水回りの壁紙の選び方|見本帳の目印は「防水」ではなく撥水・汚れ防止・消臭、素材とグレードも解説

洗面台の上の壁に水はねの茶色い点が散り、左側の継ぎ目では壁紙の端がめくれている様子

洗面所の鏡のまわり、キッチンの流し台の前、トイレの手洗いの横。家の壁紙の張り替えを考えはじめると、水を使う場所の壁だけは、ほかの部屋と同じ壁紙でよいのか迷う方もいると思います。「水回り用の壁紙」や「防水の壁紙」があるなら、そちらを選びたいと考えるのも自然なことです。

結論から言うと、張り替えで壁紙メーカーの見本帳から水回りの壁紙を選ぶなら、目印になるのは「防水」ではありません。サンゲツとリリカラが、機能から壁紙を選ぶために用意しているページには「防水」という項目が無く、水回りに関係するものとして載っているのは「撥水(はっすい)」「汚れ防止」「消臭」といった機能です。素材は塩化ビニル壁紙(ビニルクロス)が基本で、珪藻土・和紙・織物などの素材系の壁紙は、メーカーの案内では水廻りには不向きとされています。グレードは量産品と1000番台に分かれ、1000番台は量産品より色や柄の選択肢が多く、価格帯も上がります。機能のある品番は、それぞれのグレードの中から探すことになります。

この記事を読むと、次のことが分かります。

  • 機能:「防水」ではなく「撥水」「汚れ防止」「消臭」を目印にすること。メーカーが挙げているおすすめの場所
  • 素材:ビニル壁紙が基本で、珪藻土・和紙などの素材系が水回りに向かないとされていること
  • グレード:量産品と1000番台の違いと、機能のある品番の探し方
  • 場所:キッチン・トイレ・洗面所・浴室で気をつけたい点の違い
  • 張り替えずに守る方法:保護シートで守れることと、その限界
  • 機能のある壁紙を選ぶかどうかの考え方

読み終えるころには、水回りの壁紙を選ぶときに、何をどう比べればよいかが分かるはずです。

洗面所やキッチン、トイレなど、水回りの壁紙の張り替えを考えている方は、気になっている場所と今の状態を電話でお聞かせください。見積もり・現地調査は無料です。

電話が難しい方はでもご相談いただけます。


水回りの壁紙は「防水」ではなく「撥水」「汚れ防止」「消臭」などの機能を目印に選ぶ

水回りの壁紙を探すと、「防水」という言葉をよく目にします。ただ、張り替えのときに選ぶ壁紙の多くは、壁紙メーカーの見本帳から選ぶものです。まずは、メーカーが壁紙の機能をどう分けているかを見ておきます。

サンゲツ・リリカラの機能から選ぶページに「防水」という項目は無い

サンゲツの「機能性壁紙ガイド」は、キズに強い、汚れに強い、耐薬品性がある、ニオイに効果がある、といった機能ごとに壁紙を紹介しているページです。サンゲツの機能性壁紙ガイドに「防水」という語は出てきません。水に関係する機能は「汚れに強い壁紙は?」の項にある「撥水」で、「表面の撥水コートにより、水汚れをはじき、汚れを拭き取りやすい壁紙です。」と説明されています(出典:サンゲツ「機能性壁紙ガイド」)。

リリカラの「壁紙機能性ガイド」も、キズがつきにくい、汚れに強い、消臭効果がある、といった7つの機能で壁紙を分けていて、「防水」という項目はありません(出典:リリカラ「壁紙機能性ガイド」)。

つまり、サンゲツやリリカラの見本帳で水回りの壁紙を探すときは、「防水」ではなく、「撥水」や「汚れ防止」といった機能の名前が目印になります。見積もりのときにも、この名前で伝えると話が早くなります。

水回りに関係するのは「撥水」「汚れ防止」「消臭」。おすすめの場所はメーカーの表示で見る

リリカラの「壁紙機能性ガイド」には、機能ごとに「おすすめ使用場所」が書かれています。水回りの場所の名前が出てくるのは、たとえば次の機能です(出典:リリカラ「壁紙機能性ガイド」、前出)。

  • 撥水トップコート(「汚れがつきにくく、拭き取りやすい」):「飲食物や水汚れがつきやすいキッチン・トイレ・水廻り」
  • 消臭+汚れ防止(「臭い・水汚れに強いPPフィルム加工」):「水汚れや臭いが気になる洗面廻り・トイレ」
  • 消臭(「ハイブリッドな消臭効果で、空気のキレイを保つ」):「臭いが気になるトイレ・水廻り」

サンゲツも、壁紙の素材を解説するページの中で、ビニル壁紙を選ぶときの注意として「たとえば水まわりに使用するなら、撥水加工やフィルムラミネートが施されている壁紙を選ぶことで、壁紙を長期間にわたってきれいな状態に保ちやすくなります。」と書いています(出典:サンゲツ「壁紙にはどんな素材がある? 代表的な種類と特長・注意点を解説」)。

どの場所にどの機能を当てるかは、家ごとに気になっているものが違います。水はねの跡が気になるのか、臭いが気になるのかを先に考えておき、メーカーのおすすめの場所の表示と照らし合わせると、見本帳で見せてもらう壁紙を絞りやすくなります。「汚れ防止」の表示がどんな汚れで確かめられているかは壁紙の汚れ防止はどこまで落ちる?規格の試験は4つの汚れだけ、油汚れ・ヤニ・手垢は対象外、消臭の壁紙が効く範囲は壁紙の臭いの原因は4つ|張り替え直後のにおい、掃除の考え方と消臭壁紙が効く範囲が参考になります。

なお、カビに備える「防カビ」は、水回り専用の機能というより、少なくともサンゲツの見本帳では量産品・1000番台ともほとんどの壁紙に付いている機能で、水回り用に探して選ぶものとは性格が少し違います。防カビがどのくらいの壁紙に付いているかや、壁紙の機能だけではカビを防げないことは、防カビ壁紙は選んで買うもの?サンゲツの量産品は掲載品全点が防カビ、メーカーは「壁紙だけでは防げない」と明記で詳しく扱っています。

撥水でも、水を通さない壁紙になるわけではない

撥水は、表面に付いた水や水汚れをはじいて、拭き取りやすくする機能です。水を通さない、濡れても傷まない、という説明ではありません。

壁紙は幅の決まったロールを並べて貼るので、壁には必ずつなぎ目があります。リリカラはビニル壁紙のお手入れの案内で、「つなぎ目に水が入ると剥がれの原因になるので注意してください。」と書いています(出典:リリカラ「ビニル壁紙|お手入れ便利帳」)。撥水の壁紙にしても、水はねを拭くときにつなぎ目へ水を押し込まないことは変わりません。

「防水」と「撥水」の違いをさらに詳しく知りたい方や、水がかかってきた洗面所の壁で下地の状態も見てもらう理由など、場所ごとの注意点を確かめたい方は、「防水の壁紙」はある?サンゲツ・リリカラにあるのは「撥水」|洗面所・キッチン・トイレ・浴室の壁紙の考え方が参考になります。

素材は塩化ビニル壁紙が基本。珪藻土・和紙などの素材系は、メーカーの案内では水回りに不向き

洗面台のそばの、ざらっとした質感の壁に、水はねでできた輪じみがいくつか残っている様子

機能の次に見ておきたいのが、壁紙の素材です。水回りの壁紙を考えるとき、ここが選び方のいちばん大きな分かれ目になります。

水回りでも、ビニル壁紙が基本になる

リリカラは壁紙の選び方を解説するページで、素材を2つに分けて紹介しています。ビニルについては「塩化ビニル壁紙が主流で、メンテナンス性がよく、あらゆる場所に施工できます。」と書いています(出典:リリカラ「壁紙(クロス)の選び方【準備編】」)。ここでいう「あらゆる場所」は、ふだん壁紙で仕上げている室内の壁のことと考えられます。浴室の中のように、もともと壁紙を貼る前提ではない場所は別で、後の章で触れます。

洗面所やトイレでも、いまの仕上げが壁紙であれば、張り替えではビニル壁紙を候補にするのが一般的です。撥水や汚れ防止といった機能も、ビニル壁紙の表面に加工をしたものが中心になります。

珪藻土・和紙・織物などの素材系は、メーカーの案内では水廻りに不向き

同じページで、リリカラはビニル以外の素材について「和紙・織物・珪藻土など素材系壁紙。水廻りには不向きです。」と書いています(出典:リリカラ「壁紙(クロス)の選び方【準備編】」、前出)。

サンゲツも、珪藻土壁紙について「シミの原因になってしまうため、洗面台近くの壁など直接水分が付着するような場所への使用は避けることをおすすめします。」と案内しています(出典:サンゲツ「壁紙にはどんな素材がある? 代表的な種類と特長・注意点を解説」、前出)。

リリカラは素材系の壁紙を水廻りに不向きとし、サンゲツも珪藻土壁紙について、直接水分が付く場所を避けるよう勧めています。珪藻土や和紙の壁紙は、風合いが好きで選びたくなる素材です。素材の風合いを生かしたいなら、水がかからない部屋や面に使い、水回りはビニル壁紙から選ぶ、という分け方が考えやすいでしょう。ビニル壁紙の中にも、和紙調の壁紙のように素材の見た目に寄せたものがあるので、見本帳で探してみる手もあります。ビニル壁紙と素材系の壁紙それぞれの特長や、いまの壁紙の種類が分からないときの確かめ方は、壁紙の種類は代表的な4つ|住宅用の約9割はビニールクロス、分からないときの確かめ方が参考になります。

調湿を目的に珪藻土壁紙を考えるなら、洗面所・トイレではほかの調湿タイプも候補にする

珪藻土壁紙には、湿気を吸ったり放出したりする調湿の働きがあります。そのため、湿気の多い洗面所やトイレに向いている、という印象を持つ方もいるかもしれません。

サンゲツの「カビ・結露を抑える調湿タイプ」のページには、「おすすめの場所:玄関、廊下、洗面・トイレ、クローゼット、和室」とあります。ただ、この1行は「吸放湿壁紙」「通気性壁紙」「珪藻土壁紙」の3つのタイプの前に置かれた、3タイプ共通の案内です。珪藻土壁紙だけのおすすめの場所として書かれているわけではありません。珪藻土壁紙の説明には「※使用環境により効果は異なります。」という注記もあります(出典:サンゲツ「カビ・結露を抑える調湿タイプ」)。

前の項で見たとおり、珪藻土壁紙はメーカーの案内で水がかかる場所を避けるよう勧められています。洗面所やトイレで調湿の働きを求めるなら、珪藻土壁紙より先に、吸放湿壁紙や通気性壁紙といったほかの調湿タイプを候補にし、品番ごとに使える場所の表示を見本帳で確かめるのが無難です。珪藻土の壁紙の調湿の働きや、選ぶ前の注意点は、珪藻土の壁紙(クロス)の調湿効果は塗り壁と何が違う?サンゲツの案内と選ぶ前の注意点で詳しく扱っています。

グレード(量産品/1000番台)は色・柄の選択肢と価格で選ぶ。機能のある品番はその中にもある

壁紙には、量産品(量産クロス)と1000番台(1000番クロス)というグレードの分け方もあります。水回りに機能のある壁紙を選ぶなら、グレードとの関係も見ておくと見積もりのときに迷いにくくなります。

1000番台は、柄や色の選択肢が多いグレード

量産品は、品番を絞って多く作られている、価格を抑えたグレードの壁紙です。1000番台は、量産品より色や柄の選択肢が多いグレードで、一般に材料の価格帯は量産品より高く設定されています。

1000番台は「機能性の高い壁紙」と紹介されることもありますが、量産品との違いの中心は色や柄の選択肢の多さです。水回りだからといって、必ず1000番台にしなければならないわけではありません。量産品と1000番台の違いや、価格差の考え方は、量産クロスと1000番クロスの違い|価格差は6畳で約1万円、部屋ごとの選び分け方で詳しく扱っています。

汚れ防止・消臭などの機能の品番は、多くが1000番台。量産品にも撥水などの付いた品番がある

汚れ防止や消臭の機能がある壁紙は、多くが1000番台の見本帳に載っています。一方で、量産品の中にも、撥水や表面強化などの機能が付いた品番があります。

費用の面では、1000番台の中から機能のある品番を選ぶ場合は、量産品とのグレードの差が目安になります。材料の価格差は張る面積に応じて変わりますが、実際の見積もりの総額は、施工の条件や頼む範囲などによっても変わります。張り替える場所が決まったら、見積もりのときに「この場所は機能のある壁紙にした場合と、機能を指定しない壁紙にした場合でいくら違うか」を聞いてみると、比べやすくなります。

場所ごとに気をつけたい点が違う

ひとくちに水回りといっても、キッチン・トイレ・洗面所・浴室では、壁の仕上げや気になるものが違います。ここでは場所ごとの要点だけを押さえ、詳しい内容はそれぞれの場所を扱った記事に任せます。

キッチン:コンロ周りはキッチンパネルが一般的。張り替えるのは流し台・食器棚の周り

キッチンのコンロのすぐ後ろや横の壁には、キッチンパネルが貼られていることが一般的で、張り替えの相談でも、そこに壁紙を貼ろうという人はほとんどいません。リリカラも取扱上の注意で、「キッチンのレンジやダウンライトのすぐ近くなど、高温になる場所への使用は避けてください。」と書いています(出典:リリカラ「取扱上の注意」)。

キッチンで壁紙を張り替えるのは、流し台の周りや食器棚の周りの壁が一般的です。洗い物のときの水はねや湯気が当たりやすい場所です。水はねの跡が気になるなら、撥水などの機能がある壁紙も候補になります。キッチンの壁紙の防火の考え方や費用は、キッチンの壁紙張り替えは普通の壁紙でいい?量産壁紙の多くは準不燃、費用は最低料金4万〜6万円が目安で詳しく扱っています。

トイレ・洗面所:水はねと臭いのどちらが気になるかを考えておく

トイレは手洗いのまわりの水はねに加えて、臭いが気になりやすい場所です。洗面所は、洗面台や鏡のまわりに水が付きやすく、洗濯機を置いているなら、そのまわりの壁に水が付くこともあります。浴室と続いている洗面所では、使い方や換気によって湿気が入りやすくなることもあります。

どちらも面積が小さい場所ですが、張り替えの費用は面積だけで決まるわけではなく、その場所だけを頼むか、ほかの部屋とまとめて頼むかなどの条件でも変わります。1室の費用の目安や、下地の状態などで金額が変わる理由は、トイレはトイレの壁紙張り替え費用はいくら?5万円前後の目安と下地補修で追加費用が発生する条件を解説、洗面所は洗面所の壁紙張り替え費用はいくら?4万〜6万円の目安と洗濯機移動で変わる金額を解説で詳しく扱っています。

浴室の中には、ふつうの壁紙は使わない

張り替えの現場では、浴室の中に一般的な室内用の壁紙(クロス)を貼ることはまずありません。浴室の壁は、ユニットバスなら壁パネル、昔ながらのつくりの浴室ならタイルであることが多く、壁紙を貼る前提の壁ではないからです。撥水の壁紙でも、浴室の中に使えるようになるわけではありません。

浴室のとなりの脱衣所・洗面所は、一般的なビニル壁紙で仕上げられる場所です。水はねの跡が気になるなら、撥水などの機能のある壁紙も候補になります。湿気は撥水では防げないので、浴室を使ったあとは換気をして、脱衣所・洗面所に湿気をためないことが大切です。浴室の壁の見た目を変えたいときの方法は、お風呂に使える壁紙はある?浴室にふつうのクロスは貼れない理由と、壁の見た目を変える3つの方法で詳しく扱っています。

張り替えずに水はねから守るなら、保護シートも選択肢になる

キッチンのシンク奥の壁に透明な保護シートを貼った様子。壁の茶色い染みがシートの外から内側へ続いて見えている

まだ張り替えるほどではない壁や、張り替えたばかりの壁を水はねから守りたい場合は、壁紙の上に貼る保護シートという選択肢もあります。ただ、保護シートでできることには限りがあります。ここでは水回りで使う前に知っておきたい点だけを挙げます。

守れるのはこれから付く水はね・汚れ。透明・半透明のシートでは今ある汚れやシミは透けて見える

保護シートは、水はねや汚れが壁紙に直接付かないよう、間に一枚入れておくためのものです。透明や半透明のシートでは、すでに付いている汚れやシミが透けて見えたままになります。今ある汚れを消すものではないので、商品の注意書きに従い、貼る面の汚れや水分を取り除いてから貼ります。

また、湿気のこもりやすい場所では、シートと壁紙の間に湿気がこもることがあります。壁紙メーカーのリリカラは、一般的な注意として「結露は壁紙のシミやカビ、剥がれの原因となります。」と書いています(出典:リリカラ「取扱上の注意」、前出)。水回りに貼った場合は、シートの周りにシミや変色が出ていないかをときどき見てください。保護シートの種類や貼る前の確認、剥がすときの注意は、壁紙の保護シートの選び方|静電気吸着と粘着の2タイプ、貼る前の3つの確認と剥がすときの注意で詳しく扱っています。

粘着タイプは、剥がすときに壁紙を傷めることがある

保護シートのうち、粘着剤で貼るタイプは、剥がすときの壁紙への影響に気をつける必要があります。たとえばカインズのペット向けの粘着シートは、注意書きに「壁紙を傷めないような特殊な粘着剤を使用していますが壁紙の素材、劣化状況により壁紙表面を傷める場合があります。」と書き、「あらかじめ目立たない部分で試してからお貼りください。」と案内しています(出典:カインズ「壁に貼る ひっかき防止シート 壁用再剥離 PETP02SS」)。

壁紙メーカー側も、粘着テープについて注意を促しています。サンゲツは「粘着テープ(セロハンテープ、ガムテープ、シールなど)を壁紙に貼ると、テープの粘着剤が壁紙に移行し変色や汚れの原因となります。」「また粘着テープを剥がすときに壁紙を破損する恐れがあります。」と書いています(出典:サンゲツ「壁紙のメンテナンス(一般ビニル壁紙)」)。リリカラとシンコールも同じように、粘着テープによる変色と、剥がすときの破損に注意を促しています(出典:リリカラ「取扱上の注意」、前出/シンコール「壁紙(クロス)お手入れ」)。これらは保護シートを名指ししたものではありませんが、粘着タイプを使うなら、まず商品の表示でいまの壁紙が貼れる面であることを確かめ、試し貼りが案内されていれば、目立たない場所で試してから貼る範囲を広げてください。

キッチンまわりは、使える場所・耐熱温度・貼れる面の表示を確かめる

キッチンの流し台の周りなどに貼るなら、シートの耐熱温度の表示も見ておきます。たとえばカインズの壁紙を保護するシート(CZWAS-400)は耐熱温度が60℃、先ほどのペット向けのシート(PETP02SS)は約80℃と表示されています(出典:カインズ「貼ってはがせる 壁紙を保護するシート 半透明 CZWAS-400」/カインズ「PETP02SS」、前出)。商品によって表示が違います。コンロのすぐ近くのように高温になる場所は、耐熱温度の数字だけで決めず、その商品が使える場所として案内されているかを注意書きで確かめてください。

あわせて、貼れる面の表示も確かめます。同じCZWAS-400には「土壁・コンクリート・汚れ防止機能の壁紙には貼れません。」とあり、PETP02SSにも「汚れ防止加工、キズ防止加工など表面に特殊加工がしてある壁紙は貼れません。」とあります(出典:カインズ「CZWAS-400」、カインズ「PETP02SS」、前出)。いまの壁紙が汚れ防止などの加工のあるものかどうかは、張り替えたときの見積書や品番の控えが手元にあれば、そこから確かめられます。分からないときは、こうした表示のある商品はその面には貼らないでおくのが無難です。

シートで覆いきれなくなった・壁紙が傷んできたら、張り替えを考える

保護シートは、今の壁紙をもう少し長く使うための手段です。シートで覆いきれない範囲まで水の跡やシミが広がってきた、壁紙そのものに変色やめくれが出てきた、という状態なら、保護シートを続けるか、壁紙を張り替えるかを考える時期に入っているかもしれません。張り替えるときには、ここまでに見た撥水や汚れ防止などの機能のある壁紙を選ぶことも、あわせて検討できます。

水がかかり続けた壁で壁紙がめくれてきた場合は、張り替えの現地調査で下地の状態もあわせて見てもらってください。洗面所の壁で壁紙がめくれてカビが生え、下地の石膏ボードまで傷んでいた例は、【施工事例】神奈川県鎌倉市:浴室裏の洗面所の壁にカビ|石膏ボード・巾木の交換と壁紙1面の張り替えを1日でで紹介しています。

機能のある壁紙を選ぶかどうかの判断軸

ここまで、機能・素材・グレード・場所の順に見てきました。最後に、水回りの壁紙を機能のあるものにするかどうかを、どう考えればよいかを整理します。

選ぶ人は多くないが、気になる理由がはっきりしている場所なら選ぶ価値がある

張り替えの相談を受けていると、撥水や汚れ防止などの機能のある壁紙を選ぶ方は、それほど多くはありません。

一方で、選ぶ方には共通点があります。「洗面台の横の壁に、いつも水はねの跡が残って気になっていた」「トイレの臭いが気になっていた」のように、その場所で困っていたことがはっきりしている、という点です。前の壁紙で困っていたことがあり、その悩みに合う機能の品番が見つかるなら、張り替えの機会に候補にする価値があります。費用の差もあわせて聞いたうえで決めるとよいでしょう。逆に、特に困っていることが無い場所なら、ほかの部屋と同じように、機能を特に指定しないビニル壁紙から選ぶのも自然な選び方です。

迷ったときは、張り替えたい場所ごとに「いま困っていること」を整理してみてください。水はねの跡なのか、臭いなのか、汚れなのかが分かれば、その場所に要る機能があるかどうかを判断しやすくなります。

まとめ

  • 壁紙メーカーのサンゲツとリリカラが、機能から壁紙を選ぶために用意しているページに「防水」という項目は無い。見本帳で水回りの壁紙を探すなら、目印は「撥水」「汚れ防止」「消臭」など。リリカラはそれぞれのおすすめの場所にキッチン・トイレ・洗面廻り・水廻りを挙げている
  • 撥水は水をはじいて拭き取りやすくする機能で、水を通さない壁紙になるわけではない
  • 素材は塩化ビニル壁紙が基本。リリカラは珪藻土・和紙・織物などの素材系の壁紙を水廻りに不向きとし、サンゲツも珪藻土壁紙を直接水分が付く場所に使わないよう勧めている。洗面所・トイレで調湿を求めるなら、珪藻土壁紙より先にほかの調湿タイプを候補にし、使える場所を見本帳で確かめる
  • 1000番台は量産品より色・柄の選択肢が多く、価格帯も上がるグレード。汚れ防止・消臭の品番は多くが1000番台だが、量産品にも撥水などの付いた品番がある
  • キッチンはコンロ周りがキッチンパネルで、張り替えるのは流し台・食器棚の周り。浴室の中にはふつうの壁紙は使わない
  • 張り替えずに守るなら保護シートもあるが、守れるのはこれから付く汚れで、透明・半透明のシートでは今ある汚れは透けて見える。粘着タイプは剥がすときに壁紙を傷めることがあり、汚れ防止加工の壁紙など貼れない面もある。キッチンまわりでは使える場所・耐熱温度・貼れる面の表示を確かめ、貼ったあともシートの周りにシミや変色が出ていないかを見る。水がかかり続けて壁紙がめくれてきたら、張り替えの現地調査で下地の状態も見てもらう
  • 機能のある壁紙を選ぶ人は多くないが、困っていることがはっきりしている場所なら、悩みに合う機能と費用の差を確かめたうえで候補にする価値がある

水回りの壁紙は、「防水」という名前で探すより、ビニル壁紙の中から、その場所で困っていることに合った機能を選ぶ、と考えると選びやすくなります。現地調査・見積もりを頼むときに、その場所と気になっていることを伝え、機能のある壁紙が載った見本帳もあわせて見せてもらうと、その場で候補を比べられます。まずは電話か問い合わせフォームで、張り替えたい場所を伝えてみてください。

洗面所・キッチン・トイレなど、水回りの壁紙を張り替えたい方は、張り替えたい場所と、水はねや臭いなど気になっていることを電話や問い合わせフォームでお伝えください。撥水や汚れ防止などの壁紙を見てみたい方は、そのこともあわせてお伝えください。見積もり・現地調査は無料です。

電話が難しい方はでもご相談いただけます。

この記事の執筆者

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氏名:松田郁幾
実績:壁紙張り替えを中心に、これまで多くのお客様・職人と関わってきました。
この記事について:現場で見聞きした実例をもとに、誇張せず、実践的な視点で解説しています。

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