
長く暮らしてきた部屋の壁紙が、汚れや黄ばみで古びてきた。張り替えるなら今と同じ白が無難だとは思うけれど、せっかくなら寝室や書斎に使っている部屋くらいは、黒やネイビーのような落ち着いた濃い色にしてみたい。ただ、部屋が暗くならないか、汚れが目立たないか、次に張り替えるのは何年も先なので失敗はしたくない。そんなふうに迷っている方もいると思います。
先に結論をお伝えします。黒やネイビーなど濃い色の壁紙は、住まいの張り替えでも使えます。ただし、白い壁紙と同じ感覚で選ぶと困りやすい点が3つあります。部屋全体に使うと暗く狭く感じやすいこと、ホコリのような白っぽい汚れが目立ちやすいこと、そして強くこすったり濡れたものを押し当てたりすると表面の色が落ちることがあることです。最後の点は、壁紙メーカーのサンゲツがメンテナンスの資料で「濃色の壁紙」の注意として挙げています。
この3つを知ったうえで、濃い色を部屋全体に使うのか、1面だけにとどめるのか、見本帳で色を選ぶ前に見当をつけておくと、失敗はぐっと避けやすくなります。色そのものは、見本帳の見本を貼る予定の壁に当て、昼と夜の光で見てから決めると判断しやすくなります。
この記事を読むと、次のことが分かります。
- 黒・ネイビーなど濃い色の壁紙で気をつけたい3つのこと(暗く狭く感じやすい/ホコリなど白っぽい汚れが目立ちやすい/こすったり濡らしたりすると色が落ちることがある)
- 部屋全体に使う場合と、1面だけ(アクセントクロス)にとどめる場合の違いと、迷っているときの見積もりの取り方
- 床やドア、家具の色との合わせ方と、見本帳で濃い色を確かめるときのポイント(量産品では選べる品番が限られること、昼と夜の光で見ること、濃さで迷ったときの考え方)
読み終えるころには、「濃い色にしたら失敗しそう」という漠然とした不安が、「この部屋のこの範囲を、こんな色にしたい」という具体的な相談に変わっているはずです。
黒やネイビーなど濃い色の壁紙を、どの部屋のどこまでに使うか迷っている方は、電話でお尋ねください。お部屋の様子やご希望の色を伺ったうえで、見本帳を使った選び方をご案内します。見積もり・現地調査は無料です。
電話が難しい方はメールでもご相談いただけます。
黒・ネイビーなど濃い色の壁紙で、気をつけたい3つのこと

住まいの壁紙は、白やアイボリーのような明るい色が中心です。濃い色の壁紙は、その明るい壁に慣れた目で見ると、思っていた以上に印象が変わります。選ぶ前に知っておきたいのは、次の3つです。
部屋が暗く、狭く感じやすい
壁紙メーカーのサンゲツは、床・壁・天井の色のバランスについて「①床→②壁→③天井の順に、上にいくほど明るくすると天井が高く広く感じられます。逆に、天井を一段暗くすると、空間に落ち着きがでます」と書いています(出典:サンゲツ「壁紙選びのポイント」)。
多くの住まいは、床が木目の茶系、壁と天井が白系で、床がいちばん暗く、上にいくほど明るい形になっています。ここで壁を黒やネイビーにすると、壁が床より暗くなることも珍しくありません。サンゲツが示している「上にいくほど明るく」とは反対の向きになるので、壁を濃い色にした部屋は引き締まって落ち着いた印象になる一方、広さを感じにくくなります。壁は部屋の中でいちばん面積が広い場所なので、色の影響もそれだけ大きく出ます。
もう一つ、見本と壁一面の違いにも触れておきます。サンゲツは、最初に引いた「壁紙選びのポイント」のページで「カタログで見るより実際の仕上がりは明るく、淡く見えることがあります」とも書いています(出典:サンゲツ「壁紙選びのポイント」、前出)。色そのものは、黒やネイビーでも見本より少し薄く見えることがあります。ただ、色が薄く見えることと、部屋全体が明るく感じられることは別の話です。暗めの色を広い面に使えば、色そのものが見本より薄く見えたとしても、部屋全体としては暗い印象になることがあります。
窓が小さい北側の部屋や、昼間でも照明をつけることが多い部屋では、この暗さがより強く出やすくなります。濃い色を考えている部屋が、昼間にどのくらい明るいかを一度見ておくと、判断の材料になります。
ホコリなど、白っぽい汚れが目立ちやすい
ホコリが壁に付くこと自体は、壁紙の色に関係なく起きます。サンゲツはメンテナンスの資料で「ホコリや塵等は帯びている静電気により壁に付着する性質があります」と書き、冷蔵庫やテレビ、電子レンジなどの家電と壁紙のあいだに空間の余裕をとるよう勧めています。静電気で埃が付着しやすくなり、壁紙が汚れる原因になるためです(出典:サンゲツ「壁紙のメンテナンス(一般ビニル壁紙)」)。これは濃い色に限った話ではなく、壁紙全般についての注意です。
そのうえで、目立ち方は色で変わります。ここからは壁紙メーカーの説明ではなく、見え方の一般論です。ホコリは灰色や白っぽい色をしているので、白い壁の上では背景になじんで目に入りにくい一方、黒やネイビーの壁の上では色の差が大きくなり、目につきやすくなります。テレビの裏や家電のまわり、壁と床の境目のように、ホコリがたまりやすい場所ほど差が出ます。反対に、白い壁で気になりやすい黒っぽい汚れは、濃い色の壁では目立ちにくいことがあります。汚れが「付きやすくなる」のではなく、汚れの種類によって「目立ち方が変わる」と考えておくと整理しやすくなります。
ふだんの手入れについては、サンゲツは「こまめにハタキ掛けや乾いた布等での拭き取りをおすすめします」と書いています(出典:同上)。濃い色の壁にするなら、乾いた布やハタキでホコリを払う手入れを、白い壁のときより少しまめに行うつもりでいると、見た目を保ちやすくなります。
強くこすったり濡れたものを当てたりすると、色が落ちることがある
3つめは、濃い色の壁紙ならではの注意です。サンゲツは同じ資料の一般注意事項に「濃色の壁紙」という項目を設け、「過度に擦ったり水分を含んだものを押し当てた場合、表面の色が落ちたり色が移るおそれがあります」と書いています(出典:サンゲツ「壁紙のメンテナンス(一般ビニル壁紙)」、前出)。
白い壁紙なら、汚れを落とそうと少し強めにこすっても、色の変化としては気づきにくいものです。濃い色の壁紙では、こすった部分の表面の色が薄くなると、周りとの差がそのまま見えてしまいます。汚れを落とすつもりで拭いたのに、拭いた跡のほうが目立つ、ということが起こり得ます。
あわせて、サンゲツは「衝撃・摩擦」の項目で「壁紙に過度な衝撃や摩擦等を加えた場合、キズや破れ、表面の凹凸が復元しない場合があります」とも書いています(出典:同上)。こちらは色を限定しない注意ですが、家具を動かすときに壁をこすった跡なども、濃い色の壁では周りとの差として目につきやすくなることがあります。
濃い色の壁を掃除するときは、強くこすらない、濡らした布を押し当てたままにしない、の2つを覚えておくと安心です。拭き掃除をするなら、目立たない場所で色が変わらないかを先に試してから、軽い力で拭くようにしましょう。水拭きの仕方は壁紙は水拭きしていい?ビニールクロスはOK、織物・和紙はNGな理由、洗剤を使うときの選び方は壁紙の掃除に使う洗剤はどれがいい?汚れ別の選び方と使ってはいけない洗剤の見分け方で詳しく扱っています。
一度表面の色が落ちてしまった部分は、汚れが取れたのではなく、壁紙そのものの色が取れた状態です。その場合は、いくら拭いても元の色には戻りません。白い壁紙では色落ちとしては目立ちにくい場合もありますが、濃い色の壁紙では、同じこすり方でも跡として残り続けることがあります。なお、強い摩擦による傷や破れには、色に関係なく注意が必要です。この違いを知っておくと、張り替えたあとの手入れで慌てずに済みます。こすった跡が残ってしまったときの見分け方と直し方は、壁紙の擦れ跡は掃除で戻らない?汚れとの見分け方と、直し方3つ・費用の目安を参考にしてください。
張り替えの前に考えておきたいのは、その壁が「汚れて拭くことの多い場所かどうか」です。たとえば、食卓のそばで食べこぼしが飛びやすい壁や、出入りのたびに手が触れる壁は、どうしても拭く回数が増えます。そうした場所に濃い色を使うと、色落ちに気を配る機会もそれだけ増えます。反対に、ふだん手が触れにくく、拭く機会の少ない壁なら、この注意点はそれほど負担になりません。ただし、ベッドやソファの背、棚の側面が当たる壁は、手が触れなくても家具との擦れが起きやすい場所です。そうした壁に濃い色を使うなら、家具を壁にぴったり付けず、少し離して置くと安心です。
部屋全体に使うか、1面だけにするか

3つの注意点を踏まえて、次に決めたいのが、濃い色を使う範囲です。同じ黒やネイビーでも、部屋の4面すべてに使うのと、1面だけに使うのとでは、暗さも手入れの手間も大きく変わります。どちらが正解ということはなく、その部屋でどう過ごしたいか、どのくらいの変化を求めるかで向き不向きが分かれます。
部屋全体に使うなら、明るさと手入れを先に考えておく
部屋全体を濃い色にすると、色の印象はいちばん強く出ます。部屋の雰囲気をはっきり変えたい、包まれるような落ち着いた空間にしたい、という場合には、全体に使う選び方もあります。ただし、濃い色を広い面に使うと、部屋全体がその色に引っ張られ、人によっては圧迫感がある、強すぎると感じることもあります。
また、前の章の3つの注意点は、面積が広いほど大きく出ます。部屋全体が暗く感じやすくなり、ホコリの目立ちやすい面も、こすって色が変わらないよう気をつける面も、4面すべてになります。家具の出し入れが多い部屋や、手が触れやすい場所の多い部屋では、そのぶん気を配る場所が増えます。
部屋全体に使うなら、次の2つを先に考えておくと、暮らし始めてからの「思っていたのと違う」を減らせます。
1つは明るさです。壁を濃い色にしても、天井を白のまま残せば、床より天井が明るいという関係は保てます。壁と天井をどちらも濃い色にすると、部屋全体が包まれるような雰囲気になる一方、暗さと天井の低さはいっそう感じやすくなります。天井の色まで変えるなら天井も張り替えることになるので、その分の費用も加わります。また、今の照明で夜の部屋が十分に明るいかも見ておきましょう。明るい色ほど光を反射しやすく、白い壁は照明の光を反射して部屋を明るく見せていますが、黒やネイビーのような暗い色の壁では、その反射が少なくなります。張り替えたあとに「夜になると思っていたより暗い」と感じることがないよう、夜に過ごすことの多い部屋ほど、照明との兼ね合いを考えておくと安心です。
もう1つは手入れです。ホコリを乾いた布でまめに払う、強くこすらない、という手入れを4面すべてで続けられそうかを考えておきましょう。部屋全体に使う場合は、面ごとに手入れの頻度を変えるより、部屋全体の手入れの習慣として考えておくほうが続けやすくなります。
1面だけにとどめれば、暗さも手入れの範囲も抑えやすい
濃い色を使いたいけれど、部屋全体に使うのはためらう。そんなときは、1面だけに濃い色を入れる方法があります。部屋の壁の一部に、ほかの面とは違う色や柄の壁紙を貼る方法で、アクセントクロスと呼ばれます。
サンゲツは、アクセントクロスの面積について「一般的には、お部屋の壁面全体のうち2〜3割程度にとどめるとよいでしょう。たとえば壁が4面あるお部屋であれば、いずれか1面をアクセントクロスにする、といったイメージです」と書いています(出典:サンゲツ「アクセントクロスとは? 効果やメリット、選び方を徹底解説」)。同じページでは、部屋の用途に合わせた選び方として、「寝室や書斎には落ち着いた空間にするためにシックなカラーを」とも書いています。アクセントクロスの色の明るさ(明度)については、「明度が高い色ほど光を反射しやすく、お部屋を広く見せる効果が期待できます。一方、明度が低い色には引き締め効果があるため、奥行き感のある空間に仕上げることも可能です」と説明しています(出典:同上)。黒やネイビーは明度の低い色です。部屋全体に使うと暗さが出やすい色でも、1面に絞れば、その壁が引き締まって奥行きを感じさせる使い方もできる、ということです。黒やネイビーのほかに、ダークパープルのような明るさを抑えた深い紫を1面に使う考え方は、パープル(紫)の壁紙の選び方|くすみパープルと鮮やかな紫の違い、床との合わせ方、1面か部屋全体かの決め方で扱っています。
1面だけなら、残りの3面が明るい色のまま残るので、部屋全体が暗くなりすぎるのを抑えられます。ホコリや色落ちに気を配る面も、その1面に絞られます。たとえば、寝室のベッドの頭側の壁、書斎として使っている部屋の机の正面の壁、リビングのテレビの後ろの壁などは、濃い色を1面だけ入れる場所の例として考えやすいでしょう。ベッドの頭側の壁にするなら、ヘッドボードや枕が壁に当たらないよう、ベッドを壁から少し離しておくと擦れ跡を防ぎやすくなります。テレビの後ろは家電のまわりでホコリが付きやすい場所でもあるので、選ぶならまめに払う前提で考えておくとよいでしょう。寝室に濃いネイビーのような色を取り入れるときの考え方は、寝室の壁紙は何色がいい?メーカーが勧める落ち着いた色の選び方と、6〜8畳で5万〜9万円の張り替え費用でも触れています。ネイビーに近い濃いブルーと淡いブルーの違いや、ブルーを1面だけに使うか部屋全体に使うかの決め方は、ブルーの壁紙の選び方|淡いブルーと濃いブルーの違い、床との合わせ方、1面か部屋全体かの決め方で整理しています。
1面だけにしておくと、あとから気持ちが変わったときにも対応しやすくなります。濃い色に飽きた、やはり明るくしたい、と感じたときも、張り直すのはその1面だけで済みます。ただし、何年かたってから1面だけを新しく貼ると、隣の面は年数がたった壁紙なので、同じ品番に戻しても色の差が出ることがあります。
どの壁を選ぶか、どのくらいの濃さの色を入れるか、色の数をどう抑えるかなど、1面だけ色を変えるときのよくある失敗と避け方は、アクセントクロスの失敗例は3つ|面積は壁の2〜3割・色は3色まで、見本帳は少し濃いめを選ぶで詳しく扱っています。
迷っているなら、問い合わせの段階で両方の場合を聞く
部屋全体にするか1面だけにするかは、見本帳を見て、費用を見比べてから決めても遅くありません。大切なのは、部屋全体か1面だけかの迷いを、問い合わせの段階で伝えておくことです。
1面だけを後から別に頼むと、費用のかかり方が変わります。壁紙の張り替えは、職人が現場に来て、養生をし、道具を広げて片づけるまでの手間が、1面でも1部屋でもそれほど変わりません。そのため、1面だけの工事でも最低料金がかかり、多くの業者は最低料金を4万〜6万円程度に設定しています。部屋全体を白で張り替えたあとで「やはり1面だけ濃い色にしたい」と頼み直すと、この最低料金がもう一度かかることになります。
一方、部屋全体を張り替えるついでに1面だけ濃い色にするなら、職人が来る回数は1回で済み、増えるのは基本的に壁紙の材料の差が中心です。部屋全体を濃い色にする場合も、張り替える面積は白のままの場合と同じなので、違いが出るのは主に選ぶ壁紙のグレードです(グレードについては、次の章で触れます)。
ですから、濃い色を少しでも考えているなら、部屋全体の見積もりを頼む問い合わせの段階で「この部屋は濃い色も考えている」「この1面は濃い色にするかもしれない」と伝えておきましょう。白のままの場合、1面だけ濃い色にする場合、部屋全体を濃い色にする場合、と分けて金額を聞いておけば、見た目と費用の両方を並べて決められます。一緒に暮らす方と相談して決める場合も、選択肢ごとの金額がそろっていると話がしやすくなります。
床・家具との組み合わせと、見本帳での確かめ方
使う範囲の見当がついたら、具体的な色と品番を選びます。張り替えでは、多くの場合、業者が持参する見本帳から選ぶことになります。濃い色を選ぶときに確かめておきたいことを整理します。
床やドア、家具の色と合わせて考える
壁紙の張り替えでは、床やドア、窓枠、収納の扉はそのまま残ることがほとんどです。濃い色の壁紙も、今ある床やドア、これからも使う家具と並べたときにどう見えるかで、印象が大きく変わります。
サンゲツは、床の色調に合わせて壁紙の基本色を考えることを勧めています(出典:サンゲツ「壁紙選びのポイント」、前出)。床の色ごとの組み合わせの考え方や、家具・カーテンを含めた色の数の目安は、壁紙の色の選び方は床とドアの色が基準|グレー・ベージュ・白の合わせ方と見本帳での4つの確認で整理しています。濃い色の壁紙ならではの見方として、床との明るさの差にも目を向けておくとよいでしょう。最初の章で触れたとおり、サンゲツは床→壁→天井の順に上にいくほど明るくすると広く感じられると書いています。こげ茶のような濃い床の部屋で壁を黒にすると、床と壁の明るさが近くなったり、壁のほうが暗くなったりして、部屋全体が重たい印象になりやすくなります。明るい木目の床の部屋なら、床と壁の明るさの差がはっきりするぶん、濃い色の壁が引き立って見えます。どちらがよいということではなく、黒い壁紙でも床の色によって受ける印象が変わる、ということです。
家具も同じで、濃い色の壁の前に濃い色の家具を置くと壁になじみ、明るい色の家具を置くと壁を背景に浮かび上がって見えます。濃い色を1面だけ入れる場合は、その壁の前に何を置くかまで考えておくと、仕上がりを想像しやすくなります。黒を白やグレーと組み合わせて、白・黒・グレーで部屋をまとめたい場合の、床や家具も含めた色の数の考え方は、モノトーンの壁紙の選び方|白をベースに黒・グレーは1面から、色は床や家具も含めて3色まで、見本帳での確かめ方で扱っています。
濃い色を使う場合も、まずは床やドア、その壁の前に置く家具の色をスマートフォンで写真に撮っておき、見本帳を見るときに見比べられるようにしておくと、選びやすくなります。
濃い色は、量産品の中では選べる品番が限られる
張り替え用の壁紙には、量産品と呼ばれる標準的なグレードと、1000番台と呼ばれる一つ上のグレードがあります。張り替えの相談を受けていると、量産品は白系統が多いと感じます。そのため、黒やネイビーのような濃い色は、量産品の中では選べる品番が限られます。
1000番台は、柄や色の選択肢が多いグレードです。濃い色の中から好みの一枚を探したい場合は、1000番台の見本帳まで広げて見ると、候補が見つかりやすくなります。気に入った濃い色が1000番台の品番なら、量産品との差額が加わります。量産品と標準的な1000番台の差は、1㎡あたり数百円ほどが一般的です。1面だけに使うなら、差額がかかるのはその1面の面積分だけです。グレードごとの違いと費用の差は、量産クロスと1000番クロスの違い|価格差は6畳で約1万円、部屋ごとの選び分け方で詳しく扱っています。
見本帳は、業者が現地調査のときに持ってきてくれるのが一般的です。黒やネイビーなど濃い色も見てみたい、という希望を問い合わせの段階で伝えておくと、その系統の色が載っている見本帳を持ってきてもらいやすくなります。
見本は貼る壁に当てて、昼と夜の両方で見る
見本は、机の上で眺めるのではなく、貼る予定の壁に当てて見るのがコツです。床やドア、家具との組み合わせを、その場で確かめられます。小さな見本だけで決めきれないときは、大きなサンプルを取り寄せられるかを業者に聞いてみる方法もあります。ただし、取り寄せには手数料がかかったり、対応していなかったりすることもあります。見本と壁一面で色の見え方が違う理由と、サンプルの取り寄せ方は、壁紙のサンプルと実際の色はなぜ違う?メーカーが説明する「面積効果」と、見本帳の見方・サンプルの取り寄せ方で詳しく扱っています。
濃い色の壁紙は、光の当たり方でも見え方が変わります。窓から光が入る昼間と、照明をつけた夜とでは、同じ見本でも色みや暗さの感じ方が違うことがあります。寝室のように夜に過ごす時間が長い部屋なら夜の照明の下で、昼間に過ごす部屋なら昼の光で、特に重視して見ておくと安心です。見本の候補が2〜3枚に絞れたら、並べて同じ壁に当て、昼と夜で見比べてみてください。
見本の濃さで迷ったときは、壁一面では見本より明るく淡く見えることがあるので、同じ系統の色の中で迷ったら少し濃いほうを選ぶ、というのが壁紙選びでよく言われる考え方です。ただし、これは色そのものの見え方の話で、思い切って濃い色を選べばよい、ということではありません。部屋全体が暗くなるのが心配なら、色の濃さを見本で調整するより、使う範囲を1面に絞るなど、範囲で調整するほうが考えやすくなります。
まとめ
黒・ネイビーなど濃い色の壁紙について、ポイントを整理します。
- 濃い色の壁紙は、住まいの張り替えでも使える。ただし、白い壁紙と同じ感覚で選ぶと困りやすい点が3つある
- 1つめは暗さ。サンゲツは床→壁→天井の順に上にいくほど明るくすると広く感じられると書いている。壁を濃い色にすると、床との明るさの関係によってはこの形と反対になり、落ち着く一方で狭く感じやすい。色そのものは見本より薄く見えることがあっても、暗めの色を広い面に使えば部屋全体は暗い印象になることがある
- 2つめはホコリ。ホコリが静電気で壁に付くのは色に関係なく起きる(サンゲツ)。濃い色の壁では白っぽいホコリが目につきやすいので、乾いた布やハタキでまめに払う
- 3つめは色落ち。サンゲツは濃色の壁紙について、過度に擦ったり水分を含んだものを押し当てたりすると表面の色が落ちたり色が移ったりするおそれがあると注意している。掃除は強くこすらず、濡れたものを押し当てない
- 部屋全体に使うと色の印象は強く出るが、暗さと手入れの手間も大きくなる。1面だけ(アクセントクロス)なら、暗さも気を配る範囲も抑えやすい。1面だけを後から頼むと最低料金がかかるので、迷っているなら問い合わせの段階で伝えておく
- 量産品は白系統が多く、濃い色は量産品の中では選べる品番が限られる。1000番台まで広げると候補が見つかりやすい
- 見本は貼る壁に当て、床やドア、家具と並べて、昼と夜の両方で見る。同じ系統で濃さに迷ったら少し濃いほうを選び、部屋全体の暗さは使う範囲で調整する
濃い色の壁紙は、選び方と使う範囲を決めておけば、長く暮らしてきた部屋の雰囲気を変える選択肢になります。まずは、濃い色を使いたい部屋と、部屋全体にするか1面だけにするかの見当をつけてみてください。そのうえで、電話か問い合わせフォームで「濃い色の見本も見たい」と伝え、決めきれない点があればそれも伝えたうえで、現地調査を申し込んでみてください。
黒やネイビーなど濃い色の壁紙を試してみたい方は、電話か問い合わせフォームでご相談ください。現地調査のときに、濃い色の壁紙が載った見本帳をお部屋の壁に当てて、部屋全体と1面だけでの見え方を確かめられるよう進めます。費用の違いも、見積もりでお伝えします。見積もり・現地調査は無料です。
電話が難しい方はメールでもご相談いただけます。
この記事の執筆者

氏名:松田郁幾
実績:壁紙張り替えを中心に、これまで多くのお客様・職人と関わってきました。
この記事について:現場で見聞きした実例をもとに、誇張せず、実践的な視点で解説しています。



