
長く暮らしてきた部屋の壁紙が古びてきたので、張り替えを考えている。今と同じ白にしておくのが無難だとは思うけれど、せっかくなら少し色のある、落ち着いた壁にしてみたい。そんなときに目にとまるのが、グレージュという色です。ただ、今の床やドアに合うのか、部屋が暗くならないか、見本帳で見た色と貼ってからの印象が違わないか、気になる点もあると思います。
先に結論をお伝えします。グレージュは、グレーとベージュを掛け合わせた色で、グレーの落ち着きとベージュのやわらかさをあわせ持っています。壁紙メーカーのサンゲツやリリカラも、さまざまな床材や樹種と合わせやすい色として紹介しており、張り替えでも選びやすい色です。ただし、部屋全体に貼るなら明るめのトーンを選ぶこと、見本は貼る予定の壁に当てて、実際に使う照明の下で確かめることの2つは、メーカー自身が勧めているポイントです。
グレージュを使う範囲を、部屋全体にするのか1面だけにするのかを先に考えておくと、見本帳で選ぶ色のトーンも決めやすくなります。
この記事を読むと、次のことが分かります。
- グレージュとはどんな色か(グレーとベージュの中間の色で、壁紙メーカーも特集ページを設けて紹介している)
- 床・建具との合わせ方(さまざまな樹種の床と合わせやすいこと、迷ったときは床やドアの色を基準にする考え方)
- 見本帳と壁一面での見え方の違い(色そのものは見本より明るく淡く見えることがある/部屋全体に使うなら明るめのトーン/照明の色でグレー寄りにもベージュ寄りにも見える)
- 1面だけ使う場合と部屋全体に使う場合の違いと、迷っているときの見積もりの取り方
- 汚れの目立ち方と、汚れやキズへの強さの考え方
読み終えるころには、「グレージュが気になるけれど、うちの部屋に合うか分からない」という迷いが、「この部屋のこの範囲を、このくらいの明るさのグレージュにしたい」という具体的な相談に変わっているはずです。
グレージュの壁紙が今の床やドアに合うか、部屋全体と1面だけのどちらにするか迷っている方は、電話でお尋ねください。お部屋の様子やご希望の雰囲気を伺ったうえで、見本帳を使った選び方をご案内します。見積もり・現地調査は無料です。
電話が難しい方はメールでもご相談いただけます。
グレージュとは?グレーとベージュを掛け合わせた、合わせやすい色
グレージュという名前は、グレーとベージュを合わせた呼び方です。白やアイボリーの壁に慣れていると、色のついた壁紙は思い切った選択に見えるかもしれません。まずは、グレージュがどんな性格の色なのかを確かめておきます。
グレーの落ち着きと、ベージュのやわらかさをあわせ持つ
サンゲツは、グレージュについて「グレーとベージュを掛け合わせた色のことです。グレーのクールでモダンなイメージと、ベージュのやわらかく清潔なイメージが相まって、幅広い空間にお使いいただけるバランスの良い色味の壁紙です」と説明しています(出典:サンゲツ「グレージュの壁紙でシンプル&おしゃれなお部屋に! おすすめコーディネートを紹介」)。リリカラも、グレーの「モダンでクールな印象」と、ベージュの「親しみやすさや柔らかさ」を併せ持った「ニュアンスカラー」と書いています(出典:リリカラ「人気のグレージュでおしゃれに!グレージュ壁紙(クロス)の部屋別インテリアコーディネートと選ぶ時のポイント」)。
グレーだけだと、部屋によっては少し冷たく、硬い印象になることがあります。ベージュだけだと、やわらかい反面、ぼんやりとした印象になることもあります。グレージュは、その両方の間にある色です。グレーほど冷たくなく、ベージュほど甘くない。どちらか一方の色に寄りすぎないので、部屋の雰囲気を大きく変えすぎずに、白い壁とは違う落ち着きを出せるのが特徴です。ピンクにも、グレーやベージュが混ざって甘さを抑えた「くすみピンク」「ピンクベージュ」と呼ばれる色があり、大人の部屋に取り入れるときの選び方は、ピンクの壁紙は大人の部屋に合う?くすみピンクの選び方|床との合わせ方と、見本は壁に当てて確かめるで詳しく扱っています。グレージュやくすみピンクのように、グレーを含んだような落ち着いた色は「くすみカラー」とまとめて呼ばれることがあり、どんな色がその仲間に入るかや、パステルカラーとの違いは、くすみカラーの壁紙とは?パステルカラーとの違いと、見本帳で確かめるときの見方、1面か部屋全体かの決め方で整理しています。
ひと口にグレージュといっても、グレーに近いもの、ベージュに近いもの、明るいもの、濃いものと幅があります。見本帳で「グレージュ」と呼ばれる色を何枚か並べてみると、同じ名前でも印象がかなり違うことに気づくはずです。どのグレージュを選ぶかは、この後の章で触れる床の色や、使う範囲、照明によって変わってきます。見本を並べて比べるうちに、グレージュよりもグレーやベージュそのものに近い色が気になってきた場合は、それぞれの床との合わせ方や見本の確かめ方を、グレーの壁紙の選び方|床との合わせ方と、部屋全体なら淡い色から・見本は壁に当てて確かめるとベージュの壁紙の選び方|アイボリーとの違いと、床との合わせ方・見本は壁に当てて確かめる・1面か部屋全体かの決め方で扱っています。
壁紙メーカーも特集ページを設けて紹介している
サンゲツもリリカラも、グレージュの壁紙だけを取り上げたページを設け、コーディネート例や選び方を紹介しています。リリカラは「近年アクセントクロスだけではなく、部屋の壁全面に貼るベースクロスとしても人気なのがグレージュの壁紙です」と書いています(出典:リリカラ「人気のグレージュでおしゃれに!グレージュ壁紙(クロス)の部屋別インテリアコーディネートと選ぶ時のポイント」、前出)。グレージュやグレーが、壁紙メーカーの見本帳の紹介や注文数のランキングでどのように挙がっているかと、その2つの情報の性質の違いは、壁紙の人気の色は?メーカー3社の公式情報で見るグレー・グレージュと、床やドアに合わせた確かめ方で整理しています。
サンゲツは、グレージュが「ナチュラル、モダン、和風、北欧テイストといった人気のテイストをはじめ、昨今注目されているジャパンディスタイルとも合わせやすい」と書いています(出典:サンゲツ「グレージュの壁紙でシンプル&おしゃれなお部屋に! おすすめコーディネートを紹介」、前出)。特定の雰囲気に寄せた色ではなく、いろいろな部屋になじませやすいことが、選ばれている理由の一つだと考えられます。
両社のページでは、リビングや寝室だけでなく、洗面所やトイレ、キッチンの壁の一部に使う例も紹介されています。グレージュは、さまざまな部屋で候補にしやすい色だといえます。
床・建具との合わせ方
壁紙の張り替えでは、床やドア、窓枠、収納の扉は、多くの場合そのまま残ります。グレージュを選ぶときも、今ある床や建具と並べたときにどう見えるかが、仕上がりの印象を左右します。
さまざまな床材・樹種と合わせやすい
リリカラは、グレージュは「ベージュの色味が入っているため、住宅の床材として使われることが多いフローリングと相性が良く、明るい色合いのメイプルやオーク、深い色合いのウォールナットなど、さまざまな樹種とよく合います」と書いています(出典:リリカラ「人気のグレージュでおしゃれに!グレージュ壁紙(クロス)の部屋別インテリアコーディネートと選ぶ時のポイント」、前出)。サンゲツも、「さまざまな床材やインテリアと合わせやすいため、コーディネートの幅が広がる点がメリットです」と書き、コーディネート例として、比較的明るい色味の床材や、白っぽい木目の床材と組み合わせた部屋を挙げています(出典:サンゲツ「グレージュの壁紙でシンプル&おしゃれなお部屋に! おすすめコーディネートを紹介」、前出)。
明るい木目の床と合わせれば、床のやわらかさを引き立てながら、白い壁より少し落ち着いた印象になります。ウォールナットのような濃い色の床には、落ち着いたトーンのグレージュを合わせると、まとまりのある印象にしやすくなります(部屋全体に使う場合は、次の章で触れるとおり、その中でも明るめのトーンから選ぶと重たくなりにくくなります)。幅広い床の色に合わせやすいことは、床をそのまま残す張り替えでは心強い点です。
ただ、「合わせやすい」は「どれを選んでも同じように合う」という意味ではありません。床の色に合わせて壁紙の色を考えるという一般的な考え方に当てはめると、グレー寄りのグレージュは、グレーがかった床や濃い床と合わせるとすっきりまとまりやすく、ベージュ寄りのグレージュは、黄みや赤みのある木目の床となじみやすいと考えられます。グレージュの中でもどちらに寄った色かで、なじむ床が変わってくるということです。今の床の木目を近くで見て、赤っぽいのか、黄色っぽいのか、グレーがかっているのかを確かめておくと、見本帳で候補を絞りやすくなります。
迷ったら、床やドアの色を基準に考える
床だけでなく、ドアや窓枠、収納の扉、巾木(壁の下端に付いている細い板)も、壁紙と接しています。床とドアが同じような色なら、その色に合わせて考えれば済みます。床とドアの色が違う場合は、部屋に入ったときに目に入りやすいほうを優先して考えると決めやすくなります。
サンゲツは、床やドアの色調に合わせて壁紙の基本色を考えることを勧めています(出典:サンゲツ「壁紙選びのポイント」)。グレージュに限らず、床の色ごとにどの系統の色が合うか、家具やカーテンを含めた色の数をどう抑えるか、といった色選びの全体像は、壁紙の色の選び方は床とドアの色が基準|グレー・ベージュ・白の合わせ方と見本帳での4つの確認で詳しく整理しています。
グレージュを候補にしている場合も、まずは床やドア、これからも使う家具の色をスマートフォンで写真に撮っておきましょう。見本帳を見るときに見比べられるだけでなく、問い合わせのときに写真を見せながら相談すると、どのあたりのグレージュから見ればよいかが早く決まります。
見本帳と壁一面での見え方の違い

グレージュは、グレーとベージュの間にある繊細な色です。そのぶん、見本帳の小さな見本で見たときと、壁一面に貼ったときとで、印象が変わったと感じやすい色でもあります。見え方が変わる理由と、確かめ方を見ていきます。
色そのものは、見本より明るく淡く見えることがある
サンゲツは、グレージュの特集ページで「カタログなどで確認した色合いと、実際の壁紙から受ける印象が異なるケースもめずらしくありません」と書いています(出典:サンゲツ「グレージュの壁紙でシンプル&おしゃれなお部屋に! おすすめコーディネートを紹介」、前出)。リリカラも、「カタログに貼ってある小さなサンプルで見たときの色味と、大きな面積に貼った場合、色味の感じ方が変わることがあります」と書いています(出典:リリカラ「人気のグレージュでおしゃれに!グレージュ壁紙(クロス)の部屋別インテリアコーディネートと選ぶ時のポイント」、前出)。
見え方が変わる向きについて、サンゲツは壁紙選びの基本を案内するページで「カタログで見るより実際の仕上がりは明るく、淡く見えることがあります」と書いています(出典:サンゲツ「壁紙選びのポイント」、前出)。色そのものは、見本で見るより壁一面に貼ったときのほうが、明るく淡く見えることがあるということです。グレージュでも、見本で「ちょうどいい落ち着き」と思った色が、壁一面では白っぽく、色みが薄く見えることがあります。せっかく色のある壁にしたのに、貼ってみたら白い壁とあまり変わらなかった、と感じることがあるのは、この見え方の違いのためです。
見本と壁一面で色の見え方が違う理由や、大きなサンプルの取り寄せ方といった一般的な話は、壁紙のサンプルと実際の色はなぜ違う?メーカーが説明する「面積効果」と、見本帳の見方・サンプルの取り寄せ方で詳しく扱っています。グレージュを選ぶときは、ここから先の2つ、部屋全体に使うときのトーンの選び方と、照明による見え方の違いを押さえておきましょう。
部屋全体に使うなら、明るめのトーンを選ぶ
色そのものは見本より淡く見えることがある一方で、部屋全体の印象は別の話です。サンゲツは、「グレージュの壁紙をお部屋全体に貼る場合は、明るめの色味を選ぶと空間が暗く感じにくくなります。グレージュは落ち着いた色味のため、暗めの色を部屋全体に使うと、想像以上に重たい印象になってしまうことがあります」と書いています(出典:サンゲツ「グレージュの壁紙でシンプル&おしゃれなお部屋に! おすすめコーディネートを紹介」、前出)。
リリカラも、部屋の全面の壁に貼るベースクロスにする際は「明るめのトーン(色調)のグレージュを選択すると、暗く感じにくくおすすめです」と書いたうえで、「(ただし、白い壁紙に比べると、グレージュの壁紙は暗く感じる場合があります。)」と添えています。「明るさの感じ方は人によって異なる」ことにも触れ、大きなサンプルを取り寄せて確かめることを勧めています(出典:リリカラ「人気のグレージュでおしゃれに!グレージュ壁紙(クロス)の部屋別インテリアコーディネートと選ぶ時のポイント」、前出)。
つまり、色そのものは見本より淡く見えることがあっても、暗めのグレージュを4面すべてに使えば、部屋全体としては重たい、暗い印象になることがあります。そして明るめのトーンを選んでも、白い壁紙に比べると暗く感じる場合があります。グレージュを部屋全体に使うなら、今の白い壁より少し暗く感じるかもしれないことを前提に、その落ち着きを好ましいと感じられるかで考えるとよいでしょう。窓が小さい部屋や北側の部屋のように、もともと暗く感じやすい部屋では、明るめのトーンを候補にし、なるべく大きな見本で確かめるとよいでしょう。
張り替えの現場では、見本帳で同じ系統の色の濃さに迷ったときは、少し濃いほうを選ぶとよい、とよく言われます。壁一面では見本より淡く見えることがあるためで、これは同じ系統で濃さの違う2つの候補のうち濃いほうを選ぶ、という意味です。部屋全体に使うグレージュなら、まず明るめのトーンの中から候補を絞り、その中で迷ったら少し濃いほうを選ぶ、という順で考えると、両方の注意を生かせます。
小さな見本だけで決めきれないときは、大きなサンプルを取り寄せられるかを業者に聞いてみる方法もあります。ただし、取り寄せには手数料がかかったり、対応していなかったりすることもあるので、見積もりのときに確かめてみてください。
照明の色によって、グレー寄りにもベージュ寄りにも見える
グレージュならではの注意として、照明の色による見え方の変化があります。リリカラは、グレージュの壁紙を選ぶときのポイントの一つめに「実際の照明の色のもとでサンプルを確認する」を挙げ、次のように書いています。「電球色の照明はオレンジがかった温かい光色のため、ベージュ寄りの温かさが強調されます」「昼光色の照明は白っぽく青みがかったさわやかな光色のため、グレー寄りのクールな側面が強くなります」(出典:リリカラ「人気のグレージュでおしゃれに!グレージュ壁紙(クロス)の部屋別インテリアコーディネートと選ぶ時のポイント」、前出)。
グレーとベージュの両方の性格を持っている色だからこそ、光の色によって、どちらの面が強く出るかが変わります。昼間に窓からの光で見て「ちょうどいいグレー寄り」と思った色が、夜に電球色の照明をつけると、思っていたよりベージュっぽく見える、ということが起こり得ます。
リリカラは、「リフォームの場合は実際に使用する照明のもとで」サンプルを見ることを勧めています(出典:同上)。張り替えなら、今の部屋の照明がそのまま使えるので、確かめやすい条件がそろっています。見本は机の上で眺めるのではなく、貼る予定の壁に当てて、昼の光と、夜に照明をつけたときの両方で見てみてください。サンゲツも、サンプルを「壁に当てた状態で見るなど、実際の色味や光の加減による見え方を確認しておくこと」を勧めています(出典:サンゲツ「グレージュの壁紙でシンプル&おしゃれなお部屋に! おすすめコーディネートを紹介」、前出)。そのうえで、その部屋を主に使う時間帯の光を、特に重視して見ておくと安心です。
1面だけ使うか、部屋全体に使うか

グレージュを使う範囲は、大きく分けて、1面だけに使う方法と、部屋全体に使う方法があります。サンゲツもリリカラも、どちらの使い方も紹介しています。どちらが正解ということはなく、どのくらい部屋の雰囲気を変えたいか、どのくらいの明るさを保ちたいかで向き不向きが分かれます。
1面だけ(アクセントクロス)に使う場合
部屋の壁の一部に、ほかの面とは違う色や柄の壁紙を貼る方法を、アクセントクロスと呼びます。サンゲツは、「濃い色のグレージュや個性的な質感・テクスチャーの壁紙は、アクセントクロスとして一面または一部分だけ取り入れることで、違和感なく溶け込むケースも多いでしょう」と書いています。また、「グレージュの壁紙はアイボリーやベージュとの相性も良いため、たとえばベースカラーにはアイボリーの壁紙、アクセントクロスにグレージュを取り入れるのもおすすめの組み合わせです」とも書いています(出典:サンゲツ「グレージュの壁紙でシンプル&おしゃれなお部屋に! おすすめコーディネートを紹介」、前出)。
1面だけなら、残りの面が明るい色のまま残るので、部屋全体が暗くなりすぎる心配が小さくなります。部屋全体には少し濃すぎると感じるグレージュや、塗り壁風・石目調のような質感のあるグレージュも、1面に絞れば取り入れやすくなります。リリカラも、リビングの壁の一面にグレージュの塗り壁風やモルタル風の壁紙を貼る例や、洗面所のミラーの背面、トイレの便器の背面・側面にグレージュを貼る例を紹介しています(出典:リリカラ「人気のグレージュでおしゃれに!グレージュ壁紙(クロス)の部屋別インテリアコーディネートと選ぶ時のポイント」、前出)。
反対に、明るく淡いグレージュを、白やアイボリーの壁の中の1面だけに使うと、まわりの壁との差が小さく、アクセントとしては目立ちにくいことがあります。1面に使うなら、まわりの壁との違いが分かる濃さかどうかも、見本を壁に当てて確かめておきましょう。
また、1面だけにしておけば、あとから気持ちが変わったときも、張り直すのはその1面で済みます。ただし、何年かたってから1面だけを新しく貼ると、隣の面は年数がたった壁紙なので、色の差が出ることがあります。
どの壁を選ぶか、どのくらいの面積にとどめるか、色の数をどう抑えるかといった、1面だけ色を変えるときの考え方とよくある失敗は、アクセントクロスの失敗例は3つ|面積は壁の2〜3割・色は3色まで、見本帳は少し濃いめを選ぶで詳しく扱っています。グレージュではなく、白をベースに黒やグレーを1面に入れて、白・黒・グレーでまとめたい場合の、床や家具も含めた色の数の考え方は、モノトーンの壁紙の選び方|白をベースに黒・グレーは1面から、色は床や家具も含めて3色まで、見本帳での確かめ方で整理しています。
部屋全体に使う場合
部屋全体をグレージュにすると、白い壁とは違う落ち着いた雰囲気が、部屋全体に広がります。部屋の印象をしっかり変えたい、明るすぎない、やわらかな空間にしたい、という場合には、部屋全体に使う選び方もあります。リリカラは、グレージュをベースクロスとして壁全面に貼る場合のポイントとして、アクセントカラーを足すときは「ベースクロスとトーン(明るさや鮮やかさ)を揃え、使いすぎないことがポイントです」と書いています(出典:リリカラ「人気のグレージュでおしゃれに!グレージュ壁紙(クロス)の部屋別インテリアコーディネートと選ぶ時のポイント」、前出)。
部屋全体に使うときに先に考えておきたいのは、前の章で触れた明るさです。明るめのトーンを選ぶこと、それでも白い壁紙に比べると暗く感じる場合があること、夜の照明の下でも暗く感じないかを見本で確かめること。この3つを押さえておけば、暮らし始めてからの「思っていたより暗い」を減らせます。
天井の色も考えておきましょう。壁をグレージュにしても、天井が十分に明るい白さを保っている場合や、天井も新しい白い壁紙に張り替える場合は、天井を壁より明るくしやすいので、明るさを残しやすく、圧迫感を抑える一つの方法になります。ただ、長く住んだ部屋では天井の壁紙も年数がたって色が変わっていることがあり、壁だけが新しくなると、天井の古さがかえって目立つこともあります。天井を白で一緒に張り替えるかどうかも、あわせて考えておくとよいでしょう。天井の色まで変える場合も、天井を一緒に張り替えることになります。天井を壁と同時に張り替える場合と、後から天井だけを頼む場合とで費用のかかり方がどう違うかは、クロス張り替えで天井もやるべき?壁と同時なら追加2万円、後回しは割高になる理由で詳しく扱っています。天井に1000番台の壁紙を選ぶと、天井の面積の分だけ量産品との材料の差が加わるので、差額は見積もりで確かめてください。
迷っているなら、見積もりの段階で両方を聞く
1面だけにするか、部屋全体にするかは、見本帳を見て、費用を見比べてから決めても遅くありません。大切なのは、迷っていることを問い合わせの段階で伝えておくことです。
壁紙の張り替えは、職人が現場に来て、養生をし、道具を広げて片づけるまでの手間が、1面でも1部屋でもそれほど変わりません。そのため、1面だけの工事でも最低料金がかかり、多くの業者は最低料金を4万〜6万円程度に設定しています。部屋全体を白で張り替えたあとで「やはり1面だけグレージュにしたい」と頼み直すと、この最低料金がもう一度かかることになります。部屋全体を張り替えるついでに1面だけ色を変えるなら、職人が来る回数は1回で済みます。
ですから、グレージュを少しでも考えているなら、見積もりを頼む段階で「この部屋はグレージュも考えている」「この1面だけ色を変えるかもしれない」と伝えておきましょう。白のままの場合、1面だけグレージュにする場合、部屋全体をグレージュにする場合と分けて金額を聞いておけば、見た目と費用の両方を並べて決められます。一緒に暮らす方と相談して決める場合も、選択肢ごとの金額がそろっていると話がしやすくなります。
見本帳は、業者が現地調査のときに持ってきてくれるのが一般的です。グレージュの見本を見たい、という希望を問い合わせの段階で伝えておくと、その系統の色が載っている見本帳を持ってきてもらいやすくなります。
汚れの目立ち方と、汚れ・キズへの強さ
張り替えるなら、汚れが目立ちにくい色にしたい、と考える方もいると思います。グレージュと汚れの関係は、「汚れの目立ち方」と「汚れの落としやすさ・キズへの強さ」を分けて考えると整理しやすくなります。
白い壁より、汚れが目立ちにくいと言われる
サンゲツは、「グレージュの壁紙は汚れが目立ちにくいことも、人気の理由の1つです。色が入っているため、白い壁紙と比べて汚れた部分が際立つのを防ぐ効果が期待できます」と書いています(出典:サンゲツ「グレージュの壁紙でシンプル&おしゃれなお部屋に! おすすめコーディネートを紹介」、前出)。リリカラも、「白やアイボリーに比べると汚れが目立ちにくい点も人気の理由の一つです」と書いています(出典:リリカラ「人気のグレージュでおしゃれに!グレージュ壁紙(クロス)の部屋別インテリアコーディネートと選ぶ時のポイント」、前出)。
ここで両社が比べているのは、白やアイボリーの壁紙です。真っ白な壁では、手が触れた跡や、うっすらとした黒ずみが、背景との差で目に入りやすくなります。色の入ったグレージュの壁では、その差が小さくなるので、汚れが際立ちにくくなる、ということです。サンゲツも「効果が期待できます」「傾向がある」という書き方で、汚れがまったく見えなくなるとは書いていません。
注意したいのは、これは汚れが「目立ちにくい」という見え方の話で、汚れが「付きにくい」わけではない、という点です。色だけで汚れの付きにくさが決まるわけではなく、グレージュの壁でも汚れは付きます。目立ちにくいぶん気づくのが遅れ、気づいたときには落ちにくくなっていた、ということもあり得ます。手がよく触れるスイッチまわりやドアの近くは、色にかかわらず、ときどき様子を見ておくと安心です。
汚れの落としやすさ・キズへの強さは、表面の加工で選ぶ
汚れが落としやすいか、キズが付きにくいかは、壁紙の色ではなく、表面の加工など、品番ごとの機能によって変わります。たとえばサンゲツは、汚れに強い壁紙の一つ「スーパークリーン」を「UVの約1,000倍のエネルギーを持つ電子線(EB)を表面に照射した、高機能壁紙です」と説明しています(出典:サンゲツ「スーパークリーン」)。キズに強い「スーパー耐久性」は、「エバール®フィルムの強度とキズがつきにくい表面構造」によって耐久性を高めた壁紙と説明されています(出典:サンゲツ「スーパー耐久性」)。どちらのページにも、試験結果は「測定値であり、保証値ではありません」と書かれており、汚れやキズがまったく付かない壁紙というわけではありません。
グレージュの特集ページでも、サンゲツは、汚れ防止や撥水などの機能が備わった機能性壁紙を選ぶことで、さらにお手入れがしやすくなると書いています(出典:サンゲツ「グレージュの壁紙でシンプル&おしゃれなお部屋に! おすすめコーディネートを紹介」、前出)。ただし、ページで紹介されている機能は、それぞれの品番が持つ特長です。グレージュという色を選べば汚れに強くなる、ということではありません。
色は床とのなじみと好みで選び、汚れやキズへの強さは表面の機能で選ぶ、と分けて考えるとよいでしょう。キッチンのそばの壁や、手の触れやすい場所、ペットのいる部屋など、汚れやキズが気になる理由がはっきりしている場所があるなら、見本帳を見るときに「この場所は汚れが拭き取りやすいものから選びたい」と伝えておくと、最初から機能のある品番の中でグレージュを探せます。機能を選ぶと選べる色・柄の範囲が限られることもあるので、色と機能のどちらを優先するかも、あわせて考えておきましょう。規格で「汚れ防止」とされる壁紙が、どんな汚れをどこまで落とせるように作られているのかは、壁紙の汚れ防止はどこまで落ちる?規格の試験は4つの汚れだけ、油汚れ・ヤニ・手垢は対象外で詳しく扱っています。
まとめ
グレージュの壁紙について、ポイントを整理します。
- グレージュは、グレーとベージュを掛け合わせた色。グレーの落ち着きとベージュのやわらかさをあわせ持ち、サンゲツ・リリカラも特集ページを設けて紹介している
- さまざまな床材・樹種と合わせやすい(リリカラはメイプル・オーク・ウォールナットを例に挙げている)。グレー寄りかベージュ寄りかでなじむ床が変わるので、床やドアの色を写真に撮って見本と見比べる
- 色そのものは、見本より壁一面のほうが明るく淡く見えることがある。一方で、暗めのグレージュを部屋全体に使うと、重たい印象になることがある
- 部屋全体に使うなら明るめのトーンを選ぶ(サンゲツ・リリカラ)。それでも白い壁紙に比べると暗く感じる場合がある(リリカラ)。明るめの候補の中で濃さに迷ったら、張り替えの現場では少し濃いほうがよいと言われる
- 照明の色で見え方が変わり、電球色ではベージュ寄り、昼光色ではグレー寄りに見える(リリカラ)。見本は貼る壁に当て、昼の光と夜の照明の両方で確かめる
- 1面だけなら濃いめや質感のあるグレージュも取り入れやすく、部屋全体なら落ち着いた雰囲気が広がる。迷っているなら、見積もりの段階で両方の金額を聞いておく
- 白い壁より汚れが目立ちにくいと言われるが、汚れが付きにくいわけではない。汚れの落としやすさやキズへの強さは、色ではなく表面の加工など品番ごとの機能で選ぶ
グレージュは、張り替えで白い壁から少し雰囲気を変えたいときに、取り入れやすい色です。まずは、グレージュを使いたい部屋と、部屋全体にするか1面だけにするかの見当をつけ、床やドアの色を確かめてみてください。そのうえで、電話か問い合わせフォームで「グレージュの見本も見たい」と伝え、迷っている点があればそれも添えて、現地調査を申し込んでみてください。
グレージュの壁紙に張り替えてみたい方は、電話か問い合わせフォームでご相談ください。現地調査のときに、グレージュの壁紙が載った見本帳をお部屋の壁に当てて、床やドアとのなじみ方や、部屋全体と1面だけでの見え方を確かめられるよう進めます。費用の違いも、見積もりでお伝えします。見積もり・現地調査は無料です。
電話が難しい方はメールでもご相談いただけます。
この記事の執筆者

氏名:松田郁幾
実績:壁紙張り替えを中心に、これまで多くのお客様・職人と関わってきました。
この記事について:現場で見聞きした実例をもとに、誇張せず、実践的な視点で解説しています。



