
「壁紙を張り替えたいけれど、部屋に付いているエアコンはどうすればいいんだろう」——そんな疑問で、見積もり依頼をためらっている方もいるのではないでしょうか。
エアコンを外さないと、裏側の壁はきれいにならないのか。外すとなると、誰に頼んで、いくらかかるのか。壁紙業者にそのまま任せられるのか、それとも自分で別の業者を手配しなければならないのか。分からないことが重なって、なかなか一歩を踏み出せない。そんな方に向けて書いた記事です。
結論からお伝えすると、エアコンは外さなくても壁紙の張り替えはできます。壁面はエアコンの外周まで張り、切った端をエアコンの裏側へ折り込んで仕上げるため、正面から見て古い壁紙が残ることはありません。ただし、エアコン本体で隠れている範囲は張り替えられないので、後からエアコンを小さいものに買い替えると、その部分の古い壁紙が見えてしまうことがあります。外すか外さないかは、「近いうちにエアコンを買い替える予定があるか」で判断すると分かりやすい基準になります。
この記事を読むと、次のことが分かります。
- エアコンを外さずに張り替えたときの仕上がり(本体の真裏には古い壁紙が残る)
- エアコンを外したほうがよいケースと、外す場合の費用の目安・手配の仕方
- 現地調査でエアコンについて確認しておく4つのこと
読み終える頃には、自分の場合はエアコンをどうすればよいか、見積もりを依頼する前に見当がつくはずです。
エアコンの外し方や費用は、設置状況によって変わります。ご自宅の場合はどうなるか、電話1本でお答えします。お見積もり・ご相談は無料です。
電話が難しい方はメールでもご相談いただけます。
エアコンは外さなくても壁紙は張り替えられる

エアコンが付いた壁でも、本体を取り外さずに壁紙を張り替えるのは、業者にとって珍しい作業ではありません。ただし「外さない」と言っても、エアコンの裏側まで新しい壁紙が回るわけではない、という点は先に知っておいたほうがよいでしょう。
壁紙を張るのはエアコンの外周まで、切った端を裏へ折り込む
具体的な作業はこうです。職人はまず、エアコンが付いた壁面に新しい壁紙を張っていきます。エアコンの手前まで来たら、本体の縁の形に沿って壁紙にカッターで切り込みを入れ、本体で隠れる部分の壁紙を切り取ります。このとき縁ぎりぎりで切るのではなく少し余分を残しておき、その端をヘラ(地ベラ)でエアコンの裏側へ押し込んで納めます。こうすることで、エアコンと壁紙の境目に古い壁紙がのぞいたり隙間ができたりせず、正面から見たときにきれいに仕上がります。
裏側へどのくらい折り込むかは職人によって差がありますが、いずれにしても目的は「見える範囲の境目をきれいに納めること」であって、エアコンの裏全体に壁紙を張るわけではありません。エアコン本体でぴったり隠れている範囲は、もともと目に触れないため、古い壁紙がそのまま残ります。
作業中に職人が気をつけるのは、エアコンの裏にある配管や配線、本体を傷つけないことです。なお、厚手の壁紙や凹凸のある壁紙は裏へ折り込みにくく、仕上がりに影響が出ることもあります。こうした場合はエアコンを一度外して張ったほうがきれいに仕上がることもあるため、現地調査のときに職人に相談してみてください。
自分で張り替えるなら、エアコン周りが最大の難所
DIYで壁紙を張り替える場合、エアコン周りは作業のなかでも特に手こずる場所です。本体を傷つけないように壁紙を浮かせながら、狭い隙間にヘラを入れて切り込みと折り込みを進める必要があり、力の入れ方を誤ると本体に傷が付いたり、壁紙が波打ったりします。「エアコンの周りだけ壁紙がよれてしまった」という失敗はよく聞かれます。
業者に依頼する場合、エアコンを外さずに周りを仕上げる作業は標準的な対応の範囲です。追加料金がかからないことが多いものの、念のため見積もりのときに確認しておくと確実です。DIYのようにエアコン周りの仕上がりを自分で心配する必要はありません。自分で張り替える場合の難易度や、プロに頼むメリットについては、壁紙の張り替えは自分でできる?DIYの難易度とプロに頼むメリットを比較で詳しく解説しています。
外さずに張るか、外して張るか——判断の分かれ目

エアコンを外すかどうかは、費用と仕上がりのバランスで決めます。外さなければ費用は抑えられますが、エアコンの真裏は古い壁紙が残ります。外せばその範囲まで新品になる一方、脱着の費用と手間がかかります。どちらを選ぶかの分かれ目は、大きく「エアコンを近いうちに買い替えるか」「天井も一緒に張り替えるか」「エアコン裏の汚れが気になるか」の3点です。
当分このまま使うなら、外さなくてよい
いま使っているエアコンをこれからも数年は使い続ける予定で、壁紙の張り替えだけが目的なら、無理に外す必要はありません。前章のとおり正面から見える範囲はきれいに仕上がり、エアコンの真裏に古い壁紙が残っても、本体で隠れているため普段は目に入りません。脱着費用も浮きます。
将来買い替えるとしても、いまと同じか大きいサイズの本体を選べば、古い壁紙が残った範囲はそのまま隠れます。ただし近年のエアコンは同じ畳数向けでも本体が小さくなる傾向があり、買い替え後に「エアコンの裏の古い壁紙が見えるようになったので、その面だけ張り替えたい」というご相談は実際にたびたびあります。数年内に買い替えるかもしれない場合は、次の項目も参考にしてください。
近くエアコンを買い替えるなら、外して裏まで張ったほうがよい
1〜2年以内にエアコンの買い替えを考えているなら、壁紙を張り替えるこのタイミングでエアコンを外し、裏側まで新しい壁紙にしておくことをおすすめします。
理由は、新しいエアコンが今より小さい場合、これまで本体で隠れていた古い壁紙がはみ出して見えてしまうからです。真新しい壁紙の中央に、四角く日焼けした古い壁紙が残る状態は、想像以上に目立ちます。買い替えの予定があるなら、外して裏まで張っておけば、後でエアコンだけ交換しても見栄えが崩れません。買い替えそのものをこの機会に一緒に行う場合の費用の考え方は、後の章で触れます。
天井も一緒に張り替えるとき、エアコン裏の汚れが気になるとき
買い替え予定がなくても、次のような場合はエアコンの取り外しを検討します。
ひとつは、天井の壁紙も同時に張り替えるときです。ただし、これはエアコンの設置位置によります。エアコンが天井ぎりぎりの高さに付いている場合は、天井を張り替えるときに本体が邪魔になり、取り外しが必要になります。天井との間にある程度すき間が空いていれば、付けたままでも張り替えられます。自分の家がどちらに当たるかは、現地調査で見てもらうのが確実です。
もうひとつは、エアコンの裏側の壁にカビ、雨染み、雨漏りの跡などがある場合です。こうした汚れは本体で隠れていても、原因が壁の中に残っていることがあり、放っておくとにおいやカビの再発につながることがあります。壁紙を張り替えるついでにエアコンを外して裏の壁の状態を確認し、必要なら下地を処理してから張り替えておくと安心です。壁のカビと下地処理については、壁紙のカビは張り替えだけで直る?下地の防カビ処置と費用の目安を解説で詳しく解説しています。
また、エアコンを外すなら、そのタイミングで本体の分解クリーニングを頼めるのもメリットです。壁紙とは別費用になりますが、脱着の手間が一度で済みます。
外さなくてよいケース/外したほうがよいケース
ここまでの内容を表にまとめます。
| 判断 | 当てはまるケース |
|---|---|
| 外さなくてよい | 今のエアコンを数年は使い続ける/壁紙の張り替えだけが目的/買い替えるとしても同等以上のサイズを選ぶ予定/費用を抑えたい |
| 外したほうがよい | 1〜2年以内にエアコンを買い替える予定(特に小型化するとき)/天井も同時に張り替える(エアコンが天井ぎりぎりに付いている場合)/エアコン裏の壁にカビ・雨染みがある/エアコン内部のクリーニングも一緒にしたい |
エアコンを外す場合、誰に頼んでいくらかかるのか
エアコンを外して張り替えると決めた場合、次に問題になるのが「その作業を誰がやるのか」「いくらかかるのか」です。ここは壁紙の張り替えとは別の話になるため、分けて考える必要があります。
脱着は「空調の専門業者」の仕事
エアコンの取り外しと取り付け(あわせて「脱着」と呼びます)は、壁紙の職人がその場でやってくれるとは限りません。取り外すには配管内の冷媒(ガス)を室外機に戻す「ポンプダウン」という作業が必要で、これを誤ると冷媒が抜けてエアコンが効かなくなります。取り付け時にも真空引きなどの専門作業が必要で、空調工事の知識と道具を持った業者の担当範囲です。
壁紙業者のなかには、提携している空調業者に脱着を手配できるところもあれば、「エアコンはお客様のほうで外しておいてください」という対応のところもあります。まずは現地調査のときに、脱着まで対応してもらえるのかを確認してください。
壁紙業者に手配してもらうか、自分で空調業者を手配するか
脱着を壁紙業者に手配してもらう場合と、自分で空調業者を探して手配する場合とで、進め方が変わります。
壁紙業者に手配を任せると、窓口が一本化されて日程調整もお任せでき、施工全体の段取りを組んでもらえます。不具合が出たときの相談先も壁紙業者にまとめられるため、トラブル時に話が早いのが利点です。ただし、手配の手数料(中間マージン)が上乗せされることはあります。
自分で空調業者を手配すると、直接依頼になる分、費用を抑えられることがあります。一方で、「壁紙の施工前に取り外し」「施工後に取り付け」という2回の作業を、壁紙の工事日に合わせて自分で日程調整しなければなりません。取り外しと取り付けで都合がかみ合わなかったりすると、余計に手間がかかります。また、後日エアコンの調子が悪くなったとき、原因が脱着なのか壁紙作業なのか、責任の切り分けが曖昧になりやすい点にも注意が必要です。
安心と手間の少なさを優先するなら業者手配、費用と自分で動く手間を天秤にかけて納得できるなら自己手配、という整理になります。
脱着費用の目安と、見積もりのどこに入るか
エアコン脱着の費用は、取り外しと取り付けをセットで1台あたりおおよそ1万5,000〜2万円程度が目安です。取り外しだけなら5,000〜1万円程度で済むこともあります。ただし、配管を壁の中に通している「隠ぺい配管」の場合や、室外機が屋根の上・ベランダの吊り下げなど特殊な設置状況の場合は、追加費用がかかります。また、エアコン工事が立て込む夏場は料金が高くなりやすいなど、依頼する時期によっても変わります。これはあくまで目安なので、正確な金額は現地を見てもらったうえで確認してください。
この費用は、壁紙業者に手配を任せた場合、見積書に「エアコン脱着費」などの項目で計上されるか、施工費全体に含まれる形になります。項目として見当たらないときは、金額に含まれているのか、それとも別途自己手配なのかを担当者に確認してください。自分で空調業者に頼む場合は、その業者から別に請求されます。見積書のどこに何が書かれているかの確認の仕方は、クロス張り替えの見積書チェックポイント7選|追加費用で後悔しないための確認事項で詳しく解説しています。
古いエアコンは、動かすと故障するリスクがある
年数のたったエアコンは、脱着をきっかけに不調が出ることがあります。ポンプダウンの際に古い配管から冷媒が漏れたり、取り外し・取り付けの振動で内部の部品が傷んだりして、再設置後に効きが悪くなる、水漏れするといったケースです。最悪の場合、そのまま使えなくなり、買い替えが必要になることもあります。職人もプロなので実際に故障させてしまうことはめったにありませんが、リスクがゼロではないことは知っておいてください。
気をつけたいのは、万一のときの補償です。業者が作業中にエアコンを壊してしまった場合の弁償は、業者が加入している保険で対応することになりますが、この保険は「製造からおおむね8年、または10年以内」を条件にしていることが多く、それを過ぎたエアコンは補償の対象外になることがあります。年式の古いエアコンについては、業者から「脱着はできるが、万一故障しても弁償はできない」と説明されるのが一般的です。
古いエアコンを外すかどうか迷う場合は、空調業者に現物を見てもらい、「この年式で脱着して問題ないか」「補償の対象になるか」を聞いておきましょう。補償の対象外であれば、リスクを受け入れて進めるか、無理に外さず今回はそのまま張り替えて次の買い替えのときに裏まで張り直すか、を検討することになります。
エアコンの買い替えを考えているなら、壁紙も同時に
エアコンの買い替えをそろそろと考えているなら、壁紙の張り替えをそのタイミングに合わせるのが、費用でも仕上がりでも一番無駄がありません。
エアコンを買い替えるときは、どのみち古い本体を取り外し、新しい本体を取り付けます。この「取り外してから取り付けるまでの間」に壁紙を張り替えれば、壁紙のためだけに別途脱着費用を払わずに済みます。エアコンが外れている状態で壁一面をまるごと新品にできるため、真裏に古い壁紙が残ることもありません。
段取りとしては、まず古いエアコンを取り外し、壁紙を張り替え、そのあとに新しいエアコンを設置する、という順番になります。エアコンの取り付けを担当する電器店や工事業者と、壁紙業者の作業日が前後で数日空く形になるため、両方の日程を早めに押さえておくとスムーズです。壁紙業者に空調業者の手配まで任せられるなら、この日程調整もまとめてお願いできます。
配管の面でもメリットがあります。エアコンを付けたまま壁紙を張ると、職人がどれだけ気をつけても配管や配線のそばで刃物を使うことになりますが、本体ごと外してあれば、その心配がありません。
逆に、エアコンにまだ不満がなく買い替えの予定もないのに、壁紙のためだけに新品へ交換するのは、費用が見合わないことがほとんどです。あくまで「どうせ買い替えるなら」という場合の考え方として捉えてください。
現地調査でエアコンについて確認しておく4つのこと
エアコンの扱いは、現地調査(見積もりのための下見)のときにまとめて相談しておくのが一番です。当日になって相談すると、職人の段取りがすでに決まっているため対応が難しく、工事が滞る原因になります。次の4点を確認しておけば、エアコンまわりで慌てることはなくなります。家具の移動や壁埋め込みテレビなど、エアコン以外の付帯作業の確認事項については、壁紙張り替えの家具移動は業者に頼める?費用相場と自分では動かせない家具の対処法で詳しく解説しています。
1. エアコンは外さずに張るのか、脱着するのか
まず自分の希望を伝えたうえで、外さずに施工するのか、脱着するのかを決めます。判断に迷う場合は、先ほどの分かれ目(買い替えの予定があるか、天井も張り替えるか、エアコン裏の汚れが気になるか)を担当者に伝え、どちらがよさそうか相談してみてください。
2. 脱着する場合、手配は業者側か自分か。費用はいくらで、見積もりのどこに入るか
脱着すると決めたら、その手配を壁紙業者にお願いできるのか、自分で空調業者を探す必要があるのかを確認します。業者に手配してもらえる場合は、脱着費用がいくらで、見積書のどの項目に入るのか(または総額に含まれるのか)まで聞いておきます。自分で手配する場合は、取り外しと取り付けを壁紙の工事日に合わせてどう組めばよいか、目安を教えてもらいましょう。
3. エアコンが古い場合、脱着のリスク説明を受けたか
製造から年数がたったエアコンを外す場合は、脱着で不調が出る可能性と、万一のときに補償の対象になるかどうかを、事前に説明してもらいます。壁紙業者経由で空調業者が入るなら、その業者にエアコンの製造年を伝えて確認してもらうよう頼んでおくと安心です。
4. 外さない場合、エアコンの真裏に古い壁紙が残ることを理解しているか
外さずに張ると決めた場合は、エアコン本体で隠れる範囲に古い壁紙が残ることを、施工前に自分でも了解しておきます。将来エアコンを小さいものに買い替えたときに、その古い壁紙が見える可能性があることも念頭に置いておきましょう。ここを聞いていないと、後で「裏まで張ってもらえると思っていた」という行き違いが起きがちです。
まとめ:エアコンを外すかは「買い替え時期」から考える
この記事では、壁紙を張り替えるときのエアコンの扱いについて、外さずに張る場合の仕上がり、外したほうがよいケース、外す場合の費用と手配の仕方、現地調査での確認事項まで見てきました。
ポイントを振り返ると、次のようになります。エアコンは外さなくても壁紙は張り替えられ、正面から見える範囲はきれいに仕上がります。ただしエアコン本体で隠れる範囲は古い壁紙が残るため、近いうちにエアコンを買い替える予定があるとき、天井まで張り替えてエアコンが天井ぎりぎりに付いているとき、エアコン裏の壁の汚れが気になるときは、取り外しを検討します。脱着は空調の専門業者の担当で、費用の目安は1台あたり1万5,000〜2万円程度(依頼する時期によって変わります)。壁紙業者に手配を任せるか自分で空調業者を頼むかは、安心と費用のどちらを取るかで選びます。年式の古いエアコンは、脱着時に故障しても業者の補償の対象外になることがある点も踏まえて判断してください。
多くの場合、当分そのエアコンを使い続けるなら、無理に外さず張り替えるので十分です。判断に迷ったら、現地調査のときにエアコンの状態とこれからどのくらい使う予定かを伝えて、外すべきかどうかを一緒に考えてもらってください。
外すべきか迷う場合は、現地調査のときにエアコンの状態と今後の使い方をお伝えいただければ、一緒に判断します。まずはお気軽にお電話ください。無料でお見積もり・ご相談を承ります。
電話が難しい方はメールでもご相談いただけます。 氏名:松田郁幾この記事の執筆者

実績:壁紙張り替えを中心に、これまで多くのお客様・職人と関わってきました。
この記事について:現場で見聞きした実例をもとに、誇張せず、実践的な視点で解説しています。



