壁紙の継ぎ目が剥がれてきたら?1〜2箇所なら自分で貼り戻せる条件と、補修・張り替えの費用

壁紙の継ぎ目で浮いてめくれた部分を、困った表情で指さす年配の男性

壁を見たら、壁紙と壁紙の継ぎ目に沿って、端がめくれていた。指で触ると、薄く持ち上がる。部屋の隅だけでなく、壁の途中のまっすぐな継ぎ目でめくれていることもあります。「このまま広がっていくのでは」「自分で貼り戻してよいのか」と迷っている方もいると思います。

先に結論をお伝えします。壁紙の継ぎ目のめくれは、多くの場合、糊の接着が壁紙の端で弱まったことで起きます。継ぎ目は、壁紙の端が集まる場所だからです。めくれた壁紙がちぎれずに残っていて、まだやわらかく、奥の下地がしっかりしていて、手の届く場所の1〜2箇所程度なら、文具用の糊や木工用ボンドで自分で貼り戻せることがあります。一方で、壁紙が硬くなって端が欠ける、めくれた奥の下地が傷んでいる、周りにシミやカビがある、いくつもの継ぎ目でめくれている、貼り戻してもまた剥がれる、といった場合は、業者に見てもらったほうが早く片づきます。

業者に頼む場合の費用は、直し方によって分かれます。めくれの貼り戻し程度の簡単な補修なら、1面の張り替えより安い料金を設けている業者もあります。一部を新しい壁紙に張り替える補修になると、費用は1面の張り替えと同じくらいになりやすく、多くの業者は最低料金を4万〜6万円程度に設定しています。張り替えずに傷んだ箇所だけを直すリペア業者という頼み先もあり、目安は下地に傷みがない場合で1万〜3万円程度です。

なお、継ぎ目の症状には、端が持ち上がる「めくれ(剥がれ)」のほかに、端は持ち上がらずに細い隙間が開く「隙間」もあります。見た目は似ていますが、直し方の考え方が違います。この記事では、継ぎ目で壁紙の端がめくれている状態を扱います。

この記事を読むと、次のことが分かります。

  • 壁紙の継ぎ目がめくれやすい理由と、継ぎ目が壁のどこに来るのか
  • 自分で貼り戻してよいめくれと、業者に見てもらったほうがよいめくれの見分け方
  • 自分で直すときの方法(糊での貼り戻し、欠けた部分に補修用の壁紙を重ねる方法)と、貼り戻したあとに隙間が残るときの対処
  • 業者に頼む場合の費用の考え方(張り替え業者の補修、リペア業者、1面の張り替え)
  • 現地調査で見られることと、相談のときに伝えておくとよいこと

読み終えるころには、目の前の継ぎ目のめくれについて、次に何から手をつければよいかが見えてくるはずです。

継ぎ目のめくれが自分で直せる範囲なのか判断がつかない方は、電話でめくれている場所や長さ、数を、分かる範囲でお聞かせください。見てもらったほうがよい状態かどうかも含めてご案内します。見積もり・現地調査は無料です。

電話が難しい方はでもご相談いただけます。


なぜ壁紙の継ぎ目はめくれやすいのか

縦長の壁紙が継ぎ目で並ぶ壁と、継ぎ目から垂れ下がった壁紙の一片、そばに置かれた踏み台

壁紙の継ぎ目は、1枚の壁紙と隣の壁紙が突き合わさっているところです。ふだんはほとんど目に入りませんが、年数が経つと、めくれや隙間が出やすい場所でもあります。まず、なぜ継ぎ目でめくれが起きるのかを見ておきます。原因が分かると、「貼り戻せば済むのか」「直してもまた起きるのか」の見当がつけやすくなります。

同じ接着の弱まりでも、端で起きれば「剥がれ」、中ほどで起きれば「浮き」

壁紙は、裏に塗った糊で下地の板に留められています。この糊は、年月とともに少しずつ接着する力が落ちていきます。

接着が弱まったときに、それがどんな形で表に出るかは、場所によって変わります。壁紙の端、つまり継ぎ目や角で接着が弱まると、端が持ち上がってめくれる「剥がれ」になります。壁紙の中ほどで密着が弱まると、壁紙の真ん中がふくらむ「浮き」になります。

壁紙の中ほどは、周りの壁紙と一続きになっているので、接着が多少弱まっても周りに押さえられています。ところが端には、その先がありません。継ぎ目は、左右2枚の壁紙の端が向かい合っている場所です。どちらか一方、あるいは両方の端で接着が弱まると、持ち上がった端がそのままめくれとして見えるようになります。継ぎ目は、壁紙の端がもっとも多く集まっている場所の一つなので、めくれが目につきやすいのです。

継ぎ目は、部屋の隅だけでなく、壁の途中にも来る

継ぎ目と聞くと、部屋の隅(壁と壁が突き当たるへこんだ角)を思い浮かべるかもしれません。実際に、壁紙は面ごとに部屋の隅で区切って貼ることが多く、隅には壁紙の端が集まります。

ただ、継ぎ目は隅だけにあるわけではありません。壁紙は幅約90cmのロールを、天井側から床側へ縦に貼り、隣にまた次の1枚を貼り継いでいきます。そのため、幅が90cmを超える壁には、壁の途中にも縦にまっすぐな継ぎ目が入ります。たとえば幅3mほどの壁なら、途中に継ぎ目が何本か通っていることになります。

ふだん気づかない壁の途中の継ぎ目も、年数とともに接着が弱まれば、隅と同じようにめくれることがあります。1本の継ぎ目でめくれを見つけたら、同じ壁のほかの継ぎ目や、部屋の隅でも同じことが起きていないか、あわせて見てみてください。どこにどれだけ出ているかで、貼り戻しで済むのか、まとめて直したほうがよいのかが変わってきます。

「継ぎ目の隙間」「浮き」「照明で目立つだけ」は分けて考える

継ぎ目に出る症状のなかには、めくれと似ているけれど、考え方が違うものもあります。

継ぎ目に細い隙間が開いているだけで、端が持ち上がっていなければ、めくれではなく継ぎ目の隙間です。隙間は貼り戻す端がないので、張り替えどきかどうかの見方が、めくれとは少し違います。

継ぎ目のそばではなく、壁紙の中ほどがぷっくりふくらんでいるなら、それは浮きです。浮きは、ふくらみの大きさや数、下地の状態で自分で直せるかを判断し、直し方も、めくれた端を貼り戻すのとは違ってきます。

継ぎ目に沿って線が見えるものの、触ってもめくれも隙間もない場合は、照明の光の当たり方で継ぎ目が目立って見えているだけのことがあります。この場合は、傷みというより見え方の問題です。

部屋の出っ張った角(出隅)でめくれているなら、角ならではの擦り切れも関係してきます。この記事では、壁の途中や部屋の隅の継ぎ目で、壁紙の端がめくれている状態を中心に扱います。

似た症状の見分け方と、それぞれの対処は、次の記事で詳しく扱っています。

「軽いめくれ」と「業者に相談すべき状態」の見分け方

壁紙の継ぎ目でめくれた端に、指先で触れて押さえている手

ここからは、自分で貼り戻してよいめくれと、業者に見てもらったほうがよいめくれの見分け方を整理します。目安であって、当てはまれば必ずきれいに直る、というものではありません。「このくらいなら、自分で試してみる価値がある」という線として読んでください。

めくれた壁紙が残っていて、やわらかく、1〜2箇所なら、自分で貼り戻せることが多い

自分で貼り戻しやすいのは、次の条件がそろっているめくれです。

  • めくれた壁紙がちぎれずに残っていて、元の位置に戻せる
  • めくれた壁紙を指で押さえると、まだやわらかく、元の位置に沿う
  • めくれた奥の下地が、へこんだり崩れたりしていない
  • 床に立ったまま手が届く高さで、めくれが1〜2箇所程度

この条件がそろっていれば、めくれた部分を糊で貼り戻すことで、離れて見れば分からない程度まで目立たなくできることがあります。具体的な貼り戻し方は、後の章で紹介します。

反対に、天井際のように脚立を使わないと届かない高さの継ぎ目は、自分で直すことをおすすめしません。補修の作業は上を向いたまま両手を使うことになるので、脚立の上では体を支えにくくなります。急いで直す必要がなければ、ほかの気になる箇所と一緒に見てもらう形で十分です。

壁紙が硬くなって、端がぱりぱり欠ける

めくれた壁紙を指で押さえても元の位置に沿わない、端がぱりぱりと割れたり欠けたりする、という場合は、壁紙そのものが年数とともに硬くなっています。

壁紙メーカーのサンゲツは、はがれてきた壁紙の直し方を案内したうえで、「経時変化により壁紙が硬化している場合は部分的な補修では対応ができませんので、貼り替えをおすすめします」と書いています(出典:サンゲツ「壁紙のお手入れ方法」)。

硬くなった壁紙は、貼り戻そうとして曲げること自体で、新しいひびが入ることがあります。継ぎ目の壁紙が硬くなっているなら、同じ部屋の壁紙も同じように年数を重ねていると考えたほうが実態に近くなります。硬くなった壁紙は、1箇所を直すより、張り替えの時期を考えるサインと受け止めたほうがよいでしょう。張り替えの時期を見極めるサインは、壁紙の替えどきはいつ?築年数より見るべき「今の壁の状態」と見逃せない5つのサインで扱っています。

めくれた奥の下地が傷んでいる、周りにシミやカビがある

めくれた壁紙の奥をのぞいてみて、下地の板の表面がぼろぼろになっている、指で押すとへこむ、フカフカと沈む、という場合は、下地まで傷んでいます。この状態で壁紙だけを貼り戻しても、下地の表面ごと剥がれてきたり、へこみや段差が残ったりします。

めくれの周りに、茶色いシミ、黒い点々としたカビ、触ると湿っている跡がある場合は、湿気や結露、水漏れが関係している可能性があります。この場合、壁紙を貼り戻しても、湿気の原因が残っていれば、また同じ場所が傷むことがあります。シミやカビがあるときは、めくれを直すより先に、壁の中で何が起きているかを確かめることが必要です。

シミの原因(雨漏り・結露・カビなど)の見分け方は壁紙のシミの原因は?雨漏り・結露・カビ・ヤニの見分け方と、張り替えの前にすべきことで、カビが出ている壁で張り替えのときに下地をどう処置するかは壁紙のカビは張り替えだけで直る?下地の防カビ処置と費用の目安を解説で、それぞれ詳しく扱っています。

いくつもの継ぎ目でめくれている、貼り戻してもまた剥がれる

部屋のあちこちの継ぎ目で同じようにめくれが出ているなら、その部屋の壁紙全体で、糊の接着が弱まってきている可能性があります。1箇所ずつ貼り戻していくと、直したそばから別の継ぎ目がめくれてくることがあります。

一度貼り戻した継ぎ目が、しばらくしてまた剥がれてきた、という場合も同じです。貼り戻しはその場所を留め直す作業なので、周りの糊の弱まりまでは止められません。どちらの場合も、継ぎ目ごとに直し続けるより、張り替えを含めて一度見てもらったほうが、結果的に手間が少なく済むことがあります。

張り替えてからの年数で、原因の見当をつける

いくつもの継ぎ目でめくれているときは、壁紙を張り替えてからどのくらい経っているかも、原因を考える手がかりになります。

張り替えから数か月〜1年ほどのうちに、何か所もの継ぎ目でめくれてきた場合は、糊の付け方や押さえ方、下地の整え方といった施工が関係している可能性があります。施工の甘さは、張った直後よりも、時間がたつにつれて表れてくることがあるためです。この場合は、まず張り替えを頼んだ業者に状態を伝えて、見てもらうよう相談してみてください。施工が原因の浮きや隙間が出てくる時期と、経年による変化との見分け方は、壁紙の下地処理とは?数か月後に浮きが出る理由と、見積書で確認する一言で扱っています。

一方、張り替えから年数がたった住まいで、複数の継ぎ目にめくれが出ているなら、年数による糊の弱まり、つまり経年によるものと考えるのが自然です。その場合は、上で見てきた壁紙の硬さや周りの状態をもとに、貼り戻しで済むのか、張り替えを考えるのかを判断していきます。

継ぎ目のめくれを直す方法と費用の考え方

ここからは、実際に直す方法と、業者に頼む場合の費用の考え方を整理します。自分でできる対処を紹介したあと、張り替え業者に頼む方法、リペア業者に頼む方法、その面を張り替える方法の順に見ていきます。

自分で貼り戻すなら、文具用の糊か木工用ボンドで

前の章で示した「自分で貼り戻せる」条件がそろっているめくれなら、めくれた部分を糊で貼り戻します。サンゲツは、ビニル壁紙の部分的なはがれについて、「ゴミやホコリを取り除いた後、壁紙の裏に文具用の糊や木工用ボンドをはみ出さないように塗布して貼り付けます」と案内しています(出典:サンゲツ「壁紙のお手入れ方法」)。この案内はビニル壁紙についてのものなので、以下の手順もビニル壁紙を前提にしています。

手順にすると、次のようになります。

  • めくれた壁紙の裏と、奥の下地についたほこりやごみを、乾いた布や刷毛で取り除く
  • めくれた壁紙の裏に、文具用の糊か木工用ボンドを塗る。押さえたときにはみ出さないよう、量は控えめにする
  • 隣の壁紙の端と重ならないよう、元の位置に合わせて、継ぎ目から外側へ向かって指や乾いた布で押さえる
  • はみ出した糊は、固く絞った布ですぐに拭き取る
  • 糊が乾くまでは、押したり触ったりしない。乾く時間は製品の表示に従う

継ぎ目では、左右両方の壁紙の端がめくれていることがあります。その場合は、片側ずつ元の位置に合わせて貼り戻し、2枚の端が重ならないようにします。重なったまま貼ると、その部分だけ厚みが出て段差になります。

注意したいのは、めくれた部分を「どこまで剥がれているか」と引っ張らないことです。一度伸びた壁紙は元の寸法に戻らず、貼り戻しても波打ったり、隣の壁紙と合わなくなったりします。瞬間接着剤も、乾くと固く盛り上がって段差になりやすいので向きません。

自分で貼り戻した場合も、周りと完全に同じ見た目にはならないことがあります。継ぎ目の線がうっすら残ったり、はみ出した糊の跡が光の当たり方で見えたりすることがあります。目指せるのは「目立たなくする」までと考えてください。

貼り戻しても継ぎ目に隙間が残るときは、ジョイントコークで埋める方法もある

めくれを貼り戻したあと、継ぎ目に沿ってわずかな隙間が残ることがあります。めくれていた端を元の位置に戻しても、左右の端がぴったり突き合わないことがあるためです。

この隙間を目立たなくするには、ジョイントコークという継ぎ目用の充填材を使う方法があります。隙間に細く入れ、はみ出した分を固く絞った布で拭き取って押さえます。

注意したいのは、どの色を選ぶかです。ジョイントコークには、白やアイボリーなどの色が付いたタイプのほかに、透明のタイプもあります。透明のタイプは乾くと光沢が出て、埋めた部分だけが光って見えることがあります。ジョイントコークは、壁紙の色に近い白やアイボリーのものを選ぶのが無難です。

埼玉県鴻巣市の相談事例では、天井の継ぎ目の部分が浮いてきたのを市販の透明のジョイントコークで直そうとしたところ、その部分だけが光って目立ってしまいました。そのあと白で塗り直しても、継ぎ目の部分だけが目立つ状態は消えませんでした(【相談事例】埼玉県鴻巣市:天井のクロスの継ぎ目を自分で補修したら跡が目立ってしまったご相談)。透明のタイプで光ってしまった跡は、上から色を塗り直しても消えないことがあるので、最初に入れるときの色選びが大切です。入れる量も少なめにしておくと安心です。

ジョイントコークは、あくまで隙間を埋めるための材料です。めくれた壁紙を貼り付ける力はないので、めくれの貼り戻しには糊かボンドを使い、そのあと残った隙間にだけ使う、という順番で考えてください。

壁紙がまだやわらかく、一部が欠けているなら、補修用の壁紙を重ねて貼る方法もある

壁紙がまだやわらかいものの、めくれた部分の一部がちぎれてなくなっていて元に戻せない、という場合は、貼り戻すことができません。このときの直し方の一つに、同じような柄の補修用の壁紙を用意して、欠けた部分の上から重ねて貼る方法があります。

この方法は、非常に手軽にできるのが利点です。ただし、補修用の壁紙を重ねた部分は、周りの壁紙より一段高くなります。そのため、段差の縁に汚れが付きやすく、時間が経つと、重ねた部分の境界が目立ってくる可能性があります。手軽さと引き換えに、見た目の面では割り切りが要る直し方だと考えておくとよいでしょう。

ただし、周りの壁紙も硬くなって、触ると端がぱりぱり欠けるような場合は、前の章で見たとおり張り替えの時期を考えるサインです。この方法は、壁紙がまだやわらかく、一部だけがちぎれて欠けている場合の直し方と考えてください。

市販の補修用の壁紙やシールは、凹凸のある面には貼れない、貼り直しができない、といった形で、使える場所を商品の側で限っていることがあります。注意書きの読み方は、壁紙の汚れ隠しは貼るか塗るか|商品が限定する3つの条件と、壁紙メーカー3社が粘着テープを避ける理由で詳しく扱っています。

補修用の壁紙は、元の壁紙と色や柄がそろっていないと、そこだけが浮いて見えます。同じ壁紙が手元に残っていなければ、近い色・柄のものを探すことになりますが、年数が経った壁紙は日焼けなどで色が変わっていることも多く、ぴったり合わせるのは難しくなります。めくれではなく、壁紙が裂けたり穴が開いたりしている場合や、めくれた部分がちぎれて広く欠けている場合の直し方と費用の考え方は、壁紙の破れは自分で補修できる?業者に相談したほうがよい5つの目安と費用の考え方で詳しく扱っています。

張り替え業者に頼む場合は、直し方で費用が分かれる

壁紙の張り替え業者に頼む場合の費用は、どんな直し方になるかで2つに分かれます。

1つは、めくれた壁紙を貼り戻したり、張り替えを伴わない小さな傷を目立たなくしたりする程度の、簡単な補修です。作業が短く済むので、1面の張り替えより安い「補修」の料金を設けている業者もあります。めくれた壁紙が残っていて、やわらかい継ぎ目のめくれなら、この直し方で済む可能性があります。

もう1つは、傷んだ部分を新しい壁紙に張り替える補修です。壁紙は幅約90cmのロールを貼り継いでいるので、一部を張り替える場合も、継ぎ目の位置で区切って、最低でも1枚分を張り替えることになります。そのうえ、職人が現場に来て、養生をし、道具を出して片づけて帰るまでの手間は、1面でも1部屋でもそれほど変わりません。そのため、一部を張り替える補修の費用は、1面の張り替えと同じくらいになりやすく、多くの業者は最低料金を4万〜6万円程度に設定しています。

壁紙が硬くなっている、めくれた部分が欠けてなくなっている、という継ぎ目のめくれを張り替え業者に頼むなら、貼り戻しでは済まず、こちらの直し方になりやすいと考えておくとよいでしょう。一部の張り替えで色や継ぎ目がどう見えるかは、壁紙の部分張り替えはできる?最低1枚分になる理由と、1面張り替えと比べた費用・色の注意点で詳しく扱っています。

めくれた奥の下地が傷んでいた場合は、さらに費用が加わることがあります。小さな段差やへこみをパテで整える程度なら、張り替えの工程に含まれることが多いのですが、パテだけでは埋まらず、傷んだ部分をプレートやメッシュで塞ぐ補修になると、その分の費用が加わります(大工を手配するより抑えられることが多い直し方です)。下地の板(石膏ボード)を交換する必要があるほど傷んでいると、大工の手配が加わり、張り替えの費用とは別に大工の費用がかかります。どこまでが張り替えの中で済み、どこからが別の作業になるのかは、石膏ボードと壁紙は何が違う?傷みは30cmが分かれ目、ボード交換は大工が必要で別途費用で詳しく扱っています。

張り替えずに直す「リペア業者」という選択肢

張り替え業者とは別に、壁紙を張り替えずに、傷んだ箇所だけを直すことを専門にしているリペア業者もあります。補修に特化しているので、1〜数箇所の傷みであれば、張り替えより安く済むことが多くなります。

継ぎ目の端が欠けているような傷みでは、補修用の壁紙を使った直し方になることがあります。一般的なリペアでは、補修用の壁紙を傷んだ部分に重ねたうえで、元の壁紙とまとめてカットし、重なりのない状態で埋め込むように仕上げます。段差が残らないので、上から重ねて貼るだけの方法より、仕上がりの面では有利です。

張り替えずに直すリペアの費用の目安は、下地に傷みがない場合で1万〜3万円程度、奥の石膏ボードの補修を伴う場合で1万5,000〜5万円程度です。どちらも、傷みの大きさによって幅があります。

ただし、リペアは傷んだ箇所を周りの色や柄に合わせて目立たなくする直し方なので、条件によっては、近くで見ると直した跡が分かることがあります。また、直す箇所が増えれば、そのぶん費用も上がります。

めくれが広い・繰り返すなら、その面をまとめて張り替える

めくれがいくつもの継ぎ目に出ている、壁紙が硬くなっている、周りの壁紙も汚れや日焼けが目立つ、という場合は、めくれた面や部屋をまとめて張り替えるほうが向いています。部分的に直しても、周りの壁紙の古さはそのまま残り、直す箇所が増えるほど、費用も張り替えに近づいていくためです。

三重県鈴鹿市の施工事例では、ふだんあまり使わない2階の部屋で、壁紙が継ぎ目からめくれているのが偶然見つかりました。カーテンに隠れる位置だったこともあって気づくのが遅れ、めくれは広がりつつあり、窓の下では継ぎ目から三角形にめくれて破れていました。同じ面のコンセント周りに出ていた黒ずみやシミも含めて、下地をパテで整えたうえで、その面を量産クロスで張り替えています(【施工事例】三重県鈴鹿市:2階居室の壁紙1面を量産クロスで張り替え|継ぎ目からの剥がれを偶然発見)。ふだん使わない部屋ほど、継ぎ目のめくれに気づくのが遅れがちです。

1面を張り替えることになるなら、同じ面の中のめくれが1箇所でも数箇所でも、費用は大きく変わらないことがあります。同じ部屋のほかの面や、別の部屋にも気になるところがあれば、一緒に見てもらうと、1箇所あたりの負担が小さくなることがあります。職人が来て、養生をし、片づけるまでの手間は、面積にかかわらずかかるからです。継ぎ目のめくれをきっかけに壁を見回すと、手が触れやすいスイッチ周りやドア脇の汚れ、ほかの継ぎ目の隙間など、別の傷みに気づくことも少なくありません。

どの直し方が向いているかは、めくれの数と、周りの壁紙の状態で変わります。めくれが1〜数箇所にとどまり、周りの壁紙がまだきれいなら、貼り戻しやリペアで費用を抑えやすくなります。いくつもの継ぎ目でめくれている、周りの壁紙も古くなっている、そろそろ張り替えを考えていた、という場合は、張り替えのほうが向いています。シミやカビがあるなら、どちらで直すかの前に、まず原因を確かめることが先になります。

見積もりのときは、めくれた部分だけを直す場合と、1面を張り替える場合の、両方の金額を聞いておくと比べやすくなります。めくれが1〜数箇所で、周りの壁紙がまだきれいなら、リペア業者にも見積もりを頼んで並べてみるとよいでしょう。部分的な直しを頼むなら、貼り戻しで済むのか、一部の張り替えになるのかもあわせて聞いておくと、金額の違いの理由が分かります。見積書でほかに確かめておきたい項目は、クロス張り替えの見積書チェックポイント7選|追加費用で後悔しないための確認事項にまとめています。

現地調査で確認されること・業者に伝えるとよいこと

最後に、業者に見てもらうときに、どんなところを見られるのか、何を伝えておくとよいのかを整理します。

現地調査では、押した感触・継ぎ目や角のひび・シミやカビを見る

現地調査では、めくれている継ぎ目だけでなく、その周りや同じ部屋の壁の状態も見ます。主に見られるのは、壁面を手で押したときの感触、継ぎ目や角のひび、表面のカビや変色、膨らみや浮きです。

壁を押したときに沈む箇所があれば、下地の傷みを疑います。カビが出ている場合は、壁紙の一部を切り開いて、下地を直接確かめることもあります。継ぎ目のめくれが年数による糊の弱まりなのか、湿気など別の原因が関係しているのかによって、貼り戻しで済むのか、張り替えが必要なのか、下地の手当てが先なのかが変わるためです。

壁の構造や下地の種類が分からないまま相談しても、困ることはありません。分かる範囲で十分です。

相談のときに伝えておくとよいこと

相談のときに次のことを伝えておくと、見立てが早くなります。

  • めくれている場所(どの部屋の、部屋の隅か壁の途中か、床からの高さ)
  • めくれの長さと数(ほかの継ぎ目や部屋の隅にも出ているか)
  • いつごろ気づいたか、張り替えてからどのくらい経っているか
  • めくれた壁紙の様子(やわらかいか、硬くて欠けるか、ちぎれてなくなっているか)
  • めくれた奥や周りの様子(下地を押すとへこむか、シミやカビ、湿った跡があるか)
  • 自分で直したかどうか。何を使って、どう直したか(糊やボンドで貼り戻した、ジョイントコークを入れた(透明か色付きか)、補修用の壁紙を重ねた など)

自分で直してみたものの、跡が気になる、また剥がれてきた、という場合も、そのまま伝えてください。何を使ってどう直したかによって、張り替えのときの下地の整え方が変わることがあります。張り替えるなら、古い壁紙を剥がし、下地を整えてから新しい壁紙を貼るので、自分で直した跡を目立ちにくくできる場合があります。

めくれの様子を写真に撮っておくと、状況を説明するときの手がかりになります。めくれの近くから撮った写真と、壁のどのあたりの継ぎ目かが分かるように少し離れて撮った写真の2枚があると、大きさと場所が伝わりやすくなります。

まとめ

壁紙の継ぎ目のめくれについて、自分で直してよい範囲と、見てもらったほうがよい範囲を整理します。

  • 壁紙の継ぎ目のめくれは、多くの場合、壁紙を留めている糊の接着が壁紙の「端」で弱まったことで起きる。同じ接着の弱まりでも、端で起きれば剥がれ(めくれ)、壁紙の中ほどで起きれば浮きになる
  • 壁紙は幅約90cmのロールを縦に貼り継ぐので、継ぎ目は部屋の隅だけでなく、壁の途中にも入る。端が持ち上がらずに細く開いているだけなら、めくれではなく継ぎ目の隙間として考える
  • めくれた壁紙が残っていてやわらかく、下地がしっかりしていて、手の届く場所の1〜2箇所程度なら、文具用の糊か木工用ボンドで自分で貼り戻せることがある。引っ張らない、隣の壁紙と重ねない、糊をはみ出させない、乾くまで触らない。残った隙間はジョイントコークで埋める方法もあるが、透明のタイプは乾くと光って目立つことがあるので、壁紙の色に近い白やアイボリーのものを選ぶ
  • 壁紙がまだやわらかく、めくれた部分の一部が欠けているなら、補修用の壁紙を重ねて貼る方法もある。手軽だが、重ねた部分が一段高くなり、汚れや境界が目立ってくることがある。市販の補修用の壁紙やシールは、貼れる面が限られていることもある
  • 壁紙が硬くなって端が欠ける、奥の下地が傷んでいる、周りにシミやカビがある、いくつもの継ぎ目でめくれている、貼り戻してもまた剥がれる、高い場所にある、という場合は業者に見てもらう。張り替えから数か月〜1年ほどで何か所もめくれてきたなら、施工が関係している可能性もある
  • 張り替え業者の場合、貼り戻し程度の簡単な補修なら1面より安い料金を設けている業者もある。一部を張り替える補修は1面の張り替えと同じくらいになりやすく、多くの業者は最低料金を4万〜6万円程度に設定している。リペア業者なら、下地に傷みがない場合で1万〜3万円程度、石膏ボードの補修を伴えば1万5,000〜5万円程度が目安

継ぎ目のめくれを見つけたら、まずめくれた壁紙がちぎれずに残っていて、まだやわらかいか、奥の下地や周りにシミやカビがないか、ほかの継ぎ目にも出ていないかを見てください。どれも問題がなく、手の届く場所の1〜2箇所なら、自分で貼り戻してみる価値があります。判断に迷ったり、直した跡が気になったりしたら、めくれている場所と数、めくれた壁紙の様子を伝えて、一度見てもらってください。状況をうまく説明できなくても、電話か問い合わせフォームで相談してもらえれば大丈夫です。

壁紙が硬くなっている、いくつもの継ぎ目でめくれている、貼り戻してもまた剥がれるなど、自分で直せるか迷う継ぎ目のめくれは、電話か問い合わせフォームでご相談ください。現地調査で壁の状態を見たうえで、めくれた部分だけを直す場合と1面を張り替える場合の違いもご案内します。見積もり・現地調査は無料です。

電話が難しい方はでもご相談いただけます。

この記事の執筆者

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氏名:松田郁幾
実績:壁紙張り替えを中心に、これまで多くのお客様・職人と関わってきました。
この記事について:現場で見聞きした実例をもとに、誇張せず、実践的な視点で解説しています。

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