
「クロスを張り替えたいけれど、うちの部屋の壁は何㎡(平米)あるのだろう。見積書に書かれた面積は、本当にこのくらいなのだろうか。」
壁紙(クロス)の張り替え費用は、基本的に「張り替える面積×1㎡あたりの単価」で決まります。ところが、ネットで調べて出てくる面積の目安は6畳・8畳のような部屋の広さごとの数字が多く、形が変わった部屋や、何部屋かをまとめて張り替えたい場合には、そのまま当てはめにくいものです。
結論から言うと、天井の高さが一定の部屋なら、クロスを張る壁の面積は「部屋の周りの長さ×天井の高さ」で計算できます。たとえば縦3.5m×横4.0mの部屋なら、周りの長さは(3.5m+4.0m)×2=15.0m。天井の高さが2.4mなら、15.0m×2.4m=36㎡が壁の面積の目安です。天井も張り替えるなら、平らな天井であれば、床の広さ(縦×横=14㎡)がほぼそのまま天井の面積として加わります(勾配天井などはそれより大きくなります)。
ただし、この計算で出るのは、窓やドアの部分を引く前の大まかな数字です。業者は一般に、窓やドアの部分を除いた「実際に貼る面積」を、現地調査のときに測って見積もりを出します。そのため、同じ範囲(たとえば同じ部屋の壁だけ)で比べれば、見積書の面積は、窓やドアなど壁紙を貼らない部分の分だけ、自分の計算より少し小さくなるのが普通です。自分で出した数字は、見積書の面積が大きく外れていないかを確かめるための目安として使います。
なお、この記事は張り替えを業者に頼む前提での計算方法です。自分で壁紙を貼るときに必要なロールの本数や、柄合わせの分の計算は扱いません。
この記事を読むと、次のことが分かります。
- 天井の高さが一定の部屋の、壁の面積の計算方法(部屋の周りの長さ×天井の高さ)と、L字型の部屋・天井・畳数から見当をつける方法
- ㎡(平米)とm(メートル)の関係(クロスは幅90cm前後のロールで、1mでおよそ0.9㎡)と、見積書の単価の単位の違い
- 自分の計算と見積もりの面積が違ってくる3つの理由(窓・ドアを除いて実測しているか、天井を含むか、ほかの部屋や収納の中まで含むか)
- ネットで見かける「床面積×係数」の簡易計算と、実寸での計算の違い
- 計算した面積を見積書と照らし合わせて、1㎡あたりの単価を確かめる方法
読み終えるころには、見積書を受け取ったときに、自分の数字を手がかりに業者へ何を聞けばよいかが見えてくるはずです。
形が変わった部屋や何部屋かまとめての張り替えを考えていて、面積の見当をどうつければよいか気になる方は、電話でご相談ください。部屋の様子をうかがったうえでご案内します。見積もり・現地調査は無料です。
電話が難しい方はメールでもご相談いただけます。
天井の高さが一定なら、壁のクロスの面積は「部屋の周りの長さ×天井の高さ」で概算する

壁紙の張り替えで使う「面積」は、床の広さではなく、部屋を囲む壁の広さです。一般的な住宅の部屋では、床の広さは壁の面積より小さいことが多く、床の広さをそのまま使うと張り替える面積を少なく見積もることになり、見積もりを見たときに「思っていたより高い」と感じる原因になります。まずは、天井の高さが一定の一般的な部屋で、壁の面積を出す手順から説明します(階段や吹き抜け、勾配天井のように壁の高さが場所で変わる所は、この章の後半で触れます)。
長方形の部屋なら、測るのは縦と横の長さ、天井の高さの3つ
長方形の部屋の壁の面積を出すのに必要な数字は、部屋の縦の長さ、横の長さ、天井の高さの3つです。メジャーで床に沿って壁から壁までを測り、天井の高さは床から天井までを測ります。間取り図や購入時の資料に部屋の寸法や天井の高さが書かれていれば、それを使っても構いません。ただし、図面の寸法は壁の中心どうしの長さで書かれていることがあり、室内で測った壁から壁までの長さとは少し違うことがあります。
計算は2段階です。まず「(縦+横)×2」で部屋の周りの長さを出し、次にそれに天井の高さを掛けます。
- 周りの長さ=(縦+横)×2
- 壁の面積=周りの長さ×天井の高さ
冒頭の例で言えば、縦3.5m×横4.0mの部屋の周りの長さは15.0mです。天井の高さが2.4mなら、壁の面積は36㎡になります。部屋の4面の壁をそれぞれ「横幅×高さ」で計算して足しても同じ数字になりますが、周りの長さを先に出せば、壁ごとに面積を計算して足す手間を省けます。
天井の高さは、住宅では2.4m前後のことが多いものの、家によって違います。同じ部屋の広さでも、天井が2.2mと2.5mでは、壁の面積に1割以上の差が出ます。中古で購入した住まいのように天井の高さが分からない場合は、目分量で決めず、一度測っておくと計算の精度が上がります。
L字型や出っ張りのある部屋は、壁の長さを一辺ずつ足す
長方形ではない部屋は、壁の長さを一辺ずつ測って足していけば、周りの長さが出ます。
たとえば、長方形の一角が欠けたL字型の部屋なら、壁は6面になります。6面の長さをすべて足したものが周りの長さで、それに天井の高さを掛ければ壁の面積です。なお、長方形の角を四角く切り欠いた形のL字型であれば、周りの長さは、欠ける前の長方形の周りの長さと同じになります。外側の縦と横を測って「(縦+横)×2」で計算しても、同じ答えになるということです。ただし、欠ける前の長方形と周りの長さが同じでも、床の広さは欠けた分だけ小さくなります。床の広さ(畳数)だけでは、壁の面積は判断できないということです。
一方、柱が部屋の内側へ出っ張っている場合や、壁の途中に凹んだ部分がある場合は、出っ張りや凹みの側面の分だけ、壁は長くなります。たとえば、壁の途中に奥行き30cmの柱が出っ張り、両方の側面が室内に出ていれば、側面の2面分で周りの長さが60cmほど増えます(部屋の角に沿って四角く出っ張る柱なら、隠れる壁と柱の側面の長さが同じになるので、周りの長さは変わりません)。細かい部分なので、大まかな計算では省いても構いませんが、出っ張りの多い部屋では、見積もりの面積が自分の計算より大きくなる理由の1つになります。
階段や吹き抜け、勾配天井の部屋のように、場所によって壁の高さが違う所は、この計算では見当がつけにくくなります。こうした場所は、自分の計算はあくまで目安と考え、現地調査で測ってもらった数字を基準にするほうが確実です。吹き抜けで費用が変わる理由と見積もりで確かめたいことは、吹き抜けの壁紙張り替え費用はなぜ高い?面積だけでなく高さで上がる理由と、見積もりで確かめたいことで解説しています。
平らな天井も張り替えるなら、床の広さを足す
天井も一緒に張り替える場合は、天井の面積が加わります。平らな天井なら、天井の面積は床の広さとほぼ同じです。長方形の部屋なら「縦×横」で出せます。縦3.5m×横4.0mの部屋なら、天井は14㎡で、壁と合わせると約50㎡です。ただし、斜めに上がった勾配天井や、段差のある折り上げ天井は、床の広さより大きくなります。
壁と天井を一緒に張り替えると、天井の分だけ施工面積が増えます。天井の高さを2.4m前後として、このあと紹介する4畳半〜20畳ほどの部屋で、窓やドアを引く前の概算どうしで比べると、壁と天井の合計は壁だけのときの1.3〜1.6倍ほどになります。広い部屋ほど、床(=天井)の広さに対して壁の割合が小さくなるので、天井を足したときの増え方は大きくなります。見積もりを取るときは、壁だけの場合と、天井も含めた場合の両方の面積を把握しておくと、見積書の数字を確かめやすくなります。
畳数から見当をつけるときは、1畳を約1.5〜1.8㎡として考える
部屋の寸法を測れないときや、まずは大まかな数字だけ知りたいときは、畳数から見当をつけることもできます。1畳の大きさは地域や建物によって違い、小さめの畳で約1.5㎡、大きめの畳で約1.8㎡ほどです。床の広さはこれを畳数に掛ければ出せますが、壁の面積は、部屋の形と天井の高さも関わるので、床の広さからは決まりません。
天井の高さを2.4m前後として、一般的な形の部屋で周りの長さから計算すると、窓やドアを引く前の壁の面積は、おおよそ次のようになります。
- 4畳半:約25〜26㎡
- 6畳:約30㎡
- 8畳:約34〜37㎡
- 10畳:約38〜42㎡
- 12畳:約42〜46㎡
- 15畳:約46〜51㎡
- 20畳:約54〜58㎡
畳数が同じなら、正方形に近い部屋より細長い部屋のほうが周りの長さが長くなり、壁の面積は大きくなります。自分の部屋が細長い形やL字型だったり、天井が高かったりする場合は、この数字より大きくなることがあると考えておきましょう。
部屋の広さごとの費用の目安は、次の記事で紹介しています。
- 4畳半:4畳半の壁紙張り替え費用はいくら?4万〜6万円の目安と、面積ほど安くならない理由を解説
- 6畳:【知らないと損】6畳の壁紙クロス張替え費用|4万円以下は見積もり内容を要確認。相場と失敗しない判断基準
- 8畳:8畳の壁紙張り替え費用はいくら?5万〜9万円の目安と追加費用が発生する2つの条件を解説
- 10畳:10畳の壁紙張り替え費用はいくら?6万〜11万円の内訳と追加費用が発生する3つの条件を解説
- 12畳:12畳の壁紙張り替え費用はいくら?6万〜12万円の目安と、面積×単価で見積もりを確かめる方法
- 15畳:15畳の壁紙張り替え費用はいくら?7万〜13万円の目安と、面積×単価で見積もりを確かめる方法
- 20畳:20畳の壁紙張り替え費用はいくら?8万〜15万円の目安と、広いLDK・続き間で面積の見当をつける方法
㎡(平米)とm(メートル)の関係を知っておく

壁紙の数量や単価は、見積書によって㎡(平米)で書かれていることもあれば、m(メートル)で書かれていることもあります。どちらで書かれていても読めるように、2つの単位の関係を整理しておきます。
クロスは幅90cm前後のロールで、長さで数えることが多い
壁紙は、幅90cm前後の細長いロールになっています。張り替えのときは、このロールを天井の高さに合わせて切り、壁の端から1枚ずつ縦に貼り継いでいきます。そのため、壁紙そのものの量は、ロールを何m使うかという長さで数えることが多いのです。
一方、張り替える場所の広さは、壁の面積(㎡)で考えます。見積書に㎡とmが混ざって見えるのは、貼る場所の広さを数えているのか、使う壁紙の長さを数えているのかの違いです。
1mでおよそ0.9㎡、㎡からmへは0.9で割って見当をつける
幅が約90cmの壁紙なら、長さ1m分で覆える広さはおよそ0.9㎡です。逆に、面積から長さを出すときは、面積を0.9で割ります。
- 長さ(m)→面積(㎡):長さ×0.9
- 面積(㎡)→長さ(m):面積÷0.9
たとえば壁の面積が36㎡なら、36÷0.9=40で、壁紙の長さにすると約40m分です。幅が92cmの製品なら0.92で計算します。
ただし、これは面積と長さの関係の目安です。実際に使う長さは、1枚ずつ天井の高さに合わせて切るときの切り代や、柄物の場合の柄合わせの分が加わって、面積を割った数字より長くなることがあります。必要な長さの細かい計算は施工する業者が行うものなので、見積もりを確かめるうえでは、「面積を0.9で割ったくらいの長さが基本になる」と分かっていれば十分です。
見積書の単価が㎡単価かm単価かで、数字の意味が変わる
見積書の単価も、1㎡あたりで書く業者と、1mあたりで書く業者があります。どちらの単位を使っているかに優劣はありません。気をつけたいのは、単位の違う単価をそのまま並べて比べないことです。同じ工事でも、㎡単価とm単価では数字が一致しません。
上の換算を使えば、m単価からおよその㎡単価の見当はつけられます。ただ、mで書かれた数量には、切り代や柄合わせの分が含まれていることもあるので、単価を換算しても目安にとどまります。単位の違う見積もりを比べるときは、単価ではなく、総額と施工面積を見るほうが確実です。数量がmだけで書かれている場合は、比べるために、実際に貼る面積が何㎡になるかも業者に聞いておきましょう。単価に何が含まれているかや、「材工共」「別途」といった見積書の言葉の意味は、壁紙張り替え費用の内訳とは?㎡単価1,500〜2,500円に含まれるもの・別途になるもの、見積書の言葉を整理で整理しています。
自分の計算と見積もりの㎡数が違ってくる3つの理由
自分で計算した面積と、見積書に書かれた施工面積は、ぴったり一致するとは限りません。違いが出る主な理由は、窓やドアの扱い、天井を含むかどうか、ほかの部屋や収納の中まで含むかどうかの3つです。どの理由で違っているかが分かれば、見積書の数字が妥当かどうかを判断しやすくなります。
見積もりは、窓やドアを除いた「実際に貼る面積」を現地調査で測る
この記事の計算は、窓やドアの部分を引く前の数字です。一方、業者は一般に、窓やドアの部分を除いた、実際に壁紙を貼る面積を、現地調査のときに測ります。図面上の計算ではなく、現地で測った数字が見積書の施工面積になるということです。
窓やドアの部分がどのくらいの広さになるかは、大きさで変わります。仮に、幅1.7m×高さ1.8mの窓なら約3㎡、幅0.8m×高さ2.0mのドアなら約1.6㎡です。この大きさの窓とドアが1つずつある部屋なら、自分の計算より5㎡近く(約4.7㎡)小さい数字が見積書に書かれていても不思議ではありません。大きな窓が多い部屋や、ドアが2つある部屋では、差はさらに大きくなります。クローゼットの扉の部分も同じです。LDKでは、キッチンパネルを貼るコンロまわりや、造り付けの収納の部分にも壁紙を貼らないので、その分も小さくなります。なお、窓の上や下の壁には壁紙を貼るので、除かれるのは窓やドアそのものの部分です。
つまり、見積書の面積が自分の計算より少し小さいのは、多くの場合、窓やドアなど壁紙を貼らない部分を除いているためです。反対に、見積書の面積が自分の計算より大きい場合は、まず次の2つが含まれていないかを見てみましょう。
天井を含めた面積かどうか
見積書の面積が自分の計算よりはっきり大きい場合、まず考えられるのは天井が含まれていることです。平らな天井なら面積は床の広さとほぼ同じなので、6畳の部屋でも天井の分として約10㎡、広い部屋ならそれ以上が加わります。自分の概算と比べるときは、窓やドアなどを除いた分が差し引かれていることも合わせて考えます。
壁だけを張り替えるつもりだったのに天井が含まれている、あるいは天井も一緒に頼んだつもりが壁だけの面積になっている、ということもあり得ます。見積書の面積が「壁」と「天井」に分けて書かれているか、まとめて書かれているかを確かめ、自分が頼みたい範囲と合っているかを照らし合わせましょう。壁と天井で単価が分けて書かれていることもあります。天井も一緒に張り替えるかどうかの考え方は、クロス張り替えで天井もやるべき?壁と同時なら追加2万円、後回しは割高になる理由で解説しています。
ほかの部屋や収納の中まで含めた面積かどうか
何部屋かをまとめて見積もってもらった場合は、見積書の面積がどの部屋の分なのかを確かめます。部屋ごとに分かれて書かれていれば、自分の計算と1部屋ずつ照らし合わせられますが、合計の面積しか書かれていないと、どこで違いが出ているのかが分かりません。
クローゼットや押入れの内側を張り替える場合や、廊下・階段の壁を含める場合も、その分だけ面積が増えます。一般的なクローゼット(ウォークインタイプでないもの)の内側は、奥と左右の壁を合わせても数㎡ほどで、居室の壁1面ぶんかそれより少ない程度ですが、部屋の面積とは別に加わります。クローゼットの内側を部屋と一緒に張り替える場合の費用の考え方は、クローゼットのクロス(壁紙)張り替え費用|居室とまとめると差額2万円前後、単独だと割高になる仕組みで解説しています。
大きくずれていたら、何を含めた面積かを聞く
自分の計算と見積書の面積が、窓やドアの分では説明がつかないほど違う場合は、業者に「この面積には何が含まれていますか」と聞いてみましょう。天井を含むか、どの部屋の分か、収納の中や廊下は入っているかを聞けば、多くの場合は理由が分かります。
見積書の面積が自分の計算よりかなり小さい場合も同じです。張り替えてほしい壁の一部が範囲から抜けていないか、確かめておくと安心です。面積の違いを質問したときに、どこを測った数字なのかを具体的に説明してもらえるかどうかも、業者を見る材料の1つになります。
ネットで見かける「床面積×係数」の簡易計算との違い
壁の面積の出し方を調べていると、「床面積に一定の倍率(係数)を掛けると壁の面積の見当がつく」という簡易計算を見かけることがあります。部屋の寸法を測らずに、畳数や床の広さだけで見当をつけられるので、手軽な方法ではあります。
ただ、床面積と壁の面積の比率は、部屋の広さによって変わります。この記事の数字(1畳=約1.5〜1.8㎡)で比べると、壁の面積は、4畳半や6畳では床の広さの3倍前後かそれ以上ですが、12畳や15畳では2倍前後、20畳では2倍を下回ります(畳の大きさで幅が出ます)。部屋が広くなるほど、床の広さに比べて周りの長さの伸び方は小さくなるためです。さらに、同じ畳数でも、細長い部屋か正方形に近い部屋か、天井が高いか低いかでも比率は変わります。
そのため、床面積×係数の計算は、どの係数を使うかで数字に幅が出ます。小さい部屋向けの係数を広い部屋に使えば面積は大きく出ますし、その逆もあります。部屋の周りの長さ(長方形なら縦と横)と天井の高さを測れるなら、周りの長さ×天井の高さで計算すると、自分の部屋の形と天井の高さがそのまま数字に入ります。簡易計算を使う場合は、一般的な形・天井の高さの部屋なら、出てきた数字が上の畳数ごとの目安と大きく離れていないかを、一度見比べておくとよいでしょう。
計算した㎡数を見積書と照らし合わせる
自分の部屋の面積の見当がついたら、見積書を受け取ったときに、面積と金額の両方を確かめられます。ここでは、見積書のどこを見て、どう計算すればよいかを説明します。
見積書に施工面積と単価が書かれているかを確かめる
見積書を受け取ったら、まず施工面積と単価が書かれているかを見ます。「壁紙張り替え工事 一式」とだけ書かれていると、何㎡をいくらで計算した金額なのかが分かりません。一式という書き方自体は、範囲の小さい工事ではよくあるもので、不誠実の表れとは限りません。ただ、一式だけでは自分の計算と照らし合わせることができないので、施工面積と単価、または内訳を聞いておきましょう。
施工面積が書かれていれば、自分の計算と並べてみます。面積が違ってくる理由のところで見たとおり、同じ範囲で比べて、窓やドアなど貼らない部分を除いて少し小さいくらいなら、自然な数字です。大きく違っていれば、何を含めた面積かを確かめます。見積書のほかの項目の見方は、クロス張り替えの見積書チェックポイント7選|追加費用で後悔しないための確認事項でまとめています。
金額を施工面積で割り、1㎡あたりの単価を確かめる
施工面積が分かれば、見積もりの金額のうち壁紙の張り替え工事の分を、施工面積で割って、1㎡あたりの単価を出せます。
量産品と呼ばれる一般的な壁紙なら、材料と工事を合わせた単価は、1㎡あたり1,500〜2,500円程度が目安です。単価に幅があるのは、業者によって職人の手配の仕方などが違うことに加えて、税込みで示す業者と税抜きで示す業者があるためです。計算した単価がこの範囲に収まっていれば、量産品としては相場の範囲と考えてよいでしょう。複数の見積もりを比べるときも、税込みか税抜きかをそろえてから比べます。
計算するときは、どの行を含めるかに気をつけます。この目安には、古い壁紙の剥がし、養生、廃材の処分、パテなどで壁を整える軽い下地処理が、もともと含まれていることが多いものです。そのため、剥がしや養生、処分、軽い下地処理が張り替えとは別の行に書かれていれば、張り替えの行と合わせて計算すると、目安やほかの見積もりと比べやすくなります。「諸経費」の行は、何が含まれているかを聞いたうえで、養生や処分などが中心なら同じように合わせます。反対に、家具の移動や、傷んだ下地そのものを直す下地補修、エアコンの取り外しなど、部屋の状況によって加わる作業が別の行になっていれば、その分は除いて計算します。たとえば、中古の戸建ての入居前に洋室・廊下・LDKなどの壁と天井をまとめて張り替えた【施工事例】群馬県前橋市:中古の戸建ての入居前に壁と天井の壁紙を張り替え|勾配天井のLDKを含む122㎡を量産クロスででも、費用の内訳で、壁紙の張り替えと、既存の壁紙の剥がし・下地処理が、どちらも面積(㎡)を添えた別の項目になっています。
範囲から外れている場合は、理由を確かめます。1000番台と呼ばれる、色や柄の選択肢が多いグレードの壁紙を選んでいれば、1㎡あたり数百円ほど高くなるのが一般的です。グレードの違いは、量産クロスと1000番クロスの違い|価格差は6畳で約1万円、部屋ごとの選び分け方で解説しています。また、トイレや洗面所、1面だけのような小さな範囲では、面積に関係なくかかる段取りの手間があるため、1㎡あたりの単価は高く出ます。多くの業者は、1件あたりの最低料金を4万〜6万円程度に設定していて、面積×単価の金額がそれを下回る小さな工事では、最低料金で見積もられることがあります。この場合は、面積で割った単価が相場より高く見えても、計算の仕方が違うだけです。階段や吹き抜けのように、足場や高い脚立が要る場所を含む場合も、その分の手間が加わって、単価は高く出ることがあります。
何部屋かまとめて頼むときは、金額の決まり方も知っておく
何部屋かをまとめて張り替える場合は、面積が違ってくる理由のところで説明したとおり、部屋ごとの面積で自分の計算と照らし合わせたうえで、まとめて頼んだときの金額の決まり方も知っておくと、見積書を読みやすくなります。
範囲が広くなるほど、面積×単価の積み上げで総額が決まるのが基本です。まとめて頼むと、総額は増えても1㎡あたりの単価が下がることがあります。段取りが1回で済み、職人も効率よく作業できるためです。トイレや洗面所のような小さな場所も、ほかの部屋と一緒に頼めば、単独で頼むときのように最低料金並みの金額が改めて乗らないことが多く、加わる金額は主にその場所の面積と選ぶ壁紙で変わります。張り替えを考えている場所がほかにもあるなら、まとめて見積もりを取ったときの面積と金額を確かめてみるとよいでしょう。
家全体やマンション全体のように範囲が広い場合の、面積の積み上げ方と費用の目安は、一軒家の壁紙張り替え費用はいくら?家全体は数十万円規模、面積の積み上げ方と階段・吹き抜けの注意点とマンションの壁紙張り替え費用はいくら?3LDKで20万〜34万円前後、間取り別の目安と費用の決まり方で紹介しています。
自分で計算した面積を手に、見積書の数字を確かめよう
クロスの平米計算について、ここまでの内容を整理します。
- 天井の高さが一定の部屋なら、壁の面積は「部屋の周りの長さ×天井の高さ」で計算できる(階段・吹き抜け・勾配天井は現地で測った数字を基準に)。長方形の部屋なら、周りの長さは「(縦+横)×2」。L字型の部屋は壁の長さを一辺ずつ足す
- 天井も張り替えるなら、平らな天井で床の広さとほぼ同じ面積が加わる(勾配天井などはそれより大きい)
- 畳数から見当をつけるなら、1畳は約1.5〜1.8㎡。6畳の壁は約30㎡、8畳は約34〜37㎡が目安(天井の高さ2.4m前後・一般的な形の部屋で、窓やドアを引く前)
- クロスは幅90cm前後のロールで、1mでおよそ0.9㎡。幅90cmなら、㎡を0.9で割ると長さの目安が出る(実際の使用量は切り代や柄合わせで増えることがある)。単位の違う単価はそのまま比べず、総額と施工面積で比べる
- 自分の計算は窓やドアを引く前の概算。業者は一般に、窓やドアを除いた実際に貼る面積を現地調査で測るので、同じ範囲で比べれば、見積書の面積は窓やドアなど貼らない部分の分だけ少し小さくなるのが普通
- 見積書の面積が大きく違うときは、大きい場合は天井やほかの部屋・収納の中が含まれていないか、小さい場合は頼みたい壁が範囲から抜けていないかを確かめ、何を含めた面積かを聞く
- 家具の移動や下地補修など部屋の状況で加わる別項目は除き、剥がし・養生・処分・軽い下地処理など別の行に書かれた標準の作業は合わせて、張り替え工事の金額を施工面積で割る。その単価が量産品で1㎡あたり1,500〜2,500円程度に収まっているかを見る。小さな範囲は最低料金で見積もられることがあり、階段や吹き抜けを含む場合も手間の分で単価が目安を上回ることがある
自分で計算した面積は、見積書の数字を確かめるための物差しです。実際の金額は、現地調査で測った面積と、壁の状態、選ぶ壁紙のグレードで決まります。計算した面積を手元に置いて見積もりを依頼し、見積書の面積が自分の計算と大きく違っていたら、何を含めた数字なのかを聞いてみてください。そのうえで気になる点があれば、電話や問い合わせフォームで、部屋の形や張り替えたい範囲を伝えて相談してみてください。
見積書の面積が自分の計算と大きく違うときは、まず見積もりを出した業者に、何を含めた面積かを確かめてみてください。そのうえで気になる点がある方や、形が変わった部屋・何部屋かをまとめての張り替えを考えている方は、電話でご相談ください。張り替えたい範囲をうかがったうえでご案内します。見積もり・現地調査は無料です。
電話が難しい方はメールでもご相談いただけます。
この記事の執筆者

氏名:松田郁幾
実績:壁紙張り替えを中心に、これまで多くのお客様・職人と関わってきました。
この記事について:現場で見聞きした実例をもとに、誇張せず、実践的な視点で解説しています。



