にアクセントとして取り入れるとメリハリが出る、と紹介しています。また、品番LL7279を「『レンガといえば!』と多くの方がイメージされる王道のデザイン」とし、木目の家具と合わせたカフェ風の例も挙げています(出典:同上)。
ブラウン系は、レンガ調の中でもっとも存在感が出る色です。そのぶん、貼る面積が広いほど部屋全体の印象を大きく左右します。壁一面や柱まわりに絞って使うと、まわりの白い壁との対比で、レンガの色と形が引き立ちます。
グレー系:落ち着いたクールな雰囲気にしたいとき
グレーのレンガは、ブラウンとは違う、すっきりした落ち着きが出る色です。リリカラは、ダークグレーで比較的細かなレンガが積まれた品番LL7272を「重厚感のあるクールなレンガ柄」と紹介し、寝室の柱まわりに使って、白い壁紙や巾木と組み合わせることでスッキリとした印象にした例を挙げています(出典:同上)。
グレー系は、モノトーンやモダンなインテリア、黒いアイアンの照明などと合わせやすい色です。ただし暗めの色を広い面に使うと、部屋全体の印象が暗くなることもあります。グレー系を選ぶときは、どの面にどのくらいの広さで使うかもあわせて考えておくと安心です。
隣にある選択肢:石目調・ストーン柄
レンガ調を見ているうちに、「目地のある柄より、もう少し面としての質感がほしい」と感じることもあるかもしれません。その場合は、見本帳の隣の区分も見てみる価値があります。先に見たとおり、サンゲツの見本帳には「コンクリート・ストーン」、リリカラのオンラインストアには「無地(石目・塗り壁調)」「ストーン」という区分があり、大理石のような石の柄はこうした区分に入っています。
石目調・塗り壁調の選び方は、前の章で紹介した塗り壁風の壁紙の記事で扱っています。レンガ調と見比べながら、目地のある柄にするか、面の質感で見せる柄にするかを考えると、方向が決まりやすくなります。
どこまでリアルに見えるか:選ぶときに確かめたい3つのこと
レンガ調の壁紙が「本物らしく見えるか」「安っぽく見えないか」は、柄の出来だけでは決まりません。ここでは、選ぶときに確かめておきたい3つのことを見ていきます。
柄の大きさと繰り返し、柄合わせ
レンガ調の壁紙は、同じ柄が縦と横に一定の間隔で繰り返されています。この繰り返しの長さを「リピート」と呼び、柄のある壁紙では見本帳や商品ページに表示されています。
リピートの長さは品番によって大きく違います。サンゲツの見本帳「リザーブ」の価格表を見ると、タイル・レンガの34品番の縦のリピートは、短いもので約21cm、長いもので約93cmと幅があります(出典:サンゲツ「リザーブ」価格表(PDF))。小さなレンガが細かく並ぶ柄もあれば、大判のタイルが大きく並ぶ柄もある、ということです。
リピートの長さによって、目につきやすいところが変わります。リピートが短い柄は、同じレンガの並び(色の濃いレンガや欠けた形など)が短い間隔で何度も現れるので、壁一面に貼ると「同じ模様の繰り返し」に見えることがあります。リピートが長い柄や大判の柄は、繰り返しの間隔は広くなりますが、天井の高さや壁の幅によっては、レンガやタイルが途中で切れて見える位置が目につくことがあります。どちらが自然に見えるかは柄と壁の大きさによるので、見本は小さな切り片だけでなく、柄が何回か繰り返す範囲で見ておくのがおすすめです。
もう一つ知っておきたいのが「柄合わせ」です。壁紙は幅約90cmのロールを、上から下へ縦に何枚も貼り継いでいきます。柄のある壁紙では、隣り合う壁紙どうしで模様がずれないよう、柄の位置をそろえて貼ることがあり、これを柄合わせと呼びます。サンゲツは見本帳の注意書きで、柄合わせを必要とする商品は「要尺が無地系の商品よりも多くなります」と書いています(出典:サンゲツ 見本帳「商品選択上の注意」(PDF))。柄をそろえるために壁紙をずらして切るぶん、使う量(要尺)が増える、ということです。同じ資料には、リピートの値は理論値で誤差が生じるため、施工のときは目で見て柄を合わせる、という趣旨の注意もあります(出典:同上)。
レンガ調・タイル柄の壁紙でも、多少の柄合わせは出てくることがあります。リピートが短い柄なら影響は小さいこともありますが、どのくらいかは柄によります。気になる品番が決まったら、その品番で柄合わせが必要か、そのぶん材料のロスが増えるかを、見積もりのときに確かめておくと安心です。
あわせて、柄が途切れやすい場所も意識しておきます。壁の出っ張った角(出隅)やへこんだ角(入隅)、窓やドアのまわり、天井や床との境目では、どうしてもレンガやタイルが途中で切れます。無地の壁紙では気にならない部分ですが、目地のはっきりした柄ほど目につきやすくなります。どの面に貼ると切れ目が少なく済むかは、張り替えたい壁の形にもよるので、現地調査のときに担当者に相談してみてください。
画像・小さな見本と、壁一面の見え方は違う
レンガ調の壁紙を探していると、インターネットの施工例写真や商品画像を見る機会が多くなります。ただし、画面で見た印象をそのまま当てにするのは避けたほうが安心です。サンゲツは商品ページで、「商品や施工例画像が実際の商品の色・縮尺と異なることがございます」と断り、「最終的な商品選定では、ショールーム、取扱店店頭などで現品見本をご確認ください」と案内しています(出典:サンゲツ「RE55656」)。
ここで「縮尺」と書かれているのは、レンガ調では特に大切な点です。画像では小さく見えていたレンガが、実物では思ったより大きかった、あるいはその逆、ということが起こりえます。レンガ1個の大きさや目地の太さは、柄の印象を大きく左右します。見本で、柄のレンガ1個の実際の大きさを確かめておきましょう。
色についても、小さな見本と壁一面では見え方が変わります。小さな見本は濃く見えやすく、壁一面に貼ると明るく、淡く見えることがあります。この「面積効果」について壁紙メーカーがどう説明しているか、また、見本帳の見方・大きめのサンプルの取り寄せ方は、壁紙のサンプルと実際の色はなぜ違う?メーカーが説明する「面積効果」と、見本帳の見方・サンプルの取り寄せ方で詳しく扱っています。
レンガ調の場合、見本帳の小さな切り片では、柄が1〜2個分しか入っていないこともあります。その切り片だけで、壁一面に繰り返したときの印象を想像するのは難しいものです。できるだけ大きな見本で、柄が何回か繰り返す範囲を見ておくと、壁に貼ったときの見え方に近づけます。
凹凸と光の当たり方で印象が変わる
レンガ調の壁紙の「らしさ」を支えているのが、目地やレンガの表面の凹凸です。凹凸がつくる陰影は、光の当たり方で見え方が変わります。窓から光が横に差し込む昼間は凹凸がくっきり見えやすく、正面から均一に照らす光の下では陰影が弱く見えて、印刷の平らさが目立つこともあります。
見本を実際に貼る予定の壁に当てて、昼と夜、照明をつけたときとつけないときで見比べておくと、仕上がりを想像しやすくなります。特に、壁を横から照らす照明(ダウンライトが壁際にある、壁際に間接照明を置く等)がある場所では、凹凸の陰影が強く出るので、その条件で見ておくと安心です。
ただし、横から当たる光は、レンガの凹凸だけでなく、壁紙どうしの継ぎ目や、下地のわずかな段差の影も浮かび上がらせます。柄を合わせて貼る壁紙では、継ぎ目の位置で柄のわずかなずれや段差の影が目に入ると、継ぎ目が表に出て見えることもあります。横から光が当たる壁にレンガ調を貼るなら、継ぎ目の見え方も気にしておきたいところです。照明で継ぎ目が目立つ仕組みと、厚手の壁紙を選ぶなどの対策は、壁紙の継ぎ目が照明で目立つ理由は?斜めの光と段差の影、経年か施工かの見分け方と厚手の壁紙の選び方で詳しく扱っています。
凹凸の強い壁紙は、見た目の魅力がある一方で、凹みにホコリや汚れがたまりやすく、拭き方にも注意が要ることがあります。お手入れの方法は、選ぶ品番の注意事項もあわせて確かめておきましょう。凹凸のある壁紙のお手入れについて、壁紙メーカー各社が何を案内しているかは、でこぼこ壁紙の掃除に歯ブラシは使える?メーカー3社に落とし方の記載はなく、歯ブラシは汚れ防止壁紙の案内で整理しています。
1面だけ使う(アクセントクロス)という選び方
レンガ調の壁紙は、部屋全体に貼るより、1面だけに使う取り入れ方がよく紹介されています。リリカラは、レンガ柄の壁紙はある程度デザイン性の高いものが多く、部屋の壁の一面や柱に取り入れるとアクセントになる、と書いています(出典:リリカラ「レンガ柄壁紙でおしゃれなお部屋|おすすめ品番とコーディネート集」)。先に見たサンゲツのRE55656も、「壁一面のアクセントにもおすすめ」と紹介されています。
面積と色数の基本
壁の一部だけ違う壁紙を貼る方法を、アクセントクロスと呼びます。レンガ調は柄の存在感が強いので、アクセントクロスにすると、部屋全体の印象を大きく変えずに雰囲気を取り入れられます。
ただし、アクセントクロスには、見本と実際の仕上がりが違った、色が主張しすぎた(または目立たなかった)、まわりの壁と質感が合わずに浮いて見えた、といった失敗の型があります。レンガ調は凹凸と柄の存在感が強いので、無地の壁の隣に貼るときは、特に質感の差に気をつけたいところです。どの面に使うか、まわりの壁や床・建具の色とどう組み合わせるかでも、仕上がりの印象は変わります。アクセントクロスの失敗の型と、面積や色数の目安、見本帳での選び方は、アクセントクロスの失敗例は3つ|面積は壁の2〜3割・色は3色まで、見本帳は少し濃いめを選ぶで詳しく扱っています。
どの面に使うか、どこで区切るか
レンガ調を1面に使うなら、ソファやテレビの背面、玄関に入って最初に目に入る壁、ダイニングの一面など、「見せたい壁」を選ぶのが一般的です。リリカラの紹介では、玄関のアクセントや、寝室の柱まわりに使った例もあります(出典:同上)。
貼る面を決めるときは、どこで柄を区切るかも考えておきます。違う壁紙どうしの境目は、壁の角(入隅)で区切ると目立ちにくくなります。1つの平らな壁の途中で区切ると、境目がはっきり見えやすくなります。レンガ調のように柄のはっきりした壁紙ほど、区切りの位置が仕上がりに表れるので、面の単位で考えるのが基本です。
また、柱や梁の出っ張りのように細い面に使う場合は、前の章で見た柄の切れ目が目立ちやすくなります。細い面にレンガ柄を貼ると、レンガが1個分も入らずに途中で切れることもあります。リピートの短い、小さめのレンガ柄のほうが収まりやすいこともあるので、使いたい場所の幅と、柄の大きさをあわせて見ておきましょう。
費用の目安と、選ぶときの進め方
レンガ調の壁紙は、特別な工事ではなく、ふつうの壁紙の張り替えと同じ考え方で費用が決まります。そのうえで、品番の価格帯、柄合わせの有無、張り替える範囲によって金額が変わります。
費用はふつうの張り替えと同じ考え方
一般的には、量産品の壁紙なら、材料費と施工費を合わせて1㎡あたり1,500〜2,500円程度が目安です。壁紙には「量産品」と、柄や色の選択肢が多い「1000番台」と呼ばれるグレードがあります。先に見たサンゲツの見本帳「リザーブ」では、タイル・レンガの標準価格(定価)は1mあたり1,000円(税別・材料のみ)でした。ただしこれはメーカーの定価で、業者が仕入れる価格はここから下がるため、上の材工込みの1㎡あたりの目安とそのまま足したり比べたりはできません。レンガ調を選ぶときは、品番が量産品か1000番台かを確認すると、費用の見当をつけやすくなります。
1000番台は量産品より材料の単価が上がりますが、標準的な品番どうしで比べた差は1㎡あたり数百円で、6畳の壁なら約1万円が目安です。部屋ごとにグレードを使い分ける考え方は、量産クロスと1000番クロスの違い|価格差は6畳で約1万円、部屋ごとの選び分け方で詳しく扱っています。なお、海外ブランドとのコラボ柄のような特殊な価格帯の品番は、これより上がり、標準の2倍近い定価のものもあります。
ほかの面の張り替えと同時に1面だけをアクセントクロスにする場合、増えるのは主にその面の材料の差です。ただし、レンガ調の1面だけを単独で頼むと、範囲が小さくても最低料金がかかります。多くの業者は最低料金を4万〜6万円程度に設定しているので、ほかの部屋や面の張り替えと一緒に頼むほうが、1面あたりの負担は小さくなります。
見積もりのときに確かめること
気になる色の系統と品番が見えてきたら、見積もりのときに次のことを確かめておくと安心です。
- その品番で柄合わせが必要か、そのぶん材料のロスが増えるか:レンガ・タイルの柄は多少の柄合わせが出ることがあります。リピートが短い柄なら影響は小さいこともありますが、柄によるので、選んだ品番で確かめます。見本帳で品番を正式に決めたら、見積もりが柄合わせを含めた金額に更新されているかも確かめておきます
- 柄の切れ目が出やすい場所:角や窓まわり、柱など、貼りたい面のどこで柄が切れるか
- 大きめの見本を見られるか:柄が何回か繰り返す範囲で見られると、壁一面の印象をつかみやすくなります。業者を通して大きなサンプルを取り寄せる場合は、手数料がかかったり、対応していなかったりすることもあるので、あわせて聞いておきます
- グレードと単価:1000番台の品番なら量産品との差がどのくらいか、特殊な価格帯の品番ではないか
張り替えの見積書で確かめておきたい項目は、柄合わせ以外も含めてクロス張り替えの見積書チェックポイント7選|追加費用で後悔しないための確認事項にまとめています。
また、築年数が経った住まいでは、古い壁紙を剥がしたあとの下地に細かな段差が残ることがあり、厚手の壁紙のほうがきれいに仕上がりやすい場合があります。サンゲツのRE55656の商品ページにも、「十分な厚みがあり、リフォーム(張替え)におすすめの商品です」という説明があります(出典:サンゲツ「RE55656」)。気に入った柄が貼りたい壁に向いているかは、現地調査のときに担当者に確かめておくと安心です。
まとめ
レンガ調の壁紙について、ポイントを整理します。
- レンガ調・タイル柄の壁紙は、サンゲツやリリカラの見本帳では「タイル・レンガ」という分類で載っている柄の一つ(呼び方はメーカーで違うことがある)。塗り壁のような石目調とは別の区分で、ふつうの張り替えと同じ工事で取り入れられる
- 本物のレンガ・タイルより費用と工事の負担は小さいが、印刷や凹凸の表現で再現した工業製品なので、同じ柄が規則正しく繰り返され、本物そのものの手触りや焼きムラにはならない
- 色の系統で雰囲気が変わる。ホワイト系はさりげなく、ブラウン系はレンガらしさをはっきり、グレー系は落ち着いたクールな印象に。目地のない面の質感がほしければ、石目調・ストーン柄の区分も見比べる
- リアルさを左右するのは、柄の大きさとリピート(サンゲツのリザーブでは縦約21〜93cmと品番で幅がある。短い柄は同じ並びが何度も現れ、長い柄は切れ目が目につくことがあり、どちらが自然に見えるかは柄と壁の大きさによる)、柄合わせと角・窓まわりでの柄の切れ目、凹凸と光の当たり方(横からの光は凹凸だけでなく継ぎ目の影も見せる)
- 画像は実物と色・縮尺が違うことがある。見本で、柄のレンガ1個の大きさと、柄が繰り返す範囲を確かめる。小さな見本は壁一面より濃く見えやすい
- レンガ調は1面だけのアクセントクロスとして使われることが多い。違う壁紙との境目は入隅で区切ると目立ちにくい
- 費用はふつうの張り替えと同じ考え方。1000番台の品番なら、量産品との差は標準的な品番で1㎡あたり数百円。柄合わせが必要か、材料のロスが増えるかは、選んだ品番で見積もりのときに確かめる
レンガ調の壁紙は、本物のレンガやタイルは大変そうだからとあきらめていた雰囲気を、ふつうの張り替えの中で取り入れられる方法です。気になる色の系統が見えてきたら、まずは電話か問い合わせフォームで、張り替えたい壁と「レンガ調にしたい」というイメージを伝えてみてください。見本帳で柄の大きさや凹凸を実際に確かめ、継ぎ目や柄の切れ目の出方も相談しながら絞り込んでいけます。
レンガ調やタイル柄の壁紙で張り替えたい方は、電話でご相談ください。現地調査でお部屋を見たうえで、どの面にどんな柄が合いそうか、見本帳での選び方と、柄合わせを含めた費用をご案内します。見積もり・現地調査は無料です。
電話が難しい方はメールでもご相談いただけます。
この記事の執筆者

氏名:松田郁幾
実績:壁紙張り替えを中心に、これまで多くのお客様・職人と関わってきました。
この記事について:現場で見聞きした実例をもとに、誇張せず、実践的な視点で解説しています。



