壁紙の掃除に使う道具は4つだけ|メーカー3社の案内と、クイックルワイパーがシートで変わる理由

固く絞った布で壁の汚れを拭いている手元。左の床にハタキとスポンジが置かれている

壁紙の汚れが気になって掃除をしようと思ったとき、最初に迷うのが「何で拭けばいいのか」です。洗剤の種類を調べる記事はよく見かけますが、その洗剤を何に含ませて、どう動かすのかは意外と書かれていません。手元にあるフロアワイパーは壁に使えるのか、100円ショップで掃除グッズを買い足したほうがいいのか、迷ったまま手が止まってしまいます。

先に結論をお伝えします。壁紙メーカー3社(サンゲツ・リリカラ・シンコール)のお手入れ案内を並べました。日常のお手入れに出てくる道具は、3社を合わせても4つだけです。ホコリを落とすハタキと掃除機、汚れを拭く固く絞ったスポンジかタオル、そして、汚れ防止壁紙に条件つきで使う歯ブラシ。この4つ以外に出てくるのは、珪藻土壁紙や鉛筆の落書きといった特定の場面に限った道具だけです。

しかも、買い足さずに済む道具もあります。サンゲツは「ハタキの無い場合は、不要になったストッキングを棒に巻きつけハタキ代わりに使用する」という代用方法を公式に書いています。

もうひとつ知っておきたいのが、3社とも「強い道具」を挙げておらず、うち2社は一般的なビニール壁紙について、力を入れることを名指しで止めている点です。リリカラは「強く力を入れて拭くと表面の凹凸が潰れたり、キズが付くことがある」、シンコールは「強くこすると、汚れが広がったり染み込んだり、表面が破損する場合があります」と書いています。つまり、落ちないからといって道具を強いものに替えていく方向は、メーカーの案内とは逆を向いています。

この記事を読むと、次のことが分かります。

  • 日常のお手入れとして壁紙メーカー3社が挙げている4つの道具と、その使い分け
  • 柄の長いフロアワイパーは壁紙に使えるのか。ドライとウエットで扱いが変わる理由
  • 3社の案内に削って落とす道具が出てこないことと、2社が強くこすることを名指しで止めていること
  • 100円ショップの「壁」表示が、そのまま壁紙用とは限らないこと
  • 道具を替えても落ちない汚れを、メーカー自身がどう書いているか
  • 落ちなかったときに、張り替えをどの範囲で考えるか

読み終えるころには、買い足すべきものがあるのかないのかがはっきりして、手持ちの道具で一度試したうえで、落ちなかったときの次の一歩も決められるはずです。

ご自宅の壁紙を何で拭けばよいか迷っている、あるいは試してみたが落ちなかったという場合は、電話1本でご相談いただけます。

電話が難しい方はでもご相談いただけます。


日常のお手入れとして3社が挙げている道具は、4つしかない

ハタキ、掃除機のブラシノズル、水滴のついたスポンジ、歯ブラシの4つを2列に並べた図

サンゲツ、リリカラ、シンコールは、それぞれ自社サイトに壁紙のお手入れページを持っています。3社のページから、日常のお手入れに使う道具を書き出してみると、重なり合って4種類に収まります。数が少ないこと自体が、この記事でいちばんお伝えしたいことです。

ホコリを落とす:ハタキと掃除機

日常のお手入れとして3社が最初に挙げているのは、拭くことではなくホコリを落とすことです。

サンゲツは「手軽にハタキを使ってホコリを落とします。」とし、順番についても「床を掃除する前にハタキで壁のホコリを落としておきましょう。」と書いています(出典:サンゲツ「壁紙のお手入れ方法」)。壁のホコリは落とせば床に落ちるので、先に壁、あとから床という順番になります。

同じページには、ホコリを放置した場合について「表面の凹凸が激しい壁紙は、ホコリがたまりやすいので、そのままにしておくと、たまったホコリが湿気を吸い取りカビの原因にもなります。」という説明もあります。ホコリ取りは見た目の問題だけではない、ということです。

掃除機については、サンゲツが「定期的なお掃除」として「掃除機のブラシタイプのノズルを使い、定期的にお掃除しましょう。」と案内しています。シンコールも「はたきをかける・掃除機で吸い取るなど日常的なお手入れで汚れが軽減します。」としています(出典:シンコール「壁紙のお手入れについて」)。

なお、リリカラのビニル壁紙のページには「日常のお手入れは、布地の汚れを布やハタキでおそうじしてください。」とあり、掃除機への言及はありません(出典:リリカラ「ビニル壁紙をきれいに保つお手入れ方法」)。3社が完全に同じことを書いているわけではないので、掃除機を使う場合は、床用のヘッドではなくブラシの付いたノズルに替えるというサンゲツの書き方を目安にするとよいでしょう。

汚れを拭く:固く絞ったスポンジ、タオル、柔らかい布

ホコリを落としても残る汚れに対して、3社が挙げているのは布類です。ここで3社の表現がほぼ一致します。

サンゲツは「飲食物や調味料などの汚れは、直ちにかたく絞ったスポンジやタオルで汚れを吸い取るように拭き取ってください。」、シンコールは「直ぐに固く絞ったスポンジやタオルで汚れを吸い取るように拭き取ってください。落ちにくい場合は水か中性洗剤を薄めて拭き取り、仕上げは乾布で拭き取りましょう。」、リリカラは「きれいな水にひたして固く絞った布などで、汚れを吸い取るように拭き取ってください。」と書いています。

3社に共通しているのは「固く絞る」と「吸い取るように」の2点です。水をたっぷり含ませてこすり取るのではなく、水気を切った布を当てて汚れを移し取る、という動かし方が想定されています。

布の硬さについても、シンコールは注意事項として「拭き取りには柔らかい布を使いましょう。」と明記しています。台所用のスポンジには研磨材の付いた硬い面がありますが、そちら側は想定されていません。

汚れ防止壁紙に限って:歯ブラシ

4つ目が歯ブラシです。ただしこれは、どんな場面でも使ってよいという書かれ方ではありません。

リリカラは汚れ防止壁紙の項で「かたく絞ったスポンジやタオルで水拭きしてください。(中略)落ちにくい場合は中性洗剤をご使用ください。歯ブラシでこするとより効果的です。」としています。シンコールも同じく汚れ防止壁紙の注意事項として「壁紙に凹凸がある場合は歯ブラシを使いましょう。」と書いています。こちらは汚れ防止壁紙のうち、凹凸があるものに絞った書き方です。

歯ブラシは2社とも、汚れ防止壁紙の説明の中で挙げています。汚れ防止壁紙は表面にフィルムが貼られていて、リリカラの表現では「表面にフィルムがラミネートされているので、一般の壁紙では拭き取れない油性マジックやクレヨンなども落とすことが出来ます。」という性質を持ちます。その前提があるうえでの歯ブラシ、という並びになっています。

凹凸のある壁紙と歯ブラシの関係については、でこぼこ壁紙の掃除に歯ブラシは使える?メーカー3社に落とし方の記載はなく、歯ブラシは汚れ防止壁紙の案内で詳しく解説しています。

自宅の壁紙が汚れ防止壁紙かどうかは、見ただけでは判断がつきません。分からない場合は、歯ブラシを使うにしても、目立たない場所で傷みが出ないか確かめてからにするほうが無難です。壁紙の種類ごとに水拭きしてよいかどうかは、壁紙は水拭きしていい?ビニールクロスはOK、織物・和紙はNGな理由で整理しています。

ハタキが無ければ、ストッキングを棒に巻きつける

道具を買い足す前に知っておきたいのが、サンゲツが公式に書いている代用方法です。

「ハタキの無い場合は、不要になったストッキングを棒に巻きつけハタキ代わりに使用するのも、静電気がホコリを吸着するので効果的です。」

壁紙をつくっている会社自身が、専用品を買わなくてよいと書いています。上の4つのうち、ハタキは代用が効きます。掃除機と歯ブラシは、手元にあればそのまま流用できます。まず家にあるものを確かめると、買い足すものを絞り込めます。

柄の長いフロアワイパーは、シートの種類で壁紙の扱いが変わる

同じフロアワイパーのヘッドが2つ並び、左は乾いたシート、右は水滴のついた濡れたシートが付いている

床掃除に使う柄の長いワイパー(フロアワイパー)は、壁の掃除でも使いたくなる道具です。手が届かない天井や、壁の上のほうまで立ったまま拭けるからです。壁紙メーカー3社のページには、フロアワイパーは出てきません。そこで製品をつくっている側の表示を見ると、条件がはっきり書かれています。ここでは花王のクイックルワイパーを例にとります。

本体の使用場所には「壁・天井」が挙がっている

花王のクイックルワイパーの製品ページには「こんな場所に」という見出しがあり、フローリング、壁・天井、畳、柄を短くして網戸にも、という4つが並んでいます(出典:花王「クイックルワイパー」)。

壁と天井は、クイックルワイパーが想定している使用場所に挙げられています。「クイックルワイパーで壁の掃除をしてもいいのか」という疑問に対しては、まずこれが答えになります。

ドライシートの用途にも壁・天井が入る。ただしザラザラした面は別

シート側の表示も見てみます。ドライシートには用途として「床(フローリング、ビニール)・壁・天井・畳・階段」「家具・戸棚・電気製品等にも使えます。」と書かれています(出典:花王「クイックルワイパー ドライシート 20枚入」)。

ただし同じページの使用上の注意には「カーペットや表面がザラザラした所には使わない。シートの繊維がぬけることがある。」とあります。凹凸が深い壁紙は、ドライシートが避けるよう書く「表面がザラザラした所」に当たる可能性があります。シートの繊維が抜けて壁に残ってしまうと、かえって手間が増えます。

ウエットシートになると、壁紙が名指しで出てくる

扱いが変わるのはウエットシートのほうです。使用上の注意に、次の一文があります。

「畳、水がしみ込む家具・壁紙(変色することがある)やザラザラ・ささくれ・突起物がある表面(液がしみ込む・シートのセンイが抜けることがある)は、目立たない所で試してから使う。」(出典:花王「クイックルワイパー 立体吸着ウエットシート 香りが残らないタイプ 16枚入」)

ウエットシートは禁止ではなく、目立たない所で試してから使う扱いです。いきなり見える場所を拭く前提にはなっていません。

同じ道具でも、ドライシートでは壁が用途に入り、ウエットシートでは壁紙が試し拭きの対象になります。フロアワイパーが壁紙に使えるかどうかは、道具の名前ではなく、付けるシートで答えが変わるということです。

3社が「固く絞った」と繰り返す理由

壁紙メーカーが「固く絞った」と繰り返し書いている背景として、3社のうち2社が、つなぎ目について注意を書いています。

リリカラは「壁紙のつなぎ目に逆らわない様に、ていねいに汚れを拭き取ってください。またつなぎ目に水が入ると剥がれの原因になるので注意してください。」、シンコールは「壁紙のつなぎ目に水分が入ると剥がれの原因になります。」としています。つなぎ目に水分が入ると剥がれの原因になる、というのが3社中2社の注意です。壁紙は幅のあるシートを並べて貼ってあるので、必ずつなぎ目があります。拭くときはつなぎ目に逆らわず、水分が入らないよう注意する、というのがメーカーの案内です。

固く絞った布であれば水分量を自分で調整できますが、ウエットシートは絞れず、含まれている液の量は最初から決まっています。壁紙に使うのであれば、つなぎ目に水分が入らないよう注意したうえで、表示に従って目立たない所で試してから広い面に移りましょう。

3社の案内は、力でこすり落とす方向を向いていない

ここまでに出てきた道具を見返すと、共通点があります。どれも「当てる」「吸い取る」「払う」ための道具で、削って落とすための道具が入っていません。歯ブラシだけは「こする」と書かれていますが、これは汚れ防止壁紙の説明の中に出てくるものです。そしてリリカラとシンコールは、一般ビニル壁紙について強くこすることを名指しで止めています。サンゲツも珪藻土壁紙について、力を入れないよう注意しています。

「強くこすると」という名指しの注意

リリカラは一般ビニル壁紙の注意事項として「強く力を入れて拭くと表面の凹凸が潰れたり、キズが付くことがあるので注意してください。」と書いています。

シンコールは「強くこすると、汚れが広がったり染み込んだり、表面が破損する場合があります。」としています。こすると汚れが広がる、そして染み込む、という順番で書かれているのが特徴的です。力を入れてこすると、汚れが広がったり染み込んだりし、壁紙を傷めることがあります。

サンゲツも珪藻土壁紙について「力を入れて拭き取ると表面破損の原因になります。」としたうえで、「かたく絞った布で汚れをたたくようにして落としてください。」と、こするのではなくたたく動作を案内しています。

汚れが落ちないとき、人は自然と力を強くしたり、硬いものに持ち替えたりします。3社が書いているのはその逆で、固く絞った布やスポンジを当てて汚れを吸い取る、という動かし方です。サンゲツはさらに珪藻土壁紙について、たたくようにして落とすとしています。

名前を挙げて探されることの多い道具について

壁紙の掃除では、特定の商品名で使えるかどうかを調べられることがよくあります。それぞれ結論だけ触れておきます。

研磨して落とすタイプのスポンジは、3社のお手入れページに一度も出てきません。メラミンスポンジがこれにあたります。100円ショップのダイソーでも、メラミンスポンジとして売られている商品の用途には「壁」も「壁紙」も書かれておらず、水アカ・湯アカ・油汚れとだけ記載されています。

消しゴムは、条件つきで出てきます。サンゲツは珪藻土壁紙に限って「軽微な汚れは白い消しゴムで落とすことができます。」とし、シンコールは子供の落書きの表で鉛筆に対する対処として「消しゴム」を挙げています。一般的なビニール壁紙の汚れ全般に使える道具として挙げられているわけではありません。

アルカリ電解水やスチームクリーナーについても、3社の案内には登場しません。いずれも道具や洗剤の側に事情があるので、それぞれ個別に確認したほうが確実です。

道具ごとの詳しい可否は、次の記事で解説しています。

なお、道具ではなく洗剤の選び方については、壁紙の掃除に使う洗剤はどれがいい?汚れ別の選び方と使ってはいけない洗剤の見分け方で汚れの種類ごとに整理しています。

100円ショップの「壁」表示は、壁紙用とは限らない

掃除グッズを買い足すとき、100円ショップは手軽な選択肢です。ただ、商品名や用途に「壁」と書かれていても、それが壁紙(クロス)を指しているとは限りません。実際に公式の商品ページを読み比べると、同じ店の中でも扱いが分かれています。

用途に「壁紙」と書かれた商品は、数えるほどしかない

ダイソーの掃除用品には「壁」の語が多く出てきますが、「壁紙」と明記した商品はごく限られます。

例えば壁紙用として売られている消しゴムタイプの商品には、用途として「壁紙、床の黒ずみにこするだけ」とあり、材質は「塩化ビニル樹脂(研磨剤入り)」、注意として「目立たない部分で試してからご使用ください。」と書かれています。壁紙用と明記された商品にも研磨剤が入っていて、試し拭きを求められています。

同じ店の中でも、使える側と使えない側に書き分けられている

分かりやすいのがウエットシート類です。

アルカリ電解水と重曹を配合したおそうじシートは、使用できる場所に「テーブル、フローリング床、ビニール床、ビニールクロスの壁等水拭き可能な手垢や皮脂汚れのある場所」を挙げる一方、使用できない場所に「水拭きできないもの、水性ペンキやニス、漆塗り、皮革類、アルカリで変色するアルミ、銅、真鍮、テレビの画面等コーティングがあるもの、布壁紙」と書いています(出典:ダイソー「アルカリ電解水+重曹配合おそうじシート(25枚、落ち落ちV)」)。

重曹タイプの厚手ウエットシートも同じ構造で、使用できる場所に「ビニールクロス」、使用できない場所に「水がしみこむ壁紙」とあります(出典:ダイソー「掃除用厚手ウエットシート 30枚入 重曹」)。

一方で、フローリング用・食卓用・油汚れ用として売られているシート類の多くは「ペンキ、ニス、うるし等の塗装面や白木、桐等水がしみ込む物、壁紙、ガラス面、真鍮等に使用しないでください」として、壁紙を一律で使用できないものに入れています。

100円ショップの同じ棚に、壁紙に使える側の商品と使えない側の商品が並んでいます。先に挙げた2つのシートは、ビニールクロスと、水がしみ込む壁紙・布壁紙とを分けて書いていますが、別のシートは壁紙とだけ書いて一律に使用できないものへ入れています。同じ売り場でも書き方がそろっていないので、商品名や見た目で選ばず、裏面や商品ページの用途表示を一つずつ読む必要があります。

「壁」と書いてあっても、浴室の壁・タイル・外壁のことがある

もうひとつ紛らわしいのが、室内の壁紙ではない「壁」です。

床と壁のタイル用として売られているスポンジは、用途が「玄関タイル・外壁タイル・ベランダのタイル・コンクリートなどのホコリや泥などのお掃除に。」と書かれています。注意には「本品は硬めのブラシ繊維も使用しているため、必ず、目立たない場所で使用してから本品を使用してください。」とあります(出典:ダイソー「床・壁タイルの汚れスッキリスポンジ」)。

屋外のタイルやコンクリートの泥汚れを落とすための商品で、硬めの繊維が入っています。商品名に「壁」が入っていても、室内のビニールクロス用とは限りません。浴室用として売られている床壁兼用のクリーナーも同様で、こちらは研磨剤を塗布したナイロン不織布が使われています。

買い足す前に確認したいのは、用途に書かれているのが「壁」か「壁紙」か、そして材質に研磨剤や硬い繊維が入っていないか、の2点です。先ほど見たとおり、メーカー3社の案内を合わせても、日常のお手入れに出てくる道具は4種類に限られます。

道具を替えても落ちない汚れは、メーカー自身がそう書いている

道具をひととおり試しても落ちない汚れがあります。このとき、さらに強い道具を探すのが自然な流れですが、その前に知っておきたいことがあります。落ちない種類の汚れがあることを、壁紙メーカー自身が書いているという点です。

時間が経った汚れとヤニは、汚れ防止壁紙でも難しい

シンコールは、汚れ防止壁紙の注意事項としてこう書いています。

「汚れ防止壁紙は、突発的な汚れに適した壁紙です。タバコのヤニや、時間が経ったしつこい汚れなどを完全に拭き取ることは困難です。」

汚れ防止壁紙は、表面にフィルムを貼って汚れにくくした、いわば汚れに強い側の壁紙です。汚れ防止壁紙についてさえ、ヤニと時間の経った汚れは完全に拭き取ることが困難だと書かれています。

ここでいう「突発的な汚れ」は、こぼした直後の飲み物や調味料のような、付いてすぐの汚れを指しています。汚れが付いてからの時間も、落ちやすさを左右する要因のひとつということです。ヤニ汚れについては、壁紙のヤニ・タバコ汚れは掃除で落ちる?張り替えに切り替える4つのサインと見積もりの確認点で、ヤニが壁紙の内部や下地まで染み込むことがある理由と、張り替えを考える目安を詳しく扱っています。

油性マジックとクレヨンは、拭き取れないと明記されている

リリカラは一般ビニル壁紙の注意事項に「油性マジックやクレヨンなどは拭き取れません。」と書いています。「落ちにくい」ではなく「拭き取れません」という書き方です。

油性マジックとクレヨンは、拭き取るという方法では落ちないと書かれています。この2つについては、布やスポンジを別のものに持ち替えても結果は変わりにくく、汚れの種類に合った別の方法を探す段階に入っています。実際にどの方法が案内されているかは、壁紙の油性ペンの落とし方|時間が経つと落とせない理由と張り替えを検討する4つのサインと壁紙のクレヨンの落とし方|メーカーが「落とせない」とする理由と張り替えを検討する4つのサインでそれぞれ整理しています。

落ちないまま何度もこすると、先ほどのシンコールの説明どおり、汚れが広がったり染み込んだり、表面が破損したりします。張り替えは後述のとおり面単位で考えるので、同じ面の中で広がっただけなら費用は大きく変わらないことが多いものの、隣の面まで及べば対象が2面になります。汚れの種類に合った方法まで確かめても落ちない場合は、それ以上こするのをやめましょう。

落ちない汚れは、張り替えの範囲と費用で考える

壁紙の種類に合う道具を使い、汚れの種類に合った方法まで確かめても落とせないのであれば、それは道具の選び方の問題ではありません。そこから先は、掃除ではなく張り替えを検討する段階です。

張り替えは1面単位が基本

張り替え業者に、汚れている部分だけを張り替えてもらう方法自体はあります。ただ、壁紙は幅約90cmのロールを貼り継いでいるので、継ぎ目の位置で区切って最低でも1枚分を張り替えることになり、段取りも1面とあまり変わらないため、費用は1面の張り替えと同じくらいになりやすくなります(多くの業者は最低料金を4万〜6万円程度に設定しています)。また、途中で継ぐと、その線が残るうえ、新しい壁紙と既存の壁紙で色の差が出ます。既存の壁紙は日焼けや経年で少しずつ色が変わっているので、同じ品番を取り寄せても同じ色にはなりません。

そのため、張り替えは壁の1面単位、あるいは部屋単位で考えるのが基本になります。汚れているのが1か所でも、張り替えるならその面全体を対象に考えるということです。

一方、汚れが1〜数箇所にとどまり、周りの壁紙がまだきれいなら、壁紙を張り替えずに汚れや傷のある箇所だけを直すことを専門にしているリペア業者に頼む方法もあります。費用の目安は1万〜3万円程度です。周りの色や柄に合わせて目立たなくする直し方なので、条件によっては、近くで見ると直した跡が分かることがあります。

逆に言えば、面の中でどれだけ汚れが広がっていても、1面に収まっていれば費用は大きく変わらない場合があります。ただし、こすって下地まで傷めてしまうと補修が加わる場合があるので、実際の金額は状態を見てからになります。汚れ以外も含めて張り替えの時期を考えたい場合は、壁紙の替えどきはいつ?築年数より見るべき「今の壁の状態」と見逃せない5つのサインが判断の材料になります。

見積もりのときに伝えておくこと

見積もりを頼むときに、次の3点を伝えておくと話が早く進みます。

  • どの汚れが落ちなかったか(ヤニ、油、手垢、落書きなど、汚れの種類)
  • どこまで試したか(水拭きだけか、中性洗剤まで使ったか、こすってしまったか)
  • 気になっているのが1面だけか、部屋全体か

特に2つ目は、実際に見に行く側にとって重要な情報です。こすった跡があるかどうかで、表面がどこまで傷んでいるか、下地処理が必要かどうかの見立てが変わります。試した内容をそのまま伝えると、状態を判断してもらいやすくなります。

まとめて張り替えるほうが1面あたりの単価は下がるので、複数の部屋で気になっている場合は、優先順位も含めて相談してみるとよいでしょう。

まとめ

壁紙の掃除に使う道具について、メーカーの案内を整理すると次のようになります。

  • 3社の案内を合わせても、日常のお手入れに出てくる道具はハタキ、掃除機(ブラシタイプのノズル)、固く絞ったスポンジかタオル、歯ブラシの4種類に限られる。どの道具がどの社に載っているかは一社ずつ違い、歯ブラシは汚れ防止壁紙についての条件つき(シンコールは、そのうち凹凸がある場合)。ハタキはストッキングを棒に巻きつけたもので代用できると、サンゲツ自身が書いている
  • 3社に共通するのは「固く絞る」と「吸い取るように拭く」の2点。水をたっぷり使う前提にはなっておらず、リリカラとシンコールは強くこすることを名指しで止めている
  • 柄の長いフロアワイパーは、本体の使用場所に壁・天井が挙がっている。ただしドライシートは用途に壁が入る一方、ウエットシートでは壁紙が「目立たない所で試してから使う」対象になる
  • 100円ショップの商品は「壁」と「壁紙」で意味が違う。商品によっては、ビニールクロスを使用できる場所に、布壁紙や水がしみ込む壁紙を使用できない場所に書き分けている一方、壁紙とだけ書いて一律に使用できないものへ入れている商品もある。用途表示と材質(研磨剤の有無)を一つずつ確認する
  • ヤニや時間の経った汚れは汚れ防止壁紙でも完全な拭き取りが難しく、油性マジックやクレヨンは一般ビニル壁紙では拭き取れないと案内されている。いずれも、布やスポンジを持ち替えるだけでは改善しにくい汚れ

道具を強いものに替えていく方向は、メーカーの案内とは逆を向いています。壁紙と汚れの種類に合った方法まで試して落ちない汚れは、リペアで直すか張り替えるか、範囲と費用を確かめましょう。こするのをやめるほうが、壁紙を傷めるリスクを抑えられます。

汚れが落ちなかった面がどこまでの範囲になるのか、費用がどのくらいかかるのかは、実際に壁の状態を見ないと分かりません。気になっている面がある場合は、写真を撮っておくか、現地で見てもらったうえで見積もりを取ってみてください。

手持ちの道具で試しても落ちなかった、あるいはこすって傷めてしまったという場合は、電話1本でご相談いただけます。張り替えるとどの範囲・いくらになるかも、無料の現地調査・お見積もりでそのままお答えします。

電話が難しい方はでもご相談いただけます。


この記事の執筆者

執筆者写真

氏名:松田郁幾
実績:壁紙張り替えを中心に、これまで多くのお客様・職人と関わってきました。
この記事について:現場で見聞きした実例をもとに、誇張せず、実践的な視点で解説しています。

上部へスクロール