ペット対応の壁紙とは?規格にない呼び名で、キズへの強さの数字はメーカーごとに比べ方が違う

壁の前に座る柴犬と、壁の下のほうについた灰色のこすれ跡

犬や猫と暮らしていて、壁の下のほうに傷や黒ずみが増えてきた。張り替えるなら、次は「ペット対応」の壁紙にしたほうがよいのだろうか。メーカーのページを見ると専用の壁紙があるようだけれど、本当に効くのか、普通の壁紙よりどのくらい高くなるのかが分からない。そんなふうに迷っている方もいると思います。

結論から言うと、「ペット対応」の壁紙は、表面を強くしてキズを付きにくくした壁紙を中心に、メーカーが独自にその名前を付けて用意している機能性の壁紙です。汚れ防止やニオイが付きにくい機能などを組み合わせた商品もありますが、備える機能はメーカー・商品ごとに違います。壁紙工業会が性能の基準を定めている機能の区分に、「ペット対応」はありません。キズは一般的な壁紙より付きにくくなりますが、メーカー自身が「キズや破損が発生しないことを保証するものではありません」「測定値であり、保証値ではありません」と書いています。費用の面では、サンゲツとリリカラの公式サイトで確かめられたペット対応の品番は、どちらも1000番台にあたる見本帳に載っていて、量産品で張り替える場合と比べると、少なくとも材料の分は高くなります。

そのため、「ペット対応にすれば傷まない」と考えるより、傷みやすい場所や困っていること(キズかニオイか)に合わせて、どこに使うかを決めるのが現実的です。

この記事を読むと、次のことが分かります。

  • 「ペット対応」の壁紙とは何か(壁紙工業会の規格と、メーカーの商品名の関係)
  • キズへの強さの比べ方(サンゲツとリリカラで、試験の条件も比べる相手も違うこと)
  • ニオイと抗菌は、キズへの強さとは別の機能であること
  • 費用とグレード、全面か一部かの使い方
  • 後から貼る保護シートとの関係
  • 選ぶとき、相談するときに伝えるとよいこと

読み終えるころには、ペット対応の壁紙を候補に入れるかどうか、入れるならどの場所に使うかの見当がつくはずです。

ペットと暮らすお住まいで壁紙の張り替えを考えている方は、ペットの種類、気になっている場所、困っているのがキズかニオイかを、電話や問い合わせフォームでお聞かせください。見積もり・現地調査は無料です。

電話が難しい方はでもご相談いただけます。


「ペット対応」の壁紙とは:業界の規格ではなく、メーカーが名前を付けた商品

「ペット対応」と書かれていると、何か決まった基準を満たした壁紙のように見えます。まずは、その呼び方がどこから来ているのかを見ておきます。ここが分かると、メーカーごとの説明の違いを読み比べやすくなります。

壁紙工業会が性能の基準を定めているのは4つ。「ペット対応」「消臭」はない

業界団体の壁紙工業会は、機能性壁紙の性能の基準を定めています。その区分は「防かび壁紙」「汚れ防止壁紙」「表面強化壁紙」「抗菌壁紙」の4つです(出典:壁紙工業会「機能性壁紙の規格概要」)。このページに「ペット」や「消臭」という語は出てきません。

このうちキズに関係するのが「表面強化」です。引っかく試験をしたあと、表面の傷つき方を目で見て1級から5級で判定し、タテ・ヨコどちらの方向でもすべて「4級以上」であることを基準にしています。4級は「多少表面傷が見られるが、比較的大きな表面層の破れ等は見られない」状態です(出典:同上)。

つまり、業界の共通の物差しとして決まっているのは「表面強化」までで、「ペット対応」はその上に各メーカーが付けている呼び方、ということになります。

なお、この4つのうち「汚れ防止」の規格がどの汚れで性能を確かめているかは、壁紙の汚れ防止はどこまで落ちる?規格の試験は4つの汚れだけ、油汚れ・ヤニ・手垢は対象外で詳しく解説しています。

サンゲツ・リリカラ・トキワは「ペット対応」と名の付く壁紙を用意している

大手の壁紙メーカーを見ると、「ペット対応」の名前で壁紙を案内しているところがあります。

サンゲツは、猫の爪とぎ対策を紹介する記事の中で「ペット対応タイプの壁紙として「スーパー耐久性」シリーズを提供しています」と書き、「スーパー耐久性[ペット対応]」として紹介しています(出典:サンゲツ「壁紙の猫対策はどうする?爪とぎのキズを防ぐための対策とキズが付いたときの対処法」)。一方で、同じ「スーパー耐久性」を説明する機能のページには、「ペット」という語は出てきません(出典:サンゲツ「スーパー耐久性」)。ペット専用に作られた壁紙というより、キズに強い壁紙を、ペットと暮らす家にも勧めている、と読むのが自然です。

リリカラは、見本帳の価格表で「スーパー強化+汚れ防止(ペット対応)」という名前を付けています(出典:リリカラ「ウィル」価格表)。機能から壁紙を探すページでは、この壁紙のおすすめ使用場所として「キズが気になるペット住宅・玄関・廊下」が挙がっていて、ペットのいる家だけでなく、人がよく通って傷みやすい場所にも向けた壁紙として紹介されています(出典:リリカラ「壁紙機能性ガイド」)。

ほかにも、トキワは「汚れ防止+表面強化 ペット対応」を「ひっかきキズに強い、ペット共生壁紙」として案内しています(出典:トキワ「ペット」)。一方、シンコールの機能性商品の一覧では、壁紙で「ペット」の語が出てくるのは「気になるペット・タバコ臭に」と書かれた消臭側の商品で、キズに強い壁紙は「表面強化」などの名前で別に並んでいます(出典:シンコール「機能性商品」)。

「ペット」の語は、キズに強い壁紙を指すメーカーもあれば、ニオイ側の商品に使っているメーカーもある、ということです。見本帳で「ペット対応」の文字を見つけたら、その壁紙が何に強いのかを、説明の中身で確かめるのが確実です。サンゲツ・リリカラ・シンコールが機能性壁紙をどんな言葉や基準で案内しているかの違いは、壁紙メーカーの違いは優劣ではない|サンゲツ・リリカラ・シンコール・東リ4社の会社の形と機能の示し方で解説しています。

キズへの強さは、メーカーごとに試験の条件も比べる相手も違う

同じ白い壁の左右で、左は4本の深い引っかき傷、右は同じ位置に薄い筋が付いているだけの比較

ペット対応の壁紙を比べようとすると、「約6倍」「約50倍」といった数字が目に入ります。ただ、この数字は同じ物差しで測ったものではありません。数字だけを並べて「こちらのほうが強い」と決めないために、それぞれが何をどう比べたのかを見ておきます。

サンゲツ「スーパー耐久性」:業界の試験に準じて、往復の回数を増やした基準

サンゲツは「スーパー耐久性」の試験方法を「壁紙工業会規定 表面強化壁紙性能試験に準ずる」とし、荷重200gの摩擦子を5回・15回・30回往復させて、表面のキズつき度合いを目で見て評価するとしています(出典:サンゲツ「スーパー耐久性」、前出)。

同社の機能性壁紙ガイドでは、一般的な「表面強化」の壁紙が「荷重200g・5往復(4級以上)」なのに対し、スーパー耐久性は「荷重200g・15往復(5級)/30往復(4級以上)」と並べて書かれています(出典:サンゲツ「機能性壁紙ガイド」)。サンゲツのスーパー耐久性は、一般的な表面強化の壁紙と同じ荷重(こする重さ)で、より多くの回数こすっても傷つきにくい、というメーカーの基準です。

そのうえで、表面強度について「表面強化壁紙のさらに約6倍」と示しています(出典:サンゲツ「スーパー耐久性」、前出)。比べている相手は、一般的なビニル壁紙ではなく、すでに表面を強くした「表面強化壁紙」です。

リリカラ「スーパー強化+汚れ防止」:荷重を2倍にして、破れるまでの回数を比べた

リリカラの「スーパー強化+汚れ防止」は、試験のやり方が違います。価格表の説明によると、壁紙工業会の表面強化の規定と同じツメと試験機を使い、ツメの荷重を規定の2倍の400gにして、壁紙が破れて裏打紙が見えるまでの往復回数を測っています。その結果として「一般ビニル壁紙と比較して約50倍の強度があります」と書かれています(出典:リリカラ「ウィル」価格表、前出)。

こちらは、重さを倍にした条件で、破れるまでの回数を、一般的なビニル壁紙と比べた数字です。

サンゲツの「約6倍」は表面強化壁紙と比べた数字、リリカラの「約50倍」は一般ビニル壁紙と比べた数字で、試験の条件も違います。50と6を並べて、リリカラのほうが8倍強い、と読むことはできません。どちらも、一般的な壁紙よりキズに強くした壁紙だ、という点を押さえておけば十分です。

どちらのメーカーも「保証するものではない」と書いている

もう一つ大事なのが、メーカーが数字に添えている注意書きです。

サンゲツは試験結果について「上記の試験結果は測定値であり、保証値ではありません。」と書いています(出典:サンゲツ「スーパー耐久性」、前出)。リリカラは使用上の注意で「強度が非常に優れていますが、キズや破損が発生しないことを保証するものではありません。また、破損が生じない場合でも、表面の摩耗やツヤ差が生じる場合があります。」としています(出典:リリカラ「ウィル」価格表、前出)。

サンゲツの猫対策の記事も、ペット対応の壁紙の利点を「猫が爪とぎをしても目立つキズが付くリスクを軽減できる」と書き、その前提として「猫の爪とぎは本能からくる行動のため、やめさせることはできません」「さまざまな工夫をしていても、猫が壁で爪とぎをする可能性はゼロではありません」と述べています(出典:サンゲツ「壁紙の猫対策はどうする?爪とぎのキズを防ぐための対策とキズが付いたときの対処法」、前出)。

また、どちらの試験も、爪のような硬いものでこすって表面の傷つき方を見るものです。犬が歯でかじる力や、同じ場所を毎日くり返し引っかかれる状況を試したとは書かれていません。張り替えたあと実際に何年きれいなままでいられるかは、ペットの性格や癖、ひっかく頻度で大きく変わり、張り替えを手がける側でも追いきれないため、はっきりした裏付けはありません。

ペット対応の壁紙は「傷が付かない壁紙」ではなく、「一般的な壁紙より表面に傷が付きにくいようにした壁紙」と考えておくと、張り替えたあとに期待とのずれが出にくくなります。

ニオイと抗菌は、キズへの強さとは別の機能

ペットと暮らしていると、キズと同じくらい気になるのがニオイです。ペット対応の壁紙の説明にもニオイの話が出てきますが、ここはキズとは別の機能として分けて見ておくと、選び間違いを防げます。

サンゲツ・リリカラのペット対応の壁紙は、ニオイを「付きにくくする」側

サンゲツは「スーパー耐久性」の特長として、表面のフィルムのバリア機能で「壁紙にニオイが吸着しにくい」ことを挙げ、「ペット特有のニオイに関しても、換気をすればお部屋にニオイがこもりにくくなります」と書いています(出典:サンゲツ「壁紙の猫対策はどうする?爪とぎのキズを防ぐための対策とキズが付いたときの対処法」、前出)。機能のページの表現は「防臭効果も期待できます」です(出典:サンゲツ「スーパー耐久性」、前出)。

リリカラの「スーパー強化+汚れ防止」も、「タバコのヤニ汚れや臭いも付着しにくい特長があります」という説明です(出典:リリカラ「ウィル」価格表、前出)。

サンゲツ・リリカラのペット対応の壁紙は、壁紙にニオイが染み込みにくくする、という説明で、部屋のニオイを消す機能として書かれているわけではありません。壁紙へのニオイの付着を抑える機能で、部屋にニオイをこもりにくくするには、サンゲツの書き方にもあるとおり換気も必要です。

ニオイを消す「消臭」の壁紙は、別に用意されている

ニオイそのものを減らしたい場合は、「消臭」の機能がある壁紙が別にあります。

サンゲツの機能性壁紙ガイドでは、消臭の壁紙として「ルームエアー(消臭)」と「フィルム汚れ防止 消臭タイプ」が挙がっていて、効果のあるニオイの例に「アンモニア(トイレ臭・ペット臭など)」が書かれています。スーパー耐久性は、この消臭の項には入っていません(出典:サンゲツ「機能性壁紙ガイド」、前出)。リリカラにも「消臭+汚れ防止」や「消臭 air*refre」があり、後者のおすすめ使用場所には「生活悪臭が気になるLDK・ペット住宅」とあります(出典:リリカラ「壁紙機能性ガイド」、前出)。トキワの「ペット」の一覧にも、ペット対応の壁紙と並んで「汚れ防止+消臭」などの商品が載っています(出典:トキワ「ペット」、前出)。

ただし、消臭の壁紙も万能ではありません。リリカラは「消臭+汚れ防止」について「消臭機能は臭いを完全になくすことを保証するものではありません。効果は環境によって異なりますが、5~10年間程度とお考えください。」と書いています(出典:リリカラ「ウィル」価格表、前出)。消臭の壁紙がどの臭いを対象にしていて、どこまで効くのかは、壁紙の臭いの原因は4つ|張り替え直後のにおい、掃除の考え方と消臭壁紙が効く範囲で詳しく解説しています。

困っているのがキズなのかニオイなのかで、見るべき壁紙が変わる、ということです。トイレまわりのようにニオイが主な悩みの場所なら消臭の壁紙、ペットが体をこすりつけたり引っかいたりする場所ならキズに強い壁紙、というように、場所ごとに分けて考えると選びやすくなります。

抗菌は、SIAAの表示があれば共通の方法で評価されている

サンゲツとリリカラのペット対応の壁紙には、抗菌の機能も付いています。サンゲツは「スーパー耐久性はSIAA抗菌加工認証製品です」とし、SIAAマークは「ISO22196法により評価された結果に基づき」表示されていると説明しています(出典:サンゲツ「スーパー耐久性」、前出)。リリカラの価格表でも、「スーパー強化+汚れ防止」の説明のページに、SIAAの基準に適合していることと、SIAAの登録番号が載っています(出典:リリカラ「ウィル」価格表、前出)。

抗菌は、メーカーごとに試験の条件が違うキズへの強さと違い、SIAAの表示があれば、共通の方法で評価された結果だと分かる機能です。抗菌をうたう壁紙を比べるときは、SIAAの表示があるかを見ておくとよいでしょう。ただ、リリカラは抗菌加工について「感染予防を保証するものではありません」とも書いています(出典:同上)。表面を清潔に保ちやすくする機能で、ペットのニオイやキズへの対策とは別のもの、と考えておくとよいでしょう。抗菌の壁紙が何の基準で表示されているかや、抗ウイルス・消臭・吸放湿とどう違うかは、抗菌壁紙の基準は「0.63以下」|抗菌・抗ウイルス・消臭・吸放湿は別物で、効くのは壁紙の表面までで詳しく扱っています。

費用とグレード:確かめられた2社の品番は1000番台。全面か一部かで考える

スイッチのある壁で、上半分は白い壁紙、腰の高さから下だけ縦すじのあるベージュの壁紙に張り替えた様子

ペット対応の壁紙を候補に入れるとき、もう一つ気になるのが費用です。ここでは、どのグレードの壁紙なのかと、費用の考え方を見ておきます。

確かめられた品番は、どちらも1000番台にあたる見本帳に載っていた

機能が付いた壁紙は、多くが1000番台の見本帳に収録されています。1000番台は、量産品より色や柄の選択肢が多いグレードで、機能の付いた品番はその中にもある、という位置づけです。量産品の中にも、表面強化などの機能が付いた品番はあります。量産品と1000番台の呼び方や価格差、部屋ごとの選び分け方は、量産クロスと1000番クロスの違い|価格差は6畳で約1万円、部屋ごとの選び分け方で解説しています。

ペット対応の壁紙については、サンゲツの公式サイトの商品検索で確かめた範囲では、「スーパー耐久性」の品番は「リザーブ」という1000番台の見本帳に載っていて、標準価格は1mあたり1,000円(1㎡あたり1,090円、税別)でした(出典:サンゲツ「RE55454」商品ページ)。量産品の見本帳に入っているかどうかまでは確かめていません。

リリカラの「スーパー強化+汚れ防止(ペット対応)」は「ウィル」という見本帳に載っていて、価格表では、同じ見本帳の一般の壁紙と同じ1mあたり1,000円(1㎡あたり1,090円、税別)の行に並んでいます(出典:リリカラ「ウィル」価格表、前出)。

どちらも、1000番台の中で特別に高い価格が付いているわけではありません。量産品と標準的な1000番台の差は、1㎡あたり数百円程度が目安です。サンゲツ・リリカラで確かめられた品番を選ぶ場合は、量産品で張り替える場合より、少なくとも材料の分は高くなります。施工費を含めた合計でどのくらい違うかは、見積もりで確かめるのが確実です。

費用は、壁紙の代金と施工費の合計で見る

見積もりを比べるときは、壁紙の材料の代金だけでなく、施工費を含めた合計で見るのが基本です。一般に、付いている機能が多い壁紙ほど、合計の費用は上がりやすくなります。

ペット対応の壁紙を選ぶかどうか迷っているなら、見積もりのときに、量産品で張り替えた場合と、ペット対応の壁紙を使った場合の両方の金額を聞いてみると、差が具体的に分かります。

全面ではなく、傷みやすい場所だけに使う選び方もある

ペット対応の壁紙は、家じゅうの壁に使わなければならないものではありません。傷みやすい場所だけに使う、という選び方もあります。

ペットが体をこすりつけたり、引っかいたりした跡が、手足や体が届く低い位置や、よく通る廊下・階段、出入り口の角などに集まっているなら、そうした面だけをペット対応の壁紙にし、ほかの面は量産品にする、といった使い分けもできます。天井のように、ペットの体が届かない場所まで機能の付いた壁紙にする必要はあまりありません(猫は背伸びをしたり家具を足場にしたりして、思ったより高い位置まで届くことがあります)。

使い分けるときは、壁紙の境目をどこにするかも一緒に考えておきます。同じ部屋で種類の違う壁紙を並べると、境目で色や質感の差が見えます。部屋の角(入隅)で区切ると目立ちにくくなります。

なお、サンゲツの猫対策の記事では、壁紙を変える方法とは別に、腰の高さまで板材を張る「腰壁」にする方法も挙げられています(出典:サンゲツ「壁紙の猫対策はどうする?爪とぎのキズを防ぐための対策とキズが付いたときの対処法」、前出)。低い位置の傷みが特にひどい場合は、壁紙以外の方法も視野に入れておくとよいでしょう。

前に傷が付いて嫌な思いをした、ニオイが気になっている、といったように、気になる理由がはっきりしている場所なら、機能のある壁紙を選ぶ価値があります。ペットのいる家では、傷みやニオイが集まる場所がその候補になります。

後から貼る保護シートという方法もある

「ペット 壁紙」で調べると、張り替えで選ぶ壁紙と並んで、今の壁紙の上に貼る保護シートも多く出てきます。どちらを選ぶかで迷う方もいると思うので、関係を短く整理しておきます。

今の壁紙の上に貼るシートは、手軽だが守れる範囲と持ちに限りがある

保護シートは、張り替えをせずに、今の壁紙の上に貼って、汚れや傷が壁紙に直接付かないようにするものです。ペット向けとして売られている商品もあり、たとえばカインズの「壁に貼る ひっかき防止シート」は「ペットのいたずらから、壁紙を守るシートです。」と説明されています(出典:カインズ「壁に貼る ひっかき防止シート PETP02SS」)。

ただし、シートが守るのは壁紙のほうで、ひっかく・かじるという行動そのものは変わりません。シートの表面が傷んだら貼り替えることになり、守れるのは貼った範囲だけです。粘着タイプは、同じ商品の注意書きにあるとおり、壁紙の素材や劣化の状態によっては剥がすときに表面を傷めることもあります(出典:同上)。保護シートのタイプの違いや、貼る前の確認、剥がすときの注意は、壁紙の保護シートの選び方|静電気吸着と粘着の2タイプ、貼る前の3つの確認と剥がすときの注意で詳しく解説しています。

壁紙そのものがまだきれいで、傷みやすい一部分だけを守りたい、という段階なら、保護シートは手軽な方法です。壁紙がすでに傷んでいる、守りたい範囲が広い、という段階なら、張り替えも選択肢になります。どちらがよいかは、傷みの程度や、ペットが今後も同じようにひっかく・かじるかで変わります。

ペット対応の壁紙にしたあとは、保護シートが貼れない場合がある

張り替えと保護シートの両方を考えている方に知っておいてほしいのが、組み合わせの相性です。保護シートの中には、機能の付いた壁紙には貼れないと書いている商品があります。

先ほどのカインズの「PETP02SS」は「汚れ防止加工、キズ防止加工など表面に特殊加工がしてある壁紙は貼れません。」としています(出典:カインズ「壁に貼る ひっかき防止シート PETP02SS」、前出)。同じカインズの「貼ってはがせる 壁紙を保護するシート 半透明 CZWAS-400」も「土壁・コンクリート・汚れ防止機能の壁紙には貼れません。」と書いています(出典:カインズ「貼ってはがせる 壁紙を保護するシート 半透明 CZWAS-400」)。

ここまで見てきたサンゲツ・リリカラ・トキワのペット対応の壁紙は、いずれもキズに強くした壁紙で、リリカラ・トキワのものは汚れ防止の機能も備えています。張り替えでペット対応の壁紙にして、それでも傷む場所には後からシートを足そう、と考えていると、選んだシートが貼れないことがあります。後からシートを使うつもりがあるなら、傷みやすい場所に機能の付いた壁紙とシートのどちらを使うかを、張り替えの前に決めておくと迷いません。

選ぶとき・相談するときに伝えるとよいこと

ペット対応の壁紙を候補に入れるなら、見積もりや現地調査のときに、次のことを伝えておくと話が早く進みます。

ペットの種類と、困っているのがキズかニオイか

まず伝えたいのは、どんなペットと暮らしているかと、困っているのがキズなのかニオイなのかです。ここまで見てきたとおり、キズに強い壁紙と、ニオイを消す壁紙は別の機能です。猫の爪とぎ、犬が体をこすりつける跡やかじった跡、トイレまわりのニオイなど、具体的に伝えると、見本帳で見せてもらう壁紙を絞りやすくなります。ペット対応の壁紙を見てみたいときは、見本帳で確かめたいことも、あらかじめ伝えておきます。

傷みやすい場所と高さ

次に、家の中のどの部屋の、どの面の、どのくらいの高さが傷みやすいかです。廊下・階段・出入り口の角など、ペットがよく通る場所や、低い位置に傷みが集中しているなら、その範囲だけをペット対応の壁紙にする相談もしやすくなります。猫なら背伸びをして高い位置まで引っかくこともあるので、気になっている傷の一番上の高さも見ておくと、使う範囲を決める手がかりになります。写真を撮っておくと、状態が伝わりやすくなります。

今の壁に深い傷やえぐれがあるなら、そのことも伝えておきます。壁紙の下の下地の状態は、現地調査で見てもらえます。

今のペットの様子(今もひっかく・かじるか)

最後に、今のペットの様子です。今もひっかいたりかじったりしているのか、最近は落ち着いているのか、どのくらいの頻度なのかも伝えておきます。ここまで見てきたように、ペット対応の壁紙でも、傷が付かないことまでは保証されていません。今の様子は、どの範囲にどの壁紙を使うかを考える材料になります。

なお、すでに傷んだ壁をいつ張り替えるのがよいかは、そのペットがこれからもひっかく・かじる状況かどうかでも変わります。猫の場合は猫の爪とぎで傷んだ壁紙は張り替えられる?判断を分ける「これからもひっかくか」と実際に張り替えた3つの状況、犬の場合は犬にかじられた壁紙は張り替えるべき?判断を分ける「これからもかじるか」と直し方・費用の目安で詳しく解説しています。

まとめ

  • 「ペット対応」は、壁紙工業会が性能の基準を定めている区分(防かび・汚れ防止・表面強化・抗菌)には無く、メーカーが独自に名前を付けた、キズに強くした壁紙が中心の機能性の壁紙。サンゲツ・リリカラ・トキワが「ペット対応」の名前で案内しているが、備える機能はメーカー・商品ごとに違う
  • キズへの強さの数字は、メーカーごとに試験の条件も比べる相手も違う。サンゲツの「約6倍」は表面強化壁紙と比べた数字、リリカラの「約50倍」は荷重を2倍にした条件で一般ビニル壁紙と比べた数字で、並べて比べることはできない
  • どちらのメーカーも「保証値ではない」「キズや破損が発生しないことを保証するものではない」と書いている。傷が付かない壁紙ではなく、一般的な壁紙より表面に傷が付きにくいようにした壁紙と考える
  • サンゲツ・リリカラのペット対応の壁紙のニオイの機能は「付きにくくする」もの。ニオイを減らしたいなら、消臭の機能がある壁紙が別にある。消臭の壁紙も、臭いを完全になくすことまでは保証されていない
  • 抗菌は、キズやニオイへの対策とは別の機能。SIAAの表示があれば共通の方法で評価されているが、リリカラは「感染予防を保証するものではありません」としている
  • サンゲツ・リリカラで確かめられたペット対応の品番は、どちらも1000番台にあたる見本帳に載っていた。量産品で張り替える場合と比べると少なくとも材料の分は高くなるので、施工費を含めた合計を見積もりで比べる。全面ではなく、傷みやすい場所だけに使う選び方もある
  • 後から貼る保護シートは手軽だが、守れる範囲と持ちに限りがある。汚れ防止やキズ防止の加工がある壁紙には貼れないとしている商品もある

ペット対応の壁紙は、張り替えるなら候補に入れてよい選択肢ですが、選んだから安心、というものではありません。まずは、家の中でペットの傷やニオイが気になっている場所を見て回り、どの部屋のどの面か、どのくらいの高さか、困っているのはキズかニオイかを書き出してみてください。そのうえで、現地調査・見積もりを頼むときにそれを伝え、ペット対応の壁紙を使った場合と量産品の場合の両方の金額を聞いてみると、どこに使うかを決めやすくなります。まずは電話か問い合わせフォームで、ペットの種類と気になっている場所を伝えてみてください。

ペット対応の壁紙も候補に入れて張り替えを考えたい方は、ペットの種類、気になっている場所、困っているのがキズかニオイかを、電話や問い合わせフォームでお伝えください。ペット対応の壁紙を見本帳で見てみたい方は、そのこともあわせてお伝えください。見積もり・現地調査は無料です。

電話が難しい方はでもご相談いただけます。

この記事の執筆者

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氏名:松田郁幾
実績:壁紙張り替えを中心に、これまで多くのお客様・職人と関わってきました。
この記事について:現場で見聞きした実例をもとに、誇張せず、実践的な視点で解説しています。

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