廻り縁は壁紙の張り替えでどうする?基本はそのまま、塗装・交換は追加費用で別の職人が必要

天井と壁の境目の茶色い廻り縁を見上げながら、壁紙の見本帳を手にしている女性

壁紙の張り替えを考えて部屋を見回したとき、天井と壁の境目に付いている細い木の枠が目に入ることがあります。壁紙は新しくなるのに、この枠だけ古い色のまま残ってしまうのではないか。張り替えのときに一緒に替えるものなのか、塗り直すものなのか、そもそも誰に頼めばよいのか。気になり始めると、意外と答えが見つからない部分です。

先に結論をお伝えします。天井と壁の境目にあるこの部材は「廻り縁(まわりぶち)」と呼ばれ、壁紙を張り替えるときは、廻り縁はそのまま残すのが一般的です。壁紙は廻り縁に沿ってカットして貼るので、残したままでも、ふつうはきれいに納まります。色を変えたい、傷みが気になる、というときは、塗装し直すか新しいものに交換することもできますが、どちらも壁紙の費用とは別に追加費用がかかり、壁紙とは別の職人が必要になることが多くなります。交換は原則として大工の作業、塗装は多くの場合は塗装業者の作業です(塗装にも対応しているクロス職人もいます)。

この記事を読むと、次のことが分かります。

  • 廻り縁とはどんな部材か(柱の際や壁の角にある「見切り材」との違い)
  • 壁紙の張り替えで、廻り縁がふつうはそのまま残される理由と、隙間の心配
  • 色や傷みが気になるときの、塗装・交換という2つの選択肢と、それぞれの注意点(廻り縁を外して無くす場合の補足も)
  • 塗装・交換を頼むときに、誰が作業するのか、どの順番で進めるのか
  • 見積もりを頼むときに伝えておくとよいこと

読み終えるころには、自分の家の廻り縁について、次に何から手をつければよいかが見えてくるはずです。

廻り縁をそのままにしてよいか迷っている方は、壁や天井の張り替えのご相談とあわせて、電話で廻り縁の色や気になっている点をお聞かせください。見積もり・現地調査は無料です。

電話が難しい方はでもご相談いただけます。


廻り縁とは?天井と壁の境目にある部材

部屋の隅で、天井と壁の境目に沿って茶色い木製の廻り縁が回っている様子

廻り縁は、天井と壁がぶつかる境目に沿って、部屋をぐるりと一周するように取り付けられている細長い部材です。天井を見上げたとき、壁との境目に額縁のような細い線が見えたら、それが廻り縁です。

天井と壁の境目は、天井の仕上げと壁の仕上げがちょうど突き当たる場所です。廻り縁は、この突き当たりの部分を覆って、境目の見た目を整える役目をしています。部屋の四方をぐるりと囲んでいるので、色によっては、部屋の印象を思った以上に左右します。

素材には、木でできた木製のものと、樹脂(プラスチック)でできた樹脂製のものがあります。木製のものには、木目が見えるものや、表面に色を付けて仕上げたものがあります。どちらなのかは、見た目だけでははっきりしないこともあります。自分の家の廻り縁がどちらか分からなくても、相談するうえで困ることはありません。後で触れるとおり、素材の確認は現地調査で行われます。

なお、廻り縁を付けずに、天井と壁をそのまま突き合わせて仕上げる納め方もあります。天井と壁の境目に細い線が見当たらない場合は、廻り縁の無い仕上げになっている可能性があります。

柱の際や壁の角にある「見切り材」とは別のもの

壁紙のまわりには、廻り縁のほかにも、壁紙の端を納めるための部材がいくつかあります。和室の柱と壁紙の境目に使われる見切り材や、出っ張った壁の角(出隅)に取り付けて壁紙の端を保護する部材などです。

これらは、壁紙の端を整えるという点では廻り縁と似ていますが、取り付けられている場所が違います。この記事で扱うのは、天井と壁の境目にある廻り縁だけです。壁の角の壁紙がめくれてきた、という場合は、壁紙の角が剥がれてきたら?自分で貼り戻せる条件と、業者に頼む場合の費用の考え方で扱っています。

壁紙を張り替えるとき、廻り縁は「そのまま」が一般的

天井際の廻り縁の下端に沿って、ヘラで新しい壁紙を押さえて納めている手元

壁紙の張り替えで、廻り縁は特に手を加えず、そのまま残すことが多くなります。

実際に相談を受けていると、壁紙の張り替えにあわせて、まわりの部材を交換したり塗装したりする人は、そもそも多くありません。その中でも、廻り縁まで手を入れる人はさらに少数です。壁紙が新しくなれば、部屋の印象は大きく変わります。天井際の細い部材までは気にならない、という方のほうが多いのが実情です。

廻り縁をそのまま残すと、工事は壁紙の張り替えだけで完結します。費用は壁紙の分だけで済み、作業に来るのも壁紙の職人だけです。ほかの職人と日程を合わせる必要もありません。廻り縁に手を入れるかどうかは、この「壁紙だけで済む」状態と比べて、追加の費用と手間をかけてまで変えたいかで考えると整理しやすくなります。

壁紙は廻り縁に沿ってカットして貼るので、残しても納まる

廻り縁をそのまま残せる理由は、壁紙の貼り方にあります。

壁紙を貼るときは、天井際まで壁紙を伸ばし、廻り縁に沿って余った部分をカットして納めます。廻り縁が、壁紙の上の端を切りそろえるときの「定規」のような役目をしているわけです。天井も一緒に張り替える場合は、天井の壁紙も、廻り縁を境にして同じように納めます。

古い壁紙を剥がして新しい壁紙を貼っても、廻り縁との境目は、新しい壁紙できれいに切りそろえられます。廻り縁を外したり付け直したりしなくても、ふつうはきれいに納まります。廻り縁をそのままにしたからといって、壁紙の仕上がりが悪くなるわけではない、ということです。

廻り縁をそのまま残す場合は、新しい壁紙の色を選ぶときに、廻り縁の色とのなじみ方も見ておくと安心です。廻り縁は部屋をぐるりと囲んでいるので、壁紙の色との組み合わせ次第で、境目の線がくっきり見えたり、なじんで目立たなくなったりします。見本帳を見るときは、床やドアと同じように、廻り縁の色も手がかりの一つにしてください。候補の見本を廻り縁のそばに当ててみると、並んだときの見え方を想像しやすくなります。

境目の線が目立つかどうかは、廻り縁の色そのものより、壁紙の色との差で決まります。たとえば、濃い茶色の廻り縁に対して、壁紙も落ち着いた色を選べば、線は比較的なじみます。反対に、真っ白に近い壁紙を選ぶと、同じ廻り縁でも線がはっきり見えるようになります。どちらが良い悪いではなく、境目の線を部屋のアクセントとして残したいのか、目立たせたくないのかで選び方が変わります。床やドアの色を基準にした壁紙の色の選び方は、壁紙の色の選び方は床とドアの色が基準|グレー・ベージュ・白の合わせ方と見本帳での4つの確認で扱っています。

廻り縁と壁紙の間に、隙間はできにくい

「廻り縁を残すと、廻り縁と新しい壁紙の間に隙間ができるのでは」と心配される方もいます。先ほどのとおり、壁紙は廻り縁に沿ってカットして貼るので、廻り縁と壁紙の間には隙間が出にくい形になっています。

それでも、もし隙間が出た場合は、ジョイントコークと呼ばれる、隙間を埋めるための充填材などで補修するのが一般的と考えられます。気になる隙間があれば、施工のあとの確認のときに、その場で伝えてください。施工後に仕上がりのどこを見ておくとよいか(天井との境目の納まりも含めて)は、壁紙張り替えの立ち会いは必要?役立つ3つの場面と、留守中に鍵を預けるときの確認事項で扱っています。

なお、ここでいう隙間は、張り替えのときに廻り縁と壁紙の境目にできるものです。これとは別に、年数がたつと、糊の弱まりと壁紙の縮みで、壁紙と壁紙の継ぎ目に細い隙間が開いてくることがあります。継ぎ目の隙間の原因と、張り替えどきの見分け方は、壁紙の継ぎ目の隙間、原因は?「まだ大丈夫」か「張り替えどき」を見分ける3つの目安で扱っています。

色を揃えたい・傷みが気になるなら、塗装か交換(どちらも追加費用)

廻り縁はそのまま残すのが一般的ですが、もちろん手を入れることもできます。

「壁紙を明るい白にするのに、廻り縁だけ濃い茶色のままだと浮いて見えそう」「廻り縁を白くしたい」「長年の汚れや傷みが目につく」。廻り縁が気になるきっかけは、たいていこのどれかです。特に、濃い色の廻り縁がある部屋で壁紙を明るい色に替えると、境目の線が以前よりはっきり見えるようになることがあります。

色や傷みが気になる場合の選択肢は、塗装し直すか、新しい廻り縁に交換するかの2つです。どちらも、壁紙の張り替えの費用とは別に、追加費用がかかります。それぞれの考え方を見ていきます。最後に、2つとは別の考え方として、廻り縁を外して無くす場合についても補足します。

塗装し直す(木製は色を変えるなら塗装、樹脂製は製品による)

廻り縁の色を変えたいときに、まず候補になるのが塗装です。

木製の廻り縁は、色を変えるなら塗装が必要です。反対に、色を変えたくなければ、そのままで構いません。張り替えのたびに塗装しなければならない、というものではなく、「色を変えたいかどうか」で決まります。なお、木目が見える廻り縁を、白などの色で塗りつぶすように塗装すると、木目は見えなくなります。木目の風合いを残したいか、色をそろえたいかで考えると選びやすくなります。

樹脂製の廻り縁は、塗装できるかどうかが製品によって違います。塗料がなじむ製品もあれば、そうでない製品もあるため、塗装を考えるなら、現地調査で塗装できる製品かどうかを確かめてもらう必要があります。

自分の家の廻り縁が木製か樹脂製か分からない場合も、そのまま相談して大丈夫です。「廻り縁の色を変えたい」と伝えておけば、現地調査で素材を確かめたうえで、塗装ができるかどうかを含めて説明してもらえます。

新しい廻り縁に交換する(原則として大工の作業)

廻り縁そのものを新しいものに替える方法もあります。古い廻り縁を外して、新しい廻り縁を取り付ける作業です。

交換は壁紙を貼る作業ではありません。交換は、部材を取り外して取り付ける作業なので、原則として大工が必要です。壁紙の張り替えの費用とは別に、大工の作業の費用がかかります。

塗装との違いは、色だけでなく、廻り縁そのものが新しくなることです。新しい廻り縁の色や素材をどう選ぶかも、交換を考える段階で相談することになります。

傷みが気になるからといって、必ず交換しなければならないわけではありません。どの程度の傷みなら塗装で足りるのか、交換したほうがよいのかは、廻り縁の状態を実際に見てみないと判断できません。気になっている箇所と、どうしたいのか(色を変えたいのか、傷みを直したいのか)を伝えて、現地調査で相談するのが確実です。

廻り縁を外して無くす依頼は、ほとんどない

「いっそ廻り縁を取ってしまいたい」と考える方もいるかもしれません。ただ、相談を受けていると、廻り縁を外して無くしてほしいという依頼は、ほとんどありません。

廻り縁を外す場合も、取り外しの作業になるので、大工が必要になる可能性が高くなります。外したあとの天井と壁の境目をどう仕上げるかも考える必要があります。廻り縁を無くしたい場合は、そう考えた理由も含めて、現地調査のときに相談してみてください。

塗装・交換を頼むなら、職人と工程の順番を先に決める

廻り縁を塗装する、または交換すると決めたら、気をつけたいのが、誰が作業するのかと、どの順番で進めるのかです。壁紙の張り替えだけなら壁紙の職人だけで済みますが、廻り縁に手を入れると、ほかの職人が加わることが多くなります。

交換は大工、塗装は多くの場合は塗装業者

廻り縁の交換は、原則として大工の作業です。塗装は、多くの場合、塗装業者の作業になります。ただし、クロス職人の中には塗装にも対応している人もいるので、塗装については、壁紙の職人がそのまま行える場合もあります。

壁紙とは別の職人が加わると、そのぶん費用が増えるだけでなく、職人ごとに日程を合わせる必要も出てきます。張り替えの日程を決める前に、廻り縁に手を入れるかどうかを決めておくと、段取りが組みやすくなります。大工の手配が加わる場合の費用や日数の考え方は、石膏ボードの交換を例に、石膏ボードと壁紙は何が違う?傷みは30cmが分かれ目、ボード交換は大工が必要で別途費用で取り上げています。

日程の面では、分譲マンションにお住まいの場合、内装工事の届け出の扱いが管理規約で決まっています。届け出が要らない物件もありますが、大工の作業が加わる場合も含めて、どんな工事なら届け出が必要かを、管理規約や管理会社で確かめておくと安心です。承認が要る物件では、その手続きにかかる日数も見込んでおきます。

見積もりのときは、次のことを確かめておくと、あとで慌てずに済みます。

  • 廻り縁の塗装(または交換)は、誰が作業するのか
  • その職人の手配は、壁紙の業者のほうでまとめてもらえるのか
  • 廻り縁の作業の費用は、壁紙の費用と分けて書かれているか
  • 作業は何日に分かれるのか

見積書でほかに確かめておきたい項目は、クロス張り替えの見積書チェックポイント7選|追加費用で後悔しないための確認事項にまとめています。

塗装は壁紙より先に

工程の順番にも気をつけます。廻り縁を塗装する場合は、一般に塗装を先に行い、そのあとで壁紙を貼ります。

理由は、塗装のときに塗料が廻り縁からはみ出しても、あとから貼る壁紙で覆えるからです。先に壁紙を貼ってから廻り縁を塗装すると、はみ出した塗料が新しい壁紙に付いてしまうおそれがあります。塗装を先にしておくことが、きれいに仕上げるためのポイントです。

塗装業者と壁紙の職人が別になる場合は、塗装が終わってから壁紙の作業に入る段取りになります。交換の場合も、交換の作業を壁紙の張り替えのどの段階で行うのかを含めて、段取りは現地調査のうえで決まります。廻り縁に手を入れたいと考えているなら、壁紙の張り替えを頼む最初の段階で伝えておいてください。あとから追加すると、工程の順番を組み直す必要が出てくることがあります。

見積もりの依頼時に伝えること

廻り縁をどうするかは、見積もりを頼む時点で決まっていなくても構いません。迷っているなら、迷っていることをそのまま伝えれば大丈夫です。そのうえで、次のことを伝えておくと、現地調査で話が早く進みます。

  • 廻り縁をそのままにするか、塗装や交換も考えているか(迷っている場合はその旨)
  • 手を入れたい理由(色を壁紙とそろえたい、白くしたい、傷みや汚れが気になる、など)
  • 特に気になっている部屋や箇所(廻り縁の一部に傷みがある、など)
  • 天井も一緒に張り替えるかどうか

天井も一緒に張り替えるかどうかをまだ決めていない場合は、クロス張り替えで天井もやるべき?壁と同時なら追加2万円、後回しは割高になる理由が判断の参考になります。

言葉だけでは伝えにくい場合は、廻り縁の写真を撮っておくと役に立ちます。気になっている部分を近くから撮った写真と、天井と壁の境目が部屋のどのあたりかが分かるように少し離れて撮った写真があると、色や傷みの様子が伝わりやすくなります。

現地調査では、廻り縁が木製か樹脂製か、塗装ができる製品か、どんな状態かが確かめられます。そのうえで、壁紙の張り替えだけの場合と、廻り縁の塗装や交換を加えた場合とで、費用と段取りがどう変わるかを聞いておくと、比べて決めやすくなります。廻り縁の作業を加えると、どの費用がいくら増えるのかが分かれば、手を入れる価値があるかどうかを落ち着いて判断できます。

まとめ

壁紙の張り替えで、廻り縁をどう扱うかを整理します。

  • 廻り縁は、天井と壁の境目に沿って部屋を一周している細長い部材。木製と樹脂製がある。柱の際や壁の角にある見切り材とは別のもの
  • 壁紙の張り替えでは、廻り縁はそのまま残すのが一般的。壁紙は廻り縁に沿ってカットして貼るので、残してもふつうはきれいに納まり、廻り縁と壁紙の間にも隙間は出にくい。出た場合はジョイントコークなどで補修するのが一般的と考えられる
  • 色を変えたい・傷みが気になるときは、塗装か交換ができる。どちらも壁紙の費用とは別に追加費用がかかる
  • 木製は色を変えるなら塗装、変えないならそのままでよい。樹脂製は塗装できるかが製品によるので、現地調査で確かめる
  • 交換は原則として大工の作業。塗装は多くの場合は塗装業者の作業だが、塗装にも対応しているクロス職人もいる。相談を受けている範囲では、廻り縁を外して無くす依頼はほとんど無く、外すなら大工が必要になる可能性が高い
  • 塗装するときは、一般に塗装を先に行い、そのあとで壁紙を貼る(はみ出した塗料を壁紙で覆えるため)
  • 分譲マンションでは、工事の届け出や承認が必要な場合があるので、管理規約や管理会社で確かめ、必要なら手続きの日数も見込む

廻り縁は、そのままにしても、ふつうは壁紙の仕上がりの問題にはなりません。廻り縁について考えどころになるのは、色を変えたい、または傷みが気になるときです。そのときは、廻り縁も変えたいこと、変えたい理由、気になっている箇所を、見積もりを頼む段階で伝えてください。現地調査で素材と状態を確かめてもらえば、塗装か交換か、誰が作業するのか、費用がどれだけ増えるのかが分かります。壁や天井の張り替えとあわせて、電話か問い合わせフォームで、そのままの状態で相談してもらえれば大丈夫です。

壁紙の張り替えにあわせて、廻り縁の色や傷みも気になっている方は、電話か問い合わせフォームでご相談ください。現地調査で廻り縁の素材や状態を確かめたうえで、壁紙だけの場合と、廻り縁の塗装や交換を加えた場合の違いもご案内します。見積もり・現地調査は無料です。

電話が難しい方はでもご相談いただけます。

この記事の執筆者

執筆者写真

氏名:松田郁幾
実績:壁紙張り替えを中心に、これまで多くのお客様・職人と関わってきました。
この記事について:現場で見聞きした実例をもとに、誇張せず、実践的な視点で解説しています。

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