壁紙とクロスの違いとは?住まいの壁紙では同じもの、張り替え・貼り替えの表記のゆれも整理

小さな葉の柄の新しい壁紙を張った壁の前に、木製の脚立が置かれ、天板に壁紙用のブラシが載っている

壁紙の張り替えを調べていると、あるサイトでは「壁紙」、別のサイトでは「クロス」と書かれていて、同じものなのか、それとも別のものなのかと迷うことがあります。「張り替え」と「貼り替え」も、ページによって字が違います。見積書に「クロス貼替」と書かれていて、どちらが正しいのだろうと気になった方もいるかもしれません。

結論から言うと、住まいの壁紙の話をしているかぎり、「壁紙」と「クロス」は呼び方が違うだけで、同じものを指しています。壁紙メーカーのサイトにも、「壁紙(クロス)」と2つの言葉を並べて書いている例があります。「張り替え」と「貼り替え」も、どちらかが間違いというものではなく、表記のゆれです。「張る」「貼る」はどちらも常用漢字表にある漢字で、技能検定の文書では「張る」、メーカーのページでは「貼る」が使われている例があります。

この記事を読むと、次のことが分かります。

  • 「壁紙」と「クロス」が同じものを指していること
  • 「張り替え」と「貼り替え」がどちらも使われる理由
  • 言葉の違いで迷ったとき、相談するときに伝えればよいこと

読み終えるころには、言葉の違いで迷ったときに、次に何をすればよいかが見えてくるはずです。

「壁紙」でも「クロス」でも、「張り替え」でも「貼り替え」でも、同じご相談として承ります。言葉は気にせず、気になっている壁の状態をそのままお伝えください。

電話が難しい方はでもご相談いただけます。


壁紙とクロスは呼び方が違うだけで、同じものを指す言葉

壁紙の継ぎ目の上部が少し浮いてめくれ、壁に影を落としている近景。右にスイッチプレートがある

住まいの壁に貼られている仕上げ材は、「壁紙」と呼ばれることもあれば、「クロス」と呼ばれることもあります。住まいの内装の話をしているかぎり、呼び方が違っても、指しているものは同じです。

リフォームの現場や業者のサイトでは「クロス」、一般の方の会話やメーカーの商品の説明では「壁紙」が使われることが多い、という印象を持つ方もいるかもしれません。ただ、「壁紙」と「クロス」のどちらを使っているかという表記だけで、扱っている商品や工事の内容が変わるわけではありません。

メーカーのサイトにも「壁紙(クロス)」と並べて書いた例がある

壁紙をつくっているメーカーのサイトにも、「壁紙」と「クロス」の2つの言葉を並べて書いている例があります。

たとえばリリカラは、グレージュの壁紙を紹介するページのタイトルを「人気のグレージュでおしゃれに!グレージュ壁紙(クロス)の部屋別インテリアコーディネートと選ぶ時のポイント」としています(出典:リリカラ「人気のグレージュでおしゃれに!グレージュ壁紙(クロス)の部屋別インテリアコーディネートと選ぶ時のポイント」)。本文の見出しにも「壁紙(クロス)」という書き方が何度も出てきます。シンコールも、壁紙のお手入れの案内のページタイトルを「壁紙(クロス)お手入れ」としています(出典:シンコール「壁紙(クロス)お手入れ」)。

どちらも「壁紙」を先に書き、括弧の中に「クロス」を添えています。同じものを指す言葉として、2つが並べて書かれている例です。

呼び方の違いだけで、工事の内容が決まるわけではない

業者によって、見積書やサイトの書き方は「壁紙張替え」「クロス張替」「クロス貼り替え」などさまざまです。一般的には、どれも今の壁紙を新しい壁紙に替える工事を指しています。張り替える範囲や下地の処理の内容は、壁の状態や見積もりによって変わりますが、それを決めるのは呼び方ではありません。見積書に出てくる「下地処理」「下地補修」などの言葉の意味や、単価に含まれるものは、壁紙張り替え費用の内訳とは?㎡単価1,500〜2,500円に含まれるもの・別途になるもの、見積書の言葉を整理で整理しています。

言葉が混ざって使われることもあります。リリカラのページでも、「アクセントクロス」「ベースクロス」のように、壁紙の使い方を表す言葉には「クロス」が使われています。「量産クロス」「1000番クロス」のように、壁紙のグレードを表す呼び方にも「クロス」が付きます。これらも「アクセントに使う壁紙」「量産品の壁紙」と言い換えられるもので、壁紙とは別の何かを指しているわけではありません。量産クロスと1000番クロスがどう違うかは、量産クロスと1000番クロスの違い|価格差は6畳で約1万円、部屋ごとの選び分け方で詳しく解説しています。

「ビニールクロスと壁紙の違い」は、素材の種類の話

似た言葉に「ビニールクロス」があります。「ビニールクロスと壁紙は何が違うのか」と調べている方もいますが、これは呼び方の違いではなく、壁紙の素材の種類の話です。

壁紙には、ビニールクロスのほかにも、紙や織物などを使った種類があります。ビニールクロスは壁紙の種類の一つで、住宅で広く使われているものです。つまり「ビニールクロス」と「壁紙」は並べて比べる言葉ではなく、「壁紙の中の一つの種類」と「壁紙全体」の関係です。壁紙の種類ごとの違いや、今の住まいの壁紙がどの種類か分からないときの確かめ方は、壁紙の種類は代表的な4つ|住宅用の約9割はビニールクロス、分からないときの確かめ方で詳しく解説しています。

張り替えと貼り替えは、どちらも使われる表記のゆれ

「壁紙」と「クロス」に続いて迷いやすいのが、「張り替え」と「貼り替え」です。結論は、どちらも使われている書き方で、どちらかが間違いというものではありません。

「張る」「貼る」はどちらも常用漢字表にある漢字

一般の社会生活で使う漢字の目安として国が定めた常用漢字表(平成22年内閣告示第2号)では、「張」の字に「はる」という読みが載っており、例として「張る」が挙がっています。「貼」の字にも「はる」という読みがあり、例は「貼る」です。そして、両方の字の備考の欄には、互いを指す「⇔ 貼る」「⇔ 張る」という印が付いています。常用漢字表の前書きによると、この「⇔」は、同じ読みで別の字があるもの(異字同訓)を示す印です(出典:文化庁「常用漢字表」)。

どちらの字も、この表に入っている字です。ただ、表に載っていることだけでは、壁紙についてどちらを使うかまでは分かりません。そこで、2つの字の使い分けについての資料と、実際の文書での使われ方も見ておきます。

国の審議会(文化審議会国語分科会)がまとめた「『異字同訓』の漢字の使い分け例」では、「貼る」を「のりなどで表面に付ける」、「張る」を「広がる。引き締まる。取り付ける。押し通す。」と説明しています。そのうえで、タイルについて、「のりなどで表面に付ける」という意味では「貼」を当てるが、「壁や床一面に取り付ける(敷き詰める)」という意味では「張」を当てることが多い、と注記しています(出典:文化審議会国語分科会「『異字同訓』の漢字の使い分け例(報告)」)。

この資料に壁紙の例は出てきません。ただ、壁紙も、のりを付けて壁の表面に付けるものであり、壁一面に取り付けるものでもあります。また、この資料は前書きで、使い分け例は「一つの参考として提示するもの」で、「ここに示した使い分けとは異なる使い分けを否定する趣旨で示すものではない」とし、その理由の一つに「各分野における表記習慣の違い」を挙げています(出典:文化審議会国語分科会「『異字同訓』の漢字の使い分け例(報告)」、前出)。壁紙の場合も、「張る」「貼る」のどちらの字で書かれていても不思議ではない、と考えておけば十分です。

技能検定の文書には「張る」が使われている

国の制度である技能検定の文書には、「張る」の字が使われている例があります。

中央職業能力開発協会の技能検定のページでは、表装職種の「壁装作業」について、「技能検定職種の『表装職種』には、壁紙などを壁下地に張る壁装も含めており」と説明しています。同じ説明に出てくる壁装作業の仕上げ工法の名前にも、「直張り」「袋張り」のように「張」の字が使われています(出典:中央職業能力開発協会「実施職種・作業内容」)。

一方、メーカーのページには「貼る」を使った例もあります。先ほどのリリカラのページでは、「部屋の壁全面に貼るベースクロス」「壁紙を貼ってアクセントクロスにする」のように「貼る」の字で書かれています(出典:リリカラ「人気のグレージュでおしゃれに!グレージュ壁紙(クロス)の部屋別インテリアコーディネートと選ぶ時のポイント」、前出)。このように、文書や書き手によって「張る」「貼る」の両方が使われています。「張る」「貼る」の表記だけを見て、どちらかを誤りと考える必要はありません。

「壁紙張り替え」「クロス張り替え」も、同じ種類の工事を指す

このサイトでも、「壁紙張り替え」と「クロス張り替え」を同じ意味で使っています。「壁紙」と「クロス」、「張り替え」と「貼り替え」の基本の組み合わせは4通りありますが、一般には同じ種類の工事を指します。

検索するときは、どの組み合わせを使っても、壁紙の張り替えについての情報を探せます。業者のサイトや見積書を見比べるときは、表記の違いだけで判断せず、何をどこまで張り替える内容なのかを確かめることが大切です。見積書で確かめておきたい点は、クロス張り替えの見積書チェックポイント7選|追加費用で後悔しないための確認事項でまとめています。

迷ったときは、言葉より「今の壁の状態」を伝えればよい

壁紙の角が三角にめくれ、柄の続きと影が見える近景。右上にスイッチプレートがある

ここまで見てきたとおり、「壁紙」と「クロス」、「張り替え」と「貼り替え」のどれを使っても、話は通じます。相談するときに大事なのは、言葉の選び方よりも、気になっている壁の状態を伝えることです。

相談で使う言葉は、どちらでも伝わる

業者に電話やフォームで相談するときに、「クロスと言うべきか、壁紙と言うべきか」と迷う必要はありません。一般には、どちらの言葉でも同じものとして伝わります。「張り替え」か「貼り替え」かという表記の違いだけで、相談の受け取られ方が変わることも、通常はありません。

見積書やサイトで「貼替」と書く業者も、「張替」と書く業者もいます。ここまで見たように、どちらの字も使われている書き方なので、表記だけで業者の良し悪しを判断する必要はありません。業者を見るときの手がかりになるのは、質問したことに対して、かみ砕いて分かりやすく説明してくれるかどうか、といった答え方のほうです。依頼先の種類ごとの違いや、見積もりのときの対応の見方は、壁紙張り替えはどこに頼む?4種類の業者の違いと失敗しない選び方で詳しく解説しています。

伝えておくと話が早いこと

相談のときに伝えておくと話が早いのは、言葉よりも次のような中身です。

  • どの部屋の、どの面が気になっているか(「リビングの窓側の壁」「トイレ全体」など)
  • どんな状態か(汚れ、剥がれ・めくれ、継ぎ目のすき間、変色、カビ、破れなど)
  • いつ頃からその状態か、何か試したことがあるか
  • 張り替えたい時期の目安があるか

壁の下地が何か、今の壁紙がどの種類かが分からなくても、そのまま相談できます。分からないことは、分からないと伝えて大丈夫です。気になる箇所の写真があれば、言葉で説明しにくい状態も伝えやすくなります。

まとめ:言葉の違いは気にせず、壁の状態を伝えて相談を

  • 住まいの壁紙の話では、「壁紙」と「クロス」は呼び方が違うだけで、同じものを指す。メーカーのサイトにも「壁紙(クロス)」と並べて書いた例がある
  • 「ビニールクロスと壁紙の違い」は呼び方ではなく、壁紙の素材の種類の話
  • 「張る」「貼る」はどちらも常用漢字表にある漢字。技能検定の文書では「張る」、メーカーのページでは「貼る」の例があり、「張り替え」「貼り替え」はどちらも使われる表記のゆれ
  • 相談するときは、言葉の選び方より、どの部屋のどの面がどんな状態かを伝えるのが大事

壁紙の張り替えを考えはじめると、慣れない言葉がいくつも出てきます。ただ、表記の違いだけで相談をためらう必要はありません。まずは気になっている壁の状態を、ふだんの言葉のままメモしておきましょう。

言葉の違いは気にせず、どの部屋のどの面が、どんな状態で気になっているかをお電話かフォームでお知らせください。お聞きした内容をもとに、張り替える範囲を一緒に整理していきます。

電話が難しい方はでもご相談いただけます。

この記事の執筆者

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氏名:松田郁幾
実績:壁紙張り替えを中心に、これまで多くのお客様・職人と関わってきました。
この記事について:現場で見聞きした実例をもとに、誇張せず、実践的な視点で解説しています。

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